過日、CCN(映像制作者ネットワーク協会)の記者のかたが、AV出演強要の現状を記事にされていました。
一部を抜粋させていただきます。
(2019年5月19日 CCN、こちら特派員☆彡「AV出演強要問題をめぐる動き ~ 院内集会」より、引用。)
●2019年5月19日 CCN特派記者Tさん
もっとも、被害や相談の内容も以前とは違ってきていて、一番数が多い出演作品の削除要請に加え、「今の仕事(AV)をやめることが出来ない」との相談が増えているとのこと。 |
ある意味で、AV(アダルトビデオ)というものの知識を持たぬまま業界に入ってきて、簡単にはやめられなくなり悩んでいる、困っている、そんなAV女優が多くなっている現実が浮き彫りになってきています。 |
彼女たちの多くはスカウトの時点で断ることが出来なく、されるがままにAVデビューしてしまったケース。 |
この傾向は若年層の女性に多く見られて、結果として、AV業界が20歳前後の若年女性の無知さと未熟な判断力に付け込みAVデビューをさせている、そんな見方も出始めています。 |
これは当人の自己責任だけでは片付けられない、プロダクションや制作メーカーをも巻き込んだ、業界全体が問われる問題であると考えられます。 |
被害者支援にあたる人権団体やNPO法人も、今のAV業界が抱える構造的な問題との認識を抱いてます。 |
CCN特派記者Tさんは、
「AV(アダルトビデオ)というものの知識を持たぬまま業界に入ってきて、簡単にはやめられなくなり悩んでいる、困っている、そんなAV女優が多くなっている」
「彼女たちの多くはスカウトの時点で断ることが出来なく、されるがままにAVデビューしてしまったケース」
とのべています。
以前、高木さんという弁護士も同旨のことをおっしゃっていました。
3年前の弁護士ドットコムニュースの記事をふりかえってみます。
(2016年6月18日 弁護士ドットコムニュース「AV出演強要『一度発売された作品の削除は困難』 弁護士が契約解除交渉を振り返る」より、引用。改行を施しています。)
●2016年6月18日 弁護士ドットコム 記者
被害に遭うきっかけはどのようなものなのですか? |
●2016年6月18日 高木啓成 弁護士
大きくいって、2パターンあります。 |
1つは、一般のモデルやタレントの芸能プロダクションを装って、スカウトされるパターンです。 |
もう1つは、キャバクラやガールズバーなど、高収入バイトを紹介するといって勧誘されるパターンです。 ある女性は、スカウトから「高収入バイトに興味ないか?」と声をかけられ、その後LINEでしつこく勧誘されたため、「キャバクラやガールズバーなら・・・」くらいに思っていたようです。 しかし、最終的にサインしたのは「専属モデル契約」。 その後、数本のAVに出演することになりました。 |
●2016年6月18日 弁護士ドットコム 記者
契約の際に監禁されたり、脅迫されるようなことはあったのでしょうか? |
●2016年6月18日 高木啓成 弁護士
私がこれまで相談を受けたケースでは、契約の際には、監禁や脅迫はなかったようです。 ただ、被害者の方たちは、性格的に断りづらかったのだろうと思います。 また、契約当時は未成年の方もいました。 |
●2016年6月18日 弁護士ドットコム 記者
契約書にはどんなことが書かれているのでしょうか? |
●2016年6月18日 高木啓成 弁護士
ある契約書を例に取ると、制作会社(メーカー)から受託して、映像メディアに出演するというアバウトな内容です。 具体的にどういう業務をするのか、明確にしていない杜撰なものです。 また、損害賠償や著作隣接権の譲渡、雇用関係は一切生じていないことを確認する条項があります。 |
●2016年6月18日 弁護士ドットコム 記者
いわゆる『出演強要』ということでしょうか? |
●2016年6月18日 高木啓成 弁護士
被害者は「出演しないのならば、損害賠償が発生する」「親に話す」「親にも請求する」などと言われて出演していますので、強要だと考えられます。
ある被害者は、初めから出演するつもりがなく、数本撮影されるうちに本当にやめようと思い至った。 |
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スカウトが女性を陥(おとしい)れる構図はいまもかわっていません。
地方自治体によってはこうしたスカウトの行為を条例で規制しています。
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八王子市も2014年に、「アダルトビデオへの出演等のスカウトと、スカウトをする目的で客を待つ行為」を禁止しました。
(※下図は、八王子市のチラシより。)
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(※下図は、八王子市のチラシより。)
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地方自治体の意欲は買います。
残念ながらこうした条例はさほど有用でありません。
警視庁のホームページをみてみます。
(2019年6月10日 警視庁「客引き・スカウトの検挙状況と主な事例」より、引用。)
●2019年6月10日 警視庁
主に若い女性に対して、「キャバクラで働きませんか。稼げますよ。」などとつきまとって勧誘する行為も問題となっています。 |
このほか、性風俗営業やアダルトビデオ出演への勧誘行為も行われており、これらの行為も条例で禁止されていますが、モデル等の勧誘とウソを言って声を掛けてくる場合もあるので、注意が必要です。 |
(再掲。警視庁)
「アダルトビデオ出演への勧誘行為」
「これらの行為も条例で禁止されていますが、モデル等の勧誘とウソを言って声を掛けてくる」
地方自治体は、一般的なスカウト行為を禁止していません。
そこで、
「モデル等の勧誘とウソを言って声を掛けてくる」
これが実態です。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月26日>
(前略。) 私はA-plus(ほしのあきさんDAIGOさん芹那さん等所属)のマネージャーからスカウトされ、青木亮の所に横流しされました。ちょうど元芸能人デビューブームがあったらしく元芸能人の友達も同じスカウトで同じ手法で万枚売上てます |
香西咲さんはその後、所属したプロダクションから8か月間にわたって洗脳されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年12月27日>
もう一度言います。 元アットハニーズA氏に洗脳されて無ければ私はAVに出ていません。 8ヶ月間洗脳され占い師まで登場し、イメージビデオとあやふやなまま富士山の麓のスタジオに連れていかれました。 勿論後悔しています。 最近ファンの方々に恵まれた事が唯一の救いです。 |
●香西咲さん
<2017年11月29日>
#MeToo
#青木亮 から出された契約書にはアダルト内容の記載は一切ありませんでした。 #アットハニーズAV強要 |
(2016年7月29日 毎日新聞「AV出演強要 香西咲さん『私はこうして洗脳された』」より、引用。)
●香西咲さん
(AVデビュー作の)発売直前に「やっぱり嫌です」と言うと、「ふざけるな。ここまでお前にどれだけ(金が)かかっているんだ」と言う。 |
(2016年08月27日 弁護士ドットコム「<AV出演強要>香西咲さん『今でもフラッシュバックに悩まされる』洗脳の過去を語る」より、引用。)
●香西咲さん
(略)、「流通する前に止めてほしい」とAにいいましたが、「ふざけるな。お前にいくらかかっていると思っているんだ」と怒鳴り散らされました。 |
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(再掲。高木啓成 弁護士)
「被害者は『出演しないのならば、損害賠償が発生する』(略)などと言われて出演していますので、強要だと考えられます」
(2018年5月15日 衆議院 消費者問題特別委員会より。)
(※参考。当ブログ)
(※音声の文字化は、筆者。)
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「刑事罰を用意する」
政府、与党は、どれくらいの法定刑を考えているのでしょうか。
下限と上限が気になります。
強姦罪(強制性交等罪)と同じく、5年以上20年以下の懲役となることを期待しています。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
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