これまでみてきたとおり、リベンジポルノ法案を作成したのは自民党です。
(参考。当ブログ)
<リベンジポルノ法について>
・2018年1月10日
・2018年1月11日
・2018年1月12日
・2018年1月13日
2014年10月31日のことです。
自民党の総務会(自民党の決議機関)で、「リベンジポルノ問題に関する特命委員会」が策定したリベンジポルノ法案が了承されました。
(参考)
□自民党 女性局「リベンジポルノ問題対策~法案成立まで経緯~」
当該法案はこのあと、国会へ提出されました。
衆議院と参議院の審議のなかで興味深いやりとりがありましたので、ふりかえってみます。
2014年11月12日
(2014年11月12日 衆議院 法務委員会「会議録」より、引用。)
<一部分を引用>
●西田譲 衆議院議員(次世代の党【※現在は「日本のこころ」と改称】)
法務省として、女性の人権救済といった中で、まず、その種類として、やはりDVであったりストーカーといった例示がされました。
4,000件が実際に取りかかっていらっしゃるということでございます。
逆に、そういったことについて、
何か立法府として、何か立法措置として足りないものがあるのか。 女性の権利といったもの、法のもとの平等において女性が不当におとしめられているといったようなことが何かあるのか。 そうであれば、これは立法措置をしていかなければならないと思います。 |
実際問題、DVに関しても立法がされましたし、また、リベンジポルノという問題についても、これはもう与党の方でも議員立法の提案が既になされているところでもあります。
そういったふうに、
女性が輝くといったことのために何か必要な立法措置といったものが、このような人権救済活動を通じてあるのか |
といったことについて、これは大臣にお伺いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
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●上川陽子 法務大臣
女性の活躍ということで、今回の安倍政権の内閣改造後の大きな旗印として二つを掲げたということの中の一つに挙げられているということであります。
男女の性にかかわらず、お一人お一人が輝いていく社会をつくっていくということの象徴として、女性の活躍ということを挙げていると私は思っております。
そうした一人一人の人権が尊重される社会ということ、そのことを絶えず考え続け、また行動していくということが大事ではないかというふうに思っておりまして、先ほど、ドメスティック・バイオレンスに係る法律、これは、いろいろなSOSや声に対して、議員立法という形で法律が制定されました。
また、ストーカーにつきましても同趣旨であります。
さまざまな事案に対してそれぞれの法律をつくるという中で、その法律に基づいてしっかりと社会が、また一人一人の意識が、そうしたことを阻害するようなことにならないようにしていくということを改めて認識し、そして、責任を持って活動するということだというふうに思います。
ここについては、今課題があるから、では法律をつくりましょうという、そうしたことについては、いろいろ社会の実情も変わってきますので、そういう中でいろいろ声が出てくるというふうに思っておりまして、そうした声が小さいから大きいからということではなくて、耳をしっかり澄ませて、それに対して適切な対応をしていく、そうした心構えということも、この女性の活躍の中で大変大事なことだというふうに思っております。 |
そういう視点で政策の運営も図っていかなければいけないし、
そして、そうした新しい事案が出てくることになれば、それに対してどう対応するかということについてもしっかりと取り組んでいく。 |
こうしたことの総体としての人権の取り組みということではないかというふうに思っております。
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(再掲。上川陽子 法務大臣)
「今課題があるから、では法律をつくりましょうという、(略)、そうした心構えということも、この女性の活躍の中で大変大事なことだというふうに思っております」
秀逸な答弁です。
現在、出演強要という人権侵害が世の憂い事となっています。
リベンジポルノと同様です。
既存の法律だけでは対応しきれません。
悪人は法律の網の目をくぐり抜けています。
(再掲。上川陽子 法務大臣)
「今課題があるから、では法律をつくりましょう」
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)
<9ページ>
●内閣府、関係府省
(1) 被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 |
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いま、出演強要に特化した法律がつくられようとしています。
●西田譲 衆議院議員(次世代の党【※現在は「日本のこころ」と改称】)
何か立法措置が必要ということであれば、これは、これまでも議員立法がありましたし、もしくは政府提案ということでもありましょうが、ぜひとも共有をさせていただいて、
女性が輝くといったことのために必要な立法措置を立法府としてやはりきちんとやっていかなきゃいけない、これは当然のことだというふうに考えております。 |
そういった意味でも、
人権擁護局が、まだ女性の権利を守る上でなかなか立法措置がなされていないんじゃないかという部分について、やはり積極的にそういった点は提言をしていかなきゃいけないというふうに思います。 |
(後略。)
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(再掲)
「立法措置がなされていないんじゃないかという部分について、やはり積極的にそういった点は提言をしていかなきゃいけない」
出演強要被害については、公明党が剛直な提言をおこないました。
(2017年3月21日 第1回関係府省対策会議「議事録」より、引用。)
<5~6ページ>
●林真琴 法務省 刑事局長
もう一点目は過激な内容のポルノの規制等のあり方に関してでございます。 この問題につきましては、公明党からの提言の中におきましても、このポルノの規制が刑事罰則を設けることによる規制というものも含んだ形での提言になっていると承知しておるわけでございますが、この問題に関しては、かなり重い課題となると思いますので、関係省庁と協力して対応を検討してまいりたいと思います。 |
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峻厳な法律となることを期待しております。
つぎは、この6日後におこなわれた参議院の総務委員会をみてみます。
この日、質問者の一人として、山田太郎参議院議員が自説を展開しました。
山田議員といいますと、固陋(ころう。「かたくな」)な表現の自由主義者として有名です。
被害者の人権よりも表現の自由を優先している、との偏見をおもちのかたもいらっしゃることでしょう。
このかたは前回の参議院選挙で落選しました。
常に表現の自由を前面に掲げていますので、人々から忌み嫌われたのかもしれません。
実際に発言を聞くとわかります。
言っていることは案外、常識的です。
2014年11月18日
(2014年11月18日 衆議院 総務委員会「会議録」より、引用。)
<一部分を引用>
●山田太郎 参議院議員(みんなの党【※当時】)
この手の話になると私が登場するケースがすごく多くて、表現の自由等、いろいろな観点、それからもう一つ、社会秩序系の法律でもありますので行き過ぎないようにというところもあって、少しその辺りの質疑をさせていただきたいと思っております。
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<一部分を引用>
●山田太郎 参議院議員(みんなの党【※当時】)
さて、次に、本法が、画像が、第2条の1項の各号で定められているように、例えば際どい性的な画像に限定されているんですね。
そういうような形に定義した理由、特に本人が嫌であれば本来はリベンジではないかといったところもあると思いますが、その辺りも発議者の方、お願いできますでしょうか。
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●山下貴司 衆議院議員(自民党)
(前略。)
そして、翻って考えますと、児童ポルノの定義というものは、これまで児童ポルノ法の運用の積み重ねによって、文言のみならず、その運用、適用まで相当程度適用場面が明らかにされているということでございますので、そういった姿態(際どい性的な画像)が公表された場合について、これを罰則あるいは削除の対象にしようということで規定しているものでございます。
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●山田太郎 参議院議員(みんなの党【※当時】)
(前略。)
法の立て付けとしてはあくまでもリベンジポルノに対する防止ですから個人法益でなければならないんですが、出口としてはポルノの内容を定義しているということで、じゃ、ポルノでなければ防止できないのかという問題は残っているかと思っております。
(後略。)
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●山田太郎 参議院議員(みんなの党【※当時】)
(前略。)
もう一度、じゃ、確認のために聞きます。
ベッドの上で二人が下着姿で殊更に性的な部位を強調していない写真であるけれども、本人の意図に反して掲示板にアップロードされていると、もちろん本人は望んでいない場合でございます。
お願いします。
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●山下貴司 衆議院議員(自民党)
(前略。)
下着姿ということで、それはならないというふうに考えております。
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●山田太郎 参議院議員(みんなの党【※当時】)
そうなってくると、ポルノであるかどうかということが結局出口になるということで、何となく、いわゆるこれがどこまでの個人法益なのかということは一つ問題として残るのかなというふうには思っております。
これ、法律もリベンジポルノ法とも呼ばれているようですが、例えば、本来は本人が拡散されていることを望んでいないものも直接処罰の対象にならないと、それをポルノという形で名前を付けてしまったために非常に、矮小化されたと言うと怒られるかもしれませんが、なかなか、いわゆる個人法益として何をどの程度守っていくのかということにはまだ疑義というか、未完成な部分は残るかと思っております。
(後略。)
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山田議員はこう言っています。
ポルノだけに限定するのではなく、被害者の嫌がっているものも処罰の対象にすべきである、と。
ご自身のブログでもそうのべています。
(2014年12月5日 山田太郎参議院議員のブログより、引用。)
<一部分を引用>
●山田太郎 参議院議員
この法案に何の意味があるのでしょうか。
本来規制し守るべきものは何なのでしょうか。
「被害者」に目を向けずに、あくまで「ポルノ」を規制したいとしか思えない法律なのです。
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どうなのでしょう。
以下の記述は疑問が残ります。
<一部分を引用>
●山田太郎 参議院議員
今回の法律では、このようなリベンジポルノも含めてプライベートの性的な動画等を公表する行為を取り締まろうという法律です。
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飛躍しすぎのような気がします。
表現の自由論者の面目躍如といったところでしょうか。
とりあえず、リベンジポルノ法が成立してよかったです。
(再掲。上川陽子 法務大臣)
「今課題があるから、では法律をつくりましょうという、(略)、そうした心構えということも、この女性の活躍の中で大変大事なことだというふうに思っております」
いま控えているのは出演強要被害に関する法律です。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)
<9ページ>
●内閣府、関係府省
(1) 被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 |
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年1月14日>
昨日は前向きな発言出来たけど、認知行動療法後の私は人生を踏みにじられてしまった事、取り返しのつかない事をしてしまった事、不安です。 洗脳されたまま息を引き取った方が良かったのか…とも考えてしまいます。 |
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杞憂には及びません。
この問題はまもなく解決します。
政府はいま、メーカーの一挙手一投足(こまかいうごき)を監視しています。
こいつらが不誠実な態度をとるのならば、あとは法律で規制するだけです。
香西咲さんが憂うことはありません。
焦燥(しょうそう)に駆られる気持ちはわかります。
香西咲さんはいま、ゴールの間近まで来ました。
ここですべてを投げ出せば、犯罪者たちを利することになります。
顔をあげて、ひとつ深呼吸をしましょう。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月15日>
アットハニーズ青木亮に飼い殺しにされてた頃に出逢った本。 #夜と霧 自分と重なる部分が多い あの時の日々はまさにアウシュビッツ強制収容所。 『歴史は繰り返される』 |
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ご承知のとおり、アウシュビッツで生き残ったのは、自分の頭のなかであかるい未来を思い描いていたひとたちだけです。
絶望感に苛まれている方々は皆、落命しました。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2018年1月13日>
ありがとうございます。 辛抱強く #認知行動療法 を受けた結果、まだまだ症状は残るものの、思考をニュートラルに近づける事が出来ました。 #AV強要 を受けた時点、普通は楽しめる事(家族、恋愛、子供等)を諦めてきたのですが、全作品削除し全てリセットしたら幸せな家庭を築きたいです。 #青木亮 |
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●香西咲さん
<2018年1月13日>
#AV強要 問題が解決してもし母親になる事が許されるのなら、 子供達には私の成功や失敗99%話したいです。世の中に潜む落し穴や、華やかな表舞台の裏に巣窟する闇社会。ハイエナに取って女性は若いだけで価値がある事。 あと私の母親は18歳で死別しているので孫まで育てられる位逞しい祖母になりたい笑 |
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「夜と霧 」の作者のフランクルが香西咲さんのツイートをみたらこう言うことでしょう。
あなたは生還できる、と。
あと、もうすこしです。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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