今月(7月)の11日に警察庁は、AV出演強要に関してあらたな通達を発しました。
対象は全国の警察です。
□2019年7月11日 警察庁 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
昨日(2019年7月24日)、この通達が公開されました。
昨年(2018年)警察庁は、3月26日に、上述と同じ表題の通達を出しています。
両者にちがいはあるのでしょうか。
2つの通達を見比べてみます。
序文
●2018年3月26日 警察庁丁保発第45号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(※現在、ネット公開はされていません。)
(昨年)
アダルトビデオ出演強要問題については、平成29年5月19日、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議(以下「対策会議」という。)において、「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策」が取りまとめられ、政府一体となって各種対策を推進中であるが、本年3月26日、対策会議が開催され、別添のとおり、平成30年度「AV出演強要・「JKビジネス」等被害防止月間」実施予定施策一覧及び平成29年度における関係省庁の取組結果が示されたことから、同会議結果を踏まえ、各都道府県警察にあっては、下記の対策を推進されたい。
なお、本通達の実施に伴い、「アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)」(平成29年5月24日付け警察庁丁保発第63号)は廃止する。
|
↓
●2019年7月11日 警察庁丁保発第63号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(今回)
アダルトビデオ出演強要問題については、平成29年5月19日、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議において、「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策」が取りまとめられたところ、その後も毎年「AV出演強要・「JKビジネス」等被害防止月間」が実施されるなど、政府一体となって対策を推進していることを踏まえ、各都道府県警察にあっては、今後もこの問題に継続的に取り組むべく下記の対策を推進されたい。
|
|
|
——————————————————–
1 アダルトビデオ出演強要問題専門官の指定等
●2018年3月26日 警察庁丁保発第45号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(※現在、ネット公開はされていません。)
(昨年)
(1) アダルトビデオ出演強要問題専門官の指定及び報告
「アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)」(平成29年5月24日付け警察庁丁保発第63号)により報告を求めていた、アダルトビデオ出演強要問題の対策に関する統括責任者(以下「アダルトビデオ出演強要問題専門官」という。)については、継続して指定することとしたので、各都道府県警察にあっては、保安警察部門等生活安全部内の警視又は警部の階級にある者のうち、1名を指定の上、別添様式により本年4月6日(金)までに、下記保安課担当宛てP-WANメールで報告すること。
(2) アダルトビデオ出演強要問題専門官の任務
アダルトビデオ出演強要問題専門官は、管内のアダルトビデオ出演強要問題に関する情報を総合的に把握するとともに、警察庁及び都道府県警察間並びに関係機関との連絡等が円滑に行われるように、次に掲げる任務を行うものとする。
ア アダルトビデオ出演強要問題に関する各種法令を適用した取締りの推進状況の把握等
イ スカウトに対する取締りや指導・警告活動の実態の把握等
ウ 被害防止教育、広報啓発活動及び警察相談窓口の周知活動を推進するとともに、関係機関において受理した相談等について情報の提供を受けるための関係機関との連絡及び調整
エ アダルトビデオ出演強要問題に関する相談受理状況、教養実施状況及び教養上の参考となる事項の把握
オ その他アダルトビデオ出演強要問題に適切に対応するために必要な事項
|
↓
●2019年7月11日 警察庁丁保発第63号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(今回)
(1) アダルトビデオ出演強要問題専門官の指定
各都道府県警察にあっては、保安警察部門等生活安全部内の警視又は警部の階級にある者のうち、1名をアダルトビデオ出演強要問題の対策に関する統括責任者(以下「アダルトビデオ出演強要問題専門官」という。)として指定すること。
(2) アダルトビデオ出演強要問題専門官の任務
アダルトビデオ出演強要問題専門官は、次に掲げる任務を行うものとする。
なお、任務の遂行に当たっては、警察庁及び他の都道府県警察並びに関係機関との連絡等が円滑に行われるよう留意されたい。
ア アダルトビデオ出演強要問題に関する各種法令を適用した取締りの推進の統括
イ スカウトに対する検挙及び指導・警告活動の推進の統括
ウ 被害防止に関する広報・啓発活動及び警察相談窓口の周知活動の推進、関係機関において受理した相談等についての情報の集約並びに関係機関に対する情報の発信の統括
エ アダルトビデオ出演強要問題に関する相談受理状況、教養実施状況及び教養上の参考となる事項を踏まえた教養の推進の統括
オ その他アダルトビデオ出演強要問題に適切に対応するために必要な事項
|
|
|
——————————————————–
2 取締り等の推進
●2018年3月26日 警察庁丁保発第45号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(※現在、ネット公開はされていません。)
(昨年)
(1) 各種法令の適用を視野に入れた取締りの推進
アダルトビデオの契約、出演等に係る相談、被害申告、情報提供等を受理した際は、強制性交等罪、淫行勧誘罪、強要罪、傷害罪、暴行罪、脅迫罪等の違法行為が介在する際の取締りはもとより、職業安定法(昭和22年法律第141号)第63条第2号(有害業務就業目的の職業紹介等)、労働者派遣業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)第58条(有害業務就業目的の労働者派遣)、労働基準法(昭和22年法律第49号)第5条(強制労働の禁止)、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第34条第1項第6号(児童に淫行をさせる行為)その他関係法令の適用を視野に入れた取締りを推進すること。
なお、職業安定法及び労働者派遣法の適用に際しては、
ア 両法は雇用関係を前提としているため、原則として、いわゆる営業委託契約、モデル契約については対象とならない
イ 契約の名目が委託契約等であった場合であっても、実態として雇用関係が認められれば対象となり得ると解されているので、個別事案ごとに契約内容、実態等をよく確認した上で取締りの適否を検討すること。
また、これまでの相談等についての事件の掘り起こしや、各種警察活動を通じた端緒情報の入手に努めるとともに、違法行為に対する取締りを推進すること。
(2) スカウトに対する検挙及び指導・警告活動の推進
各種警察活動を通じて把握したスカウトに関する情報、スカウトに対して実施した指導・警告の結果等を踏まえ、主要な駅や繁華街等の路上等で行われるスカウト行為に対し、迷惑防止条例、軽犯罪法(昭和23年法律第39号)等の関係法令を適用した検挙及び指導・警告活動を推進すること。
|
↓
●2019年7月11日 警察庁丁保発第63号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(今回)
(1) 各種法令の適用を視野に入れた取締りの推進
アダルトビデオの契約、出演等に係る相談、被害申告、情報提供等を受理した際は、強制性交等罪、淫行勧誘罪、強要罪、傷害罪、暴行罪、脅迫罪等による取締りはもとより、職業安定法(昭和22年法律第141号)第63条第2号(有害業務就業目的の職業紹介等)、労働者派遣業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)第58条(有害業務就業目的の労働者派遣)、労働基準法(昭和22年法律第49号)第5条(強制労働の禁止)、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第34条第1項第6号(児童に淫行をさせる行為)その他関係法令の適用を視野に入れた取締りを推進すること。
なお、職業安定法及び労働者派遣法の適用に際しては、
ア 両法は雇用関係を前提としているため、原則として、いわゆる営業委託契約、モデル契約については対象とならない
イ ただし、契約の名目が委託契約等であった場合であっても、実態として雇用関係が認められれば対象となり得ると解されているので、個別事案ごとに契約内容、実態等をよく確認した上で取締りの可否を検討すること。
また、これまでの相談等についての事件の掘り起こしや、各種警察活動を通じた端緒情報の入手に努めること。
(2) スカウトに対する検挙及び指導・警告活動の推進
各種警察活動を通じて把握したスカウトに関する情報、スカウトに対して実施した指導・警告の結果等を踏まえ、主要な駅や繁華街等の路上等で行われるスカウト行為に対し、迷惑防止条例、軽犯罪法(昭和23年法律第39号)等の関係法令を適用した検挙及び指導・警告活動を推進すること。
|
|
|
——————————————————–
3 教育・啓発の推進(※昨年の通達の見出し)
3 広報・啓発活動の推進(※今回の通達の見出し)
●2018年3月26日 警察庁丁保発第45号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(※現在、ネット公開はされていません。)
(昨年)
(1) 大学・高校、企業等における被害防止教育等の推進
政府において、本年も4月を「AV出演強要・「JKビジネス」等被害防止月間」と位置付け、資料1のとおり、実施予定施策が示されたことから、4月中は、特に教育委員会や学校等の関係機関、企業等と連携し、大学、高校等におけるイベントやオリエンテーション、被害防止教室等の機会を利用した広報啓発活動等で、アダルトビデオ出演強要に関する被害防止教育を推進すること。
(2) 関係機関、関係部門等との連携による被害防止活動の推進
アダルトビデオ出演強要に関する被害防止活動に当たっては、内閣府が実施する青少年の非行・被害防止全国強調月間(毎年7月)、子供・若者育成支援強調月間(毎年11 月)、女性に対する暴力をなくす運動(毎年11月12日~同月25日)等の機会を活用するなど、関係機関等と連携して取り組むとともに、性犯罪被害防止や非行防止等の各種防犯教室、夏祭りや商店街のイベントなど各種地域活動など関係部門と連携の上、あらゆる機会を捉え、被害防止活動を推進すること。
(3) 各種広報媒体を活用した被害防止の広報啓発の推進
都道府県警察のホームページ、SNS、交番だより、防犯だより、自治体の広報誌、テレビ・ラジオ、ポスター、リーフレット等各種広報媒体を活用し、アダルトビデオ出演強要問題に対する警察の取組及び相談窓口について広報するなど被害防止のための広報啓発を推進すること。
|
↓
●2019年7月11日 警察庁丁保発第63号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(今回)
(1) 大学・高校、企業等における広報・啓発活動の推進
政府においては、当分の間、毎年4月を「AV出演強要・「JKビジネス」等被害防止月間」と位置付け、当該期間中、関係府省が相互に連携しつつ、政府一体となって必要な取組を集中的に実施することとしていることから、4月中は、特に教育委員会や学校等の関係機関、企業等と連携し、大学、高校等におけるイベントやオリエンテーション、被害防止教室等の機会を利用して、アダルトビデオ出演強要に関する被害防止に関する広報・啓発活動を推進すること。
(2) 関係機関、関係部門等との連携による被害防止活動の推進
アダルトビデオ出演強要に関する被害防止活動に当たっては、内閣府が実施する青少年の非行・被害防止全国強調月間(毎年7月)、子供・若者育成支援強調月間(毎年11月)、女性に対する暴力をなくす運動(毎年11月12日~同月25日)等の機会を活用するなど、関係機関等と連携して取り組むとともに、性犯罪被害防止や非行防止等の各種防犯教室、夏祭りや商店街のイベントなど各種地域活動など関係部門と連携の上、あらゆる機会を捉え、被害防止活動を推進すること。
(3) 各種広報媒体を活用した被害防止の広報啓発の推進
都道府県警察のホームページ、SNS、交番だより、防犯だより、自治体の広報誌、テレビ・ラジオ、ポスター、リーフレット等各種広報媒体を活用し、アダルトビデオ出演強要問題に対する警察の取組及び相談窓口について広報するなど被害防止のための広報啓発を推進すること。
|
|
|
——————————————————–
4 相談体制の充実
●2018年3月26日 警察庁丁保発第45号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(※現在、ネット公開はされていません。)
(昨年)
(1) 警察の相談窓口の周知
学校等における被害防止教育・啓発の機会や、警察のホームページを始めとした様々な媒体を活用し、警察本部、警察署、交番等の相談窓口において、アダルトビデオ出演強要問題に係る相談を24時間受け付けていること、また、プライバシーが守られることについて、積極的に周知すること。
(2) 警察相談受理担当者等に対する教養
都道府県警察本部の保安警察部門担当者は、各警察署のアダルトビデオ出演強要問題に係る警察相談受理担当者や事件相談に対応し得る担当者に対して、アダルトビデオ出演強要問題の現状、相談を受理した際や事件捜査に当たっての留意事項等について教養を行い、対応に遺漏のないようにすること。特に、人事異動後に新たに着任した担当者については、確実に教養を行うこと。
(3) 留意事項
ア アダルトビデオへの出演に関する契約等の相談を受理した際は、下記事項を踏まえた適切な助言を行った上で、法テラス、弁護士等専門機関の紹介を行うなど、適切に対応すること。
(ア) 契約について民事裁判でどのように認定・判断が下されるかは、個別事情によらざるを得ないが、一般論として、女性側がアダルトビデオへの出演を承諾していなければ、アダルトビデオに出演することを内容とする契約としては成立しておらず、また、アダルトビデオへ出演する契約として成立したとしていても、錯誤に基づくものであれば、その契約は無効である。
(イ) 詐欺や脅迫に基づくものであったり、女性が20歳未満であれば、アダルトビデオへの出演を承諾した意思表示を取り消すことができる。
(ウ) アダルトビデオに出演する契約として有効に成立していたとしても、個別事情に基づき女性側から契約の解除をすることができるなどと解釈する余地もある。
(エ) よって、
○ 当初はモデル契約等として、アダルトビデオへの出演があることを知らずに女性が契約した
○ 「アダルトビデオではないから」等とだまされて契約した、脅されて契約した
○ 当初はアダルトビデオへの出演を承諾したが、その後、出演することが嫌になった
等の訴えがあった場合には、女性が出演を拒否できる可能性は高い。
イ アダルトビデオへの出演強要被害に係る相談者等から事情聴取を行う際には、性的プライバシーに関するものを含むものであるという特徴に十分配意し、聴取の方法、時間、場所等について配意するとともに、女性警察官等の適任者に対応させる、女性警察職員を立ち会わせるなど、相談がしやすい環境整備に努めること。
|
↓
●2019年7月11日 警察庁丁保発第63号 アダルトビデオ出演強要問題に係る対策の推進について(通達)
(今回)
(1) 警察の相談窓口の周知
学校等における被害防止に関する広報・啓発活動の機会や、警察のホームページを始めとした様々な媒体を活用し、警察本部、警察署、交番等の相談窓口において、アダルトビデオ出演強要問題に係る相談を24時間受け付けていること、また、プライバシーが守られることについて、積極的に周知すること。
(2) 警察相談受理担当者等に対する教養
都道府県警察本部の保安警察部門担当者は、各警察署のアダルトビデオ出演強要問題に係る警察相談受理担当者や事件相談に対応し得る担当者に対して、アダルトビデオ出演強要問題の現状、相談を受理した際や事件捜査に当たっての留意事項等について教養を行い、対応に遺漏のないようにすること。特に、人事異動後に新たに着任した担当者については、確実に教養を行うこと。
(3) 留意事項
ア アダルトビデオへの出演契約等に関する相談を受理した際は、下記事項を踏まえた適切な助言を行った上で、法テラス、弁護士等専門機関の紹介を行うなど、適切に対応すること。
(ア) 契約について民事裁判でどのように認定・判断が下されるかは、個別事情によらざるを得ないが、一般論として、相談者がアダルトビデオへの出演を承諾していなければ、アダルトビデオに出演することを内容とする契約としては成立していない。また、契約が錯誤に基づくもの(例:当初はモデル契約等として、アダルトビデオへの出演があることを知らずに契約した)であれば、その契約は無効である。
(イ) 詐欺や脅迫に基づくもの(例:「アダルトビデオではないから」等とだまされて契約した、脅されて契約した)であったり、相談者が未婚で20歳未満であれば、アダルトビデオへの出演を承諾した意思表示を取り消すことができる(ただし、民法(明治29年法律第89号)第6条第1項の例外があることに留意する必要がある。)。
(ウ) アダルトビデオに出演する契約として有効に成立していたとしても、個別事情に基づき相談者側から契約の解除をすることができる余地もある。
イ アダルトビデオへの出演強要被害に係る相談者等から事情聴取を行う際には、相談者等の立場や主張を十分に酌み取るとともに、契約書があることを理由に相談に十分に応じないなどの不適切な対応は避けること。
また、相談の内容が性的プライバシーに関するものを含むものであるという特徴に十分配意し、聴取の方法、時間、場所等について配意するとともに、相談者の希望を踏まえた性別の警察官等に対応させるなど、相談がしやすい環境整備に努めること。
|
|
|
——————————————————–
これまで、アダルトビデオ出演強要問題専門官の職務は、実態等の「把握」でした。
今回からは、「統括」となります。
ほかには以下の点がおおきく変わっています。
(再掲。昨年の通達)
(ウ) アダルトビデオに出演する契約として有効に成立していたとしても、個別事情に基づき女性側から契約の解除をすることができるなどと解釈する余地もある。
(エ) よって、
○ 当初はモデル契約等として、アダルトビデオへの出演があることを知らずに女性が契約した
○ 「アダルトビデオではないから」等とだまされて契約した、脅されて契約した
○ 当初はアダルトビデオへの出演を承諾したが、その後、出演することが嫌になった
等の訴えがあった場合には、女性が出演を拒否できる可能性は高い。
|
(再掲。今回の通達)
(ア) 契約について民事裁判でどのように認定・判断が下されるかは、個別事情によらざるを得ないが、一般論として、相談者がアダルトビデオへの出演を承諾していなければ、アダルトビデオに出演することを内容とする契約としては成立していない。また、契約が錯誤に基づくもの(例:当初はモデル契約等として、アダルトビデオへの出演があることを知らずに契約した)であれば、その契約は無効である。
|
「当初はモデル契約等として、アダルトビデオへの出演があることを知らずに女性が契約した」
このことについて、警察庁は昨年、
「訴えがあった場合には、女性が出演を拒否できる可能性は高い」
と言っています。
今回は、
「その契約は無効である」
です。
(2017年12月16日 読売新聞「AV出演「強要」 巧妙に 男に猶予判決 規制求める声も」より、引用。改行を施しています。)
(※ この記事はネット配信されていません。)
●2017年12月16日 読売新聞
(前略。)
男は、逮捕した大阪府警の調べに
「正直にAV女優募集と言っても誰も来ない。少々のだましの技術は必要」
と供述したという。
(後略。)
|
アダルトビデオ業界は今後、騙しの手口を使うことができません。
どうするのでしょうか。
(再掲。今年の通達)
「契約が錯誤に基づくもの(例:当初はモデル契約等として、アダルトビデオへの出演があることを知らずに契約した)であれば、その契約は無効である」
ちなみに香西咲さんの場合は、犯罪者たちによって拉致され、監禁されました。
「錯誤」とは無縁です。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月24日>
私へは芸能人事務所の契約者のまま連れてかれた現場がAVだったり、性接待させられたり、AV強要以上にされられています。
(後略。)
|
(2016年9月18日 AbemaTIMES「【AV出演強要問題】元カリスマ女優・川奈まり子氏が業界健全化のために奮闘」より、引用。改行を施しています。)
●香西咲さん
香西は、当初はモデルとしてスカウトされたはずだったのに蓋を開けたらAV出演ということになっていた。
(略)、AV撮影のために富士山の麓に連れていかれて、3時間泣いたこともあるという。
その時、自分をスタッフ全員が待っている状況にあった。
これには
「遠いところですから……。よっぽど強い子でないと(撮影を中止させるのは)無理だと思いますし。私さえ泣いておけば丸く収まると思った。結局AV撮影に応じることになりました。あとは、違約金などを理由に辞められないです。結局、弁護士を雇って辞められましたが、人生の大事な時期5年間を失敗したなと思う」
と語った。
|
●香西咲さん
<2016年10月14日>
(前略。)
私の場合は、事務所との契約書は自分の都合の良いように作り直しました。
勿論エロなんて言葉は無し、一般的な芸能契約書です
そして撮影後にメーカー、事務所、私の3社間で契約書が存在する事を知らされたのです。
日付も撮影前に遡って記載されてありました。
|
●香西咲さん
<2017年11月29日>
MeToo
#青木亮 から出された契約書にはアダルト内容の記載は一切ありませんでした。私が自由に契約内容を変えて良いよとまで言われ信頼
2日後東京から車で富士山の麓まで連れていかれ #AV強要 後日AV契約書の存在を知らされ、サインする様に強要されました。
#アットハニーズAV強要 #性的搾取
|
——————————————————–
はなしを警察庁の通達の件にもどします。
(再掲。警察庁)
昨年
(ウ) アダルトビデオに出演する契約として有効に成立していたとしても、個別事情に基づき女性側から契約の解除をすることができるなどと解釈する余地もある。
(エ) よって、
○ 当初はモデル契約等として、アダルトビデオへの出演があることを知らずに女性が契約した
○ 「アダルトビデオではないから」等とだまされて契約した、脅されて契約した
○ 当初はアダルトビデオへの出演を承諾したが、その後、出演することが嫌になった
等の訴えがあった場合には、女性が出演を拒否できる可能性は高い。
|
↓
(再掲。警察庁)
今回
(ア) 契約について民事裁判でどのように認定・判断が下されるかは、個別事情によらざるを得ないが、一般論として、相談者がアダルトビデオへの出演を承諾していなければ、アダルトビデオに出演することを内容とする契約としては成立していない。また、契約が錯誤に基づくもの(例:当初はモデル契約等として、アダルトビデオへの出演があることを知らずに契約した)であれば、その契約は無効である。
|
——————————————————–
警察庁の見解が変わりました。
これだけではありません。
警察庁は今回あらたに、
「アダルトビデオへの出演強要被害に係る相談者等から事情聴取を行う際には、相談者等の立場や主張を十分に酌み取るとともに、契約書があることを理由に相談に十分に応じないなどの不適切な対応は避けること」
という文言も追加しました。
オリンピックに向けて何かがはじまりそうな予感がします。
——————————————————–
■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ
一歩進展ですね、もっと早くして欲しかった気もしますね。
この調子で、私も悪徳弁護士の懲戒請求を頑張りたいです。