昨日のブログで、2月28日に放送された「荻上チキ・Session-22」についてふれました。
番組のなかで荻上チキさんが、出演強要問題に言及しています。
一部を引用します。
(※音声の文字化は、筆者。)
●荻上チキさん
「人身取引というのは、世界的にもとても注目をされていて、それこそ奴隷売買のような古典的なものというものも現在も存続しているし、それは、技術を変えて新しい仕方で更新されつづけている、ということがあるわけですよね」
「そうした人身取引は、日本にあるのか、ないのか。まあ、あるんですね」
「アダルトビデオの出演強要などは、別の仕事だと思ったらアダルトビデオへの出演を強要された。あるいは、何か書類にサインをしたんだけれども、書類のサインというものがアダルトビデオにも同意していることになるんだ、というかたちで強要されたり脅かされたりね」
「こうした人身取引、しっかりと、業者側を摘発していくということ。あるいは、市場というものをなくしていく、ということも重要になってくるわけです」
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有益な言辞である、と感じました。
残念ながら誤って語っている箇所があります。
上掲の部分ではありませんが。
番組のスタッフが勘違いをして原稿を書いたのかもしれません。
荻上チキさんが原稿を読み間違えたということも考えられます。
いずれにせよ、多くのひとが知っていることばですので、ちょっと残念でした。
□2019年2月28日 TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」
(08:11~)
(※ラジコで聴く場合は、44:15~)
●荻上チキ キャスター
まあ、なので、こうした件数、非常に摘発件数そのものはすくないわけですけれども、しかしながら性犯罪などに関しては、オバマ政権のころにもですね、 「1 is 2 much」 っていうようなフレーズがかかげられたんですよ。 |
●荻上チキ キャスター
「1 is 2 much」
で、要は、 |
●荻上チキ キャスター
「『1件でもあったらそれはたいへんなんだ』というような趣旨で対応していくことが必要なんだ」 というなことですね。 |
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(再掲)
「1 is 2 much」
「1件でも多すぎる」
muchは不可算名詞に対してもちいられます。
不可算名詞とは、数えられない名詞のことです。
たとえば、空や幸福などがそうです。
数えることができません。
「(性犯罪は)1件でも多すぎる」
性犯罪は、可算名詞です。
1件、2件というふうに数えることができます。
可算名詞の場合は、muchではなく、manyをつかいます。
オバマが大統領であったときに、性犯罪の撲滅をうったえる動画がつくられました。
このなかで、出演者のひとり(※以下のかた)が、
「1 is 2 many」
と発しています。
(※0:53のあたり)
(参考)
□1 is 2 many(※英文)
当該動画をくわしく紹介している記事があります。
参照します。
(2014年5月16日 アクトゼロ アメリカ政府による「女性への性的暴力撲滅」を訴えるバイラル動画『1 is 2 Many』より、引用。改行を施しています。)
●2014年5月16日 アクトゼロ 黒沼さん
(2014年)4月末、ホワイトハウスはYouTube上で一本のバイラル動画を配信しました。
「1 is 2 Many PSA」と名付けられたその動画は、公開から1週間で120万再生を呼び、Facebook上では58,000回を超えるシェア(2014年5月8日時点)が行われています。 PSAは、Public Service Announcementの意味で日本で言う「公共広告」的な意味合いです。 |
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●2014年5月16日 アクトゼロ 黒沼さん
映画俳優ベネチオ・デル・トロの、 「俺たちは問題を抱えている。君の協力が必要だ」 という語りからスタートし、動画には次々と大物男性スターが現れます。 |
●2014年5月16日 アクトゼロ 黒沼さん
そしてオバマ大統領が登場します。 「性的暴力に終止符を打つ私たち全員の責任なのです。それはあなたからスタートします」 |
●2014年5月16日 アクトゼロ 黒沼さん
「1 is too many = たった一度だけ起きたとしても、『もうたくさん』な出来事なのだから」 |
性犯罪の被害者である山本潤さんも、「1 is 2 many」について語っています。
(2017年3月1日 アエラドット「性暴力被害者が明かす 性的虐待の後に待っている想像を絶する苦しみと絶望」より、引用。改行を施しています。)
●2017年3月1日 アエラドット 山本潤さん
「1 is too many ――一人でもいれば(一度でもあれば)それは多すぎるのだから」 「一人でもいればそれは多すぎる」 この言葉は私の胸を深く打った。 「性暴力が起こるのは仕方がないことだ」 「別に減るものじゃない」 「あれこれ言い立てる人のほうがおかしい」 「我慢できない被害者のほうが悪い」 日本社会で暮らす私はそんな声をよく聞いてきた。 でも、決してそうではない。 性暴力は許されないことであり、終止符を打たなければいけないことであり、この現状は変えなければならない。 私は、そう思っている。 |
「1 is 2 many」
は、日本にも影響をあたえました。
自民党は2017年の12月に、「1 is 2 many」を冠した議員連盟を結成しました。
「12議連」です。
一般社団法人Springのブログをみてみます。
(2017年12月6日 一般社団法人Spring「自民党:1 is 2 many! 国会議員による「1 2 議連」発足。」より、引用。)
●2017年12月6日 一般社団法人Spring
ビリーブのメンバーが1年前に初めてしたロビイング。 なんとその1年後の今は、議連設立まできたのです。 「性暴力被害はたとえ一件でもあれば多すぎる」との思いから、 1 is 2 many =12(ワン・ツー)議連といいます♪ (オバマ元大統領や男性スターらが動画でメッセージを公開し話題になりましたねね) |
(2018年3月5日 一般社団法人Spring「自民党:12(ワン・ツー)議連、本格始動!!」より、引用。)
●2018年3月5日 一般社団法人Spring
先日は、昨年12月に発足した 12議連に関するミーティングに参加してきました! (略。) 1 is 2 many! 自民党・国会議員による「12議連」発足。 スタートのご挨拶は、Springの「国会のお父さん」こと 赤沢亮正会長より。 お隣は、松本洋平事務局長です。 |
市民団体からは、Springの他に以下の団体の皆様とご一緒し、 限られた時間を有意義に過ごせるよう、 意見交換をさせていただきました。 PAPS(ぱっぷす)(NPO法人「ポルノ被害と性暴力を考える会」) |
12議連は2018年6月4日に、決議文を採択しました。
□2018年6月4日 性暴力のない社会の実現を目指す議員連盟 ~1 is 2 many!(ワンツー)議連~ 決議
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(再掲)
「議員の仕事は法律を作ることだから、オリンピックまでには世界に恥じない日本の社会環境にしたい」
昨年の12月5日ことでした。
自民党の12議連は、AV出演強要問題に関するPT(プロジェクトチーム)を設立しました。
(参考。当ブログ)
・2018年12月5日
・2018年12月10日
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(2018年12月6日 一般社団法人Spring「12議連第4回総会、無事終了!~立ち上げ総会から1年を迎えて~」より、引用。)
●2018年12月6日 一般社団法人Spring
12議連のこの1年間の活動成果としては、下記のような内容が挙げれます。
・決議文とりまとめ 2018/6/4 |
12議連には、あらたに、上川陽子前法務大臣が参じました。
●2018年12月6日 一般社団法人Spring
前回の刑法性犯罪改正時にご尽力された、上川陽子議員と宮崎政久議員が新たに加わり、パワーアップ! |
上川陽子前法務大臣は出演強要問題について、国会で以下のように答弁されたかたです。
(2018年6月12日 参議院 法務委員会より。)
(※参考。当ブログ)
●2018年6月12日 上川陽子 法務大臣
(出演強要は)犯罪である、というふうにも思っているところでもございます。 |
●2018年6月12日 上川陽子 法務大臣
このことにつきまして、法的対策もふくめてしっかりと検討し、そして実現してまいりたいというふうに思っております。 |
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(再掲。一般社団法人Spring)
「AV出演強要問題対策PT(座長:とかしきなおみ議員)が立ち上がった」
香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年12月10日>
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「1 is 2 many」
(被害者は1人でも多すぎる)
解決まであともうすこしです。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
<2018年3月19日>
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。
(明日のブログへつづく)
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