2週間前(2018年6月12日)のことです。
消費者庁が国会に、平成30年版消費者白書を提出しました。
(参考。当ブログ)
・2018年6月25日
同じ日(2018年6月12日)、首相官邸において、第7回すべての女性が輝く社会づくり本部が開催されました。
ここで、「女性活躍加速のための重点方針2018」が決定しました。
昨年にひきつづき今年も、出演強要問題が盛り込まれています。
(※下図は「女性活躍加速のための重点方針2018」より、引用。)
<目次>
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本文をみてみます。
(2018年6月12日 第7回すべての女性が輝く社会づくり本部「女性活躍加速のための重点方針2018」より、引用。)
●女性活躍加速のための重点方針2018
3.女性に対するあらゆる暴力の根絶
(3)若年層を対象とした性的な暴力の根絶 ①「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」に基づく施策の推進 「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」(平成29年5月19日いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議決定)に基づき、引き続き、こうした問題の根絶に向け、更なる実態把握や取締り等の強化、教育・啓発の強化、相談体制の充実、保護・自立支援の取組強化等の施策を総合的に推進する。 |
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政府は今後も、「今後の対策」を推し進める方針です。
その姿勢は、とどまるところを知りません。
たとえば厚生労働省は、今年度、あらたな施策を実施します。
第92回女性に対する暴力に関する専門調査会の議事録を参照します。
(2018年4月23日 第92回女性に対する暴力に関する専門調査会「議事録」より、引用。)
<17ページ>
●厚生労働省
4ページになりますが、若年被害女性等支援モデル事業、これは困難を抱えた女性について、都道府県と民間団体、こうしたところで連携をしながら、アウトリーチ支援や関係連携会議の設置を必須事業としつつ、必要に応じて居場所の確保や自立支援を行うという事業です。 平成30年度からモデル的に実施するという形になっております。 |
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出演強要の被害者に対してアウトリーチ支援をおこなうようです。
アウトリーチとは、「訪問」という意味です。
第92回女性に対する暴力に関する専門調査会で配布された資料を参照します。
(下図は「資料5 厚生労働省説明資料」より、引用。)
第4回関係府省対策会議の議事録もみてみます。
(2018年3月26日 第4回関係府省対策会議「議事録」より、引用。)
<4ページ>
●厚生労働省 子ども家庭局長
さらに、新たに民間団体と公的機関が連携して、困難を抱えた若年女性に対し、アウトリーチ、出向いていって相談支援を行う、居場所の提供を行うというモデル事業に取り組ませていただこうと思います。
なかなかこういう被害者の方々、関係者の方々にとって公的機関は敷居が高いということを踏まえて、実践家の方々と連携をしようという取組でございます。 |
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(再掲。厚生労働省 子ども家庭局長)
「民間団体と公的機関が連携」
「被害者の方々、関係者の方々にとって公的機関は敷居が高い」
「出向いていって相談支援を行う」
行政がここまでおこなうとは。
香西咲さんのときとはえらいちがいです。
隔世の感があります。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年6月12日>
私が前に事務所問題でトラブった事があるのは皆様ご存知かと思います。 実はその時に弁護士10人弱訪問してるんです。霞ヶ関含めて。 でも殆どの弁護士の先生に『立証しにくい』と言われ、あからさまに嫌な顔されて門前払いされました。 現実ってこんなものなんだな?って悟って腹を括った訳です。 |
●香西咲さん
<2016年7月17日>
何故今更告発? 皆様の1番の疑問はそこでしょう。 私は辞める時に弁護士会もセックスワーカー御用達の弁護士もその他5件以上の弁護士を当たっています。 が、当時は今の時代と違い『立証しにくい』と門前払いされました。 このタイミングで週刊文春様はいい意味で私を起用してくださりました。 |
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(再掲。厚生労働省 子ども家庭局長)
「被害者の方々、関係者の方々にとって公的機関は敷居が高いということを踏まえて、実践家の方々と連携をしようという取組でございます」
たしかに、公的機関、と聞くと気後れします。
●香西咲さん
<2017年11月2日>
消費者センターにも行ってみようかな… 弁護士でさえ門前払いされたとあるから気が引けるけど。 税理士の件 何処に行くのが効果的なのか、 |
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「気が引ける」
菅家利和さんというかたがいらっしゃいます。
冤罪の被害者です。
足利事件の犯人とされ、無期懲役の判決をうけました。
菅家さんはなぜ、偽りの自白をしたのでしょうか。
自著のなかでその理由を語っています。
(菅家利和著「冤罪 ある日、私は犯人にされた」朝日新聞出版より、引用。改行を施しています。)
●菅家利和さん
「今から警察に行くからな。だから、着替えろ」 と命令されました。 自分はひどく気が小さい性格だったので、強い者に命令されると、何も反論できませんでした。 |
彼らは、自分たちにとって都合の悪い話には一切、耳を貸しません。 「やっていません」 と言っても、調べは絶対に終わりません。 自分の言い分も、アリバイも聞き入れてはくれません。 「絶対にお前なんだ」 と繰り返し、呪文のように言い続けるだけなんです。 |
むしろ自白しなければ解放されないと、そのときは思い込んでいました。 精神的にも肉体的にも疲れてしまい、ウトウトと眠気を感じることもありました。 先のことは、何も考えられませんでした。 その場をどうにか逃れたくて、夜10時にもなれば、 「もうどうでもいいや」 とやけくそな気持ちになってしまいます。 そうして、自分は、 「分かりました。自分がやりました」 とひと言、口に出して言いました。 |
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出演強要の場合はこうした手口に加えて、相手の心根(こころね)のやさしさも利用します。
(2016年7月17日 AbemaTIMES「【AV出演強要・脅迫・洗脳】人気AV女優が元所属事務所を告訴」より、引用。改行を施しています。)
●香西咲さん
普通の子だと拒否できないです。 周りにスタッフが20人ぐらいいます。 撮影も急がされている状況で、拒否したら申し訳ないなと思う。 |
□青木亮
□大西敬
□高畠典子
□坂田恵理子
□坂上孝志
□A-TEAM 飯田正和
□メーカー関係者
□T総研のY
□その他
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(再掲。香西咲さん)
「拒否したら申し訳ないなと思う」
●香西咲さん
<2016年7月24日>
青木は本当に自分の手を汚さない。やってくるのは洗脳と脅迫と泣き脅し。 |
●香西咲さん
<2016年7月8日>
一生自分の中だけに留めて置かなければいけない、と思った時に気が触れてしまいました。
吐き出す事で過去を清算できる機会を頂けて、救われました。 |
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(再掲。厚生労働省 子ども家庭局長)
「民間団体と公的機関が連携して、困難を抱えた若年女性に対し、アウトリーチ、出向いていって相談支援を行う(略)というモデル事業に取り組ませていただこうと思います」
先進的なとりくみです。
被害者の方々の泣き寝入りがすこしでも減ることを期待しています。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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