日別アーカイブ: 2019年2月1日

政府公報オンラインがとりあげた出演強要問題(その3)。香西咲さんたち被害者に責任はありません。微塵も。スピノザ「ある行為を後悔する者は二重に不幸である」

出演強要の被害が跡(あと)を絶ちません。
1月16日の政府公報オンラインは、ネットを介して女性を誘い込む手口を紹介しています。

(参考。当ブログ)
2019年1月30日
2019年1月31日

政府はこれまでも、ネットを利用した悪行について警句を発してきました。
文部科学広報の2017年8月号をみてみます。

同広報は文部科学省が毎月、発行している広報誌です。
出演強要に関する部分を引用します。

2017年8月 文部科学広報 213号

<17ページ>
2017年8月 文部科学広報 213号

近年、ネットを通じた性被害が急増していることから、夏休みを迎える前の子供たちに向けて、注意喚起のために国家公安委員会委員長と文部科学大臣の共同メッセージを発信するとともに、リーフレットを配布しました。

(参考)
2017年6月27日 国家公安委員会委員長と文部科学大臣の共同メッセージ

(リーフレット)夏休みを迎える君たちへ ~ネットには危険もいっぱい~

<19ページ>
2017年8月 文部科学広報 213号

また、リーフレットでは、いわゆる「JKビジネス」やアダルトビデオへの出演強要といった若年層を狙った性的な暴力の問題についても注意を促しています。

(※下図はリーフレットより。)

<19ページ>
2017年8月 文部科学広報 213号

また、「モデルにならないか」等と声をかけられ、十分な説明を受けないままにプロダクション等と契約した女性が、「高額な違約金が発生する」等と言われ、意に反してアダルトビデオへの出演を強要される事例も発生しています。
こうした問題は、被害者の心身に深い傷を残しかねない重大な人権侵害であり、政府を挙げて根絶に取り組んでいます。

内閣府では、こうした性的な暴力の問題について注意喚起を図るとともに、相談窓口等を周知するためのサイトを開設しており、リーフレットでは、そのサイトのURLとQRコードを掲載しています。

ネットを通じて誘引され、出演を強要されるひとたちがいます。
所沢市の広報紙もこの件に言及しています。

2017年8月 広報ところざわ

(※下図は広報ところざわより。)

2018年7月 広報ところざわ(埼玉県)

ネットで応募した芸能事務所のオーディションに合格!
その後、事務所に行くとアダルトビデオへの出演を強要されて、帰らせてもらえず契約してしまった…

2018年7月 広報ところざわ(埼玉県)

アダルトビデオ出演を強要されたら、警察(警察相談専用 #9110)にも相談

いまは、街頭だけでなく、ネットの中にも陥穽(わな)が仕掛けられています。
政府公報オンラインの記事を参照します。

2019年1月16日 政府公報オンライン

2019年1月16日 政府公報オンライン

事例5:「手足の撮影モデルで高収入」の広告を見て応募したら…

インターネットでモデル事務所のホームページを探し、
「絵画モデル、手や足の撮影モデルで高収入が得られる」
という募集を見て、SNSで業者に連絡をとって面接に行った。

面接したらアダルトDVDやアダルトサイトへの出演を勧められた

一旦、悪の世界に引摺り込まれると、抜け出すことが容易でなくなります。
なぜなのでしょうか。
葛飾区の人権啓発紙に掲載された文章が参考になります。
DV被害について論述したものです。

(2017年11月25日 葛飾区人権啓発紙「こんにちは人権 Vol.10」より、引用。改行を施しています。)

2017年11月25日 葛飾区

逃げない、助けを求めないのはなぜ?

DV被害をうけている女性が、辛い状況であるにも関わらず、加害者から逃げようとしない、自ら助けを求めないということがよくあります。

理由はさまざまですが、身近なパートナーから振るわれる暴力は家庭などの閉じた環境で起こり、強固な支配関係が成立している場合は、「そこから逃げる」「誰かに相談する」という考えが、加害者により徹底的に排除されることが多いのです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年7月25日

前社長の洗脳口癖
『俺達はお前の家族だ。お前の夢を応援する』
『夢の為なら法に触れなければ手段を選ぶな』
『夢の為ならほかの奴らなんてどーでもいい、使え』
その他の特徴として
会話のペースをコチラに掴ませない。
はぐらかすのが上手。

香西咲さん
2016年8月15日

実家や帰る家があるって 当たり前の事の様で実は凄く幸せな事。
私にはそんな物はない。
『お前の夢を応援しない奴は例え血が繋がっていようと家族じゃない、俺達が本当の家族だ』
と言い聞かされて以来、失ってもうすぐ6年かぁ…

2017年11月25日 葛飾区

閉じた環境での繰り返しの暴力から思考力は落ち、自己否定をされ続けることで、「自分が悪い」と思い込まれます。

そのため、たとえ逃げることができても罪悪感や後悔で苦しみ、場合によっては、自ら加害者のもとへ戻ってしまうこともあるのです。

葛飾区の人権啓発紙は、出演強要被害にもふれています。

(※下図は「こんにちは人権 Vol.10」より。)

引用
2017年11月25日 葛飾区

AV出演強要問題とは、モデルや高収入のアルバイトなどと偽って勧誘し、AVへの出演契約にサインをさせるものです。

(中略。)

これらは力を持った大人が、知識や情報量の少ない若年者に対し行う悪質な暴力であり、人権侵害です。

(後略。)

出演強要は暴力です。

(再掲。葛飾区)
閉じた環境での繰り返しの暴力から思考力は落ち、自己否定をされ続けることで、『自分が悪い』と思い込まれます

こうして出演を強要された被害者の方々は泥濘から抜け出すことができなくなります。

(再掲。葛飾区)
たとえ逃げることができても罪悪感や後悔で苦しみ-

哲学者のアランはこう言っています。

(アラン著 神谷幹夫訳「幸福論」岩波文庫より、引用。改行を施しています。)

アラン

『絶望について』の章(192ページ)

過去を見つめることから生まれるあの悲しみは何の役にも立たない。
それどころか、きわめて有害なものだ。
なぜなら、それは無益な反省を求め、無益な探求を強いるからである。
スピノザ(1632年~1677年。オランダの哲学者)は、後悔することはあやまちをくりかえすことだと言っている。

スピノザは自著の「エチカ」のなかで後悔を否定しています。

(スピノザ著 畠中尚志訳「エチカ ―倫理学 【上】」岩波文庫より、引用。改行を施しています。)

スピノザ

定理54

後悔は徳ではない。
すなわち理性からは生じない。
むしろある行為を後悔する者は二重に不幸あるいは無能力である。

出演強要の被害者の方々に責任はありません。
微塵も。
あらためて言うまでもないことですが。
悪いのはすべて、アダルトビデオ業界です。
後悔をせずに人生をあゆまれることを念願します。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

2018年3月19日
今こうして離れてみて、私個人的には異常な世界だと思いますし、そんな趣味も無ければ関わりたくない世界でした。
全ては #AV強要 から立て直す為に耐えてきた事です。#青木亮 の事務所では占い師やプルデンシャルにお金を使わされており、外界とも遮断され誰にも頼れずボロボロでしたので。

(明日のブログへつづく)



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