一昨日のブログで、佐々木さやか参議院議員の所懐についてふれました。
出演強要問題に関するものです。
(参考。当ブログ)
・2018年4月6日
そのなかで気になる発言がありました。
もう一度引きます。
●佐々木さやか 参議院議員(アダルトビデオ出演強要問題対策プロジェクトチーム 座長)
被害者のかたのなかには、たとえばシンポジウムとか、そういうところに出席しておはなしをしてくださるかたたちもいますし、わたしもお会いしましたけれども。
印象といいますか、なかにはですね、たとえば今度はなしを聞かせていただきたい、ということで、そういうお約束をしたとしても、 なので、表面的には元気なようにふるまっていらっしゃるかもしれませんけれども、本当にたいへんな精神的な肉体的なダメージをうけて。 |
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(再掲)
「表面的には元気なようにふるまっていらっしゃるかもしれませんけれども、本当にたいへんな精神的な肉体的なダメージをうけて」
アリストテレスは自著の「ニコマコス倫理学」のなかで、中庸(ちゅうよう)の意義を説いています。
中庸とは、ほどほど、という意味です。
著書のなかでアリストテレスは、人間の行動様式を3つの類型にわけました。
不足、中庸、超過、です。
これをもとにして、相手に対する気遣いを考えてみます。
両端の事例からみていきます。
<相手に対する気遣い>
不足
この状態を野暮(やぼ)といいます。
野暮は、あまりなじみのないことばです。
広辞苑には、
「世情に通ぜず人情の機微をわきまえないこと」
と書かれています。
超過
相手に対する気遣いがあまりにも強すぎると、道化(どうけ)となります。
道化の同義語は、ピエロ、です。
野暮と道化は、好ましいものでありません。
そこで、もっとも理想的なのが、不足と超過のあいだに位置する中庸です。
中庸
相手がもとめているのは、機知です。
広辞苑を参照します。
機知とは、
「その時その場合に応じて働く才知」
のことです。
(確認。相手に対する気遣い)
●不足 野暮(世情に通ぜず人情の機微をわきまえないこと)
●中庸 機知(その時その場合に応じて働く才知)
●過多 道化(ピエロ)
ツイッター等の書きこみをみますと、時折、野暮な落書きを目にすることがあります。
世情に通じていなく、人情の機微をわきまえていない内容です。
こういうことを書くやつらにはどう対応したらよいのでしょうか。
方法は以下のとおりです。
まずは、人間としておかしいわけですから、まともに取り合ってはいけません。
つぎに、上から一方的に叩きつぶす。
これしかありません。
「その時その場合に応じて働く才知」
斯(か)く(このように)いうぼくも、機知の領域に達しているわけではありません。
過不足をなくして、中庸にちかづきたいと考えています。
(再掲。佐々木さやか議員)
「表面的には元気なようにふるまっていらっしゃるかもしれませんけれども、本当にたいへんな精神的な肉体的なダメージをうけて」
一昨日このことばに接しました。
そのとき、ふと、精神科医の小西聖子さんの言辞を思い出しました。
ご紹介をさせていただきます。
●2016年12月1日 警察庁 中央イベント
●講演者 小西聖子 武蔵野大学 人間科学部長 ●演題 「性犯罪被害の実態と被害者への支援」 ●資料 |
(※下図は、資料より引用。)
例えば今の話で、私は時々、裁判になっているようなケースで意見書を書いたりすることがあるのですけれども、そういう捜査の段階なんかで一番よく聞く疑問は、 「この人、元気そうなんですけどね」 と。 結構感情が麻ひしてしまっている人なんかもいますし、どれだけつらいと思っても、人はいつもつらいかっこうをしているわけではありませんよね。 皆さんだって、今、例えばおなかが痛いとか気持ちが悪いということがあったとしたって、誰か大事な人に会って挨拶するなら、きっとにこにこ挨拶すると思います。 人って、そんなにいつも苦しそうにはしていられないのですよ。 見かけが元気そうだと、本当にやつれてかわいそうだという感じと全く逆に、 一方で、すごく泣いたりすると、本当に気の毒な人だみたいな感じで扱われていることもあります。 これはもう家族でも警察でもどこでもそうです。 |
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(再掲。小西聖子さん)
「今、例えばおなかが痛いとか気持ちが悪いということがあったとしたって、誰か大事な人に会って挨拶するなら、きっとにこにこ挨拶すると思います」
香西咲さんの場合もそうでした。
(2016年7月14日発売「週刊文春」2016年7月21日号より、引用。改行を施しています。)
●香西咲さん
ストレスから円形脱毛症になり全身がけだるく、胃腸は毎日、抉られるように痛みました。 自分で救急車を呼んだこともあった。 屈辱がフラッシュバックし、絶望的に命を絶ちたくなるときも・・・・・・ |
事務所の言いつけ通りに仕事をこなす日々。 夢のためにと笑顔をつくって自分を奮い立たせたが、気がつけばアルコールと睡眠薬が必需品になっていた。 |
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野暮な人間は、こう言います。
したり顔をして、
「なぜやめなかったんだ」
と。
常套句です。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月10日>
【RT拡散希望】 何本も出てるのに何故辞められないか?にも触れられています。 経験者しか分からないでしょう。 実に8ヶ月間におよぶ洗脳行為です。 #文集砲 |
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世情に通ぜず、人情の機微をわきまえないやつらには、理解ができないでしょう。
(略)、1回被害に遭うと、人はその次に被害に遭いやすくなります。 1回被害に遭うと、とても大きなダメージが来ます。 自己評価も下がるし、無気力になるし、自分に価値があると思えなければ、当然人は自分を守るという気持ちにはならないですよね。 |
被害に遭ったのに、なぜ新たな性的な関係を持つのか分からない。 怖くて避けるのが当然なのにと、これもよく聞かれますね。 さっきお話ししたように、自己評価が下がると、新たな脅威をうまくよけることができません。 それから、PTSDになると何が危険で、何が危険でないかをしっかり分けることができなくなります。 |
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年12月19日>
年明けのPTSDやフラッシュバックの治療が楽しみです。 投げやりだった人生でしたが、業界内外の方々やファンの方々の愛情を感じる事ができ今やっと前向きに人生を考え直そうという気持ちになって参りました。 少しづつですが。 どうかこれからも温かく見守って頂けたら幸いです。ありがとうございます |
それから、さっきPTSDと比較的関連が深いと言いましたけれども、PTSDの症状の中には記憶がないというのもあります。
解離性の健忘というものです。 頭を打って記憶がないのとは違いますが、そういう解離性の健忘があったときに、どうも人からはある部分はしっかり覚えていて、ある部分を覚えていないことが、何だかうそみたいと思われるらしくて、 これは私がもうふだんたくさん、繰り返し繰り返し聞く疑問、周りの方から聞く疑問を出してみただけなのですけれども、こういうことが先ほどの、この偏見や誤解に基づいた被害者への対処のもとになっているし、その原因はやっぱり性暴力被害の心身への影響が理解されていないからだと思うからです。 |
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(※下図は、資料より引用。)
それから、人間怖いときには、ワッと緊張して戦いのモードになるということもありますけれども、一方でもうどうしていいか分からないので、麻ひしてしまうということも多いのです。
そういう麻ひする仕組みというのが、余り人に知られていないために、途中から恐怖心がなくなり何も考えなくなった。 だから、そこから後は全然抵抗していないとか、そこからどうなったかは全然記憶がないですとか、こういう話もよく聞きます。 |
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月25日>
富士山の樹海近くのスタジオに連れていかれてどうやって逃げろと? 周り何も無いですし。 怖い人20人近くいて声も出ないですよ。 男性にはこの怖さは分かりません。 |
(2016年9月18日 AbemaTIMES「【AV出演強要問題】元カリスマ女優・川奈まり子氏が業界健全化のために奮闘」より、引用。改行を施しています。)
●香西咲さん
遠いところですから……。 よっぽど強い子でないと(撮影を中止させるのは)無理だと思いますし。 私さえ泣いておけば丸く収まると思った。 結局AV撮影に応じることになりました。 |
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これは本当に一例なのです。 偏見と言う言葉を使えば、じゃあちょっと勉強すればなくなるようなことだよねと皆さん思われるかもしれませんが、決してそうではない。 それはどんな偏見もそうかもしれませんが、やっぱりその人の立場に立ってよく聞いてみないと分からないことがたくさんあります。 |
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(再掲。小西聖子さん)
「その人の立場に立ってよく聞いてみないと分からないことがたくさんあります」
真実をもとめるひとにそなわるのが機知です。
基本姿勢は中庸(ほどほど)です。
(再掲。相手に対する気遣い)
●不足 野暮(世情に通ぜず人情の機微をわきまえないこと)
●中庸 機知(その時その場合に応じて働く才知)
●過多 道化(ピエロ)
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年2月17日>
【RT拡散希望】 懲戒制度は誰でも求めることが出来るのですね。 いざその時には皆様にも署名等ご協力頂けますでしょうか(>_<)? 長年応援して下さったファンの皆様へ、私からの最初で最後のお願いになると思います。 どうか宜しくお願い致します。 |
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多くのかたが機知ある行動をとられることを願っております。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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