昨日のつづきです。
厚生労働省はいま、AV出演強要の被害者を救済する法律を制定しようとしています。
(参考。当ブログ)
・2019年10月15日
(2019年10月11日 厚生労働省 「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 中間まとめ」より、引用。)
●2019年10月11日 厚生労働省 困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 中間まとめ
○ 更に、事業開始当初は、婦人保護事業の対象として想定されなかった、性暴力・性被害に遭った 1 0 代の女性への支援といった支援ニーズへの対応についても、長らく求められてきており、近年では、AV出演強要、JKビジネス問題への対応が必要となっている。 |
赤旗の報道をみてみます。
(2019年9月19日 しんぶん赤旗「婦人相談所強化へ新法検討 DV・AV強要など対応 共産党・倉林氏の追及で」より、引用。改行を施しています。)
●2019年9月19日 しんぶん赤旗
厚生労働省が、自治体が設置している婦人相談所の機能を強化するため、根拠法を売春防止法(売防法)から新法に改める検討を始めたことが、(2019年9月)18日までに明らかになりました。
性暴力やドメスティックバイオレンス(DV=家庭内や恋人間の暴力)、アダルトビデオ(AV)への出演強要などによる女性の被害にも、より十分な対応ができるようにすることを目指し、来年の通常国会にも法案を提出する方針です。 婦人相談所を含む婦人保護事業をめぐっては、先の通常国会の参院厚労委員会(6月18日)で日本共産党の倉林明子議員が、「社会の善良な風俗を乱す」女性の補導を目的とする売春防止法が根拠法であることを厳しく批判し、国連の女性差別撤廃委員会の勧告も同法は女性差別規定だと指弾していると指摘。 |
(再掲。しんぶん赤旗)
「婦人相談所を含む婦人保護事業をめぐっては、先の通常国会の参院厚労委員会(6月18日)で日本共産党の倉林明子議員が、『社会の善良な風俗を乱す』女性の補導を目的とする売春防止法が根拠法であることを厳しく批判」
倉林明子議員は国会でどのような質問をしたのでしょうか。
2019年6月18日 参議院 厚生労働委員会 □会議録 □動画 参議院インターネット審議中継 |
会議録を参照します。
(2019年6月18日 参議院 厚生労働委員会「会議録」より、引用。)
(前略。)
●2019年6月18日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
(前略。) DV被害者の一時保護、これ担うとともに、暴力、性暴力、性虐待、貧困、心身の疾患、障害、様々な社会的な被害を受け、居場所がなく孤立した女性、これを長期にわたり支援している、これやっぱり婦人保護施設だというふうに思うんですね。 ところが、その職員体制は余りにも脆弱でありまして、元々、売春防止法、これを根拠とする施設となっていることから、配置基準は支援員2名。 さらに、この2名、長年変わっていない2名という基準、これは支援どころか安全に見守ることさえ困難な体制ではないかと。 長年にわたって基準が見直されることがなかった最大の理由は、私、やっぱり売春防止法の存在にほかならないと思うわけです。 改めて、この売春防止法の目的、第1条読み上げて御紹介ください。 |
●2019年6月18日 浜谷浩樹 厚生労働省 子ども家庭局長
売春防止法第1条を読み上げます。
「この法律は、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする。」。 以上です。 |
●2019年6月18日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
すなわち、売春は社会の善良な風俗を乱すものとして、環境浄化、保護更生、これを目的とされているものとなっているんですね。 売春した女性処罰すると、売春のおそれのある女性は補導し保護更生すると、これが目的になっているわけですね。 つまり、困窮して風俗で働かざるを得なくなった女性、これは犯罪者でしょうかというんですね。 そこで、改めて大臣に伺いたいと思います。 |
(参考)
□2013年11月22日 内閣府 女子差別撤廃委員会の最終見解における指摘事項への各府省における対応状況
●(女子差別撤廃委員会の)最終見解の内容
<パラ39>
「委員会はさらに、『売春防止法』において売春をした者が起訴の対象となる一方で、顧客が処罰を受けないことを懸念する」
●各府省における対応状況
「日本弁護士連合会(以下、「日弁連」という。)では、以下の取組を行っているものと承知している」
「2013年6月21日付けで『刑法と売春防止法等の一部削除等を求める意見書』を取りまとめ、同年6月27日付けで内閣府特命担当大臣(男女共同参画)に、同年7月4日付けで法務大臣、厚生労働大臣、警察庁長官に提出しており、同意見書では、女子差別撤廃条約や女子差別撤廃委員会の勧告を引用するなどしている」
(参考)
□2013年6月21日 日弁連 刑法と売春防止法等の一部削除等を求める意見書
●2019年6月18日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
売春による性的搾取、そして、人身取引の被害者である女性と女児の回復及び社会復帰のための施策を講じるようにというふうに勧告されております。
これ、厚生労働大臣として改めてこの売春防止法について、そしてこの国連からの指摘、勧告に対して見解を伺っておきたいと思います。 |
●2019年6月18日 根本 匠 厚生労働大臣
ただいま御指摘いただきました国連の女子差別撤廃委員会の最終見解にあるように、売春や人身取引の被害を受けてしまわれた方々に対し支援を届ける、これは大変重要な課題だと考えています。 政府としては、売春防止法に基づく婦人保護事業において、こうした方々のほか、DVやストーカーの被害を受けた方々を含め様々な困難を抱える女性に対し支援を行ってきております。 婦人保護事業については、当初、売春をした女性や売春を行うおそれのある女性の保護更生を行うことを目的に設けられましたが、その後の支援ニーズの多様化に対応して支援対象を拡大してまいりました。 (参考。困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会) 政府としては、検討会での議論を踏まえ、また御指摘の勧告の趣旨を受け止めながら、必要な見直しに関する検討を進めていきたいと思います。 |
●2019年6月18日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
売春防止法というのが、世界的に見れば差別規定、女子差別規定じゃないですかという指摘って極めて重いと思うんですよ。 だから、政府として対応方向については分かりました。 しかし、この差別規定ということと勧告に対して大臣はどういうふうに思うてはるんですかと、それ聞いたんですけど、言っていただきましたかね。 政府の方針は聞きました。 差別規定という指摘について、大臣も女性差別規定だというふうには、聞き方変えますね。 |
●2019年6月18日 根本 匠 厚生労働大臣
私は今の委員のお話を受けてお答えをしたつもりであります。
繰り返しになりますが、婦人保護事業については、当初、売春をした女性や売春を行うおそれのある女性の保護更生を行うことを目的に設けられましたが、その後の支援ニーズの多様化に対応して支援対象を拡大してきました。 そして、この検討会での議論を踏まえて、また御指摘の勧告の趣旨を受け止めながら、必要な見直しに関する検討を進めていきたいと思います。 |
●2019年6月18日 倉林明子 参議院議員(日本共産党)
勧告から10年たっておりますので、本当に本格的な売防法については抜本的な見直し強く求めまして、終わります。 |
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政府は現在、AV出演強要の被害に遭った方々に対して、種々の相談窓口を案内しています。
(参考)
□内閣府 03 相談窓口
婦人相談所は、数ある相談先のうちのひとつです。
(再掲)
●2019年10月11日 厚生労働省 困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会 中間まとめ
○ 更に、事業開始当初は、婦人保護事業の対象として想定されなかった、性暴力・性被害に遭った 1 0 代の女性への支援といった支援ニーズへの対応についても、長らく求められてきており、近年では、AV出演強要、JKビジネス問題への対応が必要となっている。 |
厚生労働省は、さらなる拡充をめざしています。
「ほかのところでもAV強要に関する相談をうけているのだからいまのままでいいだろう」
とはならないようです。
気概が感じられます。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2015年7月11日>
性犯罪に関して数人の弁護士を訪ねたことがあるが、殆ど皆口を揃えて『立件が難しい』で終わらされる。 それ以上親身になってくれる弁護士はほとんどおらず、大半は泣き寝入りが現状。 |
●香西咲さん
<2016年6月12日>
私が前に事務所問題でトラブった事があるのは皆様ご存知かと思います。 実はその時に弁護士10人弱訪問してるんです。霞ヶ関含めて。 でも殆どの弁護士の先生に『立証しにくい』と言われ、あからさまに嫌な顔されて門前払いされました。 現実ってこんなものなんだな?って悟って腹を括った訳です。 |
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香西咲さんのときとはちがい、AV強要被害の相談をうけつける体制が整ってきました。
あとは性犯罪者を処罰する法律の制定です。
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AV出演強要新法の制定と併せて、警察のうごきも気になります。
はたしてどうなるのでしょうか。
楽しみです。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
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