先月の3月26日に、第4回となる関係府省対策会議が開催されました。
関係府省対策会議
同会議は昨年、各府省庁が横断的に出演強要の対策をほどこすために設置されました。
これまでに4回、会合がもたれています。
同会議の構成人員は以下のとおりです。
(関係府省対策会議の構成人員より、引用。)
●関係府省対策会議 構成人員
<議長> ・内閣府特命担当大臣(男女共同参画) <議長代理> <構成員> |
——————————————————–
総勢、10人です。
議長は、野田聖子男女共同参画担当大臣です。
(※野田大臣は、総務大臣と女性活躍担当大臣も兼務しています。)
この会議に毎回、メンバー以外で参加されているかたがいます。
菅義偉(すがよしひで)内閣官房長官です。
(2018年2月19日 朝日新聞「「影の権力者」菅長官を凍らせた一通のメール」より、引用。改行を施しています。)
●朝日新聞
かつて自身の選挙区で対立した創価学会とも、今や政権で最も太いパイプを持つと言われる関係を築く。
安倍政権の大番頭として政策、危機管理、そして選挙を非情とも言える態度で切り回す。 「官房長官がうんと言わなければ決まらない」 霞が関の官僚たちはそうささやきあい、畏怖(いふ)の念を込めて、こう呼ぶ。 「影の権力者」 |
——————————————————–
菅長官の権勢は絶大です。
●朝日新聞
菅は周辺にこう語ったことがある。 「政治家は、いかに権力を握って、自分がやりたいと思う政治をやるかだ。だから権力を握らないといけない」 官房長官という市議時代に掲げた目標に到達したいま、 |
——————————————————–
菅長官は、わいせつビデオ業界がおこなっている出演強要に対して、義憤の念をいだいています。
昨年の定例の記者会見では、めずらしく感情をあらわにしました。
2017年3月16日 内閣官房長官記者会見
(※出演強要に関する所見は、15分ごろから。音声の文字化は筆者。)
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
まずこの問題(出演強要問題)についてはですね、女性に対する暴力にあたる重大な人権侵害である、という認識をしております。
政府においてもですね、男女共同参画会議の専門調査会において、実態把握をするために、現状と課題について、一昨日報告書をとりまとめております。 女性に対する暴力は、安倍内閣がすすめる、女性活躍の前提となる、安全で安心な暮らしの基盤をゆるがす、きわめて大事な問題である、と受けとめています。 昨日、公明党のみなさんからちょうだいしましたそうした要請、要望書のなかにもありましたようにですね、早急に、ということでしたので、政府横断的に関係省庁の局長会議、これを設置をする。 特にまた、4月からは、進学だとか就職だとかですね、こうしたものにともなって、若い人の環境がおおきくかわる時期でありますので、被害にあうリスクが高まってくることが予測されますので、そうした被害をうまないための広報、啓発、とりくみの強化。 |
——————————————————–
「政府横断的に関係省庁の局長会議、これを設置をする」
このあとすぐに、関係府省対策会議が設けられました。
冒頭でも記しました。
菅長官は部外者にもかかわらず、すべての会議に出席しています。
それぞれの発言をふりかえってみます。
2017年3月21日 第1回関係府省対策会議
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
(会議の冒頭)
近年、若年層の女性が、いわゆるアダルトビデオへの出演を強要される問題が発生するなど、若年層の女性を狙った性的な暴力の問題は極めて深刻な状況であると認識をいたしております。
政府は、男女共同参画会議のもとに設置しました専門調査会において、これらの問題について検討をいただいて、先日、その報告書が取りまとめられました。 女性に対して、本人の意に反してアダルトビデオの出演を強要することは、女性に対する暴力に当たる極めて重大な人権侵害だと考えます。 この件につきましては、先週、公明党からも早急の取組の必要性について要請もいただきました。 特に、年度当初、進学、就職等に伴って若者の生活環境が大きく変わる時期であり、こうした被害に遭うリスクが高まることが予測されるものでありますから、新たな被害者を生まないための必要な広報、そして、啓発や取り締まりの強化、万一被害に遭われた方を支援する相談体制の充実を直ちに行う必要があると考えます。 こうしたことを踏まえて、内閣府を中心に、省庁の縦割りを廃し、政府一丸となって検討した上で、まずは緊急に講ずべき対応策について、直ちに実施をしていただきたいと思います。 |
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
(会議のおわり)
どうぞよろしくお願いします。 |
2017年3月31日 第2回関係府省対策会議
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
(会議のおわり)
本日ここに緊急対策を取りまとめ、4月を被害防止月間として集中的に取組を実施することを決定しました。
各府省におかれましては、出席の各局長みずからが陣頭に立って、それぞれ関係する取締り、教育・啓発、相談等の現場レベルにまで、本問題に対する認識が浸透し、具体的な取組へと確実につながるよう、責任を持って取組んでいただきたいと思います。 さらに重要なのは、その結果をきちんと把握し、それを評価することであります。 また、以上の件については加藤大臣のもとで各府省が十分な危機意識を持って、この月間中の取組に当たっていただきたいと思います。 |
2017年5月19日 第3回関係府省対策会議
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
(会議のおわり)
本日、4月の集中月間の実施状況も踏まえ、今後の対策を取りまとめました。 今後はこの問題の被害の根絶に向けて、この対策を確実に実行に移していくことが極めて重要であります。 各府省においては、この会議に出席の各局長みずからが陣頭に立って、まずはこの対策に基づいて、それぞれ関係する取締り、教育啓発、相談等の現場レベルにおいて具体的な取組を徹底して行うように実施してほしいと思います。 さらに、対応策として盛り込まれた事項については、新たな被害を決して発生させないという強い姿勢で、責任を持って行ってほしいと思います。 今後も引き続いて、加藤大臣を議長とするこの対策会議のもとで皆さんが一体となって取り組んでいただくことを期待します。 |
2018年3月26日 第4回関係府省対策会議
●菅義偉(すがよしひで) 内閣官房長官
(会議のおわり)
昨年3月にこの会議が発足してから早いもので1年であります。 アダルトビデオへの出演強要の問題や「JKビジネス」問題に対して、これまでに取締り強化や教育・啓発、相談体制整備、保護・自立支援の取組強化など、各種対策を着実に進めてきたところであります。 しかしながら、今般の実態把握結果からは、若年層の女性に対する性暴力被害の実態は依然として深刻な状況にあると言わなければなりません。 被害に遭われた方々が公的な相談窓口などに相談していない実態も明らかになってきております。 関係府省におかれましては、これまでの対策を精査の上、一段と強化・拡充を図っていただくとともに、野田大臣を議長とするこの対策会議のもと、関係府省が密接に連携協力して、スピード感を持って対策を進めていただきたいと思います。 アダルトビデオへの出演強要の問題や「JKビジネス」問題は、「女性活躍」の前提となる安全・安心な暮らしの基盤を揺るがす問題でもあります。 |
——————————————————–
(再掲。朝日新聞)
「官房長官がうんと言わなければ決まらない」 霞が関の官僚たちはそうささやきあい、畏怖(いふ)の念を込めて、こう呼ぶ。 「影の権力者」 「史上最強の官房長官」 |
各府省庁はこの1年間、出演強要問題に鋭意、とりくんできました。
菅長官の評価はこうです。
「若年層の女性に対する性暴力被害の実態は依然として深刻な状況にある」
各官僚の背筋に冷たいものが走ったことでしょう。
とりくみが甘い、と言われているわけですから。
菅長官はさらにこう付け加えました。
「関係府省が密接に連携協力して、スピード感を持って対策を進めていただきたい」
と。
「対策」のなかでもっとも重要なのが、被害の回復です。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)
被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 (内閣府、関係府省)〔平成 29 年4月~〕 |
——————————————————–
被害の回復にかかわる法案につきましては、現在、有識者検討会で検討が進められているようです。
(参考。当ブログ)
・2018年4月24日
(再掲。菅義偉 内閣官房長官)
「関係府省が密接に連携協力して、スピード感を持って対策を進めていただきたい」
「スピード感を持って」
そのように推移することを切に願います。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年6月15日>
慢性胃炎や膵炎、睡眠障害、脅迫観念、対人恐怖症等(特に男性)など、 ケジメを付けない限りは一生引きずりますね。 健康を返して。 |
●香西咲さん
<2016年10月28日>
隅に追いやっていたトラウマを掘り起こすのはとてつもない労力が要りますね。 精神的にも、ついこの間までは普通の精神を保てたのに、思い出した瞬間動悸や頭痛吐き気…この突然の変化は経験者にしか分からない。 女性の共犯者達は特に最低。 #性暴力 #現代版人身売買 #AV強要 |
<2018年2月27日>
●香西咲さん
先週末も #認知行動療法 通えませんでした。 #青木亮 に #AV強要 されていた時のものに対して脅迫めいたものも届いております。 #青木亮 助けてください。認知行動療法にもどれだけ人の命を苦しめているものか、一度病院と大学院でご覧頂きたいです。 #青木亮 によって殺されかけている私の現状を。 |
——————————————————–
被害の回復は急務です。
悠長なことは言ってられません。
一日も早く新法ができることを期待します。
——————————————————–
■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
香西咲さんを勝手に応援するサイトへ