厚生労働省の困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会が出演強要に言及しました。業界は香西咲さんたち被害者に謝罪する気がありません。愚かです

3日前のことです。
日本経済新聞に興味深い記事が掲載されました。

(2018年11月27日 日本経済新聞「若い被害女性 支援強化へ 厚労省中間報告案、DVや貧困など」より、引用。)

2018年11月27日 日本経済新聞

厚生労働省は(2018年11月)27日までにドメスティックバイオレンス(DV)や性被害、貧困などの問題を抱える女性の支援策を議論している検討会に、若い女性の支援強化など保護事業の抜本見直しが必要とする中間報告案を示した。

記事のなかにある
ドメスティックバイオレンス(DV)や性被害、貧困などの問題を抱える女性の支援策を議論している検討会
の正式名称は、
「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」
です。

厚生労働省 困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会

困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会はこれまでに、5回、開催されています。

(参考)
第1回 2018年7月30日 議事録
第2回 2018年8月23日 議事録
第3回 2018年9月4日 議事録
第4回 2018年10月24日 議事録
第5回 2018年11月26日 資料

第1回目の検討会は、7月30日に開かれました。
翌日、毎日新聞が、概要をつたえました。

(2018年7月30日 毎日新聞「婦人保護事業 厚労省見直しへ 検討会初会合」より、引用。)

2018年7月30日 毎日新聞

性犯罪被害や貧困、障害といったさまざまな問題を抱える女性を各地の婦人相談所などで支援する「婦人保護事業」の見直しに向け、厚生労働省は(2018年7月)30日、専門家による検討会の初会合を開いた。
(後略。)

(再掲。毎日新聞)
性犯罪被害や貧困、障害といったさまざまな問題を抱える女性を各地の婦人相談所などで支援する『婦人保護事業』の見直し

なぜ婦人保護事業を見直す必要があるのでしょうか。

2018年11月27日 日本経済新聞

DVや性暴力被害者らを公的に支援する「婦人保護事業」は1956年制定の売春防止法に基づき実施されている。
売春する恐れのある女性の保護更生を目的とした同法は、60年以上抜本的な見直しがされておらず、実態に即していないとの指摘が出ている。

婦人保護事業につきましては、過日の当ブログで詳述しました。

(参考。当ブログ)
2018年6月10日

もう一度、内閣府の説明を引きます。

(内閣府)

婦人相談所とは

売春防止法第34条に基づき、各都道府県に必ず1つ設置されています。

(参考。売春防止法

第34条
都道府県は、婦人相談所を設置しなければならない。

3 婦人相談所は、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子(以下「要保護女子」という。)の保護更生に関する事項について、主として次に掲げる業務を行うものとする。
一 要保護女子に関する各般の問題につき、相談に応ずること。
二 要保護女子及びその家庭につき、必要な調査並びに医学的、心理学的及び職能的判定を行い、並びにこれらに付随して必要な指導を行うこと。
三 要保護女子の一時保護を行うこと。

5 婦人相談所には、要保護女子を一時保護する施設を設けなければならない。

婦人保護施設とは

売春防止法第36条により都道府県や社会福祉法人などが設置しています。

(参考。売春防止法

第36条
都道府県は、要保護女子を収容保護するための施設(以下「婦人保護施設」という。)を設置することができる。

もともとは売春を行うおそれのある女子を収容保護する施設でしたが、現在では、家庭環境の破綻や生活の困窮など、様々な事情により社会生活を営むうえで困難な問題を抱えている女性も保護の対象としています。

平成13年4月に成立した配偶者暴力防止法により、婦人保護施設が配偶者からの暴力の被害者の保護を行うことができることが明確化されました。
婦人相談所を通じて保護が行われます。

(再掲。内閣府)
(婦人保護施設は)もともとは売春を行うおそれのある女子を収容保護する施設でしたが、現在では、家庭環境の破綻や生活の困窮など、様々な事情により社会生活を営むうえで困難な問題を抱えている女性も保護の対象としています

現在、婦人保護施設は、売春以外の被害をうけた方々の支援もおこなっています。

2018年11月27日 日本経済新聞

JKビジネスやアダルトビデオの出演強要の被害などこれまで想定していなかった課題が増えているが、若い女性には事業そのものが知られておらず、支援が行き届かない現状がある。

中間報告案をみてみます。

2018年11月26日
第5回 困難な問題を抱える女性への支援あり方に関する検討会
今後議論する論点について(案)

引用
2018年11月26日 困難な問題を抱える女性への支援あり方に関する検討会

売春防止法を根拠とする婦人保護事業の見直しについては、平成 24 年度に厚生労働省の研究事業の一環として行われた「婦人保護事業等の課題に関する検討会」において一定の検討と論点整理がなされるとともに、この結果を踏まえ、「婦人相談所ガイドライン」や「婦人相談員相談・支援指針」の策定、婦人保護事業に関する研修カリキュラムの作成等の運用面における改善の取り組みが行われてきた。
しかしながら、平成 29 年度に厚生労働省が行った「婦人保護事業等における支援実態等に関する調査研究」結果(以下「調査結果」という。)からは、相談員の専門性、スキル向上等のソーシャルワーク実践に関わる課題や、専門職配置の脆弱さ、婦人保護施設へのつながりにくさ等の制度的課題、自立支援の概念や市区町村の役割の不在等の根拠法に端を発する課題等が考察されている。
また、婦人保護事業が対象としている女性の年齢層は幅広く、主訴こそ「夫等からの暴力」が大半を占めるものの、 主訴にかかわらず、精神・知的障害や妊産婦、外国籍などの属性、被虐待経験、性暴力被害などの背景を複合的に抱えていることによる、支援の困難さの実態が調査結果から改めて浮き彫りとなった。
さらに、近年社会問題化しているAV出演強要、JKビジネス問題や10代の女性への支援といった、これまで婦人保護事業の対象として想定されなかった新たな課題も表出しており、これら若年女性への支援を婦人保護事業がどう担っていくのかは欠かすことのできない検討課題である。

2018年11月27日 日本経済新聞

中間報告案では
(1)支援対象となる女性の範囲や、多様化するニーズへの対応策
(2)婦人相談員の専門性を確保するための方策や、自治体の連携のあり方
(3)他の法律との関係や根拠法の見直し
を今後の論点とした。

政府は昨年の5月に、「今後の対策」を策定しました。

(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)

内閣府、関係府省

被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討

アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。
(内閣府、関係府省)〔平成 29 年4月~〕

わいせつビデオ業界が自浄作用を発揮すれば法律をつくらない、とも読めます。
業界はそれらしきことをおこないました。

(IPPA「適正AVについて」より、引用。)

IPPA

「適正AV」とは、AV人権倫理機構(HP:https://avjinken.jp/)が提唱する「女優の人権に配慮した過程を経て制作され、正規の審査団体の審査を受けたAV作品」のことをいいます。(作品の表現内容に関して指すものではありません。)

AV人権倫理機構では、女優への人権侵害が起こりうる部分として「女優のプロダクション面接、登録~出演決定~撮影」といった過程を重要視しています。

政府関係者は歯牙にもかけていないようです。
3日前に、厚生労働省の諮問機関である困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会が、
近年社会問題化しているAV出演強要、JKビジネス問題や10代の女性への支援といった、これまで婦人保護事業の対象として想定されなかった新たな課題も表出しており、これら若年女性への支援を婦人保護事業がどう担っていくのかは欠かすことのできない検討課題である
との中間報告案を出しました。

(2018年9月23日 弁護士ドットコム「『AV問題、自由にもの言えず、なし崩し的に風化』男優・辻丸さんが抱く危機感」より、引用。改行を施しています。)

記者「最近の状況をどう見ている?
辻丸さん

業界内がまとまっておらず、いろいろな部分が未整備なままです。
しかも一部のルールがなし崩し的に守られなくなっている印象です。
(後略。)

(再掲。「今後の対策」)
関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する

政府は心置きなく苛烈な法律をつくることができます。
法案の完成が楽しみです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2017年12月18日

(前略。)
近況報告ですが引退から2週間後のHRN院内集会から活動を再開し、PTSDと闘いながらも着々と事は進んでおります。
時間はかかるでしょうが来年に期待します。

香西咲さん
<2018年4月24日>


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わいせつビデオ業界は香西咲さんたち被害者に償う気がありません。
出演強要は存在しない、と嘯(うそぶ)いています。
愚かなやつらです。
政府による殲滅は必定です。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

(明日のブログへつづく)



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