AV強要に関する矢野恵美教授の論説(その1)。AV強要新法の制定によって業界人はとどめを刺されることでしょう。警察に連行される姿が目にうかびます

自民党は現在、AV出演強要法案の国会提出をめざしています。

(参考。当ブログ)
2019年9月4日
2019年9月5日
2019年9月6日

はたしてどのような法案となるのでしょうか。
当然、市井(しせい)の者には知る由(よし)もありません。
3年前の9月12日に、内閣府の「女性に対する暴力に関する専門調査会」が開催されました。

2016年9月12日 第83回女性に対する暴力に関する専門調査会

この席で、参考人のかたが法規制について意見をのべられております。

2016年9月12日 第83回女性に対する暴力に関する専門調査会

矢野恵美 琉球大学 大学院法務研究科 教授
「アダルトビデオへの出演強要ー刑事法・北欧法の観点からー」
資料
議事録

あらためて読み返してみました。
示唆に富んでいると感じました。
矢野教授の論説をふりかえってみます。

(2016年9月12日 第83回女性に対する暴力に関する専門調査会「議事録」より、引用。)

2016年9月12日 矢野恵美 琉球大学 大学院法務研究科 教授

(略)、本日は、あくまでもAVに自主的に出たわけではない、AV出演を強要されたという方について、刑事法で何ができるのかということを考えていきたいと思っております。

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2016年9月12日 矢野恵美 琉球大学 大学院法務研究科 教授

(略)、本日はむしろ18歳以上で、強要されてAVに出るという方をイメージして、刑法の観点から考えていきたいと思っております。

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2016年9月12日 矢野恵美 琉球大学 大学院法務研究科 教授

AVへの出演強要につきましては、日本の現行刑法でも処罰の可能性はあるとは考えております。
まず第一に、契約自体が無効になる場合がございます。
これは例えば契約の内容が公序良俗に反するなど、民事法の観点から契約自体が無効になるということです。
ヒューマンライツ・ナウで御紹介なさっていた判例などもこれに当たるかと思います。
一方で、こういった出演の契約をするようにおどす脅迫罪、人をおどすことによって義務なきことをさせる強要罪というのが考えられ得るわけです。
さらに、契約が適法に成立した場合、または契約が無効であったとしても、さらに現場で性犯罪が起こり得るという構造になっているかと思います。
ただ、ここで文を挙げておりますが、

(※矢野恵美教授の資料より)

参考(刑法)

・ 第222条 脅迫罪
 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、
前項と同様とする。

・ 第223条 強要罪
 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務
のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。

3 前2項の罪の未遂は、罰する。

脅迫罪、強要罪に関しましては
生命、身体、自由、名誉又は財産に対して害を加える
という脅迫内容でなければならないという絞りがあるために、例えば、下着姿などを誰彼構わずばらまくということであれば、名誉を害することに該当する可能性があるかもしれませんけれども(註:名誉毀損罪は「公然と」事実を摘示する必要があり、「公然と」とは多数または不特定の者を指す)、ちょっと心配しておりますのは、親御さんにばらすぞということですと、ここの要件にはもしかしたら当たらない可能性もあるだろうということがございます。

次に、契約自体は有効になっている場合でも、現場で意に反する行為をさせられる場合は、これが必ずしも強制わいせつとか強姦に当たらなくても、強要罪という可能性はあるわけでございます。
これにつきましては、先ほどの「生命、身体、自由、名誉」に当たることも多いのではないかと思います。
それでは、性犯罪はどうなっているかということですが、今日の会議の中でもご紹介がありましたように、現在、もしかしたら性犯罪規定自体は改正になるかもしれませんので、そうするとまた状況が変わってくると思います。
本日、配付されておりました資料1の38ページのところに、性犯罪規定の改正予定の部分が①から⑤まで載っておりますので、こちらの見直しによって多少変わってくるところもあるかとは思います。

(参考。法務省の資料より)

ただ、現在は強姦罪と強制わいせつ罪が一応基本になっておりますので、実際に現場で暴力が振るわれて、これが使えるかということですが、強姦罪における暴行、脅迫というのは
被害者の抵抗を著しく困難にする程度
という、割と強い要件が設けられているために、強要されて嫌々出演していても、現場で強い暴行・脅迫これに当たらないかのように見えてしまうという問題が実際にあるのではないかと思います。

ただ、判例を見ますと、脅迫と姦淫行為強姦罪は男性器の女性器への挿入だけに現在は限定されておりますので、それを姦淫と呼びますが、脅迫と姦淫の間の期間が2週間あったというケースで、実際に性行為に及んだときには被害者は同意していたという形でも、強姦罪を認めた判例もございます。

また、強制わいせつ罪に関しましては、つまり、男性器の女性器への挿入以外の行為に関しましては、暴行、脅迫はそこ(「被害者の抵抗を著しく困難にする程度」)までの強度は求められないという判例も出ておりますので、こちらは比較的使おうと思えば使えるのではないかと思っております。

また、強制わいせつのケースで、被害者からしたらわいせつな行為であっても、加害者にわいせつな意図(主観的要素)がなかったということで争われるケースもあるかと思いますが、現在、強制わいせつ罪の行為者に、それが被害者にとって性的なものであるという意識があれば、自身にわいせつな意図がなくてもよいという判例、解釈等もございますので、強制わいせつ罪のほうに関しては、現場で暴力があった場合、強姦罪よりはすっと成立しやすいのではと思っております。
この辺は既に御承知かと思います。

もう一点、これは刑法になじみのある方かどうかによってちょっと違うかと思うのですが、少し飛ばしまして、178条に準強制わいせつ及び準強姦罪というものがございます。
こちらは、人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させ、もしくは抗拒不能にさせて、男性器を女性器に挿入すれば、準強姦罪、それ以外のわいせつ行為をすれば準強制わいせつ罪になるというようになっております。

こちらを実際に使った判例としまして、被害者をだまして承諾を得た場合に、抗拒不能と判断した例もあるということで、これはモデル志望の女性を会社社長が密室に閉じ込めて、全裸にして写真撮影を行った事例を、準強制わいせつである、被害者が抗拒不能な状態に陥っていたと判断したもので、これは比較的今回のような事例に親和性があるのではないかということで、御紹介させていただいております。

要するに、モデルになるためにはそのわいせつ行為を我慢しなければならないんだと被害者が無知や未熟さから思い込んでしまうような状況に追い込まれる。
社長とモデル志望者という地位の関係の中においては、そのような強制的なことは被害者を抗拒不能に陥らせたといってよいであろうという判例でございます。

これは実は後ほど御紹介させていただきますが、スウェーデンにも似たような条文があり、それを使用してはどうかという提案もございました。

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2016年9月12日 矢野恵美 琉球大学 大学院法務研究科 教授

そのようなわけで、アダルトビデオへの出演強要につきましては、日本の現行刑法でも処罰の可能性はあると考えております。
ただ、現場にいる人間だけではなく、スカウトや会社の役員が処罰できるかというのは、また厳しいところではございますが、単純に刑法の理論だけでいえば、一定の要件を満たせば(共謀)共同正犯、教唆犯、幇助犯等の可能性もゼロではないと思っております。

ちなみに、ごく簡単に説明いたしますと共謀共同正犯というのは、例えば犯罪に当たるような内容を事前に相談したり、指示したりして、正犯としての役割を果たしているけれども、現場には行かないという人が共謀共同正犯。

教唆犯というのは字のごとくそそのかすということで、そういうことをするつもりがなかった人に、そういうことをやったらいいではないかと言うもの。幇助犯というのは犯行を容易にするような共犯の形態でございます。

このようなものもございますので、できなくはないと思うのですが、現実的にはなかなか要件を満たし切れていないということがあろうかと思います。

AV出演強要関係の行為の刑法における処罰の困難さですが、何がそんなに困難かと申しますと、基本的に密室で行われるということだと思います。

実際の現場として、加害者は複数で大人であること、被害者は1人で若い場合も多い。
もちろん若くなくても構いません。
ただ、複数対1人、しかも複数の加害者の方はさまざまに理論武装をして臨んでいる可能性があるということです。
そのため、被害者は間違った知識を植えつけられている可能性が高い。
契約があるので訴えても犯罪にはならないといったおどし等があるために、そもそも警察に認知されないという問題もあります。
さらに警察に認知されても、密室の中で本当に犯罪に当たる行為が起こったのかということの立証が困難だということが、刑法による処罰を難しくしているのだと思います。

それでは、一切処罰できないのかということなのですが、少しここからは海外の知見に入っていきたいと思います。

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現行法では限界がある、ということがわかりました。

(再掲。矢野恵美 教授)
脅迫罪、強要罪に関しましては、(略)、親御さんにばらすぞということですと、ここの要件にはもしかしたら当たらない可能性もあるだろうということがございます

強要されて嫌々出演していても、現場で強い暴行・脅迫これに当たらないかのように見えてしまうという問題が実際にあるのではないかと思います

現場にいる人間だけではなく、スカウトや会社の役員が処罰できるかというのは、また厳しいところではございます

密室の中で本当に犯罪に当たる行為が起こったのかということの立証が困難だということが、刑法による処罰を難しくしているのだと思います

AV出演強要は人身取引です。

(政府が作成した人身取引に関するポスター)

(※一部を拡大)

(再掲)

モデル募集を装ったサイトを作成し、応募者にアダルトビデオの撮影に関する契約書への署名を強要して、撮影に応じさせ、その動画を販売

政府、与党が、最終的に目指しているのは、犯罪者の逮捕と収監です。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2017年11月29日

#MeToo

#青木亮 から出された契約書にはアダルト内容の記載は一切ありませんでした。
私が自由に契約内容を変えて良いよとまで言われ信頼
2日後東京から車で富士山の麓まで連れていかれ #AV強要
後日AV契約書の存在を知らされ、サインする様に強要されました。

#アットハニーズAV強要
#性的搾取

香西咲さん
2017年11月27日

#AV強要 で多数の女性の人生を台無しにしてきた #青木亮 さん
知り合った頃の私の20代の健康と
#性的搾取 #人身売買 #枕営業 の強要、誠意を持って謝罪し、本来なら活動出来ていたであろう損害を賠償してください。

全てを失った私は丸1日さえまともに動けず、生きる事に疲れてしまいました。

香西咲さん
2018年8月22日

辛かった…
真面目に仕事してきたキャリアを全てAVで台無しにされました。
もちろん大した金額貰ってません。

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(ライトハウスのツイートより、引用。)

ライトハウス
<2019年6月20日>

(再掲)

先日13日に行われた自民党「#性暴力のない社会の実現を目指す議員連盟」にて #AV出演強要 問題対策プロジェクトチームのとかしき議員から、ビッグニュースが!AV出演強要解決に向けて、AV業界での若者の望まない撮影被害をなくすための議員立法を目指すということです!

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そう遠くない将来に制定されるであろうAV強要新法が性犯罪者たちにとどめを刺すことでしょう。
市中引き回しのうえ警察署へ連行される業界人の姿が目にうかびます。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

2018年11月14日
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)



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