あたらしい年となりました。
今年(2019年)は、2020年の前の年です。
あたりまえのことですが。
日本は2020年に向けて、2つの課題を解決しなければなりません。
順にみていきます。
1. 人身取引の根絶
2014年の末に政府は、以下の事柄を決定しました。
(2014年12月16日 犯罪対策閣僚会議「人身取引対策行動計画2014」より、引用。)
●2014年12月16日 犯罪対策閣僚会議
|
(再掲)
「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた『世界一安全な国、日本』を創り上げることの一環として、(略)、人身取引の根絶を目指すこととする」
上述の人身取引対策行動計画2014のなかに、人身取引の定義が書かれています。
センテンスが長くて読みづらいので、わかりやすく書き直してみます。
人身取引とは
(※リライトしています。)
|
政府は、人身取引の撲滅するためにとりしまりを徹底する、としています。
(2018年5月18日 人身取引対策推進会議「人身取引対策に関する取組について(年次報告)」より。)
<目次>
![]() |
「取締りの徹底」
政府はとりしまりの対象として、4つの犯罪をあげています。
このなかには、アダルトビデオ出演強要がふくまれています。
つぎは、アダルトビデオの製造にかかわる問題です。
2. 性的搾取の禁止
2016年に国連の女子差別撤廃委員会は、日本に対して以下の勧告をおこないました。
(2016年3月 女子差別撤廃委員会第7回及び第8回報告報告に対する女子差別撤廃委員会最終見解(平成28年3月)より、引用。)
<8~9ページ>
●2016年3月 女子差別撤廃委員会
|
<9ページ>
●2016年3月 女子差別撤廃委員会
|
日本はいま、アダルトビデオの製造に関して改善を迫られています。
<19ページ>
●2016年3月 女子差別撤廃委員会
|
回答の期限は、2020年3月です。
(再掲。女子差別撤廃委員会)
「女性が(略)ポルノ映画製作のために性的搾取を受け続けている」
女子差別撤廃委員会は、出演強要の有無を問うていません。
女性に対する性的搾取を問題にしています。
——————————————————–
「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた『世界一安全な国、日本』を創り上げることの一環として、(略)、人身取引の根絶を目指すこととする」 |
「ポルノ映画の製作を手掛ける組織を対象とした性的搾取を防ぐための監視と査察のプログラムを強化すること」 「第9回定期報告を2020年3月に提出するよう締約国(日本)に求める」 |
今年(2019年)は、「動」の年となりそうです。
この記事を書いていて、ふと、哲学者のカント(1724年~1804年)のことばが頭にうかびました。
著書の「人倫の形而上学の基礎づけ」のなかでカントはこう言っています。
(カント著 深作守文訳「カント全集第7巻」理想社より、引用。)
●カント
|
紙とハサミの関係を考えてみます。
紙を切るときはハサミをつかいます。
もしもこの道具がみあたらなければ、別のものでもかまいません。
たとえば、カッターがあります。
あらたに別のハサミを購入するという手もあるでしょう。
手段となるものについては、いくらでも代用がききます。
「汝(なんじ)は汝の人格や他のあらゆる人の人格の中にある人間性を、いつも同時に目的として扱い、決して単なる手段としてのみ扱わないように行為せよ」
業界人は、女性を手段としてあつかっています。
代わりのものはいくらでもいる、という感覚です。
人格は置き換えをすることができない、という意識はありません。
カントの代表作である「道徳形而上学原論」についてもみてみます。
(カント著 篠田英雄「道徳形而上学原論」岩波文庫より、引用。改行を施しています。)
●カント
|
IPPA(メーカー団体)は以前、以下の文章を公開しました。
一部を抜粋します。
(2017年3月2日 IPPA「20170302HRN院内シンポジウム欠席についてのご連絡」より、引用。改行を施しています。)
●IPPA(メーカー団体)
しかしながら、当業界においては、偏見に基づくものも含め多数の社会的非難もある中、女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られているものと真に考えており、当協会及び各メーカーは、それら社会的非難等から彼ら・彼女らを守っていくべき責務があるものと考えております。 |
(再掲。カント)
「意志が善でないと、上記の精神的才能にせよ、或は気質的特性にせよ、極めて悪性で有害なものになり兼ねない」
精神的才能(知力、才気、判断力など)や、気質的特性(勇気、果断、目的の遂行における堅忍不抜など)は手段です。
その「良さ」は、「都合の良さ」です。
目的によっては、悪性で有害なもの、にもなりえます。
業界の目的は女性からの搾取です。
(再掲。IPPA)
「女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られている」
「当協会及び各メーカーは、それら社会的非難等から彼ら・彼女らを守っていくべき責務があるものと考えております」
そこに善はありません。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年11月27日>
#AV強要 で多数の女性の人生を台無しにしてきた #青木亮 さん 知り合った頃の私の20代の健康と #性的搾取 #人身売買 #枕営業 の強要、誠意を持って謝罪し、本来なら活動出来ていたであろう損害を賠償してください。 全てを失った私は丸1日さえまともに動けず、生きる事に疲れてしまいました。 |
●香西咲さん
<2018年1月4日>
#WILL #DMM も世間的には大問題ですが。
私の一番の目的は #青木亮 の |
——————————————————–
(再掲)
●カント
|
今年は女性を手段としてあつかっているやつらに鉄槌が下る年となることでしょう。
——————————————————–
■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
香西咲さんを勝手に応援するサイトへ