シモーヌ=ヴェイユ(1909年~1943年)というフランスの現代哲学者がいます。
34歳のとき、肺結核で死去しました。
活動の期間が短いので、それほど著名ではありません。
一部では知られています。
代表作は、
「根を持つこと」
と
「自由と社会的抑圧」
です。
シモーヌ=ヴェイユは、ユダヤ系の中産階級の家庭に生まれました。
高校生のときに哲学者のアラン(1868年~1951年)の書を読み、影響をうけます。
アランにつきましては、「幸福論」が有名です。
当ブログでも何度か引いています。
再掲します。
(アラン著 神谷幹夫訳「幸福論」岩波文庫刊より、引用。)
□『絶望について』の章(192ページ)
「過去を見つめることから生まれるあの悲しみは何の役にも立たない。それどころか、きわめて有害なものだ。なぜなら、それは無益な反省を求め、無益な探求を強いるからである。スピノザ(1632年~1677年。オランダの哲学者)は、後悔することはあやまちをくりかえすことだと言っている」
□『絶望について』の章(191ページ)
「道はすべて通り過ぎた道だ。ひとはまさしくいる所にいるのだ。時間という路上では、後もどりすることも、同じ道を二度行くこともできないのだ」
□『上機嫌』の章(244~245ページ)
「ほんとうの苦痛が訪れたら、その時自分のなすべきことはただ一つしかない。人間らしく振舞い、強く生きること。おのが意思と生命とを一つにして、不幸と敢然とたたかうことだ。ちょうど戦士が敵と相対するのと同じように」
□『誓わねばならない』の章(314ページ)
「上機嫌など存在しない。気分というのは、正確に言えば、いつも悪いものなのだ。だから、幸福とはすべて、意志と自己克服とによるものである」
シモーヌ=ヴェイユは大学を卒業後、高校の教師になります。
担当は哲学です。
自由な教育を追求しました。
学校の方針と対立し、転勤を余儀なくされました。
他校への異動はこのあとも毎年のようにつづきました。
1934年のことです。
シモーヌ=ヴェイユは、代表作である「自由と社会的抑圧」を書き上げました。
その後、勤務している高校に休職願を提出しました。
工場ではたらくためです。
シモーヌ=ヴェイユは、8か月間、非熟練工として勤務しました。
仕事の内容は単純です。
流れ作業が主です。
時折、作業の途中で、罵声を浴びせられます。
「なにをやっているんだ」
と。
創造性はもとめられません。
思考力も不要です。
シモーヌ=ヴェイユは達観しました。
単純労働は人間から尊厳を剥奪すると。
自著の「重力と恩寵」のなかに、その種のことが書かれています。
(シモーヌ=ヴェイユ著 田辺保訳「重力と恩寵」ちくま学芸文庫より、引用。)
●シモーヌ=ヴェイユ
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「むりにも押しやられて、――今あるがままに自分の生存を保ち続けるために、――努力すること、それは常に奴隷であるということだ」
出演強要も同様です。
女性は業界から、奴隷になることを強いられます。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年12月28日>
もう一度言います。 元アットハニーズA氏に洗脳されて無ければ私はAVに出ていません。 8ヶ月間洗脳され占い師まで登場し、イメージビデオとあやふやなまま富士山の麓のスタジオに連れていかれました。 勿論後悔しています。 最近ファンの方々に恵まれた事が唯一の救いです。 |
●香西咲さん
<2016年7月10日>
【RT拡散希望】 何本も出てるのに何故辞められないか?にも触れられています。 経験者しか分からないでしょう。 実に8ヶ月間におよぶ洗脳行為です。 #文春砲 |
●シモーヌ=ヴェイユ
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月14日>
契約書を盾に止めさせてもくれない、かと言って事務所に居続けたら、V撮影と性接待(勿論金銭のやり取りなし)に都合良く使われて青木亮に飼い殺しになる… 本気で死にたかった。 あの頃の私はトラックに突っ込んで欲しかった。 |
●香西咲さん
<2016年10月28日>
隅に追いやっていたトラウマを掘り起こすのはとてつもない労力が要りますね。 精神的にも、ついこの間までは普通の精神を保てたのに、思い出した瞬間動悸や頭痛吐き気…この突然の変化は経験者にしか分からない。女性の共犯者達は特に最低。 |
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シモーヌ=ヴェイユの「重力と恩寵」は、単純労働に関する学術論文ではありません。
自身の思いが散文的にちりばめられた随想録といった体裁の書物です。
文章は平易で読みやすいです。
労働に関すること以外の記述をみてみます。
(シモーヌ=ヴェイユ著 田辺保訳「重力と恩寵」ちくま学芸文庫より、引用。)
●シモーヌ=ヴェイユ
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業界人はこれまで、数多(あまた)の女性の人生を破壊してきました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年8月28日>
私も文春の佐藤涼子さん(仮名)も AVをやる為に芸能で泊を付けた訳じゃありませんw むしろ私は趣味の車と雑貨店への知名の為、彼女は歌手になる為。 それを8ヵ月~1年かけ、AVが無ければ成功しないかの様に思い込まされた。 占い師まで使って。 この事件は国に相談させて頂くことになりました。 |
(再掲。シモーヌ=ヴェイユ)
「ほんのひととき、幸福になれるかもしれないひとりの人の人生そのひとときをなぜ破壊するのか」
なぜなのでしょう。
くるみんアロマさんの証言が正鵠(せいこく)を得ています。
(2016年9月3日 弁護士ドットコム「『騙されてAV出演』ユーチューバー・くるみんアロマさん動画公開『抑止力になれば』」より、引用。改行を施しています。)
●くるみんアロマさん
撮影スタッフからは 「あなたみたいに時間のかかる人は初めてだ」 「みんな家族がいるんだ。あなたが頑張らなかったら、みんなの家族全員の生活がなくなるんだよ。あなた背負えるの?」 って怒鳴られました。 |
出演強要の被害に遭った方々は、こうした業界人をゆるすことができるのでしょうか。
(2017年1月22日 週刊実話「話題の1冊 著者インタビュー 宮本節子 『AV出演を強要された彼女たち』 ちくま新書 800円」より、引用。)
●PAPS 世話人 宮本節子さん
相談内容は、第一に、激しい怒りの気持ち(自分自身やこのような状況に追い込んだ関係者に対する)を吐露したいということがあり、これは真摯に耳を傾けるしかありません。 |
(シモーヌ=ヴェイユ著 田辺保訳「重力と恩寵」ちくま学芸文庫より、引用。)
●シモーヌ=ヴェイユ
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(再掲。シモーヌ=ヴェイユ)
「ゆるすこと。そんなことはできない」
当然の感情です。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年12月13日>
何が何でも何年掛かろうと裁判に持ち込む姿勢です。 皆様お力添えをどうかお願い致します。 |
●香西咲さん
<2018年6月22日>
≪重要!!≫ 別の弁護士さんに確認したところ、 強姦罪、強要罪は時効がなくなったらしいです。 但し立証するのが難しいので根気よくお付き合い下さる弁護士さんを見つけ、長期戦の覚悟で。 被害に遭われた方、泣き寝入りしないで下さい! |
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(再掲。シモーヌ=ヴェイユ)
「復讐したいというねがいは、何より本質的な均衡回復へのねがいである」
オリンピックまでに出演強要等を処罰する法律ができます。
そのときが勝負です。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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