過日の当ブログでもふれました。
11月12日から、女性に対する暴力をなくす運動がはじまります。
期間は2週間です。
(参考。当ブログ)
・2017年7月23日
今回から、当該運動の対象に、出演強要問題が加わります。
5月19日の第3回関係府省対策会議で、決定しました。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)
●内閣府、関係府省
広報・啓発活動の強化 毎年11月12日から25日の間に行われている「女性に対する暴力をなくす運動」において、関係団体との連携、協力の下、女性に対する暴力の問題に関する取組を一層強化するための広報活動を実施し、暴力を容認しない社会風土の醸成を図る。 (内閣府、関係府省)〔平成29年11月〕 |
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警察庁もこの期間中、出演強要問題に関する啓発活動をおこないます。
5月の通達で、全国の警察にその旨をつたえました。
(2017年5月24日 警察庁「通達」より、引用。)
●警察庁
アダルトビデオ出演強要に関する被害防止活動に当たっては、内閣府が実施する(略)女性に対する暴力をなくす運動(毎年11月12日~同月25日)等の機会を活用するなど、(略)関係部門と連携の上、あらゆる機会を捉え、被害防止活動を推進すること。 |
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女性に対する暴力をなくす運動と出演強要問題のかかわりを最初に口にしたのは、加藤勝信男女共同参画担当大臣(当時)です。
昨年の3月11日、池内さおり衆議院議員(当時)の質問に対して、つぎのように答弁しました。
(2016年3月11日 衆議院会議録「第190回国会 内閣委員会 第5号」より、引用。)
●加藤勝信 男女共同参画担当大臣
女性に対する暴力をなくす運動の取り組み、あるいは内閣府が行う研修事業等においても、この事案は、そういう契約というのは全く無効なんだ、縛られるものではないんだということでありますから、そういったことをしっかり周知するというようなことも検討していきたいと思っております。 |
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「この事案」というのは、女性がプロダクションから、2,460万円の違約金を請求された事件です。
詳細につきましては、日本経済新聞の記事でご確認ください。
●2015年9月30日 日本経済新聞「意に反するAV出演契約『即時解除できる』 東京地裁判決」
(再掲。加藤勝信男女共同参画担当大臣)
「女性に対する暴力をなくす運動の取り組み」
「そういったことをしっかり周知するというようなことも検討していきたい」
残念ながら昨年は、かないませんでした。
出演強要問題がとりあげられることはありませんでした。
ポスターで確認します。
(参考。平成28年度 「女性に対する暴力をなくす運動」のポスター)
●内閣府
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今年のポスターをみてみます。
イラストのなかに、「AV出演強要」の文字が入っています。
(参考。平成29年度 「女性に対する暴力をなくす運動」のポスター)
●内閣府
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昨年はDVを主たるテーマにしています。
今年は、DVのほかに、ストーカー、AV出演強要を加えました。
9月27日の第89回女性に対する暴力に関する専門調査会で、内閣府の官僚が、各種とりくみの位置づけを説明しました。
(2017年9月27日 第89回女性に対する暴力に関する専門調査会「議事録」より引用。)
●杉田 内閣府 男女共同参画局推進課 暴力対策推進室長
(前略)、AV・JK問題につきましては、防止月間を4月にやると決められていますので、この部分については、ある意味、性暴力被害の中でもAV・JK問題を切り出してやっていく側面が出てくるのだろうと思います。
(女性に対する暴力を)なくす運動全般に関しましては、11月の2週間ですけれども、当然この期間に限らず年間を通じてやっていく部分がありますので、トータルのパッケージの中にAV・JK問題も組み込んでやっていくというような、そういう思いで考えているところです。 |
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ポスターのデザインを担当したのは、今年も、漫画家の西原理恵子さんです。
西原さんによる「描きおろし漫画」も秀逸です。
漫画につきましては、内閣府のサイトでご覧ください。
(伊藤和子HRN事務局長のツイートより、引用。)
●伊藤和子 HRN事務局長
<2017年11月2日>
今年も恒例!内閣府の女性に対する暴力をなくす運動。
西原さんのポスターにどどーんと#AV強要問題
去年は考えられなかったこと。感謝です☆☆平成29年度 女性に対する暴力をなくす運動 | 内閣府男女共同参画局 https://t.co/3PtezyMCek
— Kazuko Ito 伊藤和子 (@KazukoIto_Law) November 2, 2017
去年は考えられなかったこと。 感謝です☆☆ |
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「去年は考えられなかったこと」
昨年と今年の実施要項を見比べてみます。
●平成28年度「女性に対する暴力をなくす運動」実施要綱
6 運動の実施事項 関係機関・団体等との連携協力の下、次の活動を実施する。 その際、毎年11月は「子ども・若者育成支援強調月間」でもあることから、「第4次男女共同参画基本計画」(平成27年12月25日閣議決定)等を踏まえ、若年層を対象とした、加害者と被害者を生まないための活動の実施に留意することとする。 |
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●平成29年度「女性に対する暴力をなくす運動」実施要綱
6 運動の実施事項 関係機関・団体等との連携協力の下、次の活動を実施する。 その際、11月は「子ども・若者育成支援強調月間」でもあることから、「第4次男女共同参画基本計画」(平成27年12月25日閣議決定)及び「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策」(平成29年5月19日いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議決定)に基づき、近年多様化する暴力の状況も踏まえ、加害者と被害者を生まないための若年層を対象とした活動の実施に留意することとする。 (後略。) |
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なぜ、昨年は実施できなかったのでしょうか。
実施要項が出された日をみればわかります。
(参考。平成28年度「女性に対する暴力をなくす運動」実施要綱)
(引用)
平成28年8月9日
男女共同参画推進本部長決定
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香西咲さんが週刊文春で、業界の悪辣な実態をあきらかにしたのは、7月7日です。
それ以前は、出演強要が全国的な話題となっていませんでした。
広まったのは香西咲さんの告発によってです。
7月7日以降、世論が沸騰しました。
おそらく、内閣府は、7月中に原案を作成したものと思われます。
昨年の「女性に対する暴力をなくす運動」には間に合わなかったようです。
(引用)
2 実施期間
平成29年11月12日(日)から11月25日(土)までの2週間
(11月25日は「女性に対する暴力撤廃国際日」)
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今年の活動に期待しています。
本日、「女性に対する暴力をなくす運動」のキーワードで検索をしていました。
□「DV(ドメスティック・バイオレンス)・児童虐待を考える本」企画展示
とりあえずひらいてみました。
京都府精華町のホームページでした。
精華町
(引用)
11月12日~25日の「女性に対する暴力をなくす運動」期間を中心に行う人権啓発課の取り組みに合わせて、図書館では下記の通り関連資料を展示し、リストを配布しています。
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図書館で展示する本の紹介のようです。
リンクがあります。
□リスト「知っていますか?「AV出演強要問題」「「JKビジネス」問題
クリックしました。
精華町立図書館
(引用)
近年、アダルトビデオ出演強要問題や、「JKビジネス」と呼ばれる営業により女子高生が性的な被害に遭う問題などが発生しています。
若年層の女性に対する性的な暴力に係る問題は深刻な状況にあります。
11月は「子ども・若者育成支援強調月間」でもあり、これらをテーマに取り上げます。
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精華町立図書館は、3つの分野にわけて紹介しています。
(引用)
「AV出演強要問題」「「JKビジネス」問題」
1「AV出演を強要された彼女たち」(宮本節子著)筑摩書房
2「AV女優消滅」(中村淳彦著)幻冬舎
3「女子高生の裏社会」(仁藤夢乃著)光文社
4「最下層女子校生」(橘ジュン著)小学館
5「見えない買春の現場―『JKビジネス』のリアル」(坂爪真吾著)ベストセラーズ
ココロとカラダ
1「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」(西原理恵子著)KADOKAWA
2「ティーンズ・ボディーブック (新装改訂版)」(北村邦夫著)中央公論新社
雑誌記事
1「働くのは特別な子ばかりじゃないJKビジネスに引き寄せられる少女たちの本音」(古川美穂)婦人公論 2017年8月22日号
2「人気AV女優香西咲実名告発 脅迫・洗脳・囲い込み地獄 : 『出演強要』で刑事・民事訴訟へ」週刊文春 2016年7月14日号
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(再掲。精華町)
「[2017年11月1日]。11月12日~25日の『女性に対する暴力をなくす運動』期間を中心に行う人権啓発課の取り組みに合わせて、図書館では下記の通り関連資料を展示し、リストを配布しています」
●精華町立図書館
人気AV女優香西咲実名告発 脅迫・洗脳・囲い込み地獄 : 「出演強要」で刑事・民事訴訟へ 週刊文春 2016年7月14日号 |
11月12日から25日の「女性に対する暴力をなくす運動」に向けて、香西咲さんの特集記事が活用されるようです。
感慨深いものがあります。
ちなみにぼくは、次号(2016年7月21日号)とあわせて、週刊文春を4冊購入しました。
2冊は、保存用です。
大切に保管しています。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年7月14日>
それから昨日発売の週刊文春(2016年7月21日号)、絶対に読んでください! 5年、いや、洗脳期間入れたら6年のトラウマに決着をつけてみせます! やり直しはまだ利く! 利かせてみせる! |
●香西咲さん
<2016年9月18日>
忙しい週刊誌や新聞メディアが、30時間割いて下さったのは後にも先にも文春さんだけでしょう |
●香西咲さん
<2016年9月18日>
私も週刊文春さんに救われました |
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(再掲)
「私も週刊文春さんに救われました」
ぼくは香西咲さんのこのことばに接すると、胸が熱くなります。
香西咲さんは多くの女性をすくいました。
(再掲。精華町)
「[2017年11月1日]。11月12日~25日の『女性に対する暴力をなくす運動』期間を中心に行う人権啓発課の取り組みに合わせて、図書館では下記の通り関連資料を展示し、リストを配布しています」
●精華町立図書館
人気AV女優香西咲実名告発 脅迫・洗脳・囲い込み地獄 : 「出演強要」で刑事・民事訴訟へ 週刊文春 2016年7月14日号 |
香西咲さんはこれからも、多くの女性をすくいます。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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