最近、#MeTooと記されたツイートをみかけます。
「わたしも性暴力をうけた」
「泣き寝入りをしない」
という意思表示です。
(2017年11月28日 ニューズウィーク日本版「セクハラ告発#MeTooは日本にも広がる」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●ニューズウィーク日本版
10月初め、ハリウッドの大物映画プロデューサーのハービー・ワインスティーンが大勢の女優や従業員にセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)や性暴力を繰り返していたことが発覚。
(略。)
「泣き寝入りせず声を上げよう」という意思の象徴となったのが、SNSのハッシュタグ「#MeToo」。
始まりは女優アリッサ・ミラノが、セクハラや性暴力を受けた女性が「Me too(私も)」と書けば問題の重大さを皆に分かってもらえる、と呼び掛けたことだ。
——————————————————–
5日前の香西咲さんのツイートにも、
「#MeToo」
の文字が添えられています。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年12月1日>
国会が終わり次第、 私の #AV強要 #被害 を 国会議員の先生方、数名にヒアリング して頂きます。日程調整。 先生方に失礼があるといけないので、 #青木亮 |
——————————————————–
「#MeToo」
は、日本でも広がりつつあります。
(2017年11月28日 ニューズウィーク日本版「セクハラ告発#MeTooは日本にも広がる」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●ニューズウィーク日本版
それでも、元厚生労働事務次官の村木厚子が就学前に性被害に遭ったことを語ったり、作家の森まゆみや中島京子が過去のセクハラ被害を告白したりと、#MeTooに自らを重ねる著名人が現れ始めた。
——————————————————–
過日、東京新聞の望月衣塑子(もちづきいそこ)記者も性暴力の被害者である、と知りました。
絶句しました。
望月記者につきましては、当ブログで何度もご紹介をしています。
6月8日の「内閣官房長官記者会見」は圧巻でした。
菅義偉(すがよしひで)内閣官房長官に対して、23回も質問をおこないました。
(2017年6月19日 NEWSポストセブン「東京新聞・望月衣塑子記者 部外者だからできた執拗な追及」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●NEWSポストセブン
次第に
「それはあり得ません」
と応じる菅氏の表情が引き攣っていく。
事務方から
「同じ趣旨の質問は止めてください」
と制止されても望月氏は、
「きちんとした回答をいただけていると思わないので、繰り返し聞いています」
と切り返して質問を続ける。
通常10分程度の会見は約40分に及んだ。
やり取りはテレビでも大きく取り上げられ、翌9日、文科省は再調査の実施を発表した。
——————————————————–
(再掲)
「きちんとした回答をいただけていると思わないので、繰り返し聞いています」
当該場面をみてみます。
(参考。2017年6月8日 午前「内閣官房長官記者会見」)
□動画(首相官邸)
(※音声の文字化は筆者)
●官邸報道室担当者
同趣旨のご質問はお控えいただけるようにお願いいたします。
●望月衣塑子 東京新聞記者
すみません。
●官邸報道室担当者
同趣旨のご質問を繰り返しおこなうのは、やめていただきたいと思いますので、お願いします。
●望月衣塑子 東京新聞記者
きちんとした回答をいただけていると思わないので、繰り返し聞いています。
(後略。)
——————————————————–
勇猛です。
「#MeToo」
望月記者はどのような性被害に遭ったのでしょうか。
(2017年11月23日 AERA dot.「性被害告白「#metoo」広がる 東京新聞・望月記者、村木さんも」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●望月衣塑子 東京新聞記者
若手記者として地方で警察担当をしていた冬、事件や捜査について取材する「夜回り」のため、自分で運転してきた車に警察官を乗せた。
「寒いから」と相手に促されてのことだった。
相手は妻子がいる50代の男性で、周りに人がいず二人きりで話したのはその時が初めてだった。
「それでこの事件は……」と、質問を投げていると、助手席に座った男性が不意に抱きついてきた。
——————————————————–
翌日、上司に相談すると「相手の家族にも迷惑をかけるし、情報源を売ったと言われて自分の仕事にも影響が出ることになる」と言われ、組織として正面から抗議をすることを断念した。
——————————————————–
(略)数日後、電話で本人だけに直接抗議をして謝罪を引き出した。
——————————————————–
剛直な望月記者でさえも、当時はおおやけにすることができなかったようです。
現在はどうなのでしょう。
昨日のブログで記しました。
盛山正仁法務副大臣は国会で、被害をうったえるひとがふえてきている、と答弁しています。
(2017年6月15日 参議院 法務委員会「会議録」より、引用。)
●盛山正仁 法務副大臣
(略)、社会環境も大分変わってまいりましたし、被害を受けられた方、そういった方々が表に声を出す、恥ずかしいことではなくて、やはりこれは主張しなければならないんだ、あるいは私がこういうことをすることによってほかの人も助けることができるんだ、そういうような意識をお持ちの方が増えるようにもなってこられたと思います。
——————————————————–
(再掲)
「そういうような意識をお持ちの方が増えるようにもなってこられた」
過日のブログでもふれました。
内閣府は3年に一度、実態調査をおこなっています。
(参考。当ブログ)
・2017年8月10日
このことに関する国会での質疑、応答をみてみます。
質問者は真山勇一参議院議員です。
(2017年6月15日 参議院 法務委員会「会議録」より、引用。)
●真山勇一 参議院議員(民進党)
これまでですと、なかなかどういう犯罪なのか難しいとか、あるいはそういう被害に遭っても泣き寝入りをせざるを得なかった方たちが、これからは勇気を持って訴え、被害を受けたということを言えるような、そうした広い是非法案になっていってほしいと。
その強制性交等罪という名前で、やはり、よりそうした性犯罪、卑劣な犯罪をしっかりと防いでいく、そういう目的があるというふうに解釈をいたしました。
内閣府にお伺いした方がいいんでしょうかね、ちょっと一つ数字をお伺いしたいんです。
性暴力と刑法を考える当事者の会、代表という、そういうグループがあるんですが、そこの資料にも紹介されているんですが、平成26年の数字です。
性交などの被害者、そういう女性が警察に相談する割合というのが驚くほど低いんですね。
26年の内閣府調査だと4.3%というんですね。
どのぐらいの被害があって、届け出る人というのはどのぐらいなのか、なぜこんなに低いのか、この辺り、お伺いできますか。
●大塚幸寛 内閣府 大臣官房審議官
お答えいたします。
今ただいま委員御指摘のございました数値は、私どもの男女間における暴力に関する調査のデータからの引用かというふうに理解をいたしております。
確かにこの中では、被害を受けた女性のうち、警察に連絡、相談したのは4.3という数字でございました。
この理由は必ずしもつまびらかではございませんが、やはり元々の暴力、犯罪ということの性格上、ややもすると、なかなかここはやはり相談しづらい、相談するのをためらってしまうといったようなことも、一つそういった心理も一因として働いているのではないかと、このように考えております。
●真山勇一 参議院議員(民進党)
やはり、4.3%というから、もう本当に氷山の一角で、犯罪がもう本当にたくさんあるということ。 だから、やっぱりこれを何とか犯罪の対象にしていくということが今回の改正のすごく大事な点じゃないかと思うんですが、(後略。) |
——————————————————–
声をあげるひとがふえてきたと言っても、被害者全体の4.3%です。
残りの95.7%の方々は泣き寝入りをしています。
結果、犯罪者を野放しにしています。
(再掲。大塚幸寛 内閣府 大臣官房審議官)
「やはり元々の暴力、犯罪ということの性格上、ややもすると、なかなかここはやはり相談しづらい、相談するのをためらってしまうといったようなことも、一つそういった心理も一因として働いているのではないかと、このように考えております」 |
「相談しづらい」
「相談するのをためらってしまう」
出演強要の場合は多少、様相が異なります。
国家公安委員会の定例会議で、奥野知秀委員がつぎのようにのべました。
(参考。当ブログ)
・2017年8月29日
(2017年5月25日 国家公安委員会「定例委員会 議事の概要」より引用。)
●奥野知秀 国家公安委員(共同通信デジタル 代表取締役社長)
アダルトビデオ出演強要問題については、政府が立てた緊急対策に基づき取組の強化を図るとのことだが、これまで相談を受けたり、検挙した事案は氷山の一角でしかなく、実態はもっとひどい状況にあるのではないか。
今後は、警察署や交番でも相談を受け付けていることについて周知を図るとのことだが、この種の性被害の相談は、民間の支援団体の方が警察よりも抵抗感が無いということもあり得る。 警察は、民間の支援団体とも連携、協力関係を構築し、実態の把握、悪質事案の検挙を進めてほしい。 |
——————————————————–
(再掲。奥野知秀 国家公安委員)
「この種の性被害の相談は、民間の支援団体の方が警察よりも抵抗感が無いということもあり得る」
民間の支援団体とは、PAPSやライトハウスのことです。
評価が高いようです。
(2017年2月8日 毎日新聞「AV問題 搾取される“女優” 支援団体に聞く・下」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●宮本節子 PAPS世話人
金尻さんは「明日撮影させられそうで、逃げたいんです」という時にも駆け付けて救出するし、真夜中のメールや電話への対応も一人で引き受けています。
——————————————————–
頭がさがります。
警察庁は支援団体のことをどのようにとらえているのでしょうか。
(2017年5月25日 国家公安委員会「定例委員会 議事の概要」より引用。)
●山下史雄 警察庁 生活安全局長
民間団体との連携は、いずれの分野も大変重要と理解している。
警察庁では、以前から様々な機会を通じ、民間団体との議論も重ねている。 その議論の中から実態を把握し、相談対応等更なる対策を強化するよう連携して取り組んでまいりたい。 |
——————————————————–
絶賛しています。
一般的な性犯罪に対応する支援団体はどうなのでしょう。
伊藤詩織さんの場合をみてみます。
(2017年11月26日 女子SPA!「もしレイプ被害にあったら…伊藤詩織さんに聞く、せめて知っておきたいこと」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●伊藤詩織さん
また、事件翌日に性暴力被害者を支援するNPOに電話をして、どの病院でどんな検査をすればいいか相談したんです。
すると
「面接に来てください、それからでないと情報提供はできない」
と言われました。
ひどくダメージを受けている時に、電車を使って1人で面接に行くことなんてできないし、その間でさえも、刻々と検査ができる限られた時間は過ぎて行ってしまうのです。
——————————————————–
PAPSやライトハウスとは異なります。
めざすところがちがうのかもしれません。
(再掲。大塚幸寛 内閣府 大臣官房審議官)
「被害を受けた女性のうち、警察に連絡、相談したのは4.3という数字でございました」
香西咲さんの「#MeToo」は、出演強要以外の被害者に対しても勇気をあたえていると考えます。
最終的には被害の方々が警察に相談されることを願っております。
(再掲。香西咲さん)
国会が終わり次第、 私の #AV強要 #被害 を 国会議員の先生方、数名にヒアリング して頂きます。日程調整。 先生方に失礼があるといけないので、 #青木亮 |
香西咲さんの「#MeToo」は、気高いです。
悪に屈しなかったのですから。
いまも多くの女性を勇気づけていると考えます。
香西咲さんは至高です。
——————————————————–
■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
香西咲さんを勝手に応援するサイトへ