昨日のブログで、出演強要は強姦である、との正論についてふれました。
もう一度、引きます。
(2016年12月13日 第85回女性に対する暴力に関する専門調査会「議事録」より、引用。)
●平川和子 東京フェミニストセラピィセンター所長(2016年12月13日)
従来、ポルノグラフィーというのは表現の問題として議論されることはあっても、AVが制作される過程の中で、実は女優となる出演する女性が強姦被害に遭っており、しかも、数人の男性に囲まれて、同意のない性行為をさせられているということです。
既ポルノ制作の過程で性暴力被害が起きているという構造的問題をきちんと報告書に書き込む必要があるのではないかと思います。 |
(再掲)
「AVが制作される過程の中で、実は女優となる出演する女性が強姦被害に遭っており、しかも、数人の男性に囲まれて、同意のない性行為をさせられている」
明快な論理です。
無理強いをされて出演させられた女性にとっては、強姦以外のなにものでもありません。
正鵠(せいこく)を得ています。
ここで強姦罪に関する新旧の規定を確認します。
(参考。刑法)
●第177条
(旧) (強姦) 暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。 |
(新) (強制性交等) 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。 13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。 |
●第178条
(準強制わいせつ及び準強姦) 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。 2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。 |
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上述のとおり、強姦(強制性交等罪)のほかに、準強姦という犯罪があります。
(再掲。第178条2。準強姦)
「女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による」
強姦の文字の前に「準」がついていますので、強姦罪よりも軽い印象があります。
そうではありません。
国会における質疑、応答をみてみます。
(2017年6月15日 参議院 法務委員会「会議録」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●有田芳生 参議院議員(民進党【※当時】)
(前略。)
元TBSの記者が当時26歳の詩織さんという方をレイプしたと。
本人が訴えて、記者会見まで顔を出して行いましたけれども、その事実がどうかということを確認したいんではないんですが、そのときに多くの人たちが思ったことですけれども、強姦罪と準強姦罪、これがどういうものなのか、ちょっと時間もないので簡単に説明していただきたいんですが。
つまり、世間からいえば、強姦罪というとんでもない犯罪があって、だけど、準強姦罪となるともっとレベルが低いものなのかなというふうに、やっぱり言葉で捉えてしまうようなところがあるので、そこは違うのか一緒なのか、ちょっと説明をお願いします。 |
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●林眞琴 法務省刑事局長
強姦罪と準強姦罪の違い、また同じ部分ということでございますが、まず強姦罪というのは暴行又は脅迫を用いて成立する罪でございます。
準強姦罪は、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じて、又は心神を喪失させ、また抗拒不能にさせて成立する罪でございます。
この罪、両者は、実際の同意のない性行為を行うということについては同様で、共通なんでございますが、手段が異なるわけでございます。 |
ただ手段が異なるだけで、この準強姦罪と強姦罪の悪質性、重大性は全く同じでございます。
ですから、法定刑も全く同じでございます。
そして、準という言葉でございますが、これは強姦罪の例によるという意味での準でございまして、何かこの悪質性が一段階落ちるとか、そういう意味を持っているものでは全くございません。 |
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●有田芳生 参議院議員(民進党【※当時】)
だから、そういう専門的な法律用語というのは一般社会で受け取られにくいところがあるので、そういうこともちゃんと説明していただきたいというふうに思います。
(後略。)
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(再掲。林眞琴 法務省刑事局長)
「手段が異なるだけで、この準強姦罪と強姦罪の悪質性、重大性は全く同じでございます」
準強姦罪と強姦罪は、法定刑が同じです。
いずれも5年以上20年以下の懲役です。
時効も10年です。
準強姦と聞きますと、酔いつぶれて酩酊状態となったひとを襲う、といった犯罪を想起します。
(再掲。刑法第178条2。準強姦)
「女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による」
準強姦罪は、酒やレイプドラッグなどを利用した凶行にかぎるのかといいますと、そうでもありません。
前出の参議院法務委員会の会議録をみてみます。
質問者は、日本維新の会の東徹議員です。
(2017年6月15日 参議院 法務委員会「会議録」より、引用。改行を施しています。)
●小田部耕治 警察庁 長官官房審議官
いわゆるJKビジネスにつきましては、近年、女子高校生等の児童の性に着目した営業として、大規模な歓楽街、繁華街を擁する大都市を中心として多様な形態により出現していると認識しております。これらの営業につきましては、女子高校生等が危険性や有害性を認識しないまま従事する場合があるなど児童買春等の犯罪の被害者となる危険性が高く、少年の健全育成の観点から憂慮すべきものと認識しております。
警察におきましては、本年4月の、政府が一体となって取り組んだAV出演強要・JKビジネス等被害防止月間におきまして、いわゆるJKビジネスの経営者等を児童福祉法違反や児童買春・児童ポルノ禁止法違反で6名検挙するとともに、いわゆるJKビジネス店舗で働いていた児童40名を補導、保護したところであります。
警察では、各種法令を適用して違法行為について厳正な取締りを推進するとともに、これらの営業に従事している児童等に対する保護等を推進してまいりたいと思います。
また、この種の犯罪は潜在化しやすいことから、警察としては、学校等との連携や各種広報媒体の活用を図りながら、児童の保護者また児童に対する教育、啓発の強化や相談体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
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●東徹 参議院議員(日本維新の会)
(前略。)
先ほどAVの話が出ましたけれども、女子高生、やっぱり被害に遭いやすいですし、まあだまされやすいというか、だましてAVに出演させて、相当なお金を荒稼ぎしているというふうなニュースもありました。
本当に、この辺についてはしっかりと取締りをやっぱり強化していくべきだというふうに思っております。
(後略。)
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●東徹 参議院議員(日本維新の会)
(前略。)
準強姦罪についてなんですけれども、準強姦罪では、人の心神喪失とか、先ほどおっしゃった、抗拒不能に乗じたり抗拒不能にさせて強姦した場合に処罰されるということになるわけですけれども。
抗拒不能とは、心理的又は物理的理由によって反抗が著しく困難な状態というものとされておりますけれども、
例えば、モデルになるために必要とだまされて性交した場合のように、性交すること自体については認識しているものの、そのモデルになるために必要という動機がだまされたことによって生じたものである場合、これは抗拒不能による強姦と言える場合があるのかどうか、お聞きしたいと思います。 |
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●林眞琴 法務省刑事局長
この抗拒不能という定義については今委員御指摘になりましたが、この個別具体的な事例においてどういう場合に抗拒不能となるかということについてでございますが、これまでの裁判例としてお答えすれば、例えば被害者が錯誤に陥っているという理由で抗拒不能を認めた裁判例といたしましては、
このような事案において、これが抗拒不能の状態に陥らせたとして、準、この場合は強制わいせつでございますが、準強制わいせつを認めたものがある、こういった裁判例があると承知しております。 |
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●東徹 参議院議員(日本維新の会)
こういったケースというのは非常に多いんではないのかなというふうに思います。
ちょっと時間が来ましたので、これで終わらせていただきますけれども、是非、この法案が成立してからも、しっかりと三年後の改正に向けて、我々もしっかりと努力をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上で終わります。ありがとうございました。
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(再掲。刑法第178条2。準強姦)
女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。 |
(再掲。判例)
「全裸になって写真撮影されることもモデルになるために必要であり、拒否すればモデルとして売り出してもらえなくなると誤信」
(再掲。林眞琴 法務省刑事局長)
「被害者が錯誤に陥っているという理由で抗拒不能を認めた」
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年8月28日>
私も文春の佐藤涼子さん(仮名)も AVをやる為に芸能で泊を付けた訳じゃありませんw むしろ私は趣味の車と雑貨店への知名の為、彼女は歌手になる為。 それを8ヵ月~1年かけ、AVが無ければ成功しないかの様に思い込まされた。 占い師まで使って。 この事件は国に相談させて頂くことになりました。 |
●香西咲さん
<2016年12月27日>
もう一度言います。 元アットハニーズA氏に洗脳されて無ければ私はAVに出ていません。 8ヶ月間洗脳され占い師まで登場し、イメージビデオとあやふやなまま富士山の麓のスタジオに連れていかれました。 勿論後悔しています。 最近ファンの方々に恵まれた事が唯一の救いです。 |
●香西咲さん
<2016年8月4日>
事務所所属時代、目の前に『夢』と言う人参ぶら下げられて走り続けてきた訳ですが、その人参が偽物だった事。 そしてその『夢』が私にとって大学生からずっと温めてきた大切なものだったから、簡単に手放せなかった事。 そして走り出したら2度と引き返す事が出来ない道だと思い込んでいた事。 |
●香西咲さん
<2016年11月17日>
2011年。 あの時の私は空気を読み過ぎて前事務所社長やスタッフの機嫌を伺う様になっていた。 騙された事に気づいた時も、言いたい事もなかなか言い出せないまま、前社長と造り上げた“架空の”人参を目掛けて走ってた。 3年間。 |
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□青木亮
□大西敬
□高畠典子
□坂田恵理子
□坂上孝志
□A-TEAM 飯田正和
□メーカー関係者
□T総研のY
□その他
(東徹 参議院議員)
「例えば、モデルになるために必要とだまされて性交した場合のように、性交すること自体については認識しているものの、そのモデルになるために必要という動機がだまされたことによって生じたものである場合、これは抗拒不能による強姦と言える場合があるのか」
(再掲。判例)
「全裸になって写真撮影されることもモデルになるために必要であり、拒否すればモデルとして売り出してもらえなくなると誤信」
(再掲。林眞琴 法務省刑事局長)
「被害者が錯誤に陥っているという理由で抗拒不能を認めた」
(再掲。刑法第178条2。準強姦)
「女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による」
香西咲さんをはじめ、出演強要の被害者の方々は、撮影前、抗拒不能の状態になったと考えます。
今後、警察が、業界人を準強姦罪で逮捕することを望みます。
警察も当然、考えているとは思いますが。
強姦罪か準強姦罪のいずれかで業界人を牢屋にぶちこむことを期待しています。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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