一昨日の参議院法務委員会で、仁比聡平参議院議員が出演強要問題をとりあげました。
□2018年3月23日 参議院 法務委員会 (動画 参議院インターネット審議中継) |
質疑と応答の内容につきましては、昨日の当ブログをご覧ください。
(参考。当ブログ)
・2018年3月24日
本日は、仁比議員と政府のやりとりをみて気がついたことを書きます。
男女共同参画局長の答弁姿勢
今年の通常国会は1月22日にはじまりました。
おわるのは6月20日です。
(参考。衆議院)
・国会会期一覧
現在のところ、出演強要問題について質問をしたのは以下の2人です。
●杉田水脈 衆議院議員(自民党) 2018年3月9日 衆議院 内閣委員会
●仁比聡平 参議院議員(日本共産党) 2018年3月23日 参議院 法務委員会 |
最初に質疑をおこなった杉田議員の発言はきわめて悪質なものでした。
(仁比聡平 参議院議員。2018年3月23日)
「今国会で先日、与党議員からこころない、まるで言いがかりのような質問がされたこともございまして」
(参考)
□2018年3月9日 衆議院 内閣委員会 (動画 衆議院インターネット審議中継) |
杉田議員の妄言に対して、男女共同参画局長が3回、答弁をおこないました。
動画を確認すればわかります。
男女共同参画局長の応対はきわめて冷淡でした。
みてみます。
杉田水脈議員に対する男女共同参画局長の対応
●第1回目
男女共同参画局長は、能面のような面持ち(おももち)で答弁書を読み終えると、すぐに踵(きびす)を返し(引き返し)ました。
ふつう官僚は、答弁をおえたあと、質問者にむかって礼をします。
男女共同参画局長はこれをおこないませんでした。
●第2回目
1回目と同様です。
怜悧な口調で、手にしている文書を朗読します。
自席にもどるさいに、はじめて礼をしました。
つい普段の習性が出たのでしょうか。
●第3回目
あしらうような返答でした。
つぎは、仁比聡平議員についてです。
仁比聡平議員に対する男女共同参画局長の対応
一昨日ぼくは、国会中継(録画)をみて絶句しました。
(再掲)
□2018年3月23日 参議院 法務委員会 (動画 参議院インターネット審議中継) |
あまりにもちがいます。
杉田議員のときとくらべて。
男女共同参画局長は仁比議員に対して、豊かな表情でことばを発します。
力強さもあります。
答弁の途中で何度も仁比議員の顔をみました。
対話をしているような感じでした。
男女共同参画局長は、いったん、
「女性活躍の前提となる安全、安心の基盤を揺るがす問題であるため、政府をあげてその根絶にとりくむ必要があると考えております」
とのべて、答弁をおえました。
このあと、深々と礼をしながら、仁比議員のほうを確認しました。
これでよろしかったでしょうか、といった感じで。
(※下図は参議院インターネット審議中継より、引用。)
「政府をあげてその根絶にとりくむ必要がある」
このあとも男女共同参画局長は、過日に杉田議員が発した荒唐無稽な発言を唾棄します。
両者の言辞を並べてみます。
杉田水脈議員(2018年3月9日)
「たとえば警察はどのように把握しているかというと、2016年(※読み間違い。正しくは平成26年)の1月1日から28年の12月31日までの3年間で、相談件数は、実はたったの25件」 |
「AV強要っていうのは、件数がきっちりと警察が関与している件数っていうのはほとんどないんです」 |
「実はこれ残念なこと、残念なことって言ったらよくないのかもしれませんが、この職業に就きたいという女性はすごく多いんですよ。 引く手あまたで(笑)。すごく狭き門らしいですよ」 |
男女共同参画局長(2018年3月23日)
「性犯罪、性暴力は周囲に打ち明けにくいということがございまして、関係行政機関などで把握している相談件数は、こうした問題をかかえる被害のごく一部である、というふうに認識をしております」 |
「インターネット調査におきましても、被害にあった方々がなかなか公的な相談窓口には相談していない、と。そういう実態もあきらかになっているところでございます」 |
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日本的教育は、杉田水脈的バカを生み出す。
— 世一良幸 (@astroecology) 2018年3月19日
50歳にもなってこの無知蒙昧さ。何を食べたらこんなバカにになるんだろう?? #杉田水脈 https://t.co/XP0yb9m7Zu
— Nemesisネメシス (@zodiac0088) 2018年3月10日
上述の国会質問のなかで杉田議員は、連立を組んでいる公明党の施策を罵倒しました。
4月の被害防止月間についてです。
杉田水脈議員が公明党の施策を罵倒
杉田水脈議員(2018年3月9日)
「政府がお金をつかって防止月間ってやるメリットって何があるんでしょうか」 |
被害防止月間は、公明党の要望によって実現しました。
杉田水脈議員(2018年3月9日)
「デメリットのほうがこれ絶対におおきくないですか。日本政府がお墨付きをあたえて、AV女優の強要とかJKビジネスとか、こんなに日本で問題になっているから、だから防止月間をやらないといけないからということがこれ海外に。だから日本はむかし、慰安婦という性奴隷をもっていたんだと言われても、これおかしくない」 |
杉田議員は衆議院の内閣委員会で暴言をくりかえしました。
ふと、当該委員会の理事はだれなのだろうと思いました。
委員会にはそれぞれ、数人の理事が置かれています。
理事は委員長の代理をしたり、委員会の運営について協議します。
(参考。衆議院)
●内閣委員会 委員名簿
名簿をみて、のけぞりました。
なんと公明党の理事は、佐藤茂樹議員です。
佐藤議員は公明党のAV出演強要問題対策プロジェクトチームの顧問です。
昨年の11月30日におこなわれたHRNの院内集会にも参加されています。
(参考。当ブログ)
・2017年12月5日
(2017年12月1日 公明新聞「『出演強要問題』根絶へシンポジウム」より、引用。)
●公明新聞
公明党AV(アダルトビデオ)出演強要問題対策プロジェクトチーム(PT)の佐々木さやか座長(参院議員)と、同PT顧問の佐藤茂樹、遠山清彦両衆院議員は30日、衆院第1議員会館で出演強要被害の根絶に向けたシンポジウムに出席し、あいさつした。 |
杉田水脈って純粋にバカだろ?自民党の中にも色々な考えがあるのだが、こいつ分かってないな。何時か必ず自民党の幹部に怒られるぞ。特に二階辺りに。
— セガールモチンモク (@MuTtVkk51cATPE4) 2018年3月20日
おそらく杉田議員は、公明党が出演強要問題にとりくんでいることを知らないのでしょう。
佐藤議員の前で、公明党の施策を罵(ののし)りました。
無知は罪です。
はなしを一昨日の仁比聡平議員の質問にもどします。
仁比議員は参議院の法務委員会に所属しています。
同委員会の構成人員を調べてみました。
(参考。参議院)
・参議院法務委員会
委員のなかに、元榮太一郎議員の名前があります。
元榮議員は法律事務所オーセンスの代表でもあります。
法律事務所オーセンスの代表の元榮太一郎議員
(再掲)
□2018年3月23日 参議院 法務委員会 (動画 参議院インターネット審議中継) |
●2018年3月23日 参議院 法務委員会
<発言者一覧>
・石川博崇(法務委員長)
・元榮太一郎(自由民主党・こころ)
・小川敏夫(民進党・新緑風会)
・若松謙維(公明党)
・有田芳生(立憲民主党)
・仁比聡平(日本共産党)
・糸数慶子(沖縄の風)
・山口和之(各派に属しない議員)
・石井苗子(日本維新の会)
当然、元榮議員は、出演強要問題に対する政府の答弁を聞いたことでしょう。
男女共同参画局長(2018年3月23日)
「アダルトビデオへの出演強要をはじめとする女性に対する性的な暴力にかかわる問題は、犯罪となる行為をふくむ重大な人権侵害でございます」 |
「そのような性暴力の被害者は身体的な面のみならず、おおくの場合、精神面でも長期にわたる傷跡を残す、そういうものでございまして、あってはならないものでございます」 |
上川陽子 法務大臣(2018年3月23日)
「アダルトビデオ出演強要問題ということでございますが、被害者の心身に深い傷を残しかねない重大な人権侵害である」 |
(再掲。男女共同参画局長)
「精神面でも長期にわたる傷跡を残す」
(再掲。男女共同参画局長)
「被害者の心身に深い傷を残しかねない重大な人権侵害」
元榮太一郎議員が率いる法律事務所オーセンスは、このことがわかっていないようです。
依然として被害者である香西咲さんの傷口を広げる行為をおこなっています。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年12月18日>
独立時、オーセンスの池田康太郎弁護士は何度も私に電話してきました。 内容は一言で言うと圧力です。 つい最近連絡がきたのはオーセンスの唐木大輔弁護士。 |
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上川陽子 法務大臣(2018年3月23日)
「アダルトビデオ出演強要問題ということで、政府は一丸となってとりくむべき重大な問題である」 |
杉田水脈議員と元榮太一郎議員は出演強要の加担者です。
とりあえず元榮太一郎氏(弁護士)に対しては、懲戒の申し立てが必要となるでしょう。
第4回 関係府省対策会議
明日、第4回関係府省対策会議が開催されます。
(内閣府のサイトより、引用。)
1 日時 平成30年3月26日(月)17:20~17:35 |
2 場所 総理大臣官邸2階小ホール |
3 議題 「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」に係る平成29年度の取組状況等について |
4 出席予定者 内閣官房長官 内閣府特命担当大臣(男女共同参画) 関係府省局長等(内閣府、警察庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省) |
5 取材等 内閣官房長官及び内閣府特命担当大臣(男女共同参画)締めくくり挨拶(17:32メド)のみカメラ撮り可。 |
6 その他 会議終了後、官邸3階エントランスホールにて野田内閣府特命担当大臣(男女共同参画)によるぶら下がり会見を行います。 |
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議題は、「平成29年度の取組状況」です。
議事録の公開を楽しみにしています。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。
私はAV業界に固執していたのでではなく、#AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。
引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。
(明日のブログへつづく)
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