このたび淫行勧誘罪を適用された元ディクレアの雪本剛章は、以前にも逮捕されたことがあるようです。
昨日、気がつきました。
(2018年1月21日 日刊ゲンダイ「未経験女性に出演強要で逮捕…無修正AVのえげつない中身」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●日刊ゲンダイ
(略)、雪本容疑者は昨年3月にも、無修正動画にAV女優を出演させ動画サイトに配信するのを手助けしたとして、わいせつ電磁的記録等送信頒布幇助容疑で警視庁に逮捕されている。 女性を食い物にする連中は、まったく懲りない。 |
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「昨年3月」
この事件は当時、衆目の関心事となりました。
報道をふりかえってみます。
(2017年3月2日 朝日新聞「無修整AV、出演男女ら逮捕 知りながら撮影応じた疑い」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●朝日新聞
保安課によると、逮捕されたのは、アダルトビデオに俳優を派遣するプロダクション「ディクレア」(東京都渋谷区)の社長、石崎宣行(35)=渋谷区=と、同社のマネジャー雪本剛章(34)=世田谷区=の両容疑者、出演者の男女3人の計5人。 |
5人の逮捕容疑は昨年(2016年)2月2日、新宿区のスタジオでわいせつな動画を撮影。
同8月にインターネットの動画配信サイトに無修整のまま配信させ、不特定の人が見ることができるようにしたというもの。
雪本容疑者は容疑を否認し、ほか4人は認めている。
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たしかに昨年の3月、雪本が逮捕されています。
(2017年3月8日 夕刊フジ「トップ女優がおびえる『無修正AV』の闇 有名嬢逮捕、出演した女優や男優まで立件…弁護士『みせしめでは』」より引用。)
<一部分を引用>
●夕刊フジ
わいせつ電磁的記録頒布(はんぷ)幇助(ほうじょ)容疑で逮捕されたのは、無修正動画の撮影現場にAV女優を派遣した芸能プロダクション「ディクレア」社長の石崎宣行容疑者(35)や同社従業員ら計5人。
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日刊ゲンダイの記事がくわしいです。
(2017年3月4日 日刊ゲンダイ「女優と男優も逮捕 カリビアン摘発でAVから本番が消える日」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●日刊ゲンダイ
裏エロ動画サイト「カリビアンコム」関係者の逮捕でAV出演者は戦々恐々だ。
警視庁に(2017年3月)2日摘発されたのは芸能プロ「ディクレア」の社長、石崎宣行容疑者(35)ら男女5人。
今年(2017年)1月に「ピエロ」という制作会社にAV女優を派遣して、無修正わいせつ動画の撮影に協力。
この動画が裏サイトのカリビアンコムにアップされたため、わいせつ電磁的記録頒布ほう助罪を適用された。
(中略。)
「(略。)ディクレアは女優50人が在籍し、2009年1月~16年11月までに1億5400万円を売り上げていた。うち6000万円がピエロからの入金でした」
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ディクレアとその関係者は、2016年の10月にも、検挙されています。
(参考。当ブログ)
・2018年1月19日
簡単に摘発の流れを記します。
●2016年10月4日
ディクレアを労働者派遣法違反容疑で書類送検
社長を労働者派遣法違反容疑で書類送検
マネージャーを労働者派遣法違反容疑で書類送検
↓
●2017年3月2日
社長をわいせつ電磁的記録頒布ほう助罪容疑で逮捕
マネージャーの雪本剛章をわいせつ電磁的記録頒布ほう助罪容疑で逮捕
↓
●2018年1月17日(※2018年1月19日にマスコミ発表)
元営業部長の雪本剛章を淫行勧誘罪で逮捕
元従業員の森田智博を労働者派遣法違反で逮捕
雪本は今回、ふたたび逮捕されました。
罪状は、淫行勧誘です。
●刑法 第182条(淫行勧誘罪)
営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。 |
(2018年1月21日 日刊ゲンダイ「未経験女性に出演強要で逮捕…無修正AVのえげつない中身」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●日刊ゲンダイ
雪本容疑者らは同年6月、東京都渋谷区の飲食店で、出演を渋る女性に対し、
「あなたのプロフィル写真を撮影するのにいくらお金がかかったと思っているの」
「1本くらいは出てもらわないと事務所が損をする」
などと執拗に迫ったという。
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おそらく業界では、このような悪行がごく普通におこなわれているのでしょう。
(山口貴士弁護士のツイートより、引用。)
●山口貴士 弁護士(AV人権倫理機構)
<2018年1月23日>
これで、強要罪等は難しいね
「物理的に拘束されたり、暴力を振るわれたりするケースは実際には少なく、契約違反だ、仕事をキャンセルされたら、スタッフの家族も困る、AV業界差別ではないかなどと、言葉巧みに女性を自分が悪いと思い込ませ、出演を迫るケースが多い」— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) 2018年1月23日
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産経新聞の記事に対する感想のようです。
(参考)
□2018年1月20日 産経新聞
「AV強要摘発に法令駆使 東京五輪へポルノ産業浄化狙う 警察当局、対策を強化」
同団体などによると、出演を強要される際には、物理的に拘束されたり、暴力を振るわれたりするケースは実際には少なく、 「契約違反だ」 「仕事をキャンセルされたら、スタッフの家族も困る」 「AV業界差別ではないか」 などと、言葉巧みに女性を「自分が悪い」と思い込ませ、出演を迫るケースが多いという。 |
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山口貴士弁護士(AV人権倫理機構)はこの記事に対して、
「これで、強要罪等は難しいね」
とのべています。
(再掲。産経新聞)
「言葉巧みに女性を『自分が悪い』と思い込ませ、出演を迫る」
山口弁護士は、このような事例は出演強要に該当しない、とのべています。
政府はどのように考えているのでしょうか。
内閣府のサイトを参照します。
(「その契約、大丈夫? ~知っていますか? AV出演強要問題~」より、引用。)
●「単なる登録だから」と言われてサインした書類は、実はアダルトビデオへの出演契約書だった。
●モデルの仕事だと言われ事務所に行くと、アダルトビデオの撮影だった。断ることができず、撮影に応じた。その後、ネット上でビデオが販売されてしまった。 ●契約時に聞いていない性的な行為をするよう求められ、「撮影に行きたくない」、「辞める」というと、「契約しているから無理」、「撮影の準備にお金がかかっている」などと言われ、多額の違約金を請求された。 ●「モデルになれる」、「君を有名にしてあげる」、「芸能界とパイプの太い人を紹介する」と言われ、アダルトビデオへの出演を求められた。 ●契約書が英語で書いてあったため、内容が分からなかったが、「大丈夫だから」と言われサインをした。支援団体に繋がった後、それが無修正のアダルトビデオに出ることに同意する内容のものだということが分かった。 ●食事をおごってくれたり、悩みを聞いてくれたので、嫌だと思った仕事も受けなければいけないのかと思うようになっていった。 ●知らない撮影現場に連れて行かれ、「無理です」と言っても、誰も聞いてくれず、自分が首を縦に振らない限り何も変わらない状況で、出演せざるを得なかった。 |
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政府は、これらはすべて出演強要である、と考えています。
(再掲。産経新聞)
「言葉巧みに女性を『自分が悪い』と思い込ませ、出演を迫る」
(再掲。山口貴士弁護士【AV人権倫理機構】)
「これで、強要罪等は難しいね」
AV人権倫理機構は強要の実態を糊塗、隠蔽する団体である、ということがわかりました。
おそらくは、こうした業界の頑(かたく)なな態度が淫行勧誘罪の適用を誘因したのでしょう。
(再掲)
●刑法 第182条(淫行勧誘罪)
営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。 |
(2018年1月19日 FNN「刑法『淫行勧誘』 71年ぶり適用」より、引用。)
<一部分を引用>
●FNN
アダルトビデオへの出演強要をめぐっては、政府が対策に乗り出し、国会でも取り上げられていて、警視庁は今回、制作会社の社長を立件するため、刑法の淫行勧誘容疑を71年ぶりに適用した。
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(再掲。FNN)
「刑法の淫行勧誘容疑を71年ぶりに適用した」
因果律(いんがりつ)、という哲学用語があります。
一切のものは原因があって起こり原因がなくては何ものも生じない |
という法則です。
「一切のものは原因があって起こり」
淫行勧誘罪は、業界に出演強要の事実が存在するから71年ぶりに適用されたのです。
「原因がなくては何ものも生じない」
出演強要がなければこの規定が持ち出されることはなかったでしょう。
「淫行の常習のない女子を勧誘」したことと「強要」の有無は全く別の問題です。また「淫行の常習のない」女性だけを保護する条文は、戦前の家父長性の象徴の様な気がしますし、女性の性的自己決定権を否定していますが、フェミニストの伊藤和子先生はそれでいいんですかね。
— 山口貴士 aka無駄に感じが悪いヤマベン (@otakulawyer) 2018年1月20日
(再掲。山口貴士弁護士【AV人権倫理機構】)
「『淫行の常習のない』女性だけを保護する条文は、戦前の家父長性の象徴の様な気がします」
淫行勧誘罪を復活させた原因はすべて自分たちにあります。
ツイッターで負け犬の遠吠えをするのではなく、出演強要をなくすことに精励してほしいものです。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年12月1日>
絶望が希望に変わる時がついに見えてきた。 全て解決するまで油断はしない。 |
●香西咲さん
<2017年12月5日>
平行線だった事が多少なりとも動いた事に感謝です。 でも油断はしません。 |
●香西咲さん
<2017年12月6日>
いつか笑って語れる日が来ますように… #AV強要 #人身売買 #severeproblemofjapan #humantrafficking #japan https://www.instagram.com/p/BcWzMXrFrhV/ |
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(再掲。香西咲さん)
「いつか笑って語れる日が来ますように…」
出演強要を是としている業界人には、この香西咲さんの心境がわからないでしょう。
今後は、人としての道を学びなおしてほしいものです。
刑務所のなかで。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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