政府の方針は、「天の網は広大で目があらいようだが悪人は漏らさずこれを捕える」です。香西咲さんが国をかえました。これからも多くの女性がすくわれることでしょう

これまで、3回にわたって、消費者庁の消費者保護対策についてみてきました。

(参考。当ブログ)
2017年8月19日
2017年8月20日
2017年8月21日

基幹となる消費者契約法に関しては、昨年の10月のブログでもふれております。

(参考。当ブログ)
2016年10月31日

同法が適用されるのは、以下の場合だけです。

消費者契約法

動画 衆議院インターネット審議中継
 ~2016年4月28日 消費者問題特別委員会

(2016年4月28日 衆議院「第190回国会 消費者問題に関する特別委員会 第5号」より、引用。)

井内正敏 消費者庁審議官
お尋ねのような事案(出演強要)につきましては、女性の方の尊厳を踏みにじるようなものであって、あってはならないということを認識しております。

この点につきまして、契約に着目いたしまして見ますと、消費者契約法は、消費者と事業者との間で締結される消費者契約に適用される法律でありまして、消費者契約法におきましては、消費者とは、事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く個人とされており、反復継続的に同種の行為が行われるようなときは、事業としてまたは事業のための契約ということになりまして、消費者には該当しないということになります。

こうした点を踏まえますと、例えば、声をかけられた女性の方が単発でビデオに出演する契約を締結するような事例については、消費者契約法の適用があり得ると考えております。
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(再掲)
声をかけられた女性の方が単発でビデオに出演する契約を締結するような事例については、消費者契約法の適用があり得る

消費者庁長官も、つぎのようにのべています。

(2017年5月24日 消費者庁「岡村消費者庁長官記者会見要旨」より引用。)

岡村和美 消費者庁長官 

(略)、アダルトビデオの出演契約も消費者契約に該当する場合があり得ること、このことにすら気付いていない被害者も多いと思いますので、消費者契約法が適用される場合があると。
その場合、不当な勧誘などに対して適格消費者団体が活動することにより、被害の未然防止、さらには拡大防止が可能となりますので、こういった被害に関しての適格消費者団体の活動を応援するよう、力を入れていきたいということでございます。

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当然、消費者契約法だけで、すべての問題が解決するわけではありません。

(2016年10月20日 毎日新聞「AV問題:語り始めた業界人(7)大手メーカーの危機感」より、引用。改行を施しています。)

毎日新聞記者
本当に出たい人」だけでは、回していけないのでしょうか?

大手メーカーの高木慎司さん(仮名)
(会社が)つぶれます。
今は大手もそこまで利益が出ているわけじゃない。
女優が減ればその分の売り上げがなくなる。
例えば、いきなり収入が3割なくなってやっていける会社がありますか?
企業努力でどうにかなるレベルじゃない。
(後略。)

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高木さんは正直なかたです。
業界人は、女性をだまして出演させることが多いようです。
こうした奸計(悪だくみ)に対しては、消費者契約法が有用です。

民法

民法をみてみます。
以下の規定があります。

第96条
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。

第121条
取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。
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このようなきまりがあるのにもかかわらず、業界人は、なぜ平然と強要をおこなうのでしょうか。
川地宏行明治大学教授の説明がわかりやすいです。

(2017年3月24日 Meiji.net「#1 悪徳商法に泣き寝入りしない!消費者保護の法律を学ぼう!」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
川地宏行 明治大学 法学部教授
(略)民法は、契約の締結に際して詐欺や強迫があった場合は契約を取り消せると規定しています。
しかし、その場合は、事業者に「意図的な」詐欺や強迫があったことを消費者側が証明しなくてはなりませんが、事業者の故意を証明することは大変難しいことですので、民法によって消費者が守られることは、実質的にはほとんどないのです。

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(再掲)
民法によって消費者が守られることは、実質的にはほとんどない

おそらく業界人は、手飼いの悪徳弁護士から、こうした奸智(かんち。「悪知恵」)を教授されているのでしょう。
女性が泣き寝入りをするのもわかります。
消費者問題について、国は、1976年に対策をほどこしました。

<一部分を引用>
川地宏行 明治大学 法学部教授
そのため、悪徳商法に引っかかった消費者は泣き寝入りするばかりでした。
そこで、1976年に、消費者を保護するための特別法としていわゆる訪問販売法(現在は特定商取引法に改称)が制定されました。
これは、事業者が消費者の家を突然訪問して契約を結んだ場合、消費者が事業者の帰責性についてなにも証明しなくても、無条件に契約をなかったことにできるという権利を定めた法律です。
これが、クーリング・オフと呼ばれている権利です。
クーリング・オフは民法の認める契約の拘束力を180度覆す権利で、クーリング・オフを認めた訪問販売法は消費者を保護する画期的な法律といえるものでした。

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クーリング・オフは、訪問販売にのみ、みとめられた制度です。
適用を逃れるために、悪徳事業者は、別の商売を考えます。

<一部分を引用>
川地宏行 明治大学 法学部教授
新たな悪徳商法が社会問題になる度に、新手の悪徳商法についてもクーリング・オフや中途解約ができるように法律が改正されてきました。
しかし、このような後手後手に回るイタチごっこでは切りがありません。
そこで、消費者契約全般についての総合的なルールをつくることを目的に、2001年に施行されたのが消費者契約法です。

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消費者契約法の第1条には、同法の目的が書かれています。

消費者契約法 第1条

この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とするほか、消費者の被害の発生又は拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(再掲)
消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる

消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とする

適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができる

消費者契約法は、言われるほど、全備な(完全に備わった)法律でなかったようです。
出演強要被害には、適用されませんでした。

(2017年7月28日 HRN トークイベントより、引用。)

(※音声の文字化は、筆者。)
伊藤和子 HRN事務局長
消費者庁は、わたしたち何度も行って、
「AV出演強要被害は消費者被害としてとりあつかってください」
と言ったんですけれども、1回門前払いされたんですけれども、ようやく一部、消費者被害だ、ということがみとめられ、すこし対策が進みつつあるのではないか、と思います。

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香西咲さんがだまされたとき、消費者契約法は、用を成さない(役に立たない)法律でした。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
<2016年7月25日>

富士山の樹海近くのスタジオに連れていかれてどうやって逃げろと?
周り何も無いですし。
怖い人20人近くいて声も出ないですよ。
男性にはこの怖さは分かりません。

その後、香西咲さんは、「承諾の意思表示」を取り消しました。

(2016年08月27日 弁護士ドットコム「<AV出演強要>香西咲さん『今でもフラッシュバックに悩まされる』洗脳の過去を語る」より引用。)

<一部分を引用>
香西咲さん

(略)、「流通する前に止めてほしい」とAにいいましたが、「ふざけるな。お前にいくらかかっていると思っているんだ」と怒鳴り散らされました。

(下図は、AbemaTIMESより、引用。)

(2016年7月29日 毎日新聞「AV出演強要 香西咲さん『私はこうして洗脳された』」より引用。)

<一部分を引用>
香西咲さん

(AVデビュー作の)発売直前に「やっぱり嫌です」と言うと、「ふざけるな。ここまでお前にどれだけ(金が)かかっているんだ」と言う。

(再掲。消費者契約法)
消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる

このときの消費者庁には、
「天網恢恢(かいかい)疎(そ)にして漏らさず」(天の網は広大で目があらいようだが、悪人は漏らさずこれを捕える)
という姿勢がありませんでした。
現在はちがいます。

(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議議事録」より、引用。)

川口康裕 消費者庁 次長

また、アダルトビデオの出演契約は消費者契約に該当する場合があります。
その場合には、法に基づきまして、密室での長時間の勧誘で締結した契約は取り消すことができ、また、法外な違約金を定める契約条項等は無効となります。
今後はこのことにつき業界関係者あるいは消費生活相談員等に周知することにいたしました。

(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。)

業界関係者に対する法令等の周知
被害者が締結している契約が消費者契約に該当する場合は、消費者契約法(平成12 年法律第 61 号)において、例えば、退去を妨害して勧誘を続ける等第4条に該当する不当な勧誘が行われた場合は、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることや、不当に高い違約金を定める等第8条から第 10 条に該当する不当な契約条項については無効であること等について、業界関係者に対して、周知を行う。(消費者庁)〔平成 29 年度〕

(再掲)
伊藤和子 HRN事務局長
消費者庁は、わたしたち何度も行って、
「AV出演強要被害は消費者被害としてとりあつかってください」
と言ったんですけれども、1回門前払いされたんですけれども、ようやく一部、消費者被害だ、ということがみとめられ、すこし対策が進みつつあるのではないか、と思います。

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香西咲さんの真実のうったえによって、コペルニクス的転回がおこなわれました。
今後も、多くの女性が、組織的犯罪集団(業界)による悪辣(あくらつ)なワナからすくわれることでしょう。

(アラン著 神谷幹夫訳「幸福論」岩波文庫刊より、引用。)

<『アリストテレス』の章の160ページ>
幸福はいつもわれわれの手から逃げて行くといわれている。
人からもらう幸福については、それは正しい。
人からもらう幸福などは、まったく存在しないからだ。
しかし、自分でつくる幸福というのはけっしてだまさない。
それは学ぶことだから、そして人はいつも学んでいる。
知ることが多くなればなるほど、学ぶこともますます多くなるのだ。

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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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