業界は他所に先駈けて忘れられる権利をみとめました。香西咲さんの事案は別です。契約自体が存在しないのですから、メーカーによる速やかな削除がもとめられます

支援団体のPAPSによりますと、被害者の方々からの相談で一番多いのは、動画の削除に関するものだそうです。

(2017年7月26日 女性共同法律事務所「リレーエッセイ No.32 AV出演を強要された女性たちの声を聴くーポルノ被害と性暴力を考える会」より、引用。)

<一部分を引用>
宮本節子 PAPS世話人
相談を寄せる人の一番の願いは、自分自身の性交行為が撮影されているDVDや動画の発売停止や販売停止、あるいはネット上に流通している動画や画像の削除である。
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削除の申し出に対して、メーカーはどのような対応をしているのでしょうか。

(2017年11月25日 Yahoo!ニュース「「AV出演強要問題は今どうなっているか。 今も苦しみの中にいる被害者たちより、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
伊藤和子 HRN事務局長
またとある最大手メーカーは、配信・販売停止を求める被害者の訴えに対して、  
「私たちは出演強要は一切許されないと考えています。しかし、プロダクションに確認したところ、そちらの主張する強要の事実を否定しました。そこで、そちらから強要を示す明確な証拠を提出いただければ、販売・配信停止を進めます」
と通知してきます。
(中略。)
さらに、大手でも販売・配信停止に一切協力しないメーカーも今でも少なくありません。
さらに大手でない無数のメーカーや海外の無修正サイトは、いまだに被害者の訴えに非協力的です。

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息苦しさをおぼえます。
ここでもまた、魂の殺人がおこなわれています。

(2017年2月15日 幻冬舎plus「AV女優のセックス映像は永久に残り続けていいのか」より、引用。改行を施しています。)

宮本節子 PAPS世話人

作品というものは本来消えないものです。
しかし、自分の性が丸出しにされた重要なプライバシーが、未来永劫、流されていいのかどうか。
それについて社会の体制が追いついていない現状があります。

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社会の体制が追いついていない
日本でもすこし前から主張されるようになってきた人権があります。
忘れられる権利、です。
国会でもとりあげられています。
3年前のやりとりをみてみます。

(2015年5月22日 参議院 本会議「会議録」より、引用。)

<一部分を引用>
大久保勉 参議院議員(民主党)
さらに、忘れられる権利確立のために民法等関係法令を将来改正すべきと考えますが、上川法務大臣の御所見をお尋ねします。
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上川陽子 法務大臣(2015年5月22日)
いわゆる忘れられる権利の法整備の必要性についてお尋ねがありました。

忘れられる権利は新しい概念であり、その意味するところは論者によって異なると思いますが、欧州においては、時間の経過等により不必要となった個人情報に関し、削除や利用の停止を求める権利として法制化について議論がされているものと承知をしております。

そのような権利は、民法を始めとする我が国の現行法令に直接規定されているものではありませんが、名誉毀損やプライバシー侵害に該当する個人情報について、人格権に基づいた削除請求が認められる場合があるものと認識をしております。

忘れられる権利について特別な法整備が必要か否かは、欧州を始めとする国際的な議論の動向を見守りつつ考えていくべきものと認識をしております。
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3日後の参議院でふたたび、忘れられる権利が論題となりました。
質(ただ)したのは、渡辺美知太郎議員です。

(2015年5月25日 参議院 決算委員会「会議録」より、引用。)

渡辺美知太郎 参議院議員(無所属)
(前略。)
まずは、通告どおり、忘れられる権利について質問をいたします。
先週の本会議で、忘れられる権利について、質問とそれに対する上川法務大臣の答弁がありました。
答弁では、忘れられる権利の法整備について、今後の動向を見守りつつ考えていくとありましたが、現時点では法整備自体について特段議論や検討をしていないということなのでしょうか。
進捗状況などについて併せて上川法務大臣に伺いたいと思います。

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上川陽子 法務大臣(2015年5月25日)
忘れられる権利ということで、大変新しい概念ということでございます。

民法を始めとする我が国の現在の法制度におきましては、直接の規定はございません。

しかし、今欧州の中でも大変この問題につきまして法制化も含めての検討をしているということでございまして、それに向けて注視をしてまいりたいというふうに思っております。

既に、情報の削除請求が認められるか否かということにつきましては、具体的に個々の事案において判断をするということになりますが、一般論として申し上げますと、情報が名誉毀損あるいはプライバシー侵害に該当するものであれば、人格権に基づく削除請求が認められるというふうに考えているところでございます。

そうした実態も含めまして、またヨーロッパの状況も含めまして注視をしてまいりたいというふうに思っております。
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渡辺美知太郎 参議院議員(無所属)
大臣は新しい議論だとおっしゃっていました。
しかし、この忘れられる権利は、ヨーロッパでは2008年からもう既に議論されています。
7年も前ということは、今のネット環境では7年という歳月はもう大昔と言ってもいいと思っております。

やはりこれ前向きに議論をしていく必要があると思いますので、なぜ今こういった状況なのか伺いたいのと、それから、

人格権に基づいた削除請求が認められると大臣この間もおっしゃっていましたが、被害者救済の観点からは、これ法制化した方が削除請求が認められるハードルは当然低くなりますよね。

なぜいまだに議論をしないのかという点と、法制度をしっかりした方が被害者救済の観点からはいいのではないかという質問をさせていただきたいと思います。
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上川陽子 法務大臣(2015年5月25日)
欧州におきましての議論の中で法制化のことについての議論が今起きているという、そういう経過の状況でございます。

当然ながら、そうした事案が日本の中でもあるということで、この間の削除に対しても今の法制度の中でもできるということでございますので、その先に法制度として必要であるかどうかという議論も含めまして、

ヨーロッパの状況につきましての注視をしっかりしてまいりたい

というふうに思っております。
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渡辺美知太郎 参議院議員(無所属)
ちょっと参考人の方いたら伺いたいんですけど、今の法制度の中でもできるということではありますが、ハードルとしては、これ当然、法制度をつくった方が被害者としては請求しやすいのではないでしょうか。
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深山卓也 法務省 民事局長(2015年5月25日)
ただいま法務大臣から御答弁があったように、

現行法でも、解釈論上、人格権侵害ということで削除が認められる場合がございまして、現に裁判例で削除を認めたものも出ております。

今ヨーロッパの方の立法の動きがあるのはそのとおりで、これももう何年も議論をされているというのも御指摘のとおりだと思っておりますけれども、要件化が非常に難しいという権利でもあります。

したがって、様々な態様の侵害行為があるときに法規範としてどういう要件を立てるのかということが非常に難しくて、これは推測ですけれども、恐らくヨーロッパの方の議論がなかなか最終的な法制化に至らないのもここがなかなか難しいからだと推測しております。

我が国で立法することがハードルを低くすることになるかどうかも、挙げてこの要件をどう設定できるかということになっておりまして、現在の裁判例で既に認めているものもある、そういうものを類型化していって、

ヨーロッパの法制なども参考にして、将来的に我が国でこういうものを法制化していくということは十分あるわけですけれども、いざ法制化しようと思うと、現段階ではなかなか議論が詰まっていないというところに問題があるように思います。

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渡辺美知太郎 参議院議員(無所属)
是非テクノロジーの進歩に法律もこれ合わせていただきたいなと思っております。

これ、ちょっと法務大臣にも意見を伺ったんですが、ITということで、ネットの世界では、こういった忘れられる権利、リベンジポルノなんかは今議論されていると思いますが、やはりネットの世界というのは非常に恐ろしいなと。

誤った情報であっても瞬時に広がってしまう、あるいは真実か定かではないような情報もさも真実のように広がってしまったりとか、プライバシーの侵害に関することなんかもしっかりとこれは削除していただきたい、人権を守っていただきたいなと思っております。

ただ、ネットの世界ではなかなか今そういった議論もあって進んでいないのが現状でありまして、山口IT担当大臣からも、こういった忘れられる権利などについてどのような御見解をお持ちか、伺いたいと思います。
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山口俊一 IT政策担当大臣(2015年5月25日)
基本的に私も先ほど法務大臣の方から御答弁があったとおりで、もうEUでもかなり長らく議論をされておりますが、なかなか非常に難しい点もある。

同時に、今先生御指摘の、ネット上に誹謗中傷等、これが拡散をしてしまってもう取り返しが付かないことになるというふうな現状もございます。

そういった中で、これももう御承知と思いますけれども、近年、国内外の一部の検索サービスの事業者、これが、利用者から自らの情報の削除の要請、これを受けて当該利用者の検索結果を非表示にするというふうな措置を講じておるというふうなことはあります。

そういったいろんな試みの中で将来的に検討されていくべき課題なんだろうなと思っております。
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いまから3年前の質疑と応答です。
政府の答弁からは前向きなものが感じられません。

いざ法制化しようと思うと、現段階ではなかなか議論が詰まっていないというところに問題があるように思います」(深山卓也 法務省民事局長)

このような状況のなかで、忘れられる権利をみとめようとしているところがあります。
それはアダルトビデオ業界です。
出演強要の被害をうけていない女性も、ビデオの発売から5年後に忘れられる権利を行使することができるようになります。
この点は評価できます。

(2017年12月27日 毎日新聞「AV問題 女優ら出演の新ルール開始へ 作品削除可能に」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
毎日新聞

AVは、一度出演すれば、引退後も作品が配信され続け、さらに編集を重ねてオムニバス版が発売される状態だった。
現役時代だけでなく、引退して結婚、出産してからも、周囲にAVに出ていたことが知られてしまうリスクがあった。

今後、肖像権及びパブリシティー権の利用は撮影日から5年6カ月、もしくは販売日から5年になる。
女優が
「5年で配信を止めてほしい」
という意思表示をすれば、作品は販売・編集されなくなる。

(中略。)

新ルール適用前の作品については、4月からは本人が申し出れば削除できるようになる。
「結婚するから」
「社会生活に支障が出るから」
などの理由があれば、削除の申請ができるようになる

女優本人が同機構に申し出て、同機構が本人確認をし、確認が取れればメーカーに通知する。
複数の女優が出演する作品についても、一人が削除要請をすれば、作品は消えることになる。
新ルール適用後の作品で5年以内のものも同じ手続きになる。

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原則は、発売してから5年が経過した商品です。
例外として、5年未満のものでも、理由があれば削除をしてくれるようです。

(再掲)
『結婚するから』『社会生活に支障が出るから』などの理由があれば、削除の申請ができるようになる

女性が、
「出演強要があったので削除してください」
と申し出た場合はどうなるのでしょうか。
AV人権倫理機構から、申請理由をかえてくれ、と言われるかもしれません。
業界には強要が存在しないのですから。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2017年12月1日

アイポケ時代へ契約書自体を交わさずに出演させられた事も最近発覚しました。

香西咲さん
2017年12月14日

#DMM 系の #AVメーカー は
私が知る限り、少なくとも2014年4月迄は契約書無しで自由に撮影されていた事が発覚しました。
メーカーもザルだと自白。
この部分に関して事務所( #アットハニーズ )とメーカー( #MUTEKI #S1 #アイポケ )に今後の対応を求めます。
#青木亮

香西咲さん
2017年12月26日

#WILL #DMM に契約書を交わしていないものの削除要請をこちらが掘り返して全てリストにする様言われて、それはおかしいのでは?との趣旨を突き返したら返答が途絶えました。
何故契約書も交わしていない、しかも上記二社も認めている #AV強要作品 なのに自発的に消そうとしてくれないのか疑問です。

香西咲さん
2017年12月26日

存じ上げております。
その姿勢を貫く限り強要問題は国に頼る以外に術はないと思うんです。
削除も然り。
現状、削除と言っても面画面から作品を下ろしただけで、撮影素材そのものの削除はしてはくれません。

香西咲さん
2017年12月13日

契約書も無く撮影された素材を何故これから私が全てを掘り下げて削除申請しないといけないのでしょうか?
メーカーは自発的に削除するのが道理ではないのですか?
#MeToo
#helpme
#アットハニーズAV出演強要
#青木亮にAV強要を受けて苦しむ被害者
#大樹総研
#人身売買
#HumanTrafficking

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何故これから私が全てを掘り下げて削除申請しないといけないのでしょうか?
香西咲さんのおっしゃるとおりです。
違法行為によってつくられた商品については当然、業界側が削除をすべきです。
業界は他所に先駈けて、忘れられる権利をみとめました。
メーカーは自発的に削除するのが道理ではないのですか?
メーカーの怠慢によって、せっかくのとりくみを無にしないでほしいものです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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