昨日のつづきです。
業界はいま、自称「適性AV」なるものを指向しています。
いったいこれは、どのような商品なのでしょうか。
業界人が立てた定義を確認します。
(2017年4月1日 AV業界改革推進有識者委員会「委員会からの提言」より、引用。)
●委員会からの提言(2017年4月1日)
適正AVとは、IPPAに加盟しているメーカーが制作し、正規の審査団体の厳格な審査を経て認証され製品化された映像のみをいう。 |
国内の法規制に則り、確かな契約を取り交わして作られ、著作権の所在が明確であり、指定の審査団体において審査され、業界のルールに従い且つゾーニングされて販売またはレンタルされ、映像の出演、制作および販売・レンタルの責任の所在が明確なものだけを合法な適正AVと称する。 |
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「国内の法規制に則り」
「合法な」
これをみるかぎりでは、一見まともな感じがします。
今後、業界人は、従来の犯罪から足を洗って、正業に就くのでしょうか。
そうではないようです。
(2017年5月31日 AERA dot.「新たなる『適正AV』ってなんだ?」より引用。改行を施しています。)
●山口貴士 AV業界改革推進有識者委員会 委員
適正AVの登場によってAVの内容自体が変わることはない。 |
適正AVの“適正”とは、AVを制作する過程が適正であるということ。 そもそもAV出演強要問題は、撮影内容の事前説明がなかったり、女優の自己決定権の確保が不十分であったりすることによって起こります。 制作過程に明確なガイドラインをつくり、それを遵守するAVを「適正AV」と呼ぶことで、出演強要問題を一掃するのがこの取り組みの目的です。 |
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(再掲)
「適正AVの登場によってAVの内容自体が変わることはない」
このことばがすべてを顕示(けんじ)して(はっきりしめして)います。
外形的に契約書の体裁がととのっていれば、どのような内容の商品であっても、「適正AV」となるようです。
(2017年4月19日 東スポWeb「AV業界版“BPO”で『女優の人権擁護』どう変わる」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●東スポ
なんだか堅苦しい団体にも思えるが、委員会メンバーで発起人の山口貴士弁護士は
「出演者の人権が損害されなければ何をやっても構わないと思う」
と語る。
委員会はAVの内容・表現にはノータッチだけに、制作面に直接の影響を及ぼすものではない。
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AV業界改革推進有識者委員会は、出演強要問題の核心(物事の中心となっている大切なところ)がわかっていないようです。
(やまもと寅次郎さんのツイートより、引用。)
●やまもと寅次郎さん
<2017年5月15日>
『週刊実話』のレポートで淳彦さんが最後に課題としてあげた「AVの本番行為」と「本番AVへのモデルの派遣」の2点。メーカーとプロダクションにとっては、生き残りへの大きな壁となること間違いないのだが、どちらも避けるんだろうなぁ。手付かずに置くというか。そんな逃げ得は、通用するのか!?
— やまもと寅次郎 (@torachan55) May 15, 2017
『週刊実話』のレポートで淳彦さんが最後に課題としてあげた「AVの本番行為」と「本番AVへのモデルの派遣」の2点。
メーカーとプロダクションにとっては、生き残りへの大きな壁となること間違いないのだが、どちらも避けるんだろうなぁ。 手付かずに置くというか。 そんな逃げ得は、通用するのか!? |
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(再掲。やまもと寅次郎さん)
「そんな逃げ得は、通用するのか!?」
AV業界改革推進有識者委員会は、この点をどのように考えているのでしょうか。
(2017年8月17日 しらべぇ「『適正AV』は業界を変えるか? 女優の権利とAV産業の未来について識者が激論 ?」より引用。改行を施しています。)
●志田陽子 AV業界改革推進有識者委員会 代表
作品の内容については、私たちはタッチしないことになります。 |
●河合幹雄 AV業界改革推進有識者委員会 委員
内閣府側が考えていることをすべて掴んでいるわけではありませんが、 「表現方法の問題にはタッチしない」 という情報は得ています。 |
●河合幹雄 AV業界改革推進有識者委員会 委員
第三者委員会だけでなく、政府側も中身については言及しない。 今回問題になっているのは、出演の強要や女優さんの権利。 手続きに関する部分をとくに言っているので、表現内容には踏み込まない、という暗黙の了解があります。 作成プロセスが問題であり、映像の中身は完全にノータッチです。 |
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(再掲。河合委員)
「『(内閣府が)表現方法の問題にはタッチしない』という情報は得ています」
「政府側も中身については言及しない」
そうなのでしょうか。
(やまもと寅次郎さんのツイートより、引用。)
●やまもと寅次郎さん
<2017年6月30日>
警察(国?)はずっとAV業界でどんな人たちが働いているのかを調べてるんですけど、その対象がプロダクションやAV女優から一歩進んで、今度は制作現場、すなわちプロデューサーや監督などに変わってきているってことです。業界全体の身体検査みたいなものかな。「本番AV」の構造へのメスですね。
— やまもと寅次郎 (@torachan55) June 30, 2017
警察(国?)はずっとAV業界でどんな人たちが働いているのかを調べてるんですけど、その対象がプロダクションやAV女優から一歩進んで、今度は制作現場、すなわちプロデューサーや監督などに変わってきているってことです。
業界全体の身体検査みたいなものかな。
「本番AV」の構造へのメスですね。 |
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●やまもと寅次郎さん
<2017年6月30日>
強要がらみかどうかはわかりませんけど、「本番」という今のAVのキーワードに関して徹底的に調べ上げてるってことです。それが違法かどうかも含めて。警察、いや国は独自に動いてますね。業界団体も人権団体も関係なく。前にも言いましたけど。もう、個人的妄想も含めて論評する時期は終わりました。
— やまもと寅次郎 (@torachan55) June 30, 2017
強要がらみかどうかはわかりませんけど、「本番」という今のAVのキーワードに関して徹底的に調べ上げてるってことです。 |
それが違法かどうかも含めて。
警察、いや国は独自に動いてますね。
業界団体も人権団体も関係なく。
前にも言いましたけど。
もう、個人的妄想も含めて論評する時期は終わりました。
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夕刊フジという新聞があります。
文字どおり、夕刊紙です。
産経新聞社が発行しています。
(参考)
●産経新聞社の刊行物
産経新聞社が出している新聞ですので、夕刊紙の割にはやや硬質です。
日刊ゲンダイのような飛ばし記事(記者の憶測によって書かれた記事)はありません。
産経新聞の論調は、右です。
読売新聞よりも。
産経と読売の両紙は、右派の安倍政権とのむすびつきが強いといわれています。
1週間前のことです。
夕刊フジが、出演強要に関する記事を報じました。
(2017年10月3日 夕刊フジ「女優売春も…AV業界『アングラ化』の実態 摘発相次ぎ“地下”で生き残り図る」より引用。改行を施しています。)
●夕刊フジ(10月3日)
業界への取り締まりを強める捜査当局の狙いは何なのか。 警視庁の捜査幹部の1人は 「最終的な目標は、本番行為そのものを撮影させなくすること。日活ロマンポルノや初期のソフトなAVぐらいの表現のレベルにまで戻したい」 と明かす。 2020年東京五輪に向けて“浄化”を図る狙いも透けてみえる。 |
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政府は、5月19日に、出演強要問題に関する「今後の対策」を決定しました。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)
被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 |
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(再掲。「今後の対策」)
「性的な暴力の被害につながる行為の規制」
(再掲。河合幹雄 AV業界改革推進有識者委員会 委員)
内閣府側が考えていることをすべて掴んでいるわけではありませんが、 「表現方法の問題にはタッチしない」 という情報は得ています。 |
(再掲。やまもと寅次郎さん)
そんな逃げ得は、通用するのか!? |
(再掲。警視庁の捜査幹部。10月3日)
警視庁の捜査幹部の1人は 「最終的な目標は、本番行為そのものを撮影させなくすること。日活ロマンポルノや初期のソフトなAVぐらいの表現のレベルにまで戻したい」 と明かす。 |
「日活ロマンポルノや初期のソフトなAVぐらいの表現のレベル」
これが、適性AVです。
(2017年4月8日 弁護士ドットコム「AV強要『業界と規制派の仁義なき戦い、これでは解決しない』男優・辻丸さんが警告」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●辻丸さん
一方で、たとえ「本番禁止」になっても、なんとも思わない業界人も少なくないのではないでしょうか。
「本番禁止」でも、お墨付きがもらえるなら、安心して商売できると思っているかもしれません。
「本番禁止」で、セクシービデオに近づけば、差別・偏見もなくなり、万々歳じゃないかと。
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「セクシービデオに近づけば」
もしもそうなれば、差別や偏見はなくなるでしょう。
合法的におこなわれる撮影なのですから。
仮に、出演強要のような事態が生じても、被害は生じません。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年6月15日>
明日から4日間出張なのですがまだ準備が… フラッシュバックしたので念の為病院は行っておきました。 いつかトラウマから開放される日はくるのかな? |
●香西咲さん
<2016年6月15日>
慢性胃炎や膵炎、睡眠障害、脅迫観念、対人恐怖症等(特に男性)など、 ケジメを付けない限りは一生引きずりますね。 健康を返して。 |
(2016年7月14日発売 「週刊文春」2016年7月21日号より、引用。)
●香西咲さん
ストレスから円形脱毛症になり全身がけだるく、胃腸は毎日、抉られるように痛みました。 自分で救急車を呼んだこともあった。 屈辱がフラッシュバックし、絶望的に命を絶ちたくなるときも・・・・・・ |
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2017年2月4日>
明日の治療が重いと聞いていて恐怖と緊張で眠れない… 先生に『逃げちゃダメよ』って言われたけど嗚呼逃げたい… |
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(再掲。河合幹雄 AV業界改革推進有識者委員会 委員)
「今回問題になっているのは、出演の強要や女優さんの権利。手続きに関する部分をとくに言っているので、表現内容には踏み込まない、という暗黙の了解があります。作成プロセスが問題であり、映像の中身は完全にノータッチです」
AV業界改革推進有識者委員会の思考の根底にあるのは搾取の論理です。
いかに女性から合法的に搾り取るか、だけを考えています。
人権については一顧だにしません。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年9月19日>
AV強要の告発をしても 業界側の人はスルー 『そんな事ありえない』の一言で終わらされる。 逆に親身になって下さるのは、娘を持つ親御さんだったりする。 (後略。) |
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AV業界改革推進有識者委員会の各委員は、もう一度、人倫(人としての道)を学び直すべきでしょう。
いま一番に問われているのは、映像の中身です。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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