昨日のブログで、今週の月曜日(2018年3月26日)に開催された第4回関係府省対策会議についてふれました。
日本経済新聞とテレ朝newsが、同会議の内容をつたえています。
(2018年3月27日 日本経済新聞「JKビジネス131店、規制強化でもやや増 警察庁まとめ」より引用。)
●日本経済新聞
AVの出演強要問題では、モデルやアイドル活動を装い、同意していない性的な行為などの撮影を求めるケースが多いことも内閣府の調査で判明。 |
(2018年3月26日 テレ朝news「AV出演強要巡り100人超検挙 警察庁が初の統計」より引用。)
●テレ朝news(テレビ朝日)
内閣府の調査では、勧誘などでモデル契約した女性の1割ほどが事前に聞かされていない性的な撮影を求められ、このうち半数近くが実際に強要されていました。 |
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内閣府は今年の2月に、出演強要に関するインターネット調査をおこないました。
「平成29年度若年層を対象とした性暴力被害等の実態把握のためのインターネット調査」報告書(平成30年3月) |
先週の金曜日(2018年3月23日)に調査結果が公開されました。
(再掲。テレ朝news)
「半数近くが実際に強要されていました」
具体的にみてみます。
内閣府は、以下の2,461人から聞き取りをおこないました。
モデル・アイドル等の勧誘を受けたり、モデル・アイドル等のアルバイトの募集広告を見て応募した経験がある人(2,461人)。 |
<12ページ>
「これまでに、あなたが勧誘等を受けたり、募集広告に応募したりしたとき、その勧誘等や広告の内容はどのようなものでしたか?」
●1位「モデルになりませんか/興味はありませんか」(30.7%) ●2位「高収入アルバイトに興味はありませんか」(21.9%) ●3位「雑誌やテレビ番組の撮影に協力してくれませんか」(21.8%) ●4位「アイドルになりませんか/興味はありませんか」(14.0%) ●5位「その他」(11.6%) |
(やがて・・・・・・)
↓
<17ページ>
●「聞いていない性的な行為等の撮影を求められた」(11.3%)(277人) |
(そのあと、女性は・・・・・・)
↓
<17ページ>
●「実際に求められた行為に応じた」(46.6%) |
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(再掲。日本経済新聞)
「AVの出演強要問題では、モデルやアイドル活動を装い、同意していない性的な行為などの撮影を求めるケースが多い」
5日前におこなわれた仁比聡平参議院議員の国会質問をふりかえってみます。
□2018年3月23日 参議院 法務委員会 (動画 参議院インターネット審議中継) |
(※音声の文字化は、筆者。)
●仁比聡平 参議院議員(日本共産党)
あの、政府のそうしたとりくみをですね、いっそう強化をしていくときだと思うんですけれども、そのなかで今日、大臣の認識もふくめてお訊(たず)ねしたいと思いますのは、この手口の卑劣さなんですね。 |
このPAPSの資料の2枚目、ご覧いただきますと、勧誘、スカウトにあたって、この上のほうにホームページの写真がありますが、 「撮影会モデル、あるいはパーツモデル、こういう紹介できる仕事30種類以上」 と言って、 「顔バレいっさいなしだから安心です」 などと、若い女性を誘因するわけですね。 女優や歌手、あるいはモデルになりたいという気持ちにつけこんだ騙しのテクニックだ、と言うべきだと思います。 |
このAVっていうのは聞いていないわけです。 けれども、ここにいわば、ひっかかっていくとですね、抜けられなくなる強要の手口があります。 |
スタジオに行くと大勢の男性スタッフに囲まれて、 「契約したんだから」 とか、 「違約金が発生するよ」 とか言われる。 |
あの2枚目、もう1枚めくっていただくとですね、たとえばかわされた契約書の例がありますが、 「被害の損害を請求する」 とか、 「出演義務を怠った場合には」 とか、こうした法律用語をふりかざして、社会経験のない若い女性たちをがんじがらめに拘束していくわけですね。 |
前のページにもありましたけれども、事前に身分証明書のコピーをとる。 たとえば、 「未成年でないことを確認するから」 などと言って、学生証などをとる。 あるいは、自宅の住所をとる。 こうやって個人情報を握って、最後はですね、 「親や学校にばらす」 というような脅しをかける例もあります。 |
こうしたかたちで、契約だとか合意だとか、そういう外形をとって、けれども、内実は強要。 このかたちによって被害者が拘束されるというもとで、顔がバレる、身バレする、ということで就職が取り消されたり、会社を辞めざるをえなくなったり、あるいは自主的に退学をする。 相談中にですね、みずから命を絶たれると。 そういうケースがあいついでいるわけです。 |
これ、社会的経験がない、あるいは、自己肯定感情ももてないでいる。 そうした女性たちの弱みにつけこんだきわめて卑劣な手口だと思います。 |
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(再掲。テレ朝news)
「内閣府の調査では、勧誘などでモデル契約した女性の1割ほどが事前に聞かされていない性的な撮影を求められ、このうち半数近くが実際に強要されていました」
今回の内閣府の調査で、強要に関する具体的な数値があきらかとなりました。
(再掲。仁比聡平 参議院議員)
「勧誘、スカウトにあたって、この上のほうにホームページの写真がありますが、『撮影会モデル、あるいはパーツモデル、こういう紹介できる仕事30種類以上』と言って、『顔バレいっさいなしだから安心です』などと、若い女性を誘因するわけですね」
(米木敏幸さんのツイートより、引用。)
●米木敏幸さん
<2018年3月27日>
https://t.co/12fuZtGa7Q クルーズ グループも似た表現を使用しています。
6つの無料特典で女性を囲う手口の可能性もありますね。— 米木敏幸 (@nhinnhia0521) 2018年3月26日
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「クルーズ グループ」
どこかで聞いた名前です。
思い出しました。
日本プロダクション協会の一員です。
同協会は、自称「適正AV」を指向していると吹聴しています。
ホームページを参照します。
(日本プロダクション協会「加盟プロダクション一覧」より、引用。)
●加盟プロダクション一覧
ARROWS C-more エンターテインメント GREEN エルプロモーション オールプロモーション カプセルエージェンシー クルーズグループ ディアスグループ ティーパワーズ ナックス バンビプロモーション・B star ファンスタープロモーション マインズ リンクス |
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(川奈まり子AVAN代表のツイートより、引用。)
●川奈まり子 AVAN代表
<2017年7月9日>
そりゃたちが悪い、大手事務所じゃたいへんだ!と思って、すぐに委員会や日本プロダクション協会の人たちやメーカーの人たちに報告しましたよ。その日のうちに事態が少し改善されたもよう。あとは弁護士さんたちや委員会が動いてくれるのではないかと期待してます。
— 川奈まり子怪談奇譚 (@MarikoKawana) 2017年7月9日
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クルーズグループのサイトを開いてみたところ、トップページに、
「30種類以上から選べるお仕事」
との惹句(じゃっく)がかかげられていました。
30種類です。
具体的にはどのような仕事があるのでしょうか。
「お仕事内容」から、項目だけを抜粋します。
・アダルトグッズモニター
・写メモデル
・トークモデル
・パーツモデル
・素人モデル
・撮影会モデル
・ダンサー
・イメージDVDモデル
・グラビアモデル
・写真集
・TV・CS・Vシネマ
最後に記されているのが、
「AVモデル」
です。
(再掲。クルーズグループ)
「30種類以上から選べるお仕事」
(再掲。仁比聡平 参議院議員)
「勧誘、スカウトにあたって、この上のほうにホームページの写真がありますが、『撮影会モデル、あるいはパーツモデル、こういう紹介できる仕事30種類以上』と言って、『顔バレいっさいなしだから安心です』などと、若い女性を誘因するわけですね」
政府はこのようなプロダクションを野放しにしておくのでしょうか。
もっともそれ以前に、すべてのプロダクションは違法ですが。
(読売新聞社会部のツイートより、引用。)
●読売新聞 社会部
<2018年3月28日>
モデルで募集しAV出演を勧誘、2審は実刑判決https://t.co/JJClTkQopr#社会
— 読売新聞社会部 (@YOL_national) 2018年3月28日
本日、第2審の大阪高裁が、出演強要をおこなった金沢新一に対して実刑判決をくだしました。
(2018年3月28日 読売新聞「モデルで募集しAV出演を勧誘、2審は実刑判決」より引用。改行を施しています。)
●読売新聞
アダルトビデオ(AV)に出演させるため女性3人を勧誘したなどとして、職業安定法違反(有害業務の募集)や強要などの罪に問われた無職金沢新一被告(49)の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。
樋口裕晃裁判長は、1審・大阪地裁の執行猶予付き判決を破棄し、懲役2年6月、罰金30万円(求刑・懲役3年、罰金30万円)の実刑を言い渡した。 |
控訴審判決で、樋口裁判長は、検察側の主張を認めた上で、勧誘の手口について 「AVとわからないようモデルなどとして募集するなど巧妙で、多数のDVDを職業的に製造販売しており、相当悪質だ」 と指摘。 執行猶予付きとした1審判決の量刑は軽すぎる、と述べた。 |
(再掲。判決)
「AVとわからないようモデルなどとして募集するなど巧妙」
「相当悪質」
業界人が日々おこなっている悪行がまたひとつ断罪されました。
今後は、警察による徹底的なとりしまりがもとめられます。
(2016年7月17日 AbemaTIMES「【AV出演強要・脅迫・洗脳】人気AV女優が元所属事務所を告訴」より、引用。改行を施しています。)
●AbemaTIMES
香西は2010年にレースクイーンなどの仕事を行っていた。 その頃、元事務所からスカウトされ、イメージDVD3本セット制作・販売の契約をしたが、その時の約束は肌の露出は背中が見える程度というものだったという。 それなのに結果はAV出演だった。 |
●香西咲さん
私の場合は、元々有名なグラドルの方々が所属する芸能事務所の名刺を出されました。 そこのエントリーシートを書いて、後日「落ちたよ」と言われました。 すると、「その会社だけが強いわけではない」と紹介されたのが、蓋を開けたら今回告訴したAV事務所でした。 芸能事務所に所属したつもりだったのですが、AV事務所所属扱いだったのに気付いたのは出演から1年以上先の話です。 |
□青木亮
□大西敬
□高畠典子
□坂田恵理子
□坂上孝志
□A-TEAM 飯田正和
□メーカー関係者
□T総研のY
□その他
金沢新一の第1審判決(2017年10月20日)のあと、雪田樹理弁護士がつぎのようにのべています。
(2017年12月16日 読売新聞「AV出演「強要」 巧妙に 男に猶予判決 規制求める声も」より、引用。改行を施しています。)
●読売新聞
AV被害に詳しい雪田樹理弁護士は 「出演を断れないよう迫っており、実質は強要そのものだ。強制性交等罪(強姦罪)が検討されてもいい事件。判決は甘い」 と話す。 |
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青木たちがおこなったことは金沢新一の比でありません。
強姦、ないしは準強姦です。
いずれかの罪による逮捕がまたれます。
両罪とも、時効は10年です。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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