ヤスパース「われわれは一人残らず積極的に何もしてこなかったという意味において罪がある」。香西咲さんはちがいます。実存的な生き方をしてきました

以前、当ブログで、ヤスパース(1883年~1969年)のことばについてふれたことがあります。

(参考。当ブログ)
2017年12月7日

(ヤスパース著 草薙正夫訳「哲学入門」新潮文庫より、引用。)

ヤスパース

私たちが限界状況に対していかなる態度をとるかといえば、それはこの限界状況を糊塗する(ごまかす)か、あるいは私たちが限界状況を本当に把握するかぎり、絶望と回生(いきかえること)によってそれを対処するかの、いずれかであります。

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ヤスパースは実存哲学者のうちの一人として著名です。
略歴を記します。
1883年にドイツで、銀行家の子としてうまれました。
研究者の道に進み、精神病理学者として名を成します。
その後、哲学者をこころざし、1921年にハイデルベルク大学の哲学科の教授となりました。
10年後の1931年、主著の「哲学」を出版しました。
2年後のことです。
ヒトラーがドイツの首相となります。
ヤスパースの妻はユダヤ人でした。
1937年、ヒトラー政権は、ヤスパースに対して、
「ユダヤ人の妻を捨てるか、大学教授の職を捨てるか、どちらかを選べ」
と迫ります。
ヤスパースは迷うことなく、後者を選択しました。
大学を去りました。
1945年に戦争がおわりました。
翌年、ヤスパースはドイツの大学で、「罪を問う」と題した講義をおこないました。
授業の内容はヤスパースの著書で読むことができます。

(ヤスパース著 橋本文夫訳「戦争の罪を問う」平凡社刊より、引用。改行を施しています。)

ヤスパース

罪の問題は他からわれわれに向けられる問題というよりは、むしろわれわれによってわれわれ自身に向けられる問題である。

われわれがこの問題に心の底からどのような答を出すかということが、われわれ現在の存在意識・自意識の基礎になるのである。

それはドイツ魂の死活問題である。

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ヒトラーが率いた政党は、「国家社会主義ドイツ労働者党」です。
党名が長いので、ドイツ人は、「ナチ党」と呼んでいました。
ちなみに、ナチ党の党員や、協力者のことを「ナチス」と言います。
ナチスは、ナチの複数形です。
当時、ドイツ人の全員が、ナチスの活動に参加したわけではありません。
ヤスパースは、党員や協力者以外のひとたちをつぎのように評しました。

(ヤスパース著 橋本文夫訳「戦争の罪を問う」平凡社刊より、引用。改行を施しています。)

ヤスパース

われわれは一人残らず積極的に何もしてこなかったという意味において罪がある。

とくに大勢に順応した無力な人たちに対して、他の災厄に対して盲目であったということ、すなわち自分の心にその災厄を感ずるだけの想像力が欠けていたということ、これが道徳的な罪なのである。

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自分の心にその災厄を感ずるだけの想像力が欠けていたということ、これが道徳的な罪なのである

池内さおりさんが国会で発したことばを思い出しました。

2016年3月11日 衆議院 内閣委員会
(動画 衆議院インターネット審議中継)

(2016年3月11日 衆議院 内閣委員会「会議録」より、引用。)

池内さおり 衆議院議員(日本共産党)

膨大な量のアダルトビデオが今流通をしています。
そこで流されている女性の映像のうち、果たしてどれだけの人たちが自分の選択で自分の意思で出演しているのか。

長らく信じられてきた言説があります。
AVには被害者などいない、女性は皆同意のもと撮影に応じているし、それ相応の対価も得ているのだから問題はないと。

(ヤスパース)
自分の心にその災厄を感ずるだけの想像力が欠けていたということ、これが道徳的な罪なのである

返すことばがありません。
香西咲さんによる真実のうったえがなければ、だれもが、
AVには被害者などいない、女性は皆同意のもと撮影に応じているし、それ相応の対価も得ているのだから問題はない
と錯覚していたことでしょう。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2016年7月6日

週刊文春様の報道に私のAV強要の件が出始めている様です。
ファンの方々は読んでいて心が痛くなる内容だと思います。
ですがデビューから前の事務所を経て独立迄に受けた現実であり、これを経て今の私がある事を知って頂けたら幸いです。
またそれが今のAV業界の為にもなると信じてやみません。

香西咲さん
2016年7月8日

週刊文春様、後編は14日に発売になりますが、前編よりも更に酷い内容になっていると思います。
私はファンの方々の心を傷つけたくて述べているのではありません。ただひたすら私が受けた現実です。

香西咲さん
2016年7月10日

週刊文春様の記事が出てからツイートが殺到してしまってなかなか過去記事に遡れないのですが、
皆様を心配させてしまう様な記事を発信したにも関わらず、私の写真をヘッダーやアイコンに使って下さる方々が多くいらっしゃる事に心から感謝致します
本当にありがとうございます

香西咲さん
2016年7月19日

週刊文春様に掲載された時は毎朝300件近い通知。
今でも朝起きると100件以上の通知。

今まで懇意にして下さってた方々にも返信や『いいね』をし損ねてしまう事が多々ありますが、
どうかお許し下さい(〃>ω<〃)

香西咲さん
2016年8月28日

女性のお子様がいらっしゃる方々には決して他人事では無い事だと言う事で、週刊文春様が二週間に渡り掲載をして下さりました。
他人事では済まされない、本当に身近な事件です。

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(再掲。ヤスパース)
自分の心にその災厄を感ずるだけの想像力が欠けていたということ、これが道徳的な罪なのである

自分の蒙昧(もうまい)さを恥じるばかりです。

(ヤスパース著 橋本文夫訳「戦争の罪を問う」平凡社刊より、引用。改行を施しています。)

ヤスパース

話し合い、耳を傾け合うということが、われわれには大いに不足している。
(略。)
これをさらに悪化させるのは、真に深く物を考えようとしない人の数が実に多いという事実である。
かれらは標語を求め、何か服従するものを求めている。
教え込まれた文句を繰り返す以外には、問うこともしなければ、答えることもしない。

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真に深く物を考えようとしない

そういえば以前ネット等で、表現の自由、などという意味不明の妄言を口にしている者がいました。
最近はほとんど見かけませんが。

教え込まれた文句を繰り返す以外には、問うこともしなければ、答えることもしない

人類の歴史において、この種の輩(やから)が世の中の害悪になってきたということがわかります。

(再掲。ヤスパース)
われわれは一人残らず積極的に何もしてこなかったという意味において罪がある

香西咲さんはちがいます。
実存的な生き方をしてきました。

(ヤスパース 著 草薙正夫ほか訳「哲学Ⅱ 実存解明」創文社刊より、引用。改行を施しています。)

ヤスパース

眼を見開いて限界状況へと踏み入ることによって、われわれは、われわれ自身となるのである。
知にとっては、単に外面的にしか知ることができない限界状況は、実存にとってのみ、現実として感得されるものとなる。
限界状況を経験することと、実存することは、一つのことである

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香西咲さんは限界状況から逃げませんでした。
向かい合いました。

(ヤスパース 著 草薙正夫訳「理性と実存」理想社刊より、引用。)

ヤスパース

実存は理性によってのみ明白になり、理性は実存によってのみ内容を得る。

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香西咲さんの内には理性があります。
理性とは、広辞苑によりますと、
真偽・善悪を識別する能力
のことです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2017年12月31日

今年までは汚いものを沢山見てきた。
純粋に応援してくれるファンの方々の気持ち以外は汚いものだらけだった。
本当に本当にありがとうございます。

来年からは綺麗なものを沢山見て心を豊かにしようと思います。

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香西咲さんの生き方は崇高です。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
2017年12月1日
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。

(明日のブログへつづく)



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