3月26日に、出演強要問題を協議する第4回関係府省対策会議が開催されました。
昨日、同会議の議事録が公開されました。
各府省庁の発言をみてみます。
2018年3月26日 第4回関係府省対策会議
(「議事録」より、引用。)
はじめに
●内閣府 男女共同参画局長(議長代理)
(略)、昨年3月に本対策会議が設置されました後、直ちに緊急対策を策定し、4月を被害防止月間と位置づけ、5月に「今後の対策」を取りまとめたところでございます。
関係府省庁におかれましては、この「今後の対策」に基づきまして、実態把握や取締り、教育・啓発、相談体制、保護・自立支援の取組の強化など、施策を進めていただいております。 その後、約1年間が経過いたしましたので、フォローアップを行うこととし、資料1、2のとおり、29年度の主な成果として取りまとめたものでございます。 |
当日、配付された資料は以下のとおりです。
(※関係府省対策会議のサイトより。)
1 「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」主な成果(平成29年度) |
3 平成30年度「AV出演強要・『JKビジネス』等被害防止月間」実施予定施策一覧 |
3種類の資料の中身につきましては、すでに当ブログでとりあげております。
(参考。当ブログ)
・2018年3月29日
・2018年3月30日
・2018年3月31日
・2018年4月1日
・2018年4月3日
内閣府
●内閣府 男女共同参画局長
内閣府におきましては、本問題のさらなる実態把握に向け、若年層を対象とした性的な暴力の被害等に関するインターネット調査を実施いたしました。
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同調査の結果につきましては、過日の当ブログをご覧ください。
(参考。当ブログ)
・2018年3月26日
・2018年3月27日
・2018年3月28日
・2018年4月4日
(※下図は、2018年3月26日のテレ朝newsより引用。)
モデル契約した女性 約1割が性的な撮影を求められ この半数が実際に強要される |
●内閣府 男女共同参画局長
モデル・アイドルの勧誘等を受けた方のうち、同意していない性的な行為等の撮影を求められたり実際に行ったりした経験のある方が一定程度存在すること、さらにはそのような方々が公的相談機関への相談にはつながりにくいことなど、問題が依然として深刻な状況にあることが明らかとなりました。 |
強要の被害者のうち、41.9%のかたが、
「相談したことはない」
と答えています。
●内閣府 男女共同参画局長
今後につきましては、本年4月の被害防止月間の全省庁分を資料3として取りまとめておりますけれども、内閣府では都内大学及び女子高でのシンポジウムや、警察庁、警視庁と連携した街頭キャンペーンなどを実施し、本問題に関する啓発及び相談窓口の周知を図っていく予定でございます。
引き続きしっかりと取り組んでまいります。 |
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警察庁
●警察庁 生活安全局長
また取締りに関しては、モデル募集を装ったサイトに応募した女性にアダルトビデオ出演を強要したDVD製造販売者を強要罪等で検挙するとともに、街頭でのスカウト行為の取締りを実施したほか、「JKビジネス」の経営者や客等37件42人を検挙して、被害児童25人を保護いたしました。 |
(※下図は、2018年3月26日のテレ朝newsより引用。)
被害相次ぐ AV強要〝強要〟100人超検挙 |
●警察庁 生活安全局長
(略)今後とも各省庁等と連携して、しっかりと本対策に取り組んでまいります。 |
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消費者庁
●消費者庁 次長
事業者向けの取組といたしましては、例えばアダルトビデオに出演したことのない女性が街で突然スカウトされ、継続する意図なく出演契約を結んだ場合、これは監禁して結ばせた契約は取り消しが可能となります。
また法外な違約金を定める契約条項は無効になります。 このことにつきまして、昨年9月、業界団体に対して周知をしたところでございます。
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また、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体の活動といたしまして、昨年11月、業界団体に対し、モデル契約書を作成するように求めたところでございます。
例えば出演者が帰りたいと言ったのに退去させずに結ばせた契約は解約ができる、あるいは出演者に損害賠償義務が発生する場合はその具体的な金額を明記する、こうしたことを盛り込んだ共通契約書を作成するよう求めたところでございます。 |
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総務省
●総務省
総務省 総務省におきましては、出演強要のありましたアダルトビデオの画像がインターネット上に流通した場合も含め、さまざまな違法・有害情報がインターネット上に流通したことによる被害についての相談を受け付け、具体的な削除要請方法などの助言を行う違法・有害情報相談センターを設置しているところでございます。 |
また、今後も同センターを通じて得られた情報があれば、適宜関係機関等で共有を図るとともに、相談者に対しましては必要に応じて事案に合った相談窓口の紹介を行うなどして、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題に適切に対処してまいりたいと考えてございます。 |
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法務省
●法務省 人権擁護局長
また、女性の人権ホットラインや子どもの人権110番といった専用相談電話の強化週間等の機会も利用して、これらの問題にも対応する人権相談窓口のより一層の周知を図ってまいります。 |
●法務省 大臣官房司法法制部長
法務省が所管する法テラスにおきましては、公式ホームページ等を活用して、本問題に関する支援を実施していることについて周知を図るとともに、問合せに対応するオペレーター用のマニュアルを更新するなどして適切な対応に努めてまいりました。 引き続き各種支援機関とも連携しつつ、支援窓口の周知や適切な対応に取り組んでまいります。 |
●法務省 刑事局官房審議官
この問題に関連する刑事事件の捜査・公判に当たっては、関係機関等と緊密に連携をし、適切に対応するよう全国検察庁に周知を図ってきたところでございます。
その上で、検察当局におきましては、この問題が政府の重要課題であることを踏まえて、関係法令を適用して厳正に対処してきたものでございますが、引き続き関係法令を適切に適用して厳正に対処していくものと承知をしております。 |
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ほかにも、文部科学省、厚生労働省の局長が説明をおこないました。
1年間、施策を実行してきて、政府は、自分たちのとりくみをどのように評価しているのでしょうか。
(再掲。内閣府男女共同参画局長)
「問題が依然として深刻な状況にあることが明らかとなりました」
力不足であることをみとめています。
内閣官房長官も同様の認識です。
●菅義偉 内閣官房長官
昨年3月にこの会議が発足してから早いもので1年であります。
アダルトビデオへの出演強要の問題や「JKビジネス」問題に対して、これまでに取締り強化や教育・啓発、相談体制整備、保護・自立支援の取組強化など、各種対策を着実に進めてきたところであります。 しかしながら、今般の実態把握結果からは、若年層の女性に対する性暴力被害の実態は依然として深刻な状況にあると言わなければなりません。 被害に遭われた方々が公的な相談窓口などに相談していない実態も明らかになってきております。 関係府省におかれましては、これまでの対策を精査の上、一段と強化・拡充を図っていただくとともに、野田大臣を議長とするこの対策会議のもと、関係府省が密接に連携協力して、スピード感を持って対策を進めていただきたいと思います。 アダルトビデオへの出演強要の問題や「JKビジネス」問題は、「女性活躍」の前提となる安全・安心な暮らしの基盤を揺るがす問題でもあります。 |
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今後、政府の対策がより先鋭化するものと考えます。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年4月26日>
結局「 #AV強要問題 」っていうある意味旬の問題に対し 良心的な機関も、ハイエナみたいな団体も、メディアも、寄ってたかって取り上げて喰い散らかし、被害者の心は置いてけぼり。 核心まで寄り添ってくれたのはPAPSさん位でした。だから私はこの国が嫌い。 ※私の場合です。他の女性は知りません。 |
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香西咲さんのおっしゃることはよくわかります。
ルネサンス期に活躍した思想家のマキアヴェリ(1469年~1527年)は、以下のことばをのこしています。
(塩野七生著「マキアヴェッリ語録」新潮文庫より、引用。)
●マキアヴェリ
<83ページ>
(「若干の序論と考慮すべき事情をのべながらの、資金援助についての提言」)
人間というものは、自分を守ってくれなかったり、誤りを質(ただ)す力もない者に対して、忠誠であることはできない。 |
●マキアヴェリ
<108ページ>
(「フィレンツェ史」)
必要に迫られた際に大胆で果敢であることは、思慮に富むことと同じと言ってよい。 |
●マキアヴェリ
<108~109ページ>
(「政略論」)
君主は、自らの権威を傷つけるおそれのある妥協は、絶対にすべきではない。 たとえそれが耐えぬく自信があったとしても、この種の妥協は絶対にしてはならない。 なぜならほとんど常に、譲歩に譲歩を重ねるよりも、思いきって立ち向かっていったほうが、たとえ失敗に終わったとしても、はるかに良い結果を生むことになるからである。 もしも正面衝突を回避したい一心で譲歩策をとったとしても、結局は回避などできないものだからだ。 なにしろ、譲歩に譲歩を重ねたところで相手は満足するわけでもなく、それどころか相手の敵意は、あなたへの敬意を失ったことによって、より露骨になり、より多くを奪ってやろうと思うようになるのがオチなのだ。 (後略。) |
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出演強要問題はオリンピックまでに片が付きます。
(再掲。マキアヴェリ)
「自らの権威を傷つけるおそれのある妥協は、絶対にすべきではない」
香西咲さんが途中であきらめなければ、すべてのことが解決します。
あともうすこしです。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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