一昨日、内閣府が出演強要の被害者のために開設している「03 相談窓口」についてふれました。
当該サイトは今年の3月末に新設されました。
以降、時折ながめています。
最近、別の相談窓口が追加されていることに気づきました。
(内閣府「03 相談窓口」より、引用。)
●03 相談窓口
【性的画像を含むインターネット上の問題について】 |
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「女性の人権ホットライン(法務局)」と「違法・有害情報相談センター」については、設立当初から掲載されています。
「セーフライン」は、はじめてみました。
(参考。「03 相談窓口」)
<3月末>
●最寄りの警察署
●警察相談専用窓口(#9110)
●女性センター(内閣府)
●日本司法支援センター(法テラス)(法務省など)
●婦人相談所(内閣府)
●児童相談所(厚生労働省)
●女性の人権ホットライン(法務省)
●子どもの人権110(法務省)
●総合労働相談コーナー(厚生労働省)
●違法・有害情報相談センター(総務省)
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(再掲。「03 相談窓口」)
<現在>
【性的画像を含むインターネット上の問題について】 |
画像や動画の削除は重要な問題ですので、順にみていきます。
(「女性の人権ホットライン【法務局】」のサイトより、引用。)
法務省の人権擁護機関では,性的な画像を含むインターネット上の人権侵害情報について削除依頼方法の助言等必要な支援を行っています。
詳しくは,こちらへ
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「こちらへ」を開いてみます。
ページには、
「インターネットを悪用した人権侵害をなくしましょう」
とのタイトルがかかげられています。
本文を参照します。
(引用)
インターネット上で人権侵害があったときは、プロバイダなどに情報の削除依頼を
インターネット上に自分の名誉を毀損したり、プライバシーを侵害したりする情報が掲載されても、発信者が誰か分からないことも多く、被害者が直接被害を回復するのは困難です。
そこで被害者は、プロバイダ,サーバの管理・運営者など(以下、「プロバイダなど」といいます。)に対し、発信者の情報の開示を請求したり、人権侵害情報の削除を依頼することができます。
被害者自らが削除を求めることが困難な場合は、法務局が削除を要請
被害者自らが削除を求めることが困難な場合は、最寄りの法務局にご相談ください。
法務局では、まず、人権侵害情報の削除依頼の方法について助言を行うなど、被害者自らが被害の回復を図るための手助けをします。
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助言だけではありません。
また、このような手助けをしても被害者自ら削除を求めることが困難な場合や被害者からの削除依頼にプロバイダなどが応じない場合などには,法務局が、プロバイダなどへの削除の要請を行います。 法務局からの削除要請は、インターネット上の情報について法務局が調査を行い、名誉毀損やプライバシー侵害などの人権侵害に該当すると認められる場合に行います。 ※プロバイダ責任制限法等については,後述の「参考」をご覧ください。 |
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法務局の場合、削除に関しては自助が原則となっています。
そうは言いましても、自分だけのちからではいかんともしがたいときがあります。
隘路(あいろ)で身動きがとれなくなったかたについては、法務局が対策にのりだしてくれるようです。
(「違法・有害情報相談センター」のサイトより、引用。)
「インターネット上での違法・有害情報に関する相談窓口です」
「当センターでは、AV出演強要・『JKビジネス』等に関するインターネット上の被害についても、ご相談を受け付けております」
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梅村さえこ衆議院議員が5月に国会で、インターネットの被害について質問をしました。
(参考)
□動画 衆議院インターネット審議中継
~2017年5月11日 衆議院 総務委員会
(2017年5月11日 衆議院 総務委員会「会議録」より引用。)
<一部分を引用>
●梅村さえこ 衆議院議員
また、いわゆるアダルトビデオ出演強要やJKビジネスなどをめぐって性的搾取が広がり、SNSやツイッター、インターネットなどを通じた被害がありながら、実態はほとんど把握されておらず、被害者の受ける深刻な打撃ははかり知れません。
3月には関係府省庁対策会議が設置をされ、総務省も参加をし、この4月の被害防止月間を受け、5月中旬をめどに今後の取り組み方針が策定される計画だと聞いております。
このように、性暴力被害の支援については、内閣府、厚労省、法務省などとともに総務省の役割も大きいものがあると考えますが、まず、大臣の性暴力被害への御認識と、総務省の検討事項を伺いたいと思います。
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●高市早苗 総務大臣
性的な暴力の問題というのは極めて深刻な状況であると認識をしております。
性暴力被害者への救済につきましても、これは重要な課題だと考えております。
今、委員もお触れいただきましたが、女性がいわゆるアダルトビデオへの出演を強要される問題も発生していますし、総務省としては、まず、インターネット上にその出演画像ですとか、また性暴力被害を受けた際の映像などが流通したというようなときに、ネット上の被害の対策として、利用者からの御相談を受け付けて、具体的な削除要請の方法などについて助言を行う違法・有害情報相談センターというものを運営しております。 |
この違法・有害情報相談センターに寄せられる相談事項につきましては、適宜関係省庁に提供し、共有を図っております。
関係省庁の取り組み内容についても、必要に応じまして通信事業者に周知を行っております。
今、内閣府が各省庁の相談窓口一覧をホームページに掲載していただいておりますので、できるだけ各省連携して、悲惨な被害が、特に二次的な被害も含めて減少していくように力を入れてまいりたいと存じます。
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「違法・有害情報相談センター」は具体的に、以下のことをおこなっています。
(2017年3月21日 第1回関係府省対策会議「議事録」より、引用。)
<3ページ>
●総務省 総合通信基盤 局長
総務省では、インターネット上に流通した情報による被害に関する一般利用者等からの相談を受け付け、具体的な削除要請の方法等について助言を行う違法・有害情報相談センターを設置・運営しております。
出演強要のあったAV動画がインターネット上に流通している場合、権利侵害情報と認定されれば、プロバイダ責任制限法の要件に基づく削除が可能となっております。 総務省といたしましては、違法・有害情報相談センターに寄せられる相談事項、その他の関連情報につきまして、適宜、関係省庁へ提供し、共有を図るとともに、関係省庁の取組内容についても必要に応じて事業者に周知を行うことなどを通じまして、インターネット上の出演強要問題に対応していきたいと考えております。 |
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(再掲)
「出演強要のあったAV動画がインターネット上に流通している場合、権利侵害情報と認定されれば、プロバイダ責任制限法の要件に基づく削除が可能となっております」
出演強要の被害にあった方々にとっては心強い対応と言えます。
(再掲。「03 相談窓口」)
【性的画像を含むインターネット上の問題について】 |
つぎに、あらたに加わった「セーフライン」についてみてみます。
内閣府の「03 相談窓口」に掲載されている案内文を参照します。
(「03 相談窓口」より、引用。)
●セーフライン
インターネット上の違法・有害情報に関して、被害者や被害者から相談を受けた方からの通報や相談をウェブフォームで受け付け、被害者に代わって無料で削除依頼を行う民間のホットラインです。
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「セーフライン」を運営しているのは、民間の団体です。
政府系の機関ではありません。
削除に関して実際、どのようなことをおこなっているのでしょうか。
(セーフライン「運用ガイドライン」より、引用。)
セーフラインでは、国民から提供を受けた情報をガイドラインに照らし分類を行い、違法な情報や有害な情報が掲載された国内、海外のプロバイダに対して、迅速な削除措置を要請するとともに、警察への通報を行います。
また、海外プロバイダのサーバーにアップロードされている、児童ポルノ画像等の深刻な被害をもたらすデータに対しては、対応が行われるまで継続して削除要請を行います。
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(再掲)
「ガイドラインに照らし分類」
(参考)
□セーフライン運用ガイドライン
セーフラインは、法律に違反するものを削除の対象としているようです。
(例)
●刑法 第175条
1 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
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(再掲。「03 相談窓口」)
【性的画像を含むインターネット上の問題について】 |
以上、簡単にみてみました。
「女性の人権ホットライン(法務局)」は、退(の)っ引きならぬ事態のとき、プロバイダ等に対して削除要請をおこなってくれます。
「違法・有害情報相談センター」は、要請があればプロバイダ責任制限法にもとづいて削除をおこないます。
出演強要の被害者にとって頼りになる存在です。
(2016年8月27日 弁護士ドットコム「<AV出演強要>香西咲さん引退後の夢『人生楽しみたい』『消せない過去として歩む』」より、引用。改行を施しています。)
●記者
インターネットに映像が残り続ける問題についてどう思いますか?
●香西咲さん
動画サイトに消してもらっても、勝手にアップロードされつづけています。 ほとんど諦めています。 それを踏まえたうえで、これからの人生を選択していくつもりです。 もう消せない過去として。 |
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「もう消せない過去として」
悲嘆には及びません。
(2016年7月26日 渋谷のラジオ「AV強要被害の実態・手口と被害を防ぐ方法、私たちにできること」より引用。)
●金尻カズナ PAPS 相談員
いま、アダルトビデオに出演されて、一度でも販売されてしまうと、たとえ販売がとまったとしても、不法にアップロードされたビデオとか画像っていうのは、配信されつづけるんですね。
そこで、わたしたちは、不法にアップロードされてしまっている画像や動画に関して削除請求のボランティアを募集しています。
【募集中】PAPSでは、現在削除要請ボランティアを募集しております。
AV被害に遭われた方のインターネット上にある画像や映像を探し、削除を求めていくための作業です。ご協力いただける方は、下記までご連絡くださいませ。
paps@paps-jp.org— ポルノ被害と性暴力を考える会 (@PAPS_jp) 2017年12月4日
●金尻カズナ PAPS 相談員
実際にやるときは、ボランティア(の案内)をみて、やりたいっていうボランティアのかたがいらっしゃれば、わたしたちは、削除をするためのツールキットがあるので、それをつかってー
でも、その、不法にアップされたものってたくさんあるから、もうどうすることもできないんじゃないかと思われるのですが、実際、ちがいます。
何もやらないほうが、さらに被害が拡散していくんですね。
相手方、アップロードしているひとも、ひとなので、機械がやっているわけじゃないんですね。
なので、人海戦術で、なんとかなるんです。
実際に、大々的に販売されたひとが、いまGoogleで検索しても出てこなくなっているんですね。
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「女性の人権ホットライン(法務局)」と「違法・有害情報相談センター」は、削除に対して意欲的です。
PAPSも同様です。
今後、被害を回復する法律もできます。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)
<9ページ>
●内閣府、関係府省
(1) 被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 |
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(再掲。香西咲さん)
動画サイトに消してもらっても、勝手にアップロードされつづけています。 ほとんど諦めています。 それを踏まえたうえで、これからの人生を選択していくつもりです。 もう消せない過去として。 |
被害者の方々の画像や動画はいずれ削除されます。
香西咲さんは被害を回復することができます。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年12月1日>
引退して改めて気付きました。 私はAV業界に固執していたのでではなく、 #AV強要 を解決するだけの為に続けてきました。 引退した今何の未練もありませんし、もう削除の約束、裁判、後処理だけですね。 |
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名文です。
何度読んでも。
こころのなかを清冽なものが流れていきます。
香西咲さんのおっしゃるとおりです。
あきらめなければすべてが叶います。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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