「男女共同参画白書」が出演強要問題を詳細にとりあげています。有識者検討会も開催されるようです。香西咲さんが心配されている被害の連鎖を絶つことはできるのでしょうか

内閣府の男女共同参画局は、毎年、6月に、 白書を発行しています。

(参考)
男女共同参画白書一覧

男女共同参画局のサイトには、説明文が掲載されています。
男女共同参画白書は、男女共同参画基本法に基づき作成している年次報告書です
白書は、府省庁が作成する公式の調査報告書、です。

(2017年8月17日 しらべぇ「『適正AV』は業界を変えるか? 女優の権利とAV産業の未来について識者が激論」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
河合幹雄 AV業界改革推進有識者委員会(業界団体) 委員
日本の場合、産業に対する業界団体が決まっていることがほとんどです。
立法や行政指導などルールを変える際には、業界、官僚、有識者が話し合って、業界側に大丈夫か確認を取って、OKなら初めて通ります。
ところが、AV業界は名前だけは「業界」なのに、働く人間をケアするためのしっかりした業界団体もなければ、監督官庁が不明でした。
パチンコや風俗は、はっきりと警察が監督官庁ですが、AVの場合は明確になっていない。
強いて言えば警察なのかもしれません。
おそらく内閣府男女共同参画会議は、そうした状況を改正しようと思っているのでしょう。
会議に選ばれたメンバーの中には知り合いが何人かいますけど、学者と官僚ばかりです。

——————————————————–

8月26日8月25日のブログで書きました。
河合氏がのべていることは、不正確です。
同会議のことはさて措(お)き、6月に公表された男女共同参画白書をみてみます。

内閣府男女共同参画局
「男女共同参画白書 平成29年版」

出演強要問題については、28年度と29年度の両方に跨(またが)って記述がなされています。
まずは、昨年度のぶんを参照します。

第1部 平成28年度に講じた男女共同参画社会の形成の促進に関する施策

<121ページ>
 はじめに

若年層を対象とした暴力の多様化を踏まえ、男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会において取りまとめた「若年層を対象とした性的な暴力の現状と課題~いわゆる『JKビジネス』及びアダルトビデオ出演強要の問題について~」の提言を踏まえ、平成29年3月に、男女共同参画担当大臣を議長とし、関係府省の部局長を構成員として設置された「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する関係府省対策会議」において、同月末、進学、就職等に伴い若者の生活環境が大きく変わる時期である、同年4月を「AV出演強要・『JKビジネス』等被害防止月間」と位置付け、政府一体となって必要な取組を緊急かつ集中的に実施する緊急対策を取りまとめた(第8章第4節2参照 )。
——————————————————–

<123ページ>
 第1章 男女共同参画社会に向けた施策の総合的な推進
 第1節 国内本部機構の強化

女性に対する暴力に関する専門調査会では、若年層を対象とした暴力の多様化を踏まえ、民間団体、研究者、関係省庁それぞれの取組や課題等についての調査検討を行い、「若年層を対象とした性的な暴力の現状と課題~いわゆる『JKビジネス』及びアダルトビデオ出演強要の問題について~」を取りまとめ、第51回男女共同参画会議(平成29年3月24日)に報告した。

本報告書の提言も踏まえ、平成29年3月に、男女共同参画担当大臣を議長とし、関係府省の部局長を構成員とする「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する関係府省対策会議」が設置され、同月末、取締り等の強化、教育・啓発の強化、相談体制の充実など、4月から緊急に講ずる対策を取りまとめた(第8章第4節2参照)。
——————————————————–

<157ページ>
 第8章 女性に対するあらゆる暴力の根絶
 第4節2 性犯罪への対策の推進

若年層の女性に対する性的な暴力である、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等については、平成29年3月に、男女共同参画担当大臣を議長とし、関係府省の部局長を構成員として設置された「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する関係府省対策会議」において、同月末、進学、就職等に伴い若者の生活環境が大きく変わる時期である、同年4月を「AV出演強要・『JKビジネス』等被害防止月間」と位置付け、政府一体となって必要な取組を緊急かつ集中的に実施する緊急対策を取りまとめた。

月間中の具体的な取組として、内閣府では、3月31日に、この問題についての注意喚起や相談窓口の周知を図るための啓発サイトを開設した。

また、4月26日には、都内の女子大学生1、581人を対象に、アダルトビデオ出演強要問題等について啓発するためのシンポジウムを開催するとともに、内閣府、警察庁、警視庁の共催で、「なくそう!若年女性の性被害」をテーマとする啓発街頭キャンペーンを渋谷駅周辺で実施した(第1章第1節参照)。
——————————————————–

以上が、平成28年度に講じられた施策です。
つぎは、今年度のとりくみです。

第2部 平成29年度に講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策

<207ページ>
 第8章 女性に対するあらゆる暴力の根絶
 第4節 性犯罪への対策の推進

また、若年層の女性に対する性的な暴力である、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等については、「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する関係府省対策会議」において、更なる実態把握や取締り等の強化、教育・啓発の強化、相談体制の充実等を内容とする「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・『JKビジネス』問題等に関する今後の対策」を取りまとめた。

内閣府では、被害者支援を行っている民間支援団体の協力を得て、若年層の女性に対する性的な暴力の被害実態を把握するとともに、有識者検討会を開催し、被害者に対する効果的な相談・支援の在り方について検討を行う。

警察では、アダルトビデオのスカウト行為に対する街頭での指導・警告及び悪質な事犯の検挙、いわゆる「JKビジネス」営業が多く見られる大規模繁華街における児童等の一斉補導、高校・大学等における被害防止教育や街頭キャンペーン、警察署、交番等の相談窓口においては24時間相談を受け付けていることを周知する活動等の対策を実施する。
——————————————————–

(再掲)

内閣府では、被害者支援を行っている民間支援団体の協力を得て、若年層の女性に対する性的な暴力の被害実態を把握するとともに、有識者検討会を開催し、被害者に対する効果的な相談・支援の在り方について検討を行う。

内閣府男女共同参画局は、4月に、これよりも詳細な文章を公開しています。

(2017年4月 内閣府男女共同参画局「女性に対するあらゆる暴力の根絶」より、引用。改行を施しています。)

<14ページ>
若年層の性的搾取に係る相談・支援の在り方の検討のための調査研究経費
 (内閣府男女共同参画局推進課)
 29年度予算額0.1億円(新規)

事業概要・目的
◯(略。)
◯(略。)
◯これらを踏まえ、若年層における性的搾取、とりわけ、いわゆるJKビジネスやアダルトビデオへの出演強要に関する被害実態について、被害者支援を行っている民間支援団体の協力を得て調査するとともに、有識者検討会を開催し、被害者に対する効果的な相談・支援の在り方について検討します。

事業イメージ・具体例
○実態把握調査
・調査協力団体:団体(いわゆるJKビジネス及びアダルトビデオへの出演強要に関する被害者支援に実績のある民間支援団体

○有識者検討会の開催
・検討会委員:5名
・開催回数:5回

期待される効果
○若年層における性的搾取の被害実態について、調査を通して明らかにすることにより、その予防につなげるとともに、被害の実態に即した効果的な相談・支援を実施することが可能となります。

——————————————————–

(再掲)
アダルトビデオへの出演強要に関する被害実態について、被害者支援を行っている民間支援団体の協力を得て調査する

内閣府はすでに、PAPS、ライトハウス、HRNと、懇談をおこなったのでしょうか。

(2017年7月28日 HRN トークイベントより、引用。)

(※45分03秒のあたりから。音声の文字化は筆者。)
伊藤和子 HRN事務局長
(略)、対策、いろいろと進んできたとは思うんですけど、実際、政府のなかでこの進められてきている対策が、どのように本当に実施されてきているのか、というのがじゅうぶんわからない部分があります

いろいろな政府、機関と、わたしたちの間で、たとえばNGOや支援団体との間で、何か協議機関のようなものができて、フードバックを受けながら進んでいる、というわけではないので、わたしたちも動かずに対策ができて、
「あ、進んでいるのかな」
というふうに思っているところですけども、どこまで進んでいるのかがよくわからない、という部分があります。

ですので、早急にですね、協議機関のようなものが設立できないか、というふうに思って考えているものがあります。
——————————————————–

7月28日のご発言です。
このときから1か月が経ちました。
その後、どうなったのでしょうか。
有識者検討会のほうも気になります。

(再掲。内閣府)
有識者検討会を開催し、被害者に対する効果的な相談・支援の在り方について検討

(再掲。内閣府)
○有識者検討会の開催
・検討会委員:5名
・開催回数:5回

有識者検討会の委員は、5名です。
5回の会議が予定されています。
委員の任命はすでにおえたのでしょうか。
現在のところ、情報はありません。

(2017年6月16日 YouTube「岩上安身による東京新聞記者・望月衣塑子氏インタビュー 」より引用。)

岩上安身(ジャーナリスト)
信じられない。
内閣府はね、
「大ブラックボックスだ」
って、寺脇さん(寺脇研。元文科省審議官)、言ってましたよ。

——————————————————–

岩上安身(ジャーナリスト)
ええ、ブラックボックス。
内閣府こそ、モンスター。
これからみなさんね、言っておきますけど、内閣府を徹底ウオッチングして、徹底的にね、これメス入れて行きましょう。
安倍の顔とか表紙だけ取り替えてもね、内閣府というモンスターが生まれたこの構造はかわらない。
官邸と、それから内閣府というモンスターは、表紙が取りかわっても、首のないフランケンシュタインのようにうごいていく可能性がある。
これ、気をつけなければいけない。

——————————————————–

内閣府はブラックボックス、です。

(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)

被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。
(内閣府、関係府省)〔平成 29 年4月~〕

法的対応についても、有識者の意見がもとめられています。
芸能人の契約問題については、公正取引委員会の有識者検討会が精力的にうごいているようです。

(公正取引委員会「公正取引委員会の紹介」より、引用。改行を施しています。)

公正取引委員会は、独占禁止法を運用するために設置された機関で、独占禁止法の補完法である下請法の運用も行っています。
国の行政機関には、○○省や◎◎庁と呼ばれるもののほかに、一般に「行政委員会」と呼ばれる合議制の機関があります。
公正取引委員会は、この行政委員会に当たり、委員長と4名の委員で構成されており、他から指揮監督を受けることなく独立して職務を行うことに特色があります。
また、国の行政組織上は内閣府の外局として位置づけられています。

——————————————————–

(2017年8月12日 週刊朝日「能年、富美加に続きローラ独立騒動が勃発 公正取引委員会のメスは?〈週刊朝日〉」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
所属事務所とタレントとの契約をめぐる騒動は、能年玲奈(現・のん)や、幸福の科学に出家した清水富美加(法名・千眼美子)なども記憶に新しい。
こうした騒動を受けてか、芸能人やスポーツ選手が移籍・独立する際、所属先との間で独禁法上の問題となる契約や慣習がないかを議論する公正取引委員会の有識者検討会が8月4日、開かれた。

——————————————————–

(2017年8月14日 NEWSポストセブン「芸能事務所の理不尽契約 夢を潰された27歳モデルの告白」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
ここ数年、契約をめぐる芸能人と事務所とのトラブルが次々と表面化し、社会問題となっている。
問題解決へ向けて、行政も黙ってはいない。
7月、公正取引委員会が芸能事務所の調査を始めたと報じられ、8月には公正取引委員会の有識者検討会が議論を始めた。
そこでは、芸能人やスポーツ選手が移籍・独立するにあたり、独禁法上の問題となる契約や慣習がないか論じられている。

——————————————————–

出演強要問題は、内閣の重要課題です。
関係府省庁が手を抜いているはずがありません。
今後の進展に注目があつまります。

(2016年7月29日 毎日新聞「AV出演強要 香西咲さん『私はこうして洗脳された』」より、引用。改行を施しています。)

毎日新聞記者
なぜそこまで覚悟を決められた?

香西咲さん
この(被害の)連鎖はもう止まらない。
(A氏が)どんどん新しい子を入れているのも分かっていたので、世の中のためにもなると思いました。

(2017年7月28日 HRN トークイベントより、引用。)

伊藤和子 HRN事務局長
そういうかたちで、いつまで、強要されたビデオが流されつづけるのかが、まったくわからない。
そして、密室で起きたことについて、強要、ということをわたしたちが主張していても、それについてきちんと対応してくれる業者もいれば、そうでない業者もいます。
いま、この瞬間は、かなりこの問題が、非常に問題になっているから、止める、ということがあるかもしれませんけれども、今後ですね、どうなっていくのかっていうのがぜんぜんわからないし、根本的な解決のためには、やはり、きちんとしたかたちで、こんな契約書をですね、双方で交わさないで、
「こんな圧倒的に不利なかたちでやっていくような契約というのはもともと無効なんだ」
「取り消せるんだ」
というかたちの法の改正が必要ではないかな、というふうに思います。

——————————————————–

香西咲さんと伊藤和子HRN事務局長のおっしゃるとおりです。
いま、AV業界改革推進有識者委員会(業界団体)は、嵐がとおりすぎるのをまっている状態なのかもしれません。
法的対応がもとめられます。
——————————————————–
2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



香西咲さんを勝手に応援するサイトへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。