成年年齢引下げを見据えた連絡会議の議事録が公開されました。香西咲さん「若い女性にそこの判断能力を求めるにも限界があります」。政府の対応は万全です

6月12日のことでした。
日本共産党の仁比聡平参議院議員が国会で、出演強要問題について質問をしました。
法務大臣とのやりとりをふりかえってみます。

(※質疑、応答の全文については、過去の当ブログを参照。)

2018年6月12日 参議院 法務委員会

音声の文字化は、筆者。)
2018年6月12日 仁比聡平 参議院議員(日本共産党)

日本共産党の仁比聡平でございます。

これまでも議論になっていますけれども、未成年者取消権が18歳、19歳から外れてしまうというこの法案の問題点について、あらためてお訊(たず)ねをしたいと思います。

大臣と前回の質疑、6月5日ですけれども、この委員会でわたしが、
「この不当な契約の拘束から、未成年者が、みずからが未成年だったということを立証するだけで失敗を取り消すことができるというこの未成年者取消権。それが、悪質な業者も、これまで20歳未満の若年者に近づくことができない。あるいは、躊躇するっていう鉄壁の防波堤の役割を果たしてきた」
という議論をさせていただきました。

(参考。2018年6月5日 参議院 法務委員会

2018年6月5日 仁比聡平 参議院議員(日本共産党)
あの、大臣、いましめしていただいたように、未成年者取消権がその取り消しの対象としている範囲、これは(成年年齢が)20歳であればぜったいなんですね。
だから鉄壁の防波堤だし、だから悪質な業者はここに近寄れないわけですよ。

この不当な契約から民事上、拘束を逃れるようにする、解放する、というこの取消権の機能というのは、きわめて重要なものだと思うんですね。

この問題について、大臣は、
既存の手段でじゅうぶんか否かにつきましては政府としても検討をつづけなければならない喫緊の(さしせまって大切な)課題である

(参考。2018年6月5日 参議院 法務委員会

2018年6月5日 上川陽子 法務大臣
また、成年年齢の引き下げによりまして、18歳、19歳の若者に対しましてこうした不当な契約が拡大するということについておおきなご懸念がある、とこうしたご意見があるということも承知をしているところでございます。

未成年者取消権以外につきましても、公序良俗違反や錯誤による無効、詐欺または脅迫を理由とする取り消しなど、契約の効力を否定をする手段、これが存在するところでございます。

また、消費者契約法にもとづく取り消しができる場面もある、ということで、先ほどの答弁のとおりでございます。

このように現行制度におきましても不当な契約から当事者を解放する手段、存在するわけでございますが、ご指摘の問題に対する対応として、これらの既存の手段でじゅうぶんか否かにつきましては政府としても検討をつづけなければならない喫緊の(さしせまって大切な)課題であると認識をしております。

というと答弁をされたわけですが、この喫緊の課題として検討をおこなっていく、とおっしゃるこの認識は、わたしが申し上げる民事上の不当な拘束から逃れる保護策、あるいは権利、これを実現をするっていうことなんでしょうか?

2018年6月12日 上川陽子 法務大臣

ただいま委員からご質問がございました6月の5日のわたしくの参議院法務委員会での答弁ということでございます。

委員会からはAV、アダルトビデオの出演契約についての実例をあげられまして、その契約の債務の性質上、ということでございますが、その問題につきましてのご質問のなかで、わたしく自身、そのように申し上げたところでございます。

あの、アダルトビデオの出演の契約を締結したといたしましても、その契約上の債務の性質上、すくなくとも意に反して出演を強制される法的な根拠は存在しないもの、と考えているところでございます。

また、契約が成立したとしても、公序良俗違反の主張、詐欺または脅迫、消費者契約法上の取消権、あるいは雇用契約における解除権等、違約金の支払いを否定する各種の手段があるということでございまして、そのような請求をうけた場合には、適切な第三者に相談していただくことが重要であると考えております。

まあ、既存の制度そのものにそうしたことに対しての対抗措置がある、ということを申し上げたところでございます。

いま申し上げた、適切な第三者への相談、ということにつきましては、政府といたしましてもホームページ等の周知活動について徹底して周知しておりますし、また相談体制の充実などにもとりくんできたところでございまして、こうしたことにつきましても継続してしっかりととりくんでいく必要がある、というふうに思います。

このような現行制度上、さまざまな対抗手段が存在するところでございますけれども、こうした対応のみでじゅうぶんかどうかについてご質問をうけました。
そのさい、
政府として検討をつづけなければならない喫緊の課題であると認識している
と申し上げたところでございます。
この点につきましては、「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する関係府省対策会議」、
また
成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議
での検討をつうじまして適切にとりくんでいくほか、法務省内に設置をいたしました
性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」、
設置をしておりまして、この問題につきましてとりあげ、そして政府の検討に資するべくとりくんでまいりたいというふうに思っております。

法務大臣は、成年年齢の引き下げによって生じる出演強要被害については成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議で対応策を検討していく、と答弁しました。
先日、第2回成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議の議事録が公開されました。
さっそく出演強要問題がとりあげられています。
みてみます。

2018年9月3日 第2回成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議

(2018年9月3日 第2回成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議 議事概要より、引用。)

2018年9月3日 上川陽子 法務大臣

(前略。)
本年(2018年)6月13日に,民法が定める成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立いたしました。

これによりまして,平成34年(2022年)4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることとなります。

成年年齢の引下げは、18歳、19歳の若者を大人として扱うことにより、若い方々が責任ある立場で積極的に社会に参加することを促進しようとするものでございます。
(後略。)

<1ページ>
2018年9月3日 小野瀬 厚 法務省 民事局長

それでは次に、議事次第のほうでは国会における審議報告等についてでございますが、まずは、この連絡会議の構成員の変更についてお諮りしたいと思います。
資料2を御覧いただければと存じます。

後ほど詳しく御説明いたしますが、成年年齢引下げの国会審議の過程でアダルトビデオ出演強要問題に対する認識と対策について御指摘がございました。
本件につきましては今後、「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議」の事務局であります内閣府男女共同参画局と連携し、必要な取組を実施してまいりたいと考えております。
そこで、この連絡会議の構成員として、新たに内閣府男女共同参画局長に加わっていただくことといたしたく、「成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議の開催について」を資料2のとおり一部改定したいと思います。
この件につきまして、御異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

<2ページ>
2018年9月3日 小野瀬 厚 法務省 民事局長

(前略)
続いて、資料1の)(5)でございますが、若年者の自立支援についてでございます。

若年者の自立を高める教育や、自立を支援する制度に関する質疑が行われました。
先ほどの附帯決議第5項の(3)におきましても、若年者の成長発達を支援するために必要な措置を講ずることとされています。

また、審議の中ではアダルトビデオ出演強要問題に対する懸念も示されました。
成年年齢引下げに伴い18歳、19歳の若年者に対してもアダルトビデオへの出演を強要されるような契約が拡大しないよう、「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省連絡会議」の事務局であります内閣府男女共同参画局と連携し、必要な取組を実施してまいりたいと考えております。
(中略。)
次に、資料3を御覧いただきたいと存じます。

資料3でございますが、これは本連絡会議の概要を示したものでございます。
4月に開催いたしました第1回会議におきましても同様の資料をお示しいたしましたが、前回から変更箇所がございますので、改めてお示しするものでございます。
まず、資料の右下部分の「改正民法の周知活動について」及び「成人式の時期や在り方について」につきましては、前回の資料では、仮に法案が成立した場合としておりましたけれども、民法改正法が成立いたしましたので、その記載を外しております。

また、若年者自立支援についての最終行を御覧いただければと思いますが、先ほど御説明いたしましたアダルトビデオ強要問題に関する対策の推進という記載を加えてございます。

資料3の変更点は以上でございます。
(後略。)

<3ページ>
2018年9月3日 小野瀬 厚 法務省 民事局長

それでは、議事次第の3番でございまして、アダルトビデオ出演強要問題についてでございます。
それでは、新たに構成員に加わっていただきました内閣府男女共同参画局から、アダルトビデオ出演強要問題につきまして御説明をお願いいたします。

<3~4ページ>
2018年9月3日 内閣府 男女共同参画局

ありがとうございます。
内閣府男女共同参画局でございます。
よろしくお願いいたします。

資料5を参照いただければと思います。

近年大きな問題となっているアダルトビデオ出演強要問題についてでございますが、街で「モデルにならないか」などと声を掛けられたり、高収入のアルバイトに応募したことなどをきっかけに、その後、聞いていない、同意していない性的な行為の撮影や動画への出演を強要されるものであり、被害者の心身に深い傷を残しかねない重大な人権侵害です。
また、女性活躍の前提となる安全で安心な暮らしの基盤を揺るがす問題であり、政府を挙げてその根絶に取り組む必要があると考えております。

内閣府が民間団体に対して行ったヒアリングによりますと、アダルトビデオ出演強要の被害者は18歳から20歳代前半までの若年層の女性に集中しているとのことであり、20歳を超えると未成年であることを理由に契約を取り消すことができなくなるため、中には20歳になるまでは露出の多いイメージビデオへの出演を強要され、20歳になるとアダルトビデオへの出演を強要されるケースも見られます。
若年であるがゆえに社会経験が少なく、危険性に対する判断力や対応力が未熟であったり、法律に関する知識が不足していることなどにつけ込まれることにより被害に遭いやすくなると聞いているところです。

資料5の1ページ目にございますように、こうした問題に対して政府では、背景のところに書いてございますけれども、昨年5月に関係府省対策会議において「今後の対策」を取りまとめ、被害の根絶に向け、さらなる実態把握や取締りの強化、教育・啓発の強化、相談体制の充実などに取り組んでまいりました。
特に、毎年4月を被害防止月間と位置づけ、集中的に広報啓発活動を実施しています。

資料5の2ページ目を御覧いただきますと、本年3月に同対策のフォローアップを実施したものでございます。
このフォローアップによれば、依然として深刻な状況にあるということ、関係行政機関等の相談窓口への相談割合が低いなどということが見えてきておりますが、被害の根絶に向けて関係府省庁が緊密に連携協力し、これまでの対策を一段と強化拡充していくこととしております。
また、内閣府では啓発用ホームページを作成し、被害事例や相談窓口の紹介を行っているほか、本人が承諾していなければその内容については契約として成立していないこと、契約として成立したとしても錯誤に基づくものであれば無効であり、守る必要はないことなどを掲載し、「契約してしまったから仕方ない」と一人で悩まず相談するよう呼びかけています。

性暴力の被害者は最後の一人までなくしていかなければならないと考えております。
成年年齢の引下げによって被害に遭いやすくなることのないよう、関係府省庁の皆様方と緊密に連携して取り組んでまいりたいと思います。

以上でございます。

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法務大臣は上述の法務委員会で、
成年年齢引き下げがおこるおこなわないを超えてこの問題(出演強要問題)についてはしっかりととりくむべき課題である、というふうに認識をしているところでございます
とも答弁しています。
それにも拘(かかわ)らず、18歳と19歳の女性の被害に関しては、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議で対策を検討していくようです。
内閣府男女共同参画局が言うように、
性暴力の被害者は最後の一人までなくしていかなければならない
といったところなのでしょうか。
出演強要被害の根絶に向けて政府が全力を傾注している、ということがわかります。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2015年7月11日

①高齢者の銀行預金が振り込め詐欺で狙われるように
若い女性は〝性〟を狙われるんだそう。AV出演を自分で決めたと思っていても実はそう洗脳されていた事も多いから周りにちゃんと相談して決めること。
AVの良い部分しか話してこない人には要注意。一生背負うものは大きい想像以上の覚悟が必要

香西咲さん
2016年12月19日

あの時の私も、人を疑う事を知りませんでした。
若い女性にそこの判断能力をも求めるにも限界がありますよね。
善人顔をした悪人も多々いますしね。
人間不信になりますよね。

香西咲さん
2017年10月31日

経験上、相手に面倒臭い奴だと思われてる位の方が仕事が円滑に進む事が多いです。
相手もそれなりにしっかりと対応してくださる。
逆に(仕事としては比較的)若い女性で可愛い服着てニコニコしてたら本当に舐められっ放しですわ。
皮肉な事ですね。

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若い女性は、わいせつビデオ業界にとって、有力な金蔓(かねづる)です。
出演強要等を処罰する法律ができても、業界は、法の抜け穴をついてくるでしょう。
被害をふせぐためには、対策が幾重にも重なっていることが肝要です。

(再掲。香西咲さん)
若い女性にそこの判断能力を求めるにも限界があります

政府のとりくみは万全です。
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政府だけではなく、与党の自民党もとりくみを加速してきました。

明日、自民党が設置した出演強要に関するプロジェクトチームの2回目の会合があるようです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

(明日のブログへつづく)



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成年年齢引下げを見据えた連絡会議の議事録が公開されました。香西咲さん「若い女性にそこの判断能力を求めるにも限界があります」。政府の対応は万全です」への1件のフィードバック

  1. 海野

    このような状況にも関わらず、未だにAVメーカのプレステージの求人がリクナビネクストに
    掲載されています。
    私が、現在この業者をもっとも、問題視している理由は支援団体の者から聞いた話ですが
    動画の削除に一切、応じないという対応を問題にしています。

    このような、反社会的な求人を出すことは、リクナビネクストのガバナンスに疑問です。

    https://next.rikunabi.com/company/cmi2074235001/nx1_rq0016899632/?vos=nrnnopindeed16170
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