渋谷区議会は業界の悪行に対して、罰則付きの総合的な法整備をもとめています。香西咲さんたち被害者、さらには国民が、快哉を叫ぶ日が近づいてきました

本日も、地方自治体が制定しているスカウ行為禁止条例についてふれます。

(参考。これまでの記事)
2019年1月5日(新宿区)
2019年1月6日(新宿区)
2019年1月7日(新宿区、渋谷区、文京区、台東区)
2019年1月8日(東京都)
2019年1月9日(東京都)
2019年1月10日(新宿区、渋谷区)

渋谷区

渋谷区ではかつて、違反者に対して刑事罰を科すことを考えていました。
区側の意気込みにつきましては、昨日の当ブログをご覧ください。

(参考。当ブログ)
2019年1月10日

もう一度、渋谷区議会の議事録のなかから一部を引きます。

2014年3月5日 桑原敏武 渋谷区長
他区のような過料ではなく、少なくとも罰金にしなくてはならない、このように考えております

2014年6月18日 柳澤信司 渋谷区 危機管理対策部長
他区のような行政罰としての過料ではなく、刑事罰の罰金を考えてございます

熱情(物事に対して向けられる熱烈な気持)が横溢(おういつ)しています。
このあとはどのような展開となったのでしょう。
議事録を参照します。

渋谷区議会

2014年9月25日

2014年9月25日 久永薫 渋谷区議(公明党)

今定例会において客引き・客待ち禁止条例の議案が提出されております。かねてより恵比寿・渋谷・原宿地域からの強い御要望もあり、また、我が会派も強く要望し、大変待ち望んでいた条例です。
また、近年、若い女性がスカウトと称して犯罪に巻き込まれるケースも大変増えております

今後、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック開催に向け世界各地から多くの方が来訪されます。誰もが安心して訪れていただけるよう、渋谷のまちを維持することも重要な課題だと思います。

そこで、今回の条例で東京都の迷惑防止条例との違い、また渋谷区独自のどのような条例の内容であるのか、区長に御所見を伺います。

2014年9月25日 桑原敏武 渋谷区長

次に、客引き・客待ち禁止条例についてでございますが、これも、新しい制度でございますけれども危機管理対策部長から御答弁をしますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。

2014年9月25日 柳澤信司 渋谷区 危機管理対策部長

いわゆる「東京都迷惑行為防止条例」は、執拗な客引き行為、また風俗営業等に係る客待ち行為を対象に取り締まるというものでございますが、本区の条例は、執拗でない客引き及び全業種に係る客待ち行為をも対象として指導していくというものでございます。
また、指導する行為といたしましては、居酒屋、カラオケボックス、美容、エステ、児童への物品の販売に係る客引き・客待ち行為を具体的に例示することで、本区において特に問題となっている行為を明確にしております。

議員御指摘のスカウト行為についても本条例の指導対象となってございます

さらに、本条例案は区のみならず警察、まちがともに客引き・客待ち行為について指導していくという点に大きな特色を擁してございます。
なお、指導に従わない者につきましては是正命令を行い、それでも従わない者につきましてはその者の住所、氏名等を公表するものでございます

今後は区、警察、まちの三者が連携、協力して本条例を運用していくことで、安全・安心なまち渋谷の実現に努めてまいります。

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(再掲。危機管理対策部長)
指導に従わない者につきましては是正命令を行い、それでも従わない者につきましてはその者の住所、氏名等を公表するものでございます

刑事罰、ということばがありません。
5日後のことでした。

2014年9月30日

2014年9月30日 伊藤毅志 渋谷区議(無所属クラブ【※現在は、シブヤを笑顔にする会】)

この客引き行為等の防止に関する条例が提案されたということは喜ばしいことだというふうに思いながらですね、ことしの第1回定例会(2014年3月5日)、そして第2回定例会(2014年6月18日)、私ども無所属クラブがこの条例の罰則に関してはどのようなことを、今、考えて、どういうふうに進めるのかというふうに質問させていただいたところ、区長のほうで御答弁としては刑事罰を考えられているということでした。

ただ、今、出てきたところはですね、こうやって改善命令及び公表という刑事罰ではないものとして提案をされています。そこのところがですね、実際変わっているところだろうと思うので、このところの紆余曲折あったんだろうと思いますけど、きちっとわかるように説明をしていただきたいと思います。

2014年9月30日 森田 渋谷区 安全対策課長

刑事罰を盛り込む条例案につきましては、東京地方検察庁との協議を行ってまいりました。
この協議におきまして、いわゆる東京都の迷惑行為防止条例との整合という点で課題があり、本条例において刑事罰を設けることは不適当であるとの意見を受け、刑事罰を盛り込むのをやめたところでございます。

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東京都の条例は、公的な場所で、アダルトビデオの出演へ誘う行為を禁止しています。

(参考)
東京都 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

違反した場合は50万以下の罰金となります。
勧誘待ちにつきましては、たとえば渋谷区の場合、以下の区域が規制の対象となっています。

(警視庁「客引き等の相手方となるべき者を待つ行為を規制する区域」より。)

渋谷区
 宇田川町、恵比寿南一丁目、道玄坂一丁目、同二丁目

罰則は、20万円以下の罰金です。
ご覧のとおり、渋谷区の全域で勧誘待ちが禁止されているわけではありません。
渋谷区は空白の地帯をなくすため、あらたに条例をつくりました。

(再掲。渋谷区 危機管理対策部長)
指導に従わない者につきましては是正命令を行い、それでも従わない者につきましてはその者の住所、氏名等を公表する

ちなみに新宿区などは、渋谷区とちがい、違反者から過料を徴収しています。
いずれにせよ、都や区の条例だけでは出演強要の被害をふせぐことができません。

(参考。当ブログ)
2019年1月8日(東京都)
2019年1月9日(東京都)

悪質なスカウトは素性を隠しています。
モデルやアイドルの勧誘と偽っています。

(内閣府「01 こんな被害が起きています」より、引用。)

モデルの仕事だと言われ事務所に行くと、アダルトビデオの撮影だった

東京都や区の条例では、こうしたスカウトを検挙することができません。
捕獲できるのは、最初からアダルトビデオの撮影に誘っているときだけです。
上述のとおり渋谷区は、条例を制定しました。
それから2年後のことです。

2016年3月31日

2016年3月31日 下嶋倫朗 渋谷区議(自民党)

ただいま議題となりましたアダルトビデオ出演等の強要の防止及び被害者の救済に関する法整備を求める意見書の提案理由を説明させていただきます。
意見書案の朗読をもって提案理由の説明にかえさせていただきます。

アダルトビデオ出演等の強要の防止及び被害者の救済に関する法整備を求める意見書(案)

近年、若者が路上等で勧誘され、その意に反してアダルトビデオやアダルト動画チャット(ネットを介した性的な動画交信)に出演させられたという被害が相次いでいる。

勧誘当初はアダルトビデオ業者である事を隠し、学生証や身分証明書をコピーする等の手段により出演を強要するなど、その手口は極めて悪質である。
かかる行為は、個人の自由を奪い、暴力や脅しや騙しを使って個人の意に反して働かせ、その利益を搾取する犯罪行為である。
渋谷区には40社以上のアダルトビデオ・プロダクションが存在し、過去2年間に被害者支援団体に寄せられた相談114件のうち41件は、渋谷区内で勧誘、撮影、又は制作が行われた実態があり、その被害は急増傾向にある。

渋谷区はこれらの実情に鑑み、渋谷区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例に基づき勧誘行為を禁止し、対策の強化に取り組んでいるものの、国による抜本的な対策が急務である

よって渋谷区議会は、国会及び政府に対し、こうしたアダルトビデオ業者等による個人の意に反する形での勧誘、雇用、派遣、制作、販売、貸出し、配信等による性的被害を防止し、実態調査、公安委員会への届け出、立ち入り調査等による被害者の救済を行うため、罰則付きの総合的な法整備を強く要請する

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

なお、提案者は吉田佳代子議員(※現立憲民主党)、五十嵐千代子議員(※日本共産党)、栗谷順彦議員(※公明党)、薬丸義人議員(※シブヤを笑顔にする会)と私、下嶋倫朗(※自民党)、5名の議員であります。

提出先は、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、厚生労働大臣、内閣官房長官、国家公安委員会委員長宛てであります。

渋谷区議会は、「アダルトビデオ出演等の強要の防止及び被害者の救済に関する法整備を求める意見書」を採択しました。

(再掲。渋谷区の意見書)
条例に基づき勧誘行為を禁止し、対策の強化に取り組んでいるものの、国による抜本的な対策が急務である

国による抜本的な対策が急務である
このことは東京都についても当て嵌まります。
地方自治体のちからだけでは、出演強要の被害をふせぐことができません。

(再掲。渋谷区の意見書)
国会及び政府に対し、(略)被害者の救済を行うため、罰則付きの総合的な法整備を強く要請する

出演強要問題を解決できるのは政府だけです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年6月14日

女の子は今後スカウトの身分証コピー取るべきですね!

香西咲さん
2016年7月24日

私へは芸能人事務所の契約者のまま連れてかれた現場がAVだったり、性接待させられたり、AV強要以上にされられています。
(後略。)

香西咲さん
2016年7月26日

私の場合は男性でした、そして偶然友達の元芸能人女優も同じ人でした。
横流ししてる悪い人結構いるんですね。そんな事してたら芸能事務所の評判も落としそうですが。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年3月5日

経験者しか分からないと思いますが
第三者との連絡をいつの間にか、本人も気付かぬうちに遮断させられていきます。
そしてキッパリ断れる様な女の子の方が少ないと思います。
そこまで追い込まれます。
そんな簡単な話ではありません。

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そんな簡単な話ではありません
香西咲さんのおっしゃるとおりです。

(再掲。渋谷区議会)
アダルトビデオ業者等による個人の意に反する形での勧誘、雇用、派遣、制作、販売、貸出し、配信等による性的被害を防止し、実態調査、公安委員会への届け出、立ち入り調査等による被害者の救済を行うため、罰則付きの総合的な法整備を強く要請する

2020年のオリンピックまでに渋谷区議会の要望が現実のものとなることでしょう。
おそらくはそれ以上のことが生起する(起こる)と思いますが。
香西咲さんたち被害者、さらには国民が、快哉(かいさい)を叫ぶ日が近づいてきました。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

(明日のブログへつづく)



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