先月(3月)の末に出演強要問題に関する会議が2つ催されました。
●2018年3月26日(月) 第4回関係府省対策会議
↓(1日後)
●2018年3月27日(火) 第91回女性に対する暴力に関する専門調査会
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一昨日、両会議の議事録が公開されました。
●第4回関係府省対策会議 議事録(※4月26日公開)
●第91回女性に対する暴力に関する専門調査会 議事録(※4月26日公開)
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第4回関係府省対策会議の議事録につきましては、昨日のブログでご紹介をさせていただきました。
(参考。当ブログ)
・2018年4月27日
本日は、第91回女性に対する暴力に関する専門調査会の議事録をみてみます。
(第91回女性に対する暴力に関する専門調査会「議事録」より、引用。)
<2ページ>
●辻村みよ子 会長(明治大学法科大学院教授)
本日の議事は、議事次第をご覧のように、4点ございます。 |
最初に「性暴力被害ワンストップ支援センターとやま」の開設について、種部委員からお話をいただきます。
(※資料1 種部委員御説明資料) |
次に、事務局から29年度の男女間における暴力に関する調査及び若年層を対象とした性暴力被害等に対するインターネット調査の2つの調査の結果について説明をしていただきます。
(※資料2 各種調査資料) |
続きまして、議事3では「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」について、取組状況を事務局から説明していただきます。
(※資料3 「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」に係る平成29年度の取組状況等に関する資料) |
議事の第4でございますけれども、「女性活躍加速のための重点方針2018」に盛り込むべき重点取組事項について、内閣府と警察庁から説明していただきます。 |
その後、その他の省庁分も含めまして委員の皆さんで意見交換を行うことになっております。 |
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議事の4のところで、男女共同参画局長が資料の説明をおこないました。
<22ページ>
●武川恵子 内閣府 男女共同参画局長
それから、先日の重点方針専門調査会のときに辻村先生から、その点とあわせてもう一点、女子差別撤廃委員会の最終見解についてのフォローアップはどうなるのかというお尋ねがございました。 |
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先月(3月)の23日に、第12回重点方針専門調査会が開催されました。
こちらの議事録につきましては、まだ公開されていません。
●武川恵子 内閣府 男女共同参画局長
青いドッチファイルの一番最後に参考資料16として、2年前の3月に女子差別撤廃委員会から出された最終見解が入っております。 |
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(再掲)
「女子差別撤廃委員会から出された最終見解」
ひととおり資料を確認しました。
見当たりません。
内閣府のサイトを検索しました。
ありました。
女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)
・第7回及び第8回報告報告に対する女子差別撤廃委員会最終見解(平成28年3月) |
●武川恵子 内閣府 男女共同参画局長
参考資料16の中で暴力に関して書かれているものは、パラグラフ22からでございます。 勧告としてはまずパラグラフ23にございます。 |
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2016年3月に国連の女子差別撤廃委員会から出された「パラグラフ23」を参照します。
●女子差別撤廃委員会の最終見解(2016年3月)
<7~8ページ>
23.委員会は、女性に対する暴力に関する一般勧告第19号(1992年)及び前回の勧告(CEDAW/C/JPN/CO/6、パラ30)を想起し、締約国に以下を要請する。
(a) 刑法の改正に当たっては、配偶者等からの暴力や個別の犯罪としての近親姦を含む女性に対する暴力に包括的に対処することを確保するため、本条約及び委員会の一般勧告第19号(1992年)並びにその法体系を十分に活用すること、 (b) 強姦の定義を拡張するとともに、性犯罪の職権による起訴を確保するための刑法の改正を促進すること、 (c) 配偶者強姦を明示的に犯罪化するとともに法定強姦の法定刑の下限を引き上げるため、刑法を改正すること、 (d) 緊急保護命令発令の司法手続を迅速に行うこと、 (e) 女性や女児(特に移民女性)に対するあらゆる形態の暴力の被害者に通報を奨励するとともに、暴力の被害者である女性がシェルターを利用でき、また十分な設備も備わっていることを確保すること、 (f) 指導的地位にある職員の研修、女性や女児に対する全ての暴力事件の十分かつ効果的な捜査、加害者の訴追並びに有罪の場合の適切な処罰を確保すること、並びに (g) あらゆる形態の家族における全ての女性に対し「配偶者暴力防止法」の適用を確保すること。 |
<22~23ページ>
●武川恵子 内閣府 男女共同参画局長
パラグラフ23を簡単に御紹介いたしますと、刑法の改正に関してです。
昨年、改正された刑法が施行されておりますので2年前のこの勧告はそれより以前の時点での勧告でございますが、刑法改正に当たってドメスティックバイオレンスですとか、近親姦でありますとか、そういったものを含めて女性に対する暴力を包括的に位置づけてほしいということ。 強姦の定義を拡大して、非親告化などができるようにするということ。 婚姻関係におけるレイプ、性交同意年齢の引き下げ、緊急保護命令の迅速化、被害者が通報、申告、シェルターの利用というのが確実にできるように、特に移住女性、外国の人が日本に住んでいる例ですけれども、そういった被害者が確実に通報、申告ができるようにするということ。 指導的立場にある職員にきちんとした研修をして捜査、起訴、有罪になった場合の適切な処罰がされるようにするということ。 DV防止法があらゆる家族形態の全ての女性に対して適用されるようにすることなどが勧告されています。 |
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女子差別撤廃委員会が出した最終見解は、日本に対して多大の影響をあたえたようです。
強姦罪は非親告罪となりました。
その他の要望も漸進(ぜんしん)しています。
<23ページ>
●武川恵子 内閣府 男女共同参画局長
もう一つ、人身取引及び売買春に関しても27パラグラフで勧告が出されております。 |
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「人身取引及」
「売買春」
いったいどのようなことが書かれているのでしょうか。
●女子差別撤廃委員会の最終見解(2016年3月)
<8ページ>
27.委員会は、締約国に以下を勧告する。
(a) 人身(特に技能実習制度により採用された女性や女児)取引と闘うために、定期的な労働査察及びその他の取組を強化すること、 (b) 性風俗での役務の提供やポルノ映画の製作を手掛ける組織を対象とした性的搾取を防ぐための監視と査察のプログラムを強化すること、 (c) 地域内の他の国々との情報交換及び人身取引業者を訴追するための法的手続の整合化を含んだ人身取引を防ぐための二国間、地域間及び国際間の連携を目指した取組を継続すること、 (d) 技能実習制度のもとで予定される見直しの実施について次回定期報告の中で情報を提供すること、並びに (e) 「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書」を批准すること。 |
●武川恵子 内閣府 男女共同参画局長
これは外国人技能実習制度下での女性と少女の人身取引に対処するために、労働監督などをきちんとやるということ。
それから、成人用娯楽、ポルノグラフィーの製造をしている事業所に対する監督、人身取引に関して国際的な協力をきちんとするといったこと。 そういった改善を次の報告できちんと報告してほしい。 さらには国際的な組織犯罪防止に関する国連条約、それと、それを補足する女性と子供の取引に関する議定書を批准すること。 |
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(再掲。女子差別撤廃委員会の最終見解)
「ポルノ映画の製作を手掛ける組織を対象とした性的搾取を防ぐための監視と査察のプログラムを強化すること」
このひとつ前のパラグラフ26には、以下の記述があります。
「女性が風俗産業において特に売買春及びポルノ映画製作のために性的搾取を受け続けている」
日本のわいせつビデオ業界は2016年2月の段階で、性的搾取の巣窟である、と指弾されていたのです。
(2016年7月14日発売「週刊文春」2016年7月21日号より、引用。改行を施しています。)
●香西咲さん
ストレスから円形脱毛症になり全身がけだるく、胃腸は毎日、抉られるように痛みました。 自分で救急車を呼んだこともあった。 屈辱がフラッシュバックし、絶望的に命を絶ちたくなるときも・・・・・・ |
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年8月4日>
事務所所属時代、目の前に『夢』と言う人参ぶら下げられて走り続けてきた訳ですが、その人参が偽物だった事。 そしてその『夢』が私にとって大学生からずっと温めてきた大切なものだったから、簡単に手放せなかった事。 そして走り出したら2度と引き返す事が出来ない道だと思い込んでいた事。 |
●香西咲さん
<2016年11月17日>
2011年。 あの時の私は空気を読み過ぎて前事務所社長やスタッフの機嫌を伺う様になっていた。 騙された事に気づいた時も、言いたい事もなかなか言い出せないまま、前社長と造り上げた“架空の”人参を目掛けて走ってた。 3年間。 |
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(再掲。女子差別撤廃委員会の最終見解)
「女性が風俗産業において特に売買春及びポルノ映画製作のために性的搾取を受け続けている」
「ポルノ映画の製作を手掛ける組織を対象とした性的搾取を防ぐための監視と査察のプログラムを強化すること」
(再掲。武川恵子 内閣府 男女共同参画局長)
「そういった改善を次の報告できちんと報告してほしい」
「そういった勧告が出ております」
国連の女子差別撤廃委員会は、「性的搾取」ということばをつかっています。
「金銭的搾取」ではありません。
過日の国会で、与党議員が、わいせつビデオ業界のメーカー(制作)が日々おこなっている性的搾取について言及しました。
□2018年4月12日 参議院 法務委員会 (動画 参議院インターネット審議中継) |
(参考。当ブログ)
・2018年4月15日(※質疑、応答の全文を掲載。)
(※音声の文字化は、筆者。)
●若松謙維 参議院議員(公明党。元総務副大臣)
ちょっと質問通告していないので、次回の質問通告の予告をさせていただきますけれども、結局このAV出演強要なんですけれども、制作っていうんですか、ビデオの制作側のとりしまりなんですけれども、結局、日本のいまの社会をみていると、いわゆるホテルに行くと簡単に犯罪を犯している映像が出ている。 それ、簡単にアクセスできる。 そして街のなかには、アダルトビデオが売っている。 |
いま日本の社会のどれだけモラルがですね、いわゆる後退しているのか。 |
やはり社会の受け皿を、いまのような状況を、見過ごしたんじゃかわらないと思います。
ニーズがあるわけですから。 そこをちょっとこれからも検討していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 |
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日本のわいせつビデオ業界はアメリカだけではなく、国連の女子差別撤廃委員会からも適格性を問われています。
与党議員は、アダルトビデオ(わいせつビデオ)を
「犯罪を犯している映像」
と認識しています。
(再掲。女子差別撤廃委員会の最終見解)
「女性が風俗産業において特に売買春及びポルノ映画製作のために性的搾取を受け続けている」
「ポルノ映画の製作を手掛ける組織を対象とした性的搾取を防ぐための監視と査察のプログラムを強化すること」
(再掲。武川恵子 内閣府 男女共同参画局長)
「そういった改善を次の報告できちんと報告してほしい」
「そういった勧告が出ております」
だれが考えても、もうおわりでしょう。
わいせつビデオ業界は。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年4月25日>
#AV強要 犯人の #青木亮 がこれを加害だと認める日が来ますよう。
#HumanTrafficking |
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もうすでに決着がついています。
犯罪者たちが苦しみのたうちまわり朽ち果てる姿を眺めさせていただきます。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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