昨日のつづきです。
本日も性犯罪に関する山下貴司法務大臣の国会答弁をみてみます。
(参考。当ブログ)
・2019年5月3日(その1)
・2019年5月4日(その2)
・2019年5月5日(その3)
2019年3月26日 衆議院 法務委員会
質疑者は井出庸生議員です。
(2019年3月26日 インターネット審議中継「衆議院 法務委員会」より。)
(※音声の文字化は、筆者。)
●2019年3月26日 井出庸生 衆議院議員(無所属)
(前略。) それから、時間がないので、性犯罪の問題、ですね。 これもわたし、あのー、質問のたびに1問はする、という決意をもって今国会に臨んでおりますので、訊(き)いていくんですが。 えー、時間の関係でですね、前回の、えー、大臣の答弁で、まあ、性犯罪被害、これをすくなくするべきという点においては、まあ、大臣も、わたしと同じ思いである、と。
あの、もうこれは、釈迦に説法、だと思いますが、性犯罪というのは、被害届の件数を減らせばいい、というものでは、あの、ないと思います。 まあ、これは、3年ごとに調査をしていて、この7.7、7.8というのは、ほぼ一定をしている、と。 |
で、これはですね、あのー、まあ、日本人が、えー、2015年の10月の国勢調査で1億2,700万人。 |
まあ、そのうち、女性が6,350万人。 |
で、この調査は、成人対象ですので、未成年の1,200万人を引いて、5,150万人の成人女性。 |
これ(5,150万人)に7.8%を当てはめると41万7,000人。 |
で、調査対象はですね、えー、60歳以上が4割、この調査は、いるんですね。 |
まあ、ですから、この41万7,000を、まあ、60で割りますと、まあ、おおよそ年間にですね、6万6,950という数字が出てくるんですが。 |
これは1年間に6万人から7万人の女性がですね、 「異性から無理やり性交されたことがある」 と感じざるを得ない体験をされているのではないか、と。 |
この7.7、7.8というのは、繰り返しになりますが、まあ、あのー、3年ごとに調査をしても同じような数字が出ている、と。
あのー、この現実についてもですね、やはり、あのー、重く受けとめていただきたい、と思いますが、えー、この数字についての見解をうかがっておきたいと思います。 |
●2019年3月26日 山下貴司 法務大臣
えー、まあー、ちょっと、計算上の数字についてですね、あのー、ちょっと、若干、法務大臣として、えー、コメントは差し控えさせていただきたいのですが。
ただ、えー、まあ、あのー、先般も申し上げたとおり、 まあ、あの、このー、まあ、先般成立した――平成29年に成立した――刑法の一部を改正する法律の附帯決議においてもですね、えー、性犯罪被害が潜在化しやすいものであることが指摘されておりますし。 |
(参考。衆議院)
●刑法の一部を改正する法律案に対する附帯決議)
「四 性犯罪被害が潜在化しやすいことを踏まえ、第三次犯罪被害者等基本計画等に従い、性犯罪等被害に関する調査を実施し、性犯罪等被害の実態把握に努めること」
(参考。参議院)
●刑法の一部を改正する法律案に対する附帯決議)
「六 性犯罪が重大かつ深刻な被害を生じさせる上、性犯罪被害者がその被害の性質上支援を求めることが困難であり、その被害が潜在化しやすいという性犯罪被害の特性を踏まえ、第三次犯罪被害者等基本計画等に従い、性犯罪等被害に関する調査を実施し、性犯罪等被害の実態把握に努めるとともに、被害者の負担の軽減や被害の潜在化の防止等のため、ワンストップ支援センターの整備を推進すること。」
●2019年3月26日 山下貴司 法務大臣
また、あー、当省の法務省総合研究所において計4回実施した犯罪被害実態。 これ、いわゆる、暗数調査でございますが、性的な被害には暗数が相当数あることがうかがわれているところでございます。 えー、まー、今後もですね、あのー、いま、性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループにおいて、まあ、性犯罪被害者からのヒアリング等を実施して、えー、まー、法総研(法務省総合研究所)においても、捜査機関への申告の有無等も含め、第5回の犯罪被害実態調査――これは暗数調査――をいまおこなっているところで、まあ、そういったところでまあ、しっかりと把握さしていただいて、適切な対応を考えていきたい、と考えております。 |
●2019年3月26日 井出庸生 衆議院議員(無所属)
まあ、あの、いじめ、体罰それから児童虐待。 まあ、そういったものがいけない、と。 そういうことがわかるにつれて、まあ、相談件数がふえてきている、と。 あのー、わたしは、あのー、相談件数がふえる、あのー、そういう事例がふえるということは、あのー、じゃ、警察は何やっているんだ、と。 まあ、そういうはなしじゃなくて、まあ、暗数が出てきているという一面、もあろうかと。 で、性犯罪というのはかならず、わたしも、こうしたが類(たぐい)で、性犯罪とは何がいけないんだ、と。 |
●2019年3月26日 山下貴司 法務大臣
あのー、委員のご指摘も踏まえて、しっかりとその、被害を、声をあげられなかった方々の声を、できるだけ拾い上げていく。 そういった努力をしてまいりたい、と考えております。 |
●2019年3月26日 井出庸生 衆議院議員(無所属)
じゃ、あの、指摘をふまえていただいた答弁をもとに、また次回やりたいと思います。 ありがとうございました。 |
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(再掲。山下貴司 大臣)
「法総研(法務省総合研究所)においても、捜査機関への申告の有無等も含め、第5回の犯罪被害実態調査――これは暗数調査――をいまおこなっているところで、まあ、そういったところでまあ、しっかりと把握さしていただいて、適切な対応を考えていきたい、と考えております」
ちなみに、AV出演強要については、すでに調査をおえています。
政府は1回だけでなく、一昨年と昨年、2年つづけて実態を調べています。
□2017年2月 内閣府 「若年層を対象とした性暴力被害等の実態把握のためのインターネット調査」報告書 |
□2018年3月 内閣府 「平成29年度若年層を対象とした性暴力被害等の実態把握のためのインターネット調査」報告書 |
ふりかえってみます。
2017年(一昨年)
□2017年2月 内閣府 「若年層を対象とした性暴力被害等の実態把握のためのインターネット調査」報告書 |
(2017年2月8日 日本経済新聞「アイドル契約の女性『性的撮影要求』被害27% 内閣府調査」より、引用。改行を施しています。)
●2017年2月8日 日本経済新聞
「モデルやアイドルにならないか」と勧誘を受けるなどして契約を結んだ10~30代の女性197人中、4分の1に当たる53人(27%)が契約外の性的な行為の撮影を求められる経験をしていたことが(2017年2月)8日、内閣府の調査で分かった。 うち17人は求められた行為をしたと回答した。 多くの若い女性が、アダルトビデオ(AV)への出演強要など性暴力の危険にさらされる可能性があり、政府は調査結果を踏まえ予防・啓発活動を強化する方針だ。 内閣府が若い女性を対象にこうした実態調査を行うのは初めて。 |
2018年(昨年)
(2018年3月24日 産経新聞「モデル・アイドル志望の9人に1人性的撮影を強要 既婚者の4人に1人がDV被害 内閣府調査」より、引用。改行を施しています。)
●2018年3月24日 産経新聞
モデルやアイドルにならないかと勧誘されたり、自分から応募したりした女性のうち、同意していないにもかかわらず、性的な行為の動画撮影などを求められた経験のある人が約9人に1人に上ることが、内閣府が公表した調査で明らかになった。 内閣府は 「相談体制の充実・強化を図る必要がある」 としている。 (中略。) このうち、性的な行為や露出の多い衣装などでの写真や動画の撮影を強要された人は11.3%の277人で、うち46.6%は実際に行為に応じたと答えた。 (後略。) |
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(再掲。山下貴司 大臣)
「暗数も含めて、えー、性犯罪被害の実態を把握することにより、性犯罪被害で苦しむ方が少なくなるよう努めてまいりたい」
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月6日>
ありがとうございます。 そうであれば私の努力も報われます。 2度と同じ様な被害者が出ませんように。 |
●香西咲さん
<2016年10月14日>
もうでも過去の事は変えられないですからね。 次世代の子達の被害が減るなら報われます。 |
●香西咲さん
<2017年2月5日>
罪の無い方が謝ることないですよ もう過ぎたことですしね。 少しでも悪徳プロダクションと被害者が減るのであれば私も報われます。 |
●香西咲さん
<2018年4月30日 >
大変な時期に私にまでお心遣いありがとうございます プロフィールに何かを感じて頂けたなんて…涙。私の活動も報われます。同じ様な被害者を減らしたくて紆余曲折しながら活動しています。 Saraさんのツイート拝見して、私も大人になるに連れて忘れていた感覚を沢山思い出しました。頑張って下さい |
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政府はかねてより、被害の回復をおこなう、と明言しています。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)
●内閣府、関係府省
被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 (内閣府、関係府省)〔平成 29 年4月~〕 |
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オリンピックまでにどのような法律ができるのでしょうか。
楽しみです。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
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