業界はいま、契約書の見直しを考えています。
現在つかわれているものは、巷間、奴隷契約書、と言われています。
女性にとっては、圧倒的に不利な証文です。
騙されて名前を書いたら、おわりです。
以降、業界人の桎梏(手かせ足かせ)からのがれることはできません。
命がなくなるまで搾り取られます。
(2017年1月13日 朝日新聞「(耕論)AVへの出演強要 伊藤和子さん、中里見博さん、青山薫さん」より、引用。)
●伊藤和子 HRN事務局長
違約金の脅しで出演強要される彼女たちは「債務奴隷」であり、状況は「人身売買」と言えます。 |
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「債務奴隷」
「人身売買」
国民が共通にいだいている認識です。
川奈まり子AVAN代表は、この契約書を「まともなもの」にかえようとしているようです。
(2016年10月20日 毎日新聞「AV問題:語り始めた業界人(7)大手メーカーの危機感」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●毎日新聞
また、出演者の権利を守るため今年(2016年)7月に設立された団体「表現者ネットワーク(AVAN)」とメーカーの連携については悲観的な見通しを示し、
「AVANが作成した契約書を見れば、多くの女性が撮影に踏み込めなくなる。メーカーは売り上げの“生命線”を失い、大幅な値上げができなければ大手もつぶれるだろう」
と理由を述べた。
●毎日新聞記者
AVANは女優の主体性を重んじた独自の契約書を作成しています。
「リスクも含めて全て納得した人だけが出演すべきだ」
という姿勢に、メーカーは協調していけますか?
●大手メーカーの高木慎司さん(仮名)
苦しいです。 先ほど言った「消極的な2~3人」と「バレたくない十数人」がその契約書を見て、本当のことを聞いたら、撮影に踏み込めなくなると思います。 |
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業界は現在にいたるまで、出演者に対して、「本当のこと」をつげていないようです
(辻丸さんのツイートより、引用。)
●辻丸さん
<2017年9月7日>
撮影当日になってもまだ台本を書いている監督もいる。 単独出演にもかかはらず 「今日の子、忙しくて面接してないんだよ。だから男優さん、よろしく」 なんて組もある。 男優は当日初めて台本を貰うのが当たり前。 最近なぜか終了後、台本を回収する組が増えた。 いずれも大手メーカー。 つまり適正AV業界! |
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AV業界改革推進有識者委員会は、4月に、適正AV業界の倫理及び手続に関する基本規則をさだめました。
このなかに、契約に関する規定があります。
(2017年4月1日 AV業界改革推進有識者委員会「適正AV業界の倫理及び手続に関する基本規則」より、引用。改行を施しています。)
●適正AV業界の倫理及び手続に関する基本規則(2017年4月1日)
第6条 映像制作のすべての過程において 制作時には、事前に作品内容および撮影内容について、実演家と制作者を含む当該関係者間で合意し、その上で撮影を行なうこととし、撮影時には、意に沿わない演技等に対して、正当な理由をもって出演を打ち切ることができるよう契約に織り込む。 また、事前に打ち合わせていない、または台本にない行為は禁止するとともに、性表現上の行き過ぎた行為については、当事者間の合意があっても慎重にすることとする。 (後略。) |
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AVANの活動が、AV業界改革推進有識者委員会に対して、影響をあたえたようです。
(川奈まり子AVAN代表のツイートより、引用。)
●川奈まり子 AVAN代表
<2017年10月2日>
https://twitter.com/MarikoKawana/status/914644055916634112
現在業界内で実施に向けて検案されている出演者の任意性を保証する仕組みの1つは、AVANが作成したものです。
プロダクション登録から出演契約に至る前の段階で、撮影に関わる重要事項を出演者本人に確認してもらい、これが無ければ新人は出演させられないことを義務化することを提案しています。
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(やまもと寅次郎さんのツイートより、引用。)
●やまもと寅次郎さん
<2017年10月3日>
ま、その川奈さんの言葉の通りに、AV業界はなりつつあるんだけどね。ある意味では。(笑) https://t.co/ejHW2gwFLB
— やまもと寅次郎 (@torachan55) October 3, 2017
ま、その川奈さんの言葉の通りに、AV業界はなりつつあるんだけどね。
ある意味では。(笑)
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業界人が使用している現行の契約書は、悪徳弁護士の入れ知恵によってつくられたと言われています。
(2016年3月4日 Yahoo!ニュース「AV出演強要被害 テレビ出演を偽装しての撮影、出演者が自殺したケースも」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●ライター 小川たまかさん
会見に出席した角田由紀子弁護士は
「契約書の内容が非常に巧妙で、弁護士など法律の専門家が関与しているとしか思えない。普通の人がパッと見せられて、読み解ける内容ではない」 |
と話したが、こういった騙すためのような巧妙な契約書ではなく、制作側が出演者に出演にあたってのリスクを説明し、撮影にあたって充分な配慮をすることを約束し、その上で了解を取るのは最低限必要なことだと感じる。
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(2017年6月5日 産経新聞「AV出演強要容疑で逮捕の男、女子高生ら契約場面を録画『合意』装う?…弁護士存在もちらつかせ 大阪府警」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
女子高生などにアダルトビデオ(AV)出演を強要したとしてアダルトサイト運営の男が逮捕された事件で、女性が出演契約を結ぶ際の一部始終を、男が録画していたことが5日、大阪府警への取材で分かった。
男には顧問弁護士がおり、府警は、女性とトラブルになった際に「合意だった」などと説明するため、弁護士に相談した上で行っていたとみて調べている。
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金沢容疑者は実際に弁護士と顧問契約を結んでいた。
府警は、契約が合意だったとする映像を撮影し、弁護士の存在をちらつかせることで女性を心理的に圧迫し、断りづらくさせていたとみている。
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昨年の1月のことです。
弁護士ドットコムに、不快な質問が寄せられました。
(弁護士ドットコム「AVスカウトから販売までの契約や届け出」より引用。改行を施しています。)
●質問者(2016年1月21日)
個人でAVのスカウトから撮影そしてネット等で販売まで考えております。 その時にほしい契約書や届け出などどういう風に行っていけばよろしいのでしょうか? また契約書作成や開業手続きなどは弁護士の方に依頼作成していただけるのでしょうか? |
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(再掲)
「契約書作成や開業手続きなどは弁護士の方に依頼作成していただけるのでしょうか?」
この問い合わせが掲載されたのは、2016年1月21日です。
当時はまだ、出演強要問題が人々の関心事となっていませんでした。
(参考)
●2015年9月9日
2,460万円の違約金を請求された女性が、勝訴する。
↓
●2016年1月21日
弁護士ドットコムに、邪な質問が掲載される。
「契約書作成や開業手続きなどは弁護士の方に依頼作成していただけるのでしょうか?」
↓
●2016年3月3日
HRNが、出演強要被害に関する報告書を発表する。
↓
●2016年3月11日
国会で、池内さおり議員が、出演強要被害をとりあげる。
↓
●2016年4月28日
国会で、梅村さえこ議員が、出演強要被害をとりあげる。
↓
●2016年6月2日
政府が、「AVへの出演強要は女性に対する暴力」との答弁書を閣議決定する。
↓
●2016年6月11日
マークスジャパンの社長ら3人を逮捕する。
↓
●2016年6月17日
警察庁が、全国の警察に、逮捕の指針をしめす通達をだす。
↓
●2016年7月7日
香西咲さんが、週刊文春で、青木たちの犯罪をあきらかにする。
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「契約書作成や開業手続きなどは弁護士の方に依頼作成していただけるのでしょうか?」
8日後、ある弁護士がつぎのように答えました。
●高谷滋樹 弁護士(2016年1月29日)
弁護士がトータルでサポートできますよ。 販売する場合は、無許可では違法ですよ。 |
(契約書作成の)費用に関しては、ケースバイケースですね、 頑張ってください!! |
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(再掲。角田由紀子弁護士)
「契約書の内容が非常に巧妙で、弁護士など法律の専門家が関与しているとしか思えない。普通の人がパッと見せられて、読み解ける内容ではない」
奴隷契約書が、まともなものになるのは、よいことです。
(再掲)
●適正AV業界の倫理及び手続に関する基本規則(2017年4月1日)
第6条 映像制作のすべての過程において 制作時には、事前に作品内容および撮影内容について、実演家と制作者を含む当該関係者間で合意し、その上で撮影を行なうこととし、撮影時には、意に沿わない演技等に対して、正当な理由をもって出演を打ち切ることができるよう契約に織り込む。 また、事前に打ち合わせていない、または台本にない行為は禁止するとともに、性表現上の行き過ぎた行為については、当事者間の合意があっても慎重にすることとする。 (後略。) |
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このことをもって、出演強要がなくなるのでしょうか。
(くたびれはてこさんのツイートより、引用。)
●くたびれはてこさん
<2017年10月2日>
スマホの契約書を読み上げられて理解できる人がどれほどいるかを考えればこうした契約書が現場でどれほど功を奏するかについては疑問がある。それを盾に出演強要されるケースをどのように排除するのだろう。若い人、経済的に困窮した人、軽度の知的障害者や教育の機会に恵まれない人をどう守るのか。 https://t.co/pKE1Hw43yW
— くたびれはてこ (@kutabirehateko) October 2, 2017
スマホの契約書を読み上げられて理解できる人がどれほどいるかを考えればこうした契約書が現場でどれほど功を奏するかについては疑問がある。
それを盾に出演強要されるケースをどのように排除するのだろう。
若い人、経済的に困窮した人、軽度の知的障害者や教育の機会に恵まれない人をどう守るのか。
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(再掲。適正AV業界の倫理及び手続に関する基本規則)
撮影時には、意に沿わない演技等に対して、正当な理由をもって出演を打ち切ることができるよう契約に織り込む。 |
●くたびれはてこさん
<2017年10月2日>
大勢の他人に囲まれて未知の分野で契約書の条項と違うと意見することは大人でも難しい。部屋を退去するときに敷金を返してもらうことすらままならない。まして世間知らずな若い子がAV撮影の現場で契約書を確認しながら撮影の中止を申し出られるか、言いくるめられることなく反論し続けられるのか。
— くたびれはてこ (@kutabirehateko) October 2, 2017
大勢の他人に囲まれて未知の分野で契約書の条項と違うと意見することは大人でも難しい。
部屋を退去するときに敷金を返してもらうことすらままならない。
まして世間知らずな若い子がAV撮影の現場で契約書を確認しながら撮影の中止を申し出られるか、言いくるめられることなく反論し続けられるのか。
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●くたびれはてこさん
<2017年10月2日>
撮影強要があれば即時中断を申し出ていいし、助けを求めてくれれば歓迎するというのは親切な申し出に見えるけれど、要は自力で脱出してきたら力を貸すといっているわけで、自力で脱出できない状況を作らないようにするにはどうすればいいか、撮影中の問題を部外がどう阻止するかが争点だと思うわ。
— くたびれはてこ (@kutabirehateko) October 2, 2017
撮影強要があれば即時中断を申し出ていいし、助けを求めてくれれば歓迎するというのは親切な申し出に見えるけれど、要は自力で脱出してきたら力を貸すといっているわけで、自力で脱出できない状況を作らないようにするにはどうすればいいか、撮影中の問題を部外がどう阻止するかが争点だと思うわ。
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(再掲。川奈まり子AVAN代表)
<2017年10月2日>
現在業界内で実施に向けて検案されている出演者の任意性を保証する仕組みの1つは、AVANが作成したものです。
プロダクション登録から出演契約に至る前の段階で、撮影に関わる重要事項を出演者本人に確認してもらい、これが無ければ新人は出演させられないことを義務化することを提案しています。
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「任意性」
強制ではなく、みずからの意思で、契約書にサインをしたのか。
すべてを納得して出演したのか。
このことは、本人にしかわかりません。
(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年6月12日>
もちろん自発的に頑張ってる人もいます。 但しその『自発的』か『強要』かは他人から見たら解り得ない世界です。 友達でも家族でも。 本人しか解り得ません。 |
人間には、相手のことを慮(おもんぱか)る気持ちがあります。
「申し訳ない」という感情です。
(2016年7月17日 AbemaTIMES「【AV出演強要・脅迫・洗脳】人気AV女優が元所属事務所を告訴」より、引用。改行を施しています。)
●香西咲さん
普通の子だと拒否できないです。 周りにスタッフが20人ぐらいいます。 撮影も急がされている状況で、拒否したら申し訳ないなと思う。 |
(2016年9月18日 AbemaTIMES「【AV出演強要問題】元カリスマ女優・川奈まり子氏が業界健全化のために奮闘」より、引用。改行を施しています。)
●香西咲さん
遠いところですから……。 よっぽど強い子でないと(撮影を中止させるのは)無理だと思いますし。 私さえ泣いておけば丸く収まると思った。 結局AV撮影に応じることになりました。 |
これが業界人の手口です。
契約書の手直しだけでは、出演強要をふせぐことができません。
(2016年7月7日発売 週刊文春2016年7月14日号より、引用。)
●香西咲さん
なぜ(AV撮影)を辞めなかったんだと思われるかもしれません。ですが、抜けるに抜けられない状況に追い込まれ、搾取されつづける絶望感は、体験したものにしかわからない。 |
AV業界改革推進有識者委員会が考える出演強要対策には、欠落している部分があります。
契約の前に、以下の行為をやめさせなければ、被害はなくならないでしょう。
(内閣府男女共同参画局 「その契約、大丈夫? ~知っていますか? AV出演強要問題」より、引用。改行を施しています。)
●01 こんな被害が起きています
□モデルの仕事だと言われ事務所に行くと、アダルトビデオの撮影だった。断ることができず、撮影に応じた。その後、ネット上でビデオが販売されてしまった。
□「モデルになれる」、「君を有名にしてあげる」、「芸能界とパイプの太い人を紹介する」と言われ、アダルトビデオへの出演を求められた。 □食事をおごってくれたり、悩みを聞いてくれたので、嫌だと思った仕事も受けなければいけないのかと思うようになっていった。 |
契約書の改善とあわせて、いっさいの勧誘の厳禁を打ち出すべきです。
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本日、AV業界改革推進有識者委員会による報告会が催されました。
弁護士ドットコムが要旨をつたえています。
(2017年10月4日 弁護士ドットコム「AV販売、出演女優が希望すれば最長5年で停止へ…業界健全化に向けて大筋合意」より、引用。改行を施しています。)
●弁護士ドットコム
販売から5年経ったアダルトビデオ(AV)の作品について、出演した女優から要請があれば販売や配信の使用を停止にする方向で、業界内で調整がすすんでいることがわかった。 早ければ来年1月から販売・配信の作品に適用される見通しだ。 |
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とりあえずは安堵しました。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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