今年の1月23日に井出庸生議員が国会で質疑をおこないました。
性犯罪に関するやりとりをふりかえってみます。
2019年1月23日 衆議院 法務委員会
(2019年1月23日 インターネット審議中継「衆議院 法務委員会」より。)
(※音声の文字化は、筆者。)
●2019年1月23日 井出庸生 衆議院議員(無所属)
(前略。) 次に、あの、性犯罪のことをちょっとうかがいたいと思います。 えー、一昨年(2017年)になりますが、法改正がありまして、刑法改正。 それでまあ、たくさんあるんです。 あのー、 まあ、いろんな、えー、被害当事者から要望が出ているんですが、まあ、ひとつ、暴行、脅迫要件に関してうかがいたいんですが、刑事局長その、性犯罪はまあ、いったい何を守るためにあるのか、と。 |
●2019年1月23日 小山太士 法務省 刑事局長
えー、お答え申し上げます。
えー、性的自由、および性的自己決定権、ということばを使っておりますけれども、これはまあ、法令上の用語ではございませんが、一般的に申しますと、 |
●2019年1月23日 井出庸生 衆議院議員(無所属)
あの、「性的自己決定権」の中に「の」が2回ぐらい入っただけで、まったくその、わかりやすさが、あの、ないんですが。
もうひとつ聞きましょう。 あのー、わたしが、えー、前国会――197国会――で質問主意書を出したときに、その、 |
●2019年1月23日 小山太士 法務省 刑事局長
えー、お答え申し上げます。
まあ、あのー、一概に、えー、この承諾の問題をお答えするのは難しいところもございますが、一般に、被害者の真意にもとづく承諾があればこの刑法第177条前段(13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する)の罪が成立しない、と解されておりまして、その承諾につきましては、 |
●2019年1月23日 井出庸生 衆議院議員(無所属)
ええと、まあ、 「自由な意思決定による真意のもの」 と。 まあ、「自由」ということばが、まあ、あらたに出てきたので、また、えー、これを研究してですね、あのー、議論をしたいと思うんですが。 あの、大臣にちょっとうかがいますが、今日あの、資料をもってきたんですが、えー、イギリスは、2003年の性犯罪法の1条で、まあ、 で、その、暴行、脅迫がなければいっさいだめなんだ、というようなことではないと。 ですからまあ、ぜひ、この、その性犯罪の保護法益を、まあ、わかりやすく。 まあ、そういう議論をあの、深めていただきたいですし、あのー、わたしはこの、性犯罪の法改正というものはですね、性犯罪のその、常識をね、認識をあらたにすることだ、と思うんです。 まあ、飲酒運転とかあおり運転は、まあ、悲惨な事故があって、いまはもう、とんでもない、と。 で、その性犯罪も、その、暴行、脅迫がちょっと曖昧だからまあいいか、と。 それではあの、到底ね、納得のできない、説明のつかない、あの、被害者のかたがすでにたくさんいらっしゃって。 ですから、性犯罪については、その何か悲惨な事件があって、それを機にその法律を改正しよう、というのではなくて、ぜひこれからの法改正の議論のなかで、その性犯罪というものは、その自由な真意の同意にね、もとづかないものが犯罪なんだ、と。 |
●2019年1月23日 山下貴司 法務大臣
えー、お答えいたします。
あのー、まず、まあ、刑法で強制性交等罪が成立するために暴行、脅迫が要件とされている点について、まあ、これは、あのー、 で、まあ、こういった暴行、脅迫の要件を一般的に撤廃することについては、まあ、さまざまなことが指摘されていたことは事実でございます。 えー、たとえば、 まあ、そうしたことも踏まえて、えー、まあ、このご指摘の要件を撤廃することとはしなかったところではございますが、附則においてですね、えー、広く性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策のあり方に関する検討が求められております。 えー、まあ、現時点では、検討の対象としてどのような施策を取り上げるのかについて確たることは申し上げられませんが、まあ、あの、委員ご指摘の点もふくめて、適切な検討をおこなうことができるよう、性犯罪被害の実情の把握、これをしっかりと努めてまいりたいというふうに考えております。 |
●2019年1月23日 井出庸生 衆議院議員(無所属)
またあの、熱い思いをぶつけてまいりたい、と。 答弁を動かしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 終わります。 |
山下貴司大臣の答弁はいまひとつです。
答弁書をそのまま読んだような感もあります。
山下大臣は性犯罪に対してあまり関心がない。
被害者に対して冷淡である。
そのように感じたかたもいることでしょう。
そうではありません。
3月8日の受け答えをみてみます。
質(ただ)したのは源馬謙太郎議員です。
2019年3月8日 衆議院 法務委員会
(2019年3月8日 インターネット審議中継「衆議院 法務委員会」より。)
(※音声の文字化は、筆者。)
●2019年3月8日 源馬謙太郎 衆議院議員(国民民主党)
ありがとうございます。 はい、じゃ、つぎ、障害児者への性暴力被害、についてとりあげたいと思います。 まず最初にですね、山下大臣は、あのー、再犯防止推進法――まあ先ほどあったもの――ですとか、改正ストーカー規制法ですとか、リベンジポルノ防止法なんかにも、えー、積極的にたずさわってこられまして、えー、犯罪被害者、特に性暴力被害者に対する施策に熱心にとりくんでこられた、というふうに承知をしております。 そこで、まず、大臣が考える、この性暴力被害の現状における、まあ、課題とですね、取り組むべき、えー、施策について、えー、所見をおうかがいしたいと思います。 |
●2019年3月8日 山下貴司 法務大臣
えー、お答えいたします。
あのー、性犯罪被害につきましてはですね、あのー、まあ、あー、やはりあの、本当に、魂の殺人、とも言われている深刻な被害を被害者にあたえるものであるいっぽうで、えー、これまで、あのー、まあホント、被害者の目からみればですね、あのー、加害者が軽く考えているんじゃないのか、というふうな指摘もあったところでございます。 で、まあ、あの、いわゆる「#MeToo」運動などもございました。 まあ、あのー、そういったやはり、社会的にですね、性犯罪被害に対してまあ、非常に厳しい目が向けられ、また、その性犯罪被害をですね、勇気を持ってですね、えー、まあ、あのー、カミングアウトされる――あのー、公表される――かたも、まあ、勇気を持って、本当にあのー、敬意を表するしだいでございますが、実態があきらかになりつつある、と思っております。 で、まあ、こうしたその、性犯罪被害についてはですね、やはり、あのー、まあー、さまざまな人間関係のなかで起こりうる犯罪でもございます。 で、そうしたなかにおいてですね、平成29年に成立した刑法の一部改正法律の附則において、 えー、まずは、そうしたことを重ねながらですね、実態を把握して、えー、適切な対応をとってまいりたい、と思っております。 |
(再掲。源馬謙太郎 議員)
「山下大臣は、あのー、再犯防止推進法――まあ先ほどあったもの――ですとか、改正ストーカー規制法ですとか、リベンジポルノ防止法なんかにも、えー、積極的にたずさわってこられまして、えー、犯罪被害者、特に性暴力被害者に対する施策に熱心にとりくんでこられた、というふうに承知をしております」
衆目の一致する所です。
(伊藤和子HRN事務局長のツイートより、引用。)
●伊藤和子 HRN事務局長
<2018年10月2日>
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(再掲。山下貴司 法務大臣)
「その性犯罪被害をですね、勇気を持ってですね、えー、まあ、あのー、カミングアウトされる――あのー、公表される――かたも、まあ、勇気を持って、本当にあのー、敬意を表するしだいでございますが、実態があきらかになりつつある、と思っております」
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年6月23日>
皆に、今の私の立ち位置は危ないと言われました。 チンピラは何を仕出かすか分からないと。 東京湾に沈められるかも知れないし行方不明になるかも知れない。 色んな人から言われる。 そんなに脅されたらぶっちゃけ、 本当に不安で不安で眠るのも恐ろしい。 |
●香西咲さん
<2017年12月5日>
私は然るべき所に然るべき刑罰が下されればそれ以上何も言うつもりはありません。 会社名や所在をコロコロ変えメーカーを盾にして逃げ回っている #青木亮 盾にされたAV業界はどう思っているのかは興味深いけど、それでも知らぬ振りをして取引続けると言うことは、変わる気はないのですね。 #AV強要 |
●香西咲さん
<2017年12月13日>
やっと逃げ回ってた #青木亮 出てきたと思ったら、また契約書を盾に酷い事を言われている。 この後に及んでまた契約書問題。 しかもサインしたのは私じゃない。 本当に消えたい。 どこまで苦しめれば気が済むの? |
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(再掲。山下貴司 法務大臣)
「実態を把握して、えー、適切な対応をとってまいりたい、と思っております」
香西咲さんたちの勇気によって、AV出演強要の実態があきらかになりました。
早晩、アダルトビデオ業界がどのようになるのかは、だれにもわかります。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
<2018年11月14日>
コレです!私が #キュンクリエイト ( #アットハニーズ )辞めた時に独立してまで続けた理由。あの頃は弁護士も世間も #AV強要 に無関心で誰も助けてくれなかった。だから我慢してAV業界に残って力をつけて…#AV強要 が認知されるのを待ってた。反撃に出るタイミングを見計らっていました。
(明日のブログへつづく)
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