業界への法律の周知(その4)。消費者契約法。香西咲さんのうったえによって国がうごきました。今後は、業界人とかわした悪辣な契約を取り消すことができます

厚生労働省と消費者庁が、業界に対して、出演強要にかかわる法律の周知をおこなったとされます。

厚生労働省関係
 労働者派遣法
 職業安定法
 労働基準法

消費者庁関係
 消費者契約法

(参考。当ブログ)
その1(2017年10月11日)
その2(2017年10月12日)
その3(2017年10月13日)

本日は、消費者契約法についてみてみます。
女性活躍加速のための重点方針2017にもとづく平成30年度予算概算要求のなかで、消費者庁は、つぎのようにのべています。

「12.通し番号111~120」より引用。396~397ページ。)

消費者庁(2017年9月14日)
<該当施策概要>

AV出演強要問題に関し、被害者が締結している契約が消費者契約に該当する場合は、消費者契約法において、例えば、退去を妨害して勧誘を続ける等第4条に該当する不当な勧誘が行われた場合は、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることや、不当に高い違約金を定める等第8条から第10条に該当する不当な契約条項については無効であること等について、業界関係者に対して、周知を行う。
また、これに関し、事業者により不当な勧誘等がなされている場合には、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が不当な勧誘等に対して実効的に差止請求ができるよう、環境整備を図る。

——————————————————–

消費者契約法を確認します。

(再掲)
消費者庁(2017年9月14日)

例えば、退去を妨害して勧誘を続ける等第4条に該当する不当な勧誘が行われた場合は、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる

(2017年6月2日 e-Gov法令検索「消費者契約法」より引用。)
第4条

消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる

一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認

二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認
——————————————————–

2 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、

当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。
——————————————————–

3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

一 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。

二 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。

——————————————————–
(後略。)
——————————————————–

(再掲)
消費者庁(2017年9月14日)

不当に高い違約金を定める等第8条から第10条に該当する不当な契約条項については無効である

(2017年6月2日 e-Gov法令検索「消費者契約法」より引用。)
第8条
次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
(前略。)

三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項

四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項

(後略。)
——————————————————–

第9条

次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

二 当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が二以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分

——————————————————–

第10条

消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

(参考。民法)
第1条
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
——————————————————–

消費者庁は、業界がおこなっている奴隷契約に対して、消費者保護法を適用する意向のようです。

(川奈まり子AVAN代表のツイートより、引用。)

川奈まり子 AVAN代表
2017年10月2日

出演者の任意性を出演同意書などで担保せずに出演させれば、強要が無くとも、適正AV業界から退席させられる旨、AV業界改革推進有識者委員会の規則に記されていますし、出演を強要すれば消費者契約法が適用されるので、IPPA加盟メーカー各社は出演者の合意を得る義務を負っています。

川奈まり子 AVAN代表
2017年10月2日

(前略。)
出演の最中に、同意書などを楯にして出演者が嫌がる行為を強いることも規則で禁じられ、さらに消費者契約法違反になることも周知されました。

消費者保護法の適用は、吉報です。
適格消費者団体による差止請求も期待できます。

川奈まり子 AVAN代表
2017年10月2日

(前略。)
撮影を中段(中断)させて出演者が退出することは、出演者が当然有している権利です。
その権利を侵害すれば、暴行が無くとも、職安法違反及び消費者契約法違反になるという政府の方針をAVANは大いに歓迎しています。
強要があれば警察の捜査に協力しますし。

川奈代表の言辞を手放しで礼賛するのは早計です。
女性が撮影の途中で、消費者契約法をもちだすのは、容易なことでありません。
仮に、「やめる」と言っても、業界人は、撮影を続行しようとするでしょう。
女性を宥(なだ)め賺(すか)して。
甘言をもちいて。

(SGM村上チーフさんのツイートより、引用。)

SGM村上チーフさん
<2017年4月9日>

AV業界は騙しのプロ

SGM村上チーフさん
<2016年12月27日>

AV業界は騙しのプロの集まり。
AV強要からAV詐偽にチェンジしているんじゃ?

——————————————————–

重要なのは、契約したあとです。
意に反している場合は、取り消すことができます。

(2017年3月28日 Meiji.net「#2 どんな悪徳商法も投網に掛ける消費者契約法」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
川地宏行 明治大学 法学部教授
悪徳商法の類型を問わず、不当勧誘があれば消費者に契約の取消権を認めるのが消費者契約法です。
(略。)
事業者と消費者の間で結ばれた契約であれば、すべてに適用されます。
消費者契約法では、まず、不当勧誘による契約は取り消せると規定しています。
詐欺まがいの不実告知や、「絶対に儲かる」などの断定的判断の提供も不当勧誘事案にあたります。
また、消費者の家にやって来た事業者に「出て行ってくれ」と言ったのに出て行かなかった不退去。
逆に、消費者が店舗や事務所から出て行くのを妨害した退去妨害も、強迫まがいの勧誘として不当勧誘事案になります。
クーリング・オフのように無条件に契約を解消することはできませんが、

不当勧誘があったことを証明できれば、クーリング・オフの期間(8日間)が過ぎていても、契約を取り消すことができます

さらに、消費者契約法には不当条項規制も盛り込まれました。
消費者にとって不当な内容の契約条項を無効にする規定です。
例えば、一週間前のキャンセルでも全額を支払うという契約条項があったとしても、その条項は無効とされ、キャンセル料は平均的な損害額の範囲内となります。

事業者が、消費者は契約書の内容を確認して契約したと主張しても、それは認められません。

(略。)

そして、特定商取引法の対象となっていない取引類型やクーリング・オフの期間が過ぎた場合でも、詐欺まがいや強迫まがいの不当勧誘があれば消費者契約法によって契約を取り消せる仕組みとなっています。

(再掲)
クーリング・オフの期間(8日間)が過ぎていても、契約を取り消すことができます

(2016年7月17日 AbemaTIMES「【AV出演強要・脅迫・洗脳】人気AV女優が元所属事務所を告訴」より、引用。)

香西咲さん

デビューのさいに契約書も結んでいないし、日付を遡ってAVの事務所の契約書を書かされたので不本意だと思いました。

——————————————————–

(2016年08月27日 弁護士ドットコム「<AV出演強要>香西咲さん『今でもフラッシュバックに悩まされる』洗脳の過去を語る」より引用。)

香西咲さん

(略)、「流通する前に止めてほしい」とAにいいましたが、「ふざけるな。お前にいくらかかっていると思っているんだ」と怒鳴り散らされました。

——————————————————–

青木亮
大西敬
高畠典子
坂田恵理子
坂上孝志
A-TEAM 飯田正和
メーカー関係者
T総研のY
その他

(下図は、AbemaTIMESより、引用。)

(2016年7月29日 毎日新聞「AV出演強要 香西咲さん『私はこうして洗脳された』」より引用。)

香西咲さん

(AVデビュー作の)発売直前に「やっぱり嫌です」と言うと、「ふざけるな。ここまでお前にどれだけ(金が)かかっているんだ」と言う。

——————————————————–

これからはもう、このような犯罪がなくなります。

(再掲。川地宏行 明治大学 法学部教授)
クーリング・オフの期間(8日間)が過ぎていても、契約を取り消すことができます

被害にあった方々は、消費者契約法によって保護されます。
昨年の7月7日、香西咲さんが週刊文春で、業界の闇をあきらかにしました。
以降、世情が激変しました。
香西咲さんがかえました。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
<2016年10月15日>

メーカーと事務所が先に結んでいたらしく、
私は撮影後にその契約書の存在を知らされました。
日付は撮影前に遡って記載されてました。
契約場所には行ってません。

——————————————————–

(2017年2月19日 日刊SPA! 「AV業界“ドロドロ相互不信”の内幕…手をつくして攻めてくる警察捜査、関係者に疑心暗鬼が蔓延」より、引用。改行を施しています。)

あるAVプロダクション関係者は言う。
「香西咲さんの件では、元芸能人をウリにすることで人気のメーカー『MUTEKI』に20人規模の捜索が入ったそうです。

——————————————————–

こいつらの逮捕もまたれます。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。