香西咲さんはいま、被害の回復をもとめています。業界はまず、画像や動画の削除をすみやかにおこなう必要があります。政府も注視していることでしょう

昨日、AVAN(一般社団法人表現者ネットワーク)が昨年の2月に内閣府へ送付した照会状の一部を引用しました。

2017年2月3日 AVAN「男女共同参画会議 女性に対する暴力に関する専門調査会(第86回)に向けての照会状 2月3日付送付」

ブログを書いたあと、ひさかたぶりに全文を読み直しました。
あらためて、勇猛果敢である、と感じました。
特に以下のくだりは。

(AVANが内閣府へ宛てた「照会状」より、引用。改行を施しています。)

AVAN

なお、当該事実照会に関しては、「貴会宛事実照会を行っているところである」という事実自体に関し、公表させていただくとともに、頂戴すべきご回答に関しましても併せて公表させていただく可能性がございますが、貴会において公に議論なされている事柄でもあり、支障ないものと考えております。

加えて、当該事実照会は、貴会において対応方法・回答内容等につき検討なされるべきものと考えますので、次回に開催される貴会(第86回)の配布資料として位置付けられるものかと思料いたします。

議事録等において配布資料となされなかったことが確認できた場合には、当方の合理的な懸念に対し、貴会として敢然と無視なされたものと理解せざるを得ず、この点も公表等させていただくこととなりますので、ご配慮賜われれば幸いです。

放縦のきらいもあります。
自分たちの出した照会状を「第86回女性に対する暴力に関する専門調査会」の議題にしろ、ともとめているのですから。

配布資料となされなかったことが確認できた場合には、(略)敢然と無視なされたものと理解せざるを得ず、この点も公表等させていただくこととなります

(参考。第86回女性に対する暴力に関する専門調査会)
資料一覧
議事録

当該「照会状」が同調査会の資料として付されることはありませんでした。
当日の話題にもなりませんでした。
同調査会は、AVANを「敢然と無視」しました。

(川奈まり子AVAN代表のツイートより、引用。)

川奈まり子 AVAN代表
2017年3月3日

その前にIPPAと制作者有志とAVANが内閣府に送った照会状も無かったことにされていますしね。

川奈まり子 AVAN代表
2017年3月4日

その他に、2月中に2回、IPPAだけではなく、制作者有志グループとAVANからも内閣府の男女共同参画委員会の暴力対策推進室宛てに文書を送っています(制作者のグループからは1回かもしれません)。
IPPAが非公開にしている理由は存じません。

川奈まり子 AVAN代表
2017年3月5日

(情報ありがとうございました。IPPAの情報を見る限り男女共同参画委員会宛てに出したのは2月頭の1件のみです)
いいえ。
内部情報となりますがその後も出してます。

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(再掲。AVAN)
配布資料となされなかったことが確認できた場合には、(略)敢然と無視なされたものと理解せざるを得ず、この点も公表等させていただくこととなります

公表
たしかに、実行されました。
ツイッターでつぶやいたのですから。
「照会状」の本文にもどります。

(AVANが内閣府へ宛てた「照会状」より、引用。改行を施しています。)

AVAN

合理的な時間的猶予があるにも関わらず、回答をいただけない、あるいは照会事項に相応しない形でしかご回答をいただけない等の場合には、合理的経験則上、
「貴会においては詳細な事実確認を行うことなく、AVへの出演強要なる架空の問題が論議されていた」
という事実が推認されるものと考えますし、以降、これを前提として当方としても種々の活動を行わせていただくことになろうかと存じます。

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上述の川奈代表のツイートによりますと、業界は再度、照会状を送付したようです。

<内閣府へ送った照会状の回数>
・IPPA(メーカー団体) 2回
・AVAN 2回
・制作者有志 1~2回

内閣府は、黙過しました。

(再掲。AVAN)
種々の活動を行わせていただく

その後、IPPA(メーカー団体)とAVANは、AV業界改革推進有識者委員会(現AV人権倫理機構)を立ちあげました。

(2017年4月6日 弁護士ドットコム「AV業界健全化へ『第三者委』発足…業界団体IPPAなどが会員、代表は志田陽子教授」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
弁護士ドットコム
アダルトビデオ(AV)への出演強要問題を受け、業界の健全化を図る第三者委員会「AV業界改革推進有識者委員会」が発足し、4月6日、「出演者らの人権に特段の配慮をしなければならない」「根源的な改革を断行しなければならない」などとする提言を発表した。
発足は4月1日付。
(中略。)
正会員には、AVメーカーなどでつくる業界団体「NPO法人知的財産振興協会」(IPPA)、AV出演者の権利団体「一般社団法人表現者ネットワーク」(AVAN)、日本プロダクション協会の3団体が名を連ねた。

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業界は、政府に屈服したわけでもありません。

(2017年5月18日 週刊実話「AVが消える![後編] フリーライター・中村淳彦」より、引用。改行を施しています。)

中村淳彦さん(ノンフィクション作家)
国家の抗議を受けているものの、現段階でAV業界は強気だ。
基本的に現行のものを“認定AV”とする。
(中略。)
AVは35年前の創世記から今まで、グレー産業と呼ばれている。
“認定AV”は強要問題をキッカケに、AVをグレーからホワイトにするという取り組みだが、業界は「現状のAVはホワイトである」と徹底抗戦する構えだ。

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抗(あらが)うために新組織をつくったようです。
イソップ物語の「猫と鼠たち」を思い出しました。

(山本光雄訳「イソップ寓話集」(岩波文庫刊)より、引用。)

<27ページ>
※注 文意をそこなわない程度にリライトしています。)

13 猫と鼠たち

ある家にネズミがたくさん住みついていました。
そのことを猫が知りました。
毎日その家へ行っては、ネズミをつかまえて食べました。
「このままでは死に絶えてしまう」
憂いたネズミたちは、穴の中へ隠れました。
ここならば猫がやってくる心配がありません。
ようやくくつろぎの日がおとずれました。
猫は策をめぐらしました。
衣類を掛ける木製のクギにぶらさがり、死んだふりをしました。
一匹のネズミが穴から顔を出して言いました。
「おまえが皮になったって近寄りはしないぞ」
と。

このはなしは、一度騙された人間は相手が猫かぶりをしても欺かれない、ということをあきらかにしています。
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昨年の10月4日にAV業界改革推進有識者委員会(AV人権倫理機構)は、新ルールを公表しました。

(2017年10月6日 ねとらぼ「AV作品の使用期間などにルール 出演強要問題受けて有識者委員会が策定」より、引用。)

2018年1月から順次実施となる主な新ルール、システム

メーカー・プロダクション間、プロダクション・女優間、女優・メーカー間の共通契約書の使用

プロダクション登録時(契約時)において、女優本人が再検討する期間の明確化

プロダクション登録時の第三者による意思確認と、その際の重要事項説明の制度化

面接、契約、撮影時などにおける現場録画での可視化

出演料やプロダクションフィーなど金銭面の女優への開示

オムニバス作品(総集編)制作時における出演女優への報酬支払(2次利用料の発生)

作品使用期間の取決め(最長5年、以降女優から要請があれば使用停止にする)

通報窓口「ホットライン」の開設

AV業界の紛争解決を行う「仲裁機関」の設置

コンプライアンスプログラムの整備

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(再掲。イソップ物語)
一度騙された人間は相手が猫かぶりをしても欺かれない

新ルールには欠けている部分があります。

(2017年11月25日 Yahoo!ニュース「「AV出演強要問題は今どうなっているか。 今も苦しみの中にいる被害者たちより、引用。)

伊藤和子 HRN事務局長

そして、この提案では、悪質なスカウトへの対応や、労働者派遣法、職業安定法の順守については一言も述べられていません。

また、意に反する作品に出演を余儀なくされた場合に削除をしてほしいという切実な要望にどこまでこたえられるのか、大きな疑問があります。
作品の流通期間を制限することは重要ですが、最長5年ではあまりにも長く、被害者の実情に寄り添ったものとは到底言えませんし、その5年間、どこまでも拡散された画像・動画をきちんと業界が責任をもって全部削除してくれるのか、という問題も残ります。

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どこまでも拡散された画像・動画をきちんと業界が責任をもって全部削除してくれるのか
香西咲さんについても然りです。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2017年12月13日

契約書も無く撮影された素材を何故これから私が全てを掘り下げて削除申請しないといけないのでしょうか?
メーカーは自発的に削除するのが道理ではないのですか?
#MeToo
#helpme
#アットハニーズAV出演強要
#青木亮にAV強要を受けて苦しむ被害者
#大樹総研
#人身売買
#HumanTrafficking

香西咲さん
2017年12月26日

#WILL #DMM に契約書を交わしていないものの削除要請をこちらが掘り返して全てリストにする様言われて、それはおかしいのでは?との趣旨を突き返したら返答が途絶えました。
何故契約書も交わしていない、しかも上記二社も認めている #AV強要作品 なのに自発的に消そうとしてくれないのか疑問です。

香西咲さん
2017年12月26日

存じ上げております。
その姿勢を貫く限り強要問題は国に頼る以外に術はないと思うんです。
削除も然り。
現状、削除と言っても面画面から作品を下ろしただけで、撮影素材そのものの削除はしてはくれません。

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(再掲。イソップ物語)
一度騙された人間は相手が猫かぶりをしても欺かれない

国はいま、あたらしい法律をつくろうとしています。

(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)

<9ページ>
内閣府、関係府省

(1) 被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討

アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。
(内閣府、関係府省)〔平成 29 年4月~〕

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そう遠くない将来、香西咲さんをはじめ業界に拉致された方々の被害が回復されることでしょう。
その前に、業界は、自分たちの所行に対して責任をとる必要があります。

(2017年12月16日 実話BUNKAタブー「狂ったAV業界は消えてなくなるしかない」より、引用。)

中村淳彦さん

このまま混乱がおさまらず、自浄もできず、最終的にはAV禁止法みたいな法律ができてしまうかもしれませんね。

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政府を怒らせると合法のビデオさえも禁止というあつかいになるかもしれません。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
2017年12月26日

どこまで被害者を追い詰めて飯食べて行くつもりなのかな?
まるで日本で生きて行くな。
生きたいなら陽の目を浴びるなとも言わんばかりの対応の酷さでもう疲れました。
(後略。)

#青木亮
#HumanTrafficking
#sexslave
#アットハニーズ
#プルデンシャル
#坂田恵理子

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業界は誠意のある対応をする必要があります。
合法ビデオ産業として生き残りたいのであれば。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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