一昨日のことです。
野田聖子総務大臣(男女共同参画担当大臣)が記者会見で、財務省事務次官のセクハラ問題に言及しました。
(2018年4月17日 産経新聞「野田聖子氏『違和感がある。高いハードルだ』 財務相と官房長官に申し入れ」より引用。改行を施しています。)
●産経新聞
野田氏は会見で、外部の弁護士に調査を委託するなどした財務省の対応に関し、 「違和感がある。セクハラの被害者は家族にも相談できないというのが現実だ。委託の弁護士であれば、相手側の関係者とどうしてもとらえる。被害者の立場に立てば、高いハードルだということを財務省に理解してもらいたい」 と述べた。 こうした考えも麻生・菅両氏に伝えた。 |
(2018年4月17日 朝日新聞「野田氏『違和感ある』 調査手法巡り麻生・菅両氏に直訴」より引用。改行を施しています。)
●朝日新聞
財務省は調査を外部の弁護士に委託し、女性記者には 「不利益が生じないよう対応する」 としている。 野田氏はこの日の閣議前後、麻生、菅両氏に |
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翌日(2018年4月17日)の国会で、2人の国会議員が野田大臣に質問をしました。
□2018年4月17日 衆議院 内閣委員会 (動画 衆議院インターネット審議中継) |
昨日の野田聖子大臣の答弁をご紹介させていただきます。
(※音声の文字化は、筆者。)
(立憲民主党の大河原雅子議員の質問に対して)
●野田聖子 総務大臣(男女共同参画担当大臣)
お答えいたします。
セクシャルハラスメント。 現時点では、福田事務次官はセクハラの報道を全面否定している、と聞いております。
もっぱら女性がその被害者となります。
ですからそのような経験をふまえて、女性にとって今般の財務省の調査は、当事者である事務次官の部下である官房長から被害者個人である女性記者に対して協力をもとめているものであり、そして財務省が委託した弁護士事務所を窓口としていること。 そういうことから被害者の立場からすると、二次被害のおそれもある。 こうした点でわたくしは、 まあいずれにしてもセクハラ問題で一番重要なのは言うまでもなく、セクハラの原理、原則というのを理解していただきたい。 |
(立憲民主党の大河原雅子議員の質問に対して)
●野田聖子 総務大臣(男女共同参画担当大臣)
お答えいたします。
わたくしも女性議員としてずっとセクシャルハラスメントの関係にたずさわってきましたけれども、今回のケースは非常にレアなケースでありまして、本来はセクハラの問題は一番、くりかえしになりますけれども、その被害をうけたかたの保護と救済からはじまります。 今回は加害者と目されている側からのそういうはなしでありまして、実は、やはり、加害者としてのハラスメントというのは、ちからがあるものがそのちからを利用して、ちからのないものに対して、たとえばパワーであったり、モラルであったり、セクシャルであったりするわけですね。
そこらへんをじゅうぶん、財務省としてはやはり、加害をあたえたといわれる側の発想でそういう調査をしなければならないと思ったけれども、セクシャルハラスメントは根本的にはやっぱり、被害者発信と、被害者をしっかりと守るということにある、という、そこをやっぱりわきまえていただければと思っています。 |
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(日本共産党の塩川鉄也議員の質問に対して)
●野田聖子 総務大臣(男女共同参画担当大臣)
お答えいたします。
先ほどもお答えした内容とほぼ重なるわけですけれども、まずセクハラの被害というのは、被害者はそのことについて、家族、友人、ましてや組織の上司にもなかなかはなしができないものである、と認識しています。 わたくし自身も過去経験があるなかで、それは正しいと思っています。 今回なぜ、違和感があるかと言えば、加害者の側から、たとえば加害者の部下である官房長というかたからその被害者、女性記者と言われていますけれども、に対して協力をもとめるのは、被害者側からすると、ちがうんじゃないかな、と。 そして財務省が委託した弁護士。 いずれにしても、そういうことから、被害者の側に立って自分がどうするか、ということを考えたときには、おそらくそちらに向かって言われたとおりのことをするとはふつう一般的には考えにくい、ということを思い、 いずれにしても、くりかえしになりますけれども、セクハラの問題に対して、一番大切なことは、そのセクハラの原理、原則をしっかり申し上げましたけれども、理解していただいたうえで、まずは、被害者の保護とか救済をするということを国は責務としている、ということをぜひご理解いただいて、財務省において適切に対処していただきたいと考えております。 |
(日本共産党の塩川鉄也議員の質問に対して)
●野田聖子 総務大臣(男女共同参画担当大臣)
お答えします。 正確に申し上げれば、 「違和感がある」 と申し上げたのは、その前日の取材に応じたさいのことでありまして、それはもうすでに朝刊の記事に出ておりましたので、それをふまえたうえで、わたくしは今般の福田次官のこのセクハラ問題に対しての状況について(財務大臣、内閣官房長官に)おたずねをいたしました。 そうしたところ、現時点では財務省の調査によって福田次官はこの事案について全面否定をされているという旨をそれぞれおはなしいただいたしだいです。 |
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異例の発言です。
総務省と内閣府の大臣が、他省のふるまいに対して苦言を呈してるのですから。
それはさておき、野田大臣の答弁を聞いてあらためてセクハラ被害の深刻さを再認識しました。
(再掲。野田聖子大臣)
「セクハラというのは、その被害に遭ったときに家族とか友人とか、ましてや職場の上司とか、なかなか告白できないたいへんつらいものです」
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月8日>
一生自分の中だけに留めて置かなければいけない、と思った時に気が触れてしまいました。
吐き出す事で過去を清算できる機会を頂けて、救われました。 |
ちなみに、香西咲さんが被(こうむ)ったのは、セクハラでありません。
性犯罪です。
(再掲。野田聖子大臣)
「ちからのあるもの側から、それによって被害をうけた側に対してそういうことを申し入れたとしても、一度なぐられたことを経験しているひとは、なぐった側をどう信用していいか、っていう根本的な問題があるわけです」
野田大臣のおっしゃるとおりです。
被害に遭ったあと、加害者側と接触する気にはなれません。
香西咲さんはちがいました。
事態を打開するため、敢(あ)えて、なぐった側(わいせつビデオ業界)からの聴き取りを希望しました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年10月6日>
よく業界内部から 『信じられないから実際に被害に遭った人の聞取りをしたい』 という話を聞くのですが、私に聞き取りを依頼してきた人は一人もいません。 いくらでも応えますけど。 |
●香西咲さん
<2018年1月30日>
いいえ、私はこれ程連絡先を載せているのにも関わらず一切のご連絡はありません。 |
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(辻丸さんのツイートより、引用。)
●辻丸さん
<2018年2月22日>
僕の質問"被害告発している香西さんやくるみんさんからヒアリングしないのですか?"
「向こうが来れば、やる」山口理事
なるほど。「過去の被害者を支援する立場はとらない」(AVAN)
「業界を総点検する」でも、あくまで「来なさい」の態度。
所詮人間、誰でもセンセイ、センセイ、と呼ばれていれば・・ https://t.co/Y8NqXj8LNq— AV落人辻丸 (@kohe000) 2018年2月22日
僕の質問 “被害告発している香西さんやくるみんさんからヒアリングしないのですか?” 「向こうが来れば、やる」山口理事 |
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「『向こうが来れば、やる』」
あまりにも不遜です。
被害の実態をあきらかにしようとする姿勢はいささかも感じられません。
ふとAV人権倫理機構のホームページをみたところ、過日の業界人の逮捕に関する所懐が掲載されていました。
本日、アップしたようです。
声明
平成30年4月13日(金曜日)に発表された日本プロダクション協会加盟社の代表者逮捕の報道を受け、AV人権倫理機構では、会員団体に対し、再発防止策の立案と、当機構の指針に沿った業務運営を行うことを徹底するよう指導いたします。 また、刑事捜査の進展を見守り、有罪判決が確定した場合には、当該社に対し然るべき処分を課すよう日本プロダクション協会に対して勧告を行う所存です。 不起訴処分となった場合においても、関係者から事情聴取を行う等、刑事責任とは違う角度から検討し、適正AVの理念に相応しくない行動が認められた場合には、やはり、当該社に対し然るべき処分を課すよう日本プロダクション協会に対して勧告を行う所存です。 平成30年4月19日
AV人権倫理機構 |
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(再掲。AV人権倫理機構)
「不起訴処分となった場合においても、関係者から事情聴取を行う等、刑事責任とは違う角度から検討し、適正AVの理念に相応しくない行動が認められた場合には、やはり、当該社に対し然るべき処分を課すよう日本プロダクション協会に対して勧告を行う所存です」
お手盛りの(自分の利益になるように自分で取り計らう)事情聴取がおわったあとは、香西咲さんや、くるみんアロマさんから事情を聴いてほしいものです。
(再掲。AV人権倫理機構)
「『向こうが来れば、やる』」
清(中国の最後の王朝)の中華思想が頭にうかびます。
中華思想とは、自分たちはこの世の中心である、という考え方です。
清は、中華思想に拘泥した結果、滅びました。
はたしてAV人権倫理機構はどうなるのでしょうか。
言わずもがな(言うまでもないこと)、ですが。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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