セクハラに関する角田由紀子弁護士の記者会見(その3)。出演強要被害については賠償額が高額になるであろうと思惟します。2020年に香西咲さんたち被害者は再生します

本日も角田由紀子弁護士の論説についてふれます。
セクシュアル(セクシャル)ハラスメントに関する考察です。

(参考。当ブログ)
2019年2月25日 その1 
2019年2月26日 その2 

JNPC(日本記者クラブ) 「セクハラ問題の30年」角田由紀子弁護士 2018.6.25

(※音声の文字化は、筆者。)
(※21:31のあたりから。)
2018年6月25日 角田由紀子 弁護士(元・明治大学教授)

で、その、89年(1989年)におこした、それから92年(1992年)の判決まで、ですね、実はその当時の東京都の労働局、すごくよかったわけです。
いまとちがって、と言うと怒られるかもしれない。
いまは知らないので。
その当時は。
セクシュアル(セクシャル)ハラスメントをなくす、ということで非常に先進的なはたらきをしていて。
で、企業なんかにもはたらきかけていて、けっこう、企業がどういうふうにしなければいけないか、というリーフレットなどをつくっていたんですね。
だけど判決が出る前は、会社のひとはそういうのがあるのを知っていて、パンフレットがあるのを知っていて、もらいに来るんですけれども、だいたい、
「うちがリーフレットをもらいにきたって言わないでくださいね」
って言うんです。
なぜ言うかというと、つまり、
「うちにセクシュアル(セクシャル)ハラスメントがあるというふうに思われたらこまるから、だまっていてね」
って。
で、判決が出てからはですね、表から来るようになった、って言うんですね。
つまり、
「わたしの会社はちゃんとセクハラ防止のために施策をとるんですよ」
ということのアピールにもなるということで、そういうふうに変わったということなんですね。

それで、そういうことがあって、あとですね、法的には、92年(1992年)の判決があっても、なかなかすぐには法律的なうごきがなかったんですね。
で、わたしなんか、日弁連の女性の権利に関する委員会の委員なんかをやっていましたので、
「この判決をもってちゃんと法的手当をすべきだ」
ということを国に申し入れたりしたんですけれども、まあ、ぜんぜん実現しなくて、97年(1997年)のときにはじめて、均等法(男女雇用機会均等法)のなかにセクシュアル(セクシャル)ハラスメントの防止について、配慮義務、っていうのが入ったんです。
だから、配慮すればよい、わけですよね。
で、それじゃ、なにもならないじゃないか、ということでですね、2006年改正、2007年のその改正の実施のときにはじめてですね、事業主が防止のための措置義務があるんだ、ということで、やや具体的なはなしになってきた、ということなんですね。
でも、これは、事業主の雇用管理上の措置義務であって、セクシュアル(セクシャル)ハラスメント禁止、と言っているわけではない、というところが非常にすごくおおきな問題なんですね。

でも、まあ、措置義務、であれ、ですね、厚労省としてはそのあと具体的に、(セクシャル)ハラスメント対応にどういうことをすべきか、ということで、まあ、ややくわしい指針をつくったり、それなりの指導をしている、ということがあると思いますね。

男女雇用機会均等の改正状況につきましては、厚生労働省の資料が参考になります。
一部を参照します。

引用
<71ページ>
平成9年(1997年)改正、平成11年(1999年)施行
職場におけるセクシュアルハラスメントを防止するため、事業主が雇用管理上必要な配慮をしなければならない旨の規定が新設された

平成18年(2006年)改正、平成19年(2007年)施行
職場におけるセクシュアルハラスメント防止規定については、改正前は、女性労働者に対するセクシュアルハラスメントについての配慮義務として規定されていたが、改正により、職場におけるセクシュアルハラスメントの対象に男性も追加されるとともに、措置義務規定とされた

2018年6月25日 角田由紀子 弁護士(元・明治大学教授)

それから平成23年(2011年)にはですね、あの、いまもすごく問題になっている、迎合メール、ってありますよね。

で、いまもセクシュアル(セクシャル)ハラスメントの裁判をやるとですね、メールっていうか、いま、スマホ、ラインとかわたし、よくわからないんですけどね、そういうやりとりの資料が山ほど出てくるわけなんです。

そのなかでわたしが知っているのは、まだメールの時代で、迎合メール、と言われるね、つまり被害者なんだけども加害者にまさに迎合する。
加害者の文句を言わなくて、先取りしてなんか相手の要求を満たしてあげるような内容のメールがどんどん行き交うわけなんですね。
で、加害者のほうはその裁判になるとそのメールをプリントアウトしてもってきて、
「いや、これは彼女のほうが望んでいたからこうなったんだ」、
ほれ、みろ、というふうにね、そのメールの山をしめすわけなんです。
でも、それはそうじゃない、ということで、さすがに厚労省もですね、平成23年(2011年)のときには、これ、
「迎合メールがあったとしても」
かならずしもそれは相手がですね、セクシュアル(セクシャル)ハラスメントを了解しているわけでもなんでもないんだから、
「要注意だ」
ということは言ったんですね。
だからその、メールの文言だけにとらわれて合意のあるはなしというふうにしたらいけませんよ、というふうに言いました。

このことは厚生労働省の有識者検討会がまとめた報告書のなかに書かれています。

(参考)
2011年6月28日 精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会「セクシュアルハラスメント事案に係る分科会報告書」
<6ページ>

2 認定の基準について

(4)その他心理的負荷の評価に当たり留意すべき事項

セクシュアルハラスメント事案の心理的負荷の強度を評価するに当たり、上記(1)から(3)までのほか、次の事項への留意が必要であることを示すべきである。

ア 被害者は、勤務を継続したいとか、行為者からのセクシュアルハラスメントの被害をできるだけ軽くしたいとの心理などから、やむを得ず行為者に迎合するようなメール等を送ることや、行為者の誘いを受け入れることがある。
このため、これらの事実から被害者の同意があったと安易に判断するべきではないこと。

イ 被害者は、被害を受けてからすぐに相談行動をとらないことが多いが、この事実から単純に心理的負荷が弱いと判断すべきではないこと。

ウ 被害者は、医療機関でもセクシュアルハラスメントを受けたということをすぐに話せないことが多いが、初診時にセクシュアルハラスメントの事実を申し立てていないことのみをもって心理的負荷が弱いと判断すべきではないこと。

エ 行為者が上司であり被害者が部下である場合、行為者が正規職員であり被害者が非正規労働者である場合等、行為者が雇用関係上被害者に対して優越的な立場にある事実は心理的負荷を強める要素となりうること。

2018年6月25日 角田由紀子 弁護士(元・明治大学教授)

それから、ええと2017年、去年ですよね、ええとマタハラもあの、均等法(男女雇用機会均等法)のなかに入りました。

再度、上掲の厚生労働省の資料を引きます。

引用
<72ページ>
平成 28年(2016年)改正、平成29年(2017年)1月施行
平成28年(2016年)の改正では、妊娠・出産等に関する上司・同僚による就業環境を害する行為に対する防止措置を義務付ける規定が設けられた

(参考。男女雇用機会均等法
第11条の2

事業主は、職場において行われるその雇用する女性労働者に対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産したこと(略)により当該女性労働者の就業環境が害されることのないよう、当該女性労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

2 厚生労働大臣は、前項の規定に基づき事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。

2018年6月25日 角田由紀子 弁護士(元・明治大学教授)

それからLGBTのひとも対象になりますよ、ということを明記された指針が出たんですけど、そういうふうにして、いちおう法的な手当はされた。

で、まあ、ご存じのように、人事院規則の10―10と、その運用の指針というのも出て、これは国家公務員向けですよね。

えー、ところが、こういうふうにして、ある程度の法的対応がとられるようになったんですけれども、やっぱりね、不法行為請求であるというのが、なんて言うのかな、限界、って言うの?
ぶつかざるをえないんですね。
つまり、均等法(男女雇用機会均等法)の、いま11条ですけど、11条を理由にして裁判をするわけじゃないんですね。

(参考。男女雇用機会均等法
第11条

事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

2018年6月25日 角田由紀子 弁護士(元・明治大学教授)

「均等法(男女雇用機会均等法)11条違反がありましたよ」
ということで、民法の不法行為の裁判をやっているわけなんです。

(参考。民法
第709条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

2018年6月25日 角田由紀子 弁護士(元・明治大学教授)

ということで、さっき申し上げたように、金銭賠償しかもとめられない、と。
だからそのお金をはらったら、仮に1,000万であろうと、300万であろうと、そこで加害者が、被告の責任が、おしまいになるわけなんですね。
で、職場環境を改善せよ、と債務不履行で行ったとしても、職場環境を改善せよ、ということは、判決より入ってこないわけなんです。
それも、損害賠償請求の裁判なので。

で、たとえば判決じゃなくて和解という手続きにうまく移行して、そこで、今後どうしましょうか、って、はなしができるわけですよね。
で、そこで、今度のことに反省して、以後、職場では、こういうことをね、やるようにしましょうとか、そういう約束をできるわけです。
会社とのあいだで。
あるいは、原告になった女性も、まあ自分も、やめちゃってしょうがないんだけれども、まだ会社に残っているひとのことも考えるとね、会社の職場環境を改善してほしいので、こういうことをやってください、というふうに自分のやめた会社にこう言うんですけど。

でも、これ、和解ですからね。
被告のほうが、はい、って言わなきゃだめなんです。
だいたい、そういう話し合いにおうじる、というのがひとつ。
それからおうじたのちに、その中身についても、そうします、というふうに合意がとれないと、こうしなさい、にはならないわけなんです。
だから、この和解もなかなかですね、うまくいかない、と。

で、さっき言ったようにですね、賠償額がすごく低い、っていう問題があるんです。
これ、わたし、不法行為でやっていることと関係があると思うんですけれども。

(参考。民法
第709条

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

2018年6月25日 角田由紀子 弁護士(元・明治大学教授)

ええと、今朝のですね、わたし、東京新聞をみてきたんですけれども、たまたまですね、「平成のことば」っていう欄が一面にあって、これは偶然だったんですけれども、96年(1996年)にアメリカの三菱自動車の大規模なセクハラがあったでしょ。
そのときに、全米女性機構(NOW)が中心になって全米的な三菱自動車の不買運動なんかを繰り広げたわけなんですよね。
それでけっこうNOWもこの問題の解決のために協力したんですけれども。
で、そのNOWのローズマリー=デンプシさん(副会長)が日本にいらしたんですね。
で、そのときのはなしだと思うんですけれども、
「米国企業はセクハラを放置すると高くつくことを知っているが、日本企業はその経験をもっていないと言われている」

で、実際にはですね、96年(1996年)のセクハラ事件について98年(1998年)に48億円の支払いで和解した、っていうんです。

(参考)

2018年6月25日 角田由紀子 弁護士(元・明治大学教授)

ちょっと数が多いっていうのもあるんですよ。
被害者の数が多いっていうのもあるんですけど、日本と単位がちがいすぎる。
これくらいのね、金額だと、仮に損害賠償であったとしても、それなりに会社側が、なんかしよう、って、動機づけになると思うんですよ。
また48億円を払わないと、というのもある。
日本の100万、200万ね、せいぜいいって900万みたいな損害賠償額だと、カネをもっている会社ほどなんともないわけですね。
しかもこれ、だいたい、わたしたちは、会社とそれから直接の加害行為者、両方セットでうったえるわけですよね。
で、本人だけ、加害者本人だけうったえても、実務的な回収がむずかしい、というのがあるので、会社の責任が問えるケースは会社も一緒にしてうったえるわけですね。
で、どうなるかというと、だいたいですね、みるところ、加害行為者がはらっていますよね。
被告2名で、両方の連帯責任が言われても。
だから会社は、その加害者に、と目された従業員に、
「おまえのせいでこうなったんだ」
と。
ね、
「責任とれ」
と、こうなるわけですよ。
だから、会社はほとんど痛みがない、というのが実態ではないかと思って。
このやりかたでは。
で、それで、どうするか、ということなんです。

昨日のブログで沖縄タイムスの記事を引用しました。
同紙によりますと、セクシュアルハラスメントは、
性的いじめ・暴力
です。
出演強要の場合はこれをさらに上回ります。
未曾有(みぞう)の凶悪犯罪です。

(2018年6月12日 参議院 法務委員会より。)
(※参考。当ブログ) 

2018年6月12日 上川陽子 法務大臣

(出演強要は)犯罪である、というふうにも思っているところでもございます。

政府は新法をつくって対応する算段です。

2018年6月12日 上川陽子 法務大臣

このことにつきまして、法的対策もふくめてしっかりと検討し、そして実現してまいりたいというふうに思っております。

(再掲。角田由紀子 弁護士)
(セクハラの場合は)賠償額がすごく低い、っていう問題があるんです

出演強要被害につきましては賠償額が高額になるであろうと思惟します。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2018年4月2日

#青木亮 が #AV強要 で人生台無しにしてくれたお礼は #2020年 #東京オリンピック を目処に考えています(*^-^*)
詳しくは後ほど…

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2020年に香西咲さんたち被害者は再生します。
復活します。
このことだけはまちがいありません。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

(明日のブログへつづく)



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