昨日、厚生労働省が所管している婦人保護事業についてふれました。
(参考。当ブログ)
・2018年11月30日
昨年の10月、日本共産党は、衆議院選挙にむけて選挙公約を発表しました。
出演強要に関する部分をみてみます。
(引用)
●2017年10月 日本共産党
また犯罪的なアダルトビデオ撮影被害者の訴えにより、若年女性に対する性的搾取の一端-脅迫や欺罔による意に反する撮影(多くは犯罪行為の撮影)とその映像の半永久的拡散に被害者が甚大な打撃を被っていることが関係者・弁護団の尽力で明らかになっています。
これらを取上げた日本共産党の池内さおり衆院議員の国会質問(2016年3月)も一つの契機となって、政府はAV被害やJKビジネスの一部実態把握を行い、2017年春に相談、啓発、取締強化に着手しました。 これらの対策は緒についたばかりであり、性的搾取の実態調査をさらに進めるとともに、当事者の意に反する性を売り物に莫大な利益を上げる構造にメスを入れ、性的搾取を根絶する抜本的対策が必要です。 アダルトビデオ製作販売に係る刑法犯、職業安定法・労働者派遣法違反業者に厳正に対処させるとともに、規制立法を策定します。 これらの性的搾取を潜在化させないためにも、被害者支援を総合的に行う必要があります。 |
このあと、日本共産党は、婦人保護事業に言及しました。
●日本共産党
厚生労働省「婦人保護事業等の見直しに関する検討会 論点整理」(2013年3月)を全面的に生かした、総合的な「女性自立支援法(仮称)」制定を目指します。
売春防止法を改正し、婦人相談所、婦人保護施設等の改組発展、民間団体との協力と支援の拡充、アウトリーチ型支援の推進、受入施設の拡充を行います。 |
婦人保護事業はいま、種々の問題をかかえています。
昨年の公明新聞の記事を参照します。
(2017年9月6日 公明新聞「婦人保護事業-60年目の見直しへ(上)」より、引用。改行を施しています。)
●2017年9月6日 公明新聞
「生きづらさを抱えた女性たち。それは婦人保護施設で受け入れる人の特徴と言っていい」。 全国婦人保護施設等連絡協議会の横田千代子会長はこう語る。 |
●2017年9月6日 公明新聞
一方、女性を取り巻く問題が複雑化し、心のケアや福祉的支援の重要性が増しているにもかかわらず、職員などの体制が追い付いていない。 |
●2017年9月6日 公明新聞
この背景には、もともと婦人保護事業が、1956年に制定された売春防止法を法的根拠としていることがある。 当初の目的は「売春を行う恐れがある女性の保護更生」。 その後、大きな法改正のないまま対象者が広がり、今では支援を必要とする女性が抱える複雑な課題と、制度の枠組みとの間に大きな“隔たり”が生じている。 |
現在は売春と関係のない女性も婦人保護事業の対象となっています。
公明新聞のつづきをみてみます。
(2017年9月8日 公明新聞「婦人保護事業-60年目の見直しへ-(下)」より、引用。改行を施しています。)
●2017年9月8日 公明新聞
自民、公明両党の与党「性犯罪・性暴力被害者の支援体制充実に関するプロジェクトチーム(PT)」は昨年12月、婦人保護事業の抜本的見直しや相談体制の強化などを政府に提言。 これを受け、今年度予算に婦人相談員の手当拡充などが盛り込まれた。 |
厚生労働省の諮問機関である困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会は現在、婦人保護事業のさらなる充実に向けて、議論をおこなっています。
(2018年11月26日 第5回困難な問題を抱える女性への支援あり方に関する検討会「今後議論する論点について(案)」より、引用。)
<1ページ>
●2018年11月26日 困難な問題を抱える女性への支援あり方に関する検討会
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困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会は、出演を強要された被害者の救済を強化したい考えのようです。
<15ページ>
●2018年11月26日 困難な問題を抱える女性への支援あり方に関する検討会
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過日のブログでもふれました。
3月20日におこなわれた平成29年度全国児童福祉主管課長会議で、以下の資料が配布されました。
(「(5)母子家庭等自立支援室関係」より、引用。改行を施しています。)
●2018年3月20日 平成29年度全国児童福祉主管課長会議
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●2018年3月20日 平成29年度全国児童福祉主管課長会議
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(再掲)
●2017年9月6日 公明新聞
一方、女性を取り巻く問題が複雑化し、心のケアや福祉的支援の重要性が増しているにもかかわらず、職員などの体制が追い付いていない。 |
出演強要問題については別です。
政府は異例のとりあつかいをしています。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年11月29日>
【AVに至った経緯】 3年前、 #アットハニーズAV強要 から逃れられた際にこの資料を作成し、弁護士や支援団体を回りました。 恥を覚悟で内容はとにかく赤裸々です。ご興味のある方は無償で差し上げますので本日の院内集会でお名刺を頂けましたらPDFでお送りいたします。 |
●香西咲さん
<2016年6月12日>
私が前に事務所問題でトラブった事があるのは皆様ご存知かと思います。 実はその時に弁護士10人弱訪問してるんです。霞ヶ関含めて。 でも殆どの弁護士の先生に『立証しにくい』と言われ、あからさまに嫌な顔されて門前払いされました。 現実ってこんなものなんだな~って悟って腹を括った訳です。 |
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香西咲さんのときはまさに、孤立無援の抒情、です。
相談に応じてくれるところはごくわずかでした。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。 私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。 |
●香西咲さん
<2016年7月17日>
何故今更告発? 皆様の1番の疑問はそこでしょう。 私は辞める時に弁護士会もセックスワーカー御用達の弁護士もその他5件以上の弁護士を当たっています。 が、当時は今の時代と違い『立証しにくい』と門前払いされました。 このタイミングで週刊文春様はいい意味で私を起用してくださりました。 |
●香西咲さん
<2017年7月7日>
この1年よく頑張った! 世間の風当たりが厳しくて命を絶つ事まで考えながらも、頑張りきった! 去年の今頃はAV強要や性接待の強要の事実を話しても世間からは非難の嵐だったから。 1年後の今は味方がたくさんいて下さる。 |
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だれもが香西咲さんのように膂力(りょりょく。「腕力」)があるわけではありません。
ふつうは泣き寝入りをします。
(再掲)
●2018年11月26日 困難な問題を抱える女性への支援あり方に関する検討会
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被害にあった女性が涙を呑(の)むのではなく、容易に被害を打ち明けられる。
そのような環境がつくられることを期待しています。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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