昨日のつづきです。
2016年5月26日の参議院法務委員会で、仁比聡平参議院議員が、性犯罪に関する訴訟をとりあげました。
(国会 会議録)
2016年5月26日 参議院 法務委員会 |
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仁比議員は、1年後の同委員会でふたたび、この事件を質(ただ)しました。
みてみます。
(国会 会議録)
2017年4月25日 参議院 法務委員会 |
●仁比聡平 参議院議員(日本共産党)
(前略。) 少し具体的に伺った方がいいかと思うんですが、昨年の5月の26日にもこの委員会で私取り上げた事件なんですが、北海道の釧路で性虐待、性暴力によってPTSDを発症したという女性が、その直接の加害行為からすれば20年以上たって提訴をするという事件について、最高裁判所が除斥期間などの適用は認めずにこの被害者の権利を認めたという事件があります。 少し紹介しますと、女子が3歳から8歳という幼少の時期に叔父から性的虐待を受け続けたと。 中学生のときにその性的な意味に気付いて、けれども既に離人症あるいはPTSDを発症していた。 高校生のときには摂食障害が始まって、けれど、その加害者であるところの叔父に対して訴えて出るということはずっとできなかったわけです。 この方は30代になってうつ病を発症する、こうした性的虐待の被害によってPTSD、解離性障害、うつ病などの重篤な精神的障害を受けながら、やっと訴えて出ることができたのは20年以上を経過していたという事案なんですね。 (※参考)
改正案によってはもちろん、現行法に基づいてもこうした事案が権利の行使が認められないというのはこれ絶対に許されないと思うんですが、これどう考えたらいいんですか、局長。 |
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●小川秀樹 法務省 民事局長
御指摘がありましたPTSDのような場合、被害者の保護を図る必要の非常に高い事案だというふうに理解しております。
現行法の下におきましても、そういったものを発症することによる損害は、その損害の性質上加害行為が終了してから相当期間が経過した後に発生したものであること、これが一般的だと思われますので、こういった点を理由に、現行法ですとこれ20年間は除斥期間とされておりますが、除斥期間の起算点については、今お話がありましたような加害行為そのものの時点ではなく、その病気が発症した時点であるとする裁判例がございまして、その結論を最高裁も是認しているものと承知しております。 そういった形で解釈論が行われるわけでございますが、改正法案の下でもこういった下級審の考え方が否定されるものではないというふうに考えております。 |
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(中略。)
●仁比聡平 参議院議員(日本共産党)
ところが、先ほどのPTSDの事件ですが、一審釧路地裁は、これは除斥期間を超えているから権利は消滅していると言って門前払いしたわけですよ。現に裁判所はそういう判決をしているわけですよね。
これ、局長、PTSDが早く発症する、あるいは、この釧路の方であれば30代になってうつ病が発症していますから、そこから起算点を捉えたということだと思うんです、高等裁判所が。 けれども、もっとひどい加害行為があって、ひどい症状が早くに固定していたら、そうしたら時効期間が早くに完成してしまって加害者が早く免責されてしまうと。 その先ほどのお話の流れでは、時効の起算点の問題になっているんですが、この時効の起算点を考えるだけで解決しないということもあるのではないのか。 それを除斥期間だと言って門前払いするというのは、これはとんでもないんじゃないのか。 |
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●小川秀樹 法務省 民事局長
除斥期間の一般的な問題点とされるのは、例えば中断、停止といった方法が取れないことであるのとともに、時期の経過によって客観的にもう確定させてしまうということで、例えば援用する必要もないというのが考え方で、考え方といいますか、制度の説明でございますが、今回は20年の不法行為の消滅期間につきましては除斥期間ではないという整理をして、消滅時効というふうに考えております。
したがいまして、先ほど申しましたような2つの点については、いずれもその対象にはなりませんので、例えば仮に20年経過するまでということであれば、従来の中断の手法を取ることができますし、20年経過した後であっても、時効を援用する場合に対して、それに対する権利濫用であるとか信義則違反といった主張が可能となるということでございまして、そういったもの全体で被害者保護に資するものと今回の制度を考えているところでございます。 |
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●仁比聡平 参議院議員(日本共産党)
今局長が最後の辺りでおっしゃった、つまり、加害者側が時効であるから権利は認められないと主張する、このことを援用と法律用語で言うわけですけれども、それに対してこれまでは、20年以上たっていたら、時の経過によって権利は消滅しているのであるから、どんなひどい加害者もその時効を使えるというようなことになっていた、けれども今度の法改正でそうした除斥期間ではないということをはっきりさせたんだという御趣旨の御答弁なんだと思うんですね。
そうすると、実際に事件が裁判所にかかったときの裁判がどうなるか、ちょっと局長にお尋ねしますけれども、これまでは20年たっていたらもうこれは門前払いということで、具体的な権利の濫用だとか、そのやり方は信義に反するじゃないかという事実の主張そのものが実際には認められないということになっていたわけですが、この法の考え方からすれば、そんなふうな形で門前払いすることは許されない、裁判所は当然に、権利の濫用ではないのか、あるいは信義則違反ではないのかということを主張、立証する場になる、判断する場になるということでしょうか。 |
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●小川秀樹 法務省 民事局長
従来は、20年の消滅期間については、除斥期間であり、権利濫用を主張することはできないとしていましたために、権利濫用についての審理をせずに請求を棄却することが可能だったわけですが、改正法案においては、20年の消滅期間についても権利濫用などを主張することができると解されますので、権利濫用についての審理をせずに請求を棄却するということはできなくなると解されます。 |
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●仁比聡平 参議院議員(日本共産党)
裁判のありようはもう大きく変わる、変わらなければならないということだと思うんですね。 (後略。) |
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(再掲。小川秀樹 法務省民事局長)
「御指摘がありましたPTSDのような場合、被害者の保護を図る必要の非常に高い事案だというふうに理解しております」
法務省の民事局長は、このように答弁しました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年1月5日>
にしても疲れたぁ。 病院が遠いし調子悪い時は受診中に目が回る(^ω^;) 明後日から本格的なPTSD治療に入ります。治療法は大まかに言うと認知行動療法と言うらしいけど、名前からして(゜д゜)ポカーン。 今迄の被害のヒアリングも再度やらなきゃで相当疲れるそう。悪夢再び思い出さねば。 |
●香西咲さん
<2017年1月5日>
これも治療の為。 早く良くなりたい。 前向きに人生変えてきたい! だから頑張るしかない! |
●香西咲さん
<2017年2月11日>
私がこれから受ける #認知行動療法 の世界的な論文の多さ、位置付け、日本での現実的な治療の難しさ等、 別分野の医師に教えて頂きました。 その先生も『治療を見学したいくらい』と仰っていました。 ご縁が無いと、いやご縁があっても一部の人しか受けられないみたいです。 |
●香西咲さん
<2017年2月11日>
#認知行動療法 で得た成果は一生モノらしいです。 なのでこの半年間は本気で治療に専念する事に決めました。 精神衛生上悪いものは意識して遠ざけて行こうと思います。 |
●香西咲さん
<2017年2月18日>
AV強要の件に触れられたらフラッシュバックしてしまった… 6~3年も経つのに。 フラッシュバックに耐えられなくて、去年の秋以来この件に関しては取材を控えて居たのですが…まだまだ傷は言えていませんでした。 怖い。 一生の傷にならない様に治療に人生を託します。 |
●香西咲さん
<2017年2月19日>
ありがとうございます。 日本ではまだ治療の出来る医師も少ないと言われてしまったので、一般人に理解を求める方が無理な話ですよね。 自分の負担を増やすだけなので完治するまで専門家以外には回答を控えようと思います。 ご心配お掛けしました(>_<) |
●香西咲さん
<2017年6月2日>
辛かったよぉ 事件の出来事を4回、 同じ事を細かく反復して先生に話して、それを録音したものを毎日聞くのです。 沢山泣いてきた。 3ヶ月後には元気になっています様に。 |
●香西咲さん
<2017年6月2日>
明日は認知行動療法治療の日。 最近本格的に辛い部分に入ってきて憂鬱。思い出したくない事を事細かく現在進行形で話して、それを繰り返し話して、 更に毎日それを聞かなきゃ行けないのです。 あの時の記憶が鮮明に蘇ります。 こんな私に根気強く向き合って下さる先生方には感謝しかないです。 |
●香西咲さん
<2017年7月28日>
最近、認知行動療法の成果が数値として出始めて昨年末の低迷期から徐々に晴れやかな気分になってます 思考もニュートラルに近づいてきました 日々のリハビリは結構辛いんだけど、人に、社会に、助けられてる実感があるから頑張れてます もうちょっと |
●香西咲さん
<2017年8月25日>
認知行動療法終わった~。 いっぱい泣いたらなんかスッキリした |
●香西咲さん
<2017年9月4日>
洗脳は一瞬で解けるわけではなく破片が削ぎ落とされるように徐々に解けていく。1ヶ月程前に世界仰天ニュースでオウム真理教の特集がありましたが、その時に改めて気づきました。
認知行動療法が終盤に差し掛かった今、私もそれを実感しております。 |
●香西咲さん
<2017年9月5日>
私も一番右のエクスポージャー療法の本に沿って治療しています。 正直辛いトレーニングです。 しかも毎日宿題の山です(笑) でも小西先生の周りの方々は誰よりも温かいので救われています。 今一番何でも話せる方々です。 #認知行動療法 |
●香西咲さん
<2017年10月2日>
認知行動療法の治療はちょうど先週で1クールでした。 次回はPTSDがどれだけ回復したかの診断です そして今日また一つ進展がありました~。 全ての節目。 |
●香西咲さん
<2017年10月6日>
毎週の認知行動療法で 強要を受けた部分を思い出しながら進行形で4回話し、それを毎日聞いてますからね。消化出来てるのでしょうか。 |
●香西咲さん
<2017年10月14日>
数値化されたものを教えて頂いたけれど、PTSDの自体の症状は半分近く減りました( *´?`* ) 先生方曰く、病院や大学にかかった初期の症状が重すぎたらしいからまだ暫くは経過を見て下さるって。 病院だけではなく何処に行ってどんな相談をしても簡単に見放される事が多かったから嬉しい。 |
●香西咲さん
<2017年10月14日>
認知行動療法から帰ってきて ご飯も食べずに寝てしまった… 過去の事ほじくり返されるのは本当に疲れる。 |
●香西咲さん
<2017年11月9日>
日付が変わって今日は認知行動療法でお世話になってた先生方に会える
あの方々みたいに内面から溢れ出る優しさや美しさを醸し出せるようになりたい。キャリアはどんどん積み重なって行くし何年経っても色褪せないの。 本当に歳を重ねるにつれて、人柄は外見に滲み出てくるのですね。 |
●香西咲さん
<2017年11月20日>
認知行動療法が終わって、だいぶ目の前の状況に向かい合える様になりました。 洗脳ノートとか見直すと酷い… 私は複雑過ぎた洗脳過程をしっかりまとめて同じ被害が起きぬ様後世に伝えたいと思います。 写メは事務所を辞めたいのに何度言っても辞めさせてくれなかったので弁護士を介入した時のもの。 |
●香西咲さん
<2017年12月18日>
(前略。) 近況報告ですが引退から2週間後のHRN院内集会から活動を再開し、PTSDと闘いながらも着々と事は進んでおります。 時間はかかるでしょうが来年に期待します。 |
●香西咲さん
<2017年12月31日>
ありがとうございます。 認知行動療法や膵炎でかかったお医者様が皆様温かい方々で救われました。 そのおかげで過去を精算したらもう振り返らず、前だけを向こうと思います。 |
●香西咲さん
<2018年1月20日>
この時間に目覚めちゃった。 明日は #認知行動療法 の経過測定です。 大学院で #PTSD の具合を数値化してくれます。 ここ1ヶ月は心底疲れてるから計測結果が安定するかな…たまに気が触れそうになる。 #AV強要 |
●香西咲さん
<2018年1月20日>
今日の #認知行動療法 の経過測定、 泣いてしまって出来ませんでした 臨床心理士の先生に現状や悩みを聞いて頂いて、測定は後日…になりました。 張り詰めていたので久しぶりに大泣き出来ました。 先生方、本当にすみません。 |
●香西咲さん
<2018年2月9日>
明日こそは #認知行動療法 の経過測定受けれるかな。 泣いてしまったり体調不良で 延びてしまい、3度目のリスケジュールです。 精神科医の先生や臨床心理士の皆様ご迷惑をおかけしてすみません。 |
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(再掲。香西咲さん。2017年9月5日)
「小西先生の周りの方々は誰よりも温かいので救われています」
精神科医の小西聖子さんは、警察庁の講演でつぎのように語っています。
●講演者 小西聖子 武蔵野大学 人間科学部長 ●演題 「性犯罪被害の実態と被害者への支援」 ●資料 |
下図は、資料より引用。)
ちなみに、これはまだすごく簡単なものなのですけれども、PTSDと診断されるかどうかということだけで考えますと、約8割弱の人がPTSD。 この急性ストレス障害という人も、まだ1か月たっていないだけなので、ほぼ8割強がPTSDで、この適応障害になっている人も、この3人のうちの2人ぐらいはPTSDというにはちょっと症状が足りないので適応障害と診断しているという形です。 そういう点では、精神科医から言いますと、性犯罪被害者の臨床というのは本当にPTSDの臨床です。 例えば、虐待とかDVとか、あるいは殺人事件の遺族の方とか、それぞれにどういうことが一番問題になるかというのは少し違うと思いますが、このPTSDとの関連が高いというのは、性犯罪被害者の一つの特徴なのではないかなと思っています。 |
(再掲。小西聖子さん)
「PTSDとの関連が高いというのは、性犯罪被害者の一つの特徴」
こいつらがいなければ香西咲さんはPTSDになっていませんでした。
□青木亮
□大西敬
□高畠典子
□坂田恵理子
□坂上孝志
□A-TEAM 飯田正和
□メーカー関係者
□T総研のY
□その他
(再掲。小川秀樹 法務省民事局長)
「御指摘がありましたPTSDのような場合、被害者の保護を図る必要の非常に高い事案だというふうに理解しております」
もう結果がみえています。
法務省の局長がここまで言い及ぶのですから。
(再掲。香西咲さん。2017年10月14日)
「病院だけではなく何処に行ってどんな相談をしても簡単に見放される事が多かったから嬉しい」
すべては香西咲さんの人柄です。
香西咲さんが状況をかえました。
解決まであともうすこしです。
(再掲。香西咲さん。2017年12月31日)
「過去を精算したらもう振り返らず、前だけを向こうと思います」
至言です。
これにまさることばはありません。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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