昨日、内閣改造がおこなわれました。
(参考)
●首相官邸 「第3次安倍第3次改造内閣 閣僚等名簿」
報道をみていますと、毀誉褒貶相半ば(きよほうへんあいなかば)する(ほめたり、けなしたりが半々)、といったところでしょうか。
一昨日の夜のことです。
各メディアがそれぞれ、内定情報を流しました。
特段、新味なものは感じませんでした。
「外務大臣に河野太郎衆議院議員-」
不意を衝(つ)かれました。
河野議員は、前の国家公安委員長です。
昨年の8月3日の内閣改造のときに、松本純衆議院議員と交代しました。
河野国家公安委員長の在職期間は、2015年10月7日から2016年8月3日までの10か月です。
短いです。
時折、河野議員が引き続き国家公安委員長であればよかったのに、思うことがありました。
出演強要問題に対する国会答弁が誠実であったからです。
(参考)
●動画 衆議院インターネット審議中継
~2016年3月11日 内閣委員会(※出演強要に関するやりとりは3:00:22のあたりから。)
顧(かえり)みてみます。
質問者は、日本共産党の池内さおり衆議院議員です。
2016年3月11日 内閣委員会
(「会議録」より、引用。)
●池内さおり 衆議院議員
河野大臣と加藤大臣にお伺いしたいんですけれども、私は、現に被害を受けている女性たちが、本来違法であったはずの、この無効となるべき契約破棄に立ち上がることができるようにしていくためにも、新たな被害を生まないというためにも、この判決の趣旨を広くポスターなどで国民に広報すべきだというふうに思うんですけれども、いかがですか。
●加藤勝信 男女共同参画担当大臣
御指摘の判決あるいは類似の事案があることを多くの方が知るということで、同様の契約がある、あるいは、その契約を結果的に結んでしまった、それによって大変苦しんでおられる女性を減らしていくということは、大変大事なことだというふうに思います。
女性に対する暴力をなくす運動の取り組み、あるいは内閣府が行う研修事業等においても、この事案は、そういう契約というのは全く無効なんだ、縛られるものではないんだということでありますから、そういったことをしっかり周知するというようなことも検討していきたいと思っております。
●河野太郎 国家公安委員長
本人の意に反するアダルトビデオへの出演の強制は、これはあってはならない、女性の尊厳を踏みにじるようなものだと思いますし、そうした行為の中で違法行為があれば、法と証拠に基づいて、警察は厳正に取り締まってまいりたいと思っております。 残念ながら、警察にはそうした相談件数がいまだ多くないものですから、警察に御相談をいただきたいと思いますし、女性警察官を配置したり、あるいは人目につかないような車や部屋を用意したり、相談しやすい状況をつくってまいりたいと思いますので、警察としても厳正に対処してまいりたいと思います。 |
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●池内さおり 衆議院議員
これまで、被害者が弁護士に相談に行っても、多くの弁護士は、外形的な契約行為が整っているからということを理由に引き受けないことが多かった。
この裁判の当事者の女性は、もちろん逃げたわけですけれども、芸能プロダクションが自宅まで追いかけてきて、実力で身柄を拘束しよう、奪還しようとしたそうなんですね。
この案件で警察に相談に行ったら、何と警察からは、双方から話を聞いた後で、契約書があるんだったら仕方がない、あなたは契約しちゃったんでしょう、だったらこの芸能プロの要求に応じてあと二本出たらどうかというふうに言ったそうなんですね。
とんでもないと言わなければならない。
被害者を守るべき立場の人でさえ、今こうした認識なわけです。
女性に対する暴力、性行為の強要は犯罪である、人権侵害であるという認識にやはり立つべきだというふうに思いますが、加藤大臣、河野大臣、それぞれいかがですか。
●加藤勝信 男女共同参画担当大臣
さっきのは、そうした契約は無効であるということなんですが、その以前として、本人の意に反した、そうしたビデオに出演をさせ、またそうした行為を強いるということは、これは全く人権侵害じゃないかなというふうに私は思って聞かせていただきました。
まさにそういった観点から対応していかなきゃいけないと思います。
●河野太郎 国家公安委員長
まことに申しわけございません。 きちっと警察がこうした案件に対応できるように、全国の都道府県に対してしっかりと通知、指導してまいりたいと思います。 |
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(再掲。河野太郎 国家公安委員長)
「全国の都道府県に対してしっかりと通知、指導してまいりたい」
2016年3月11日の答弁です。
「指導」
約3か月後、警察は、プロダクションの社長ら3人を逮捕しました。
●2016年6月11日 逮捕
(参考。産経新聞)
「通達」
逮捕の6日後、警察庁は、全国の警察に通達を発しました。
●2016年6月17日 通達
(参考。「アダルトビデオへの強制的な出演等に係る相談等への適切な対応等について(通達)」)
(「会議録」より、引用。)
●池内さおり 衆議院議員
JKビジネスでも、誰に声をかけられたかが運命の分かれ道だというふうに私は言いましたけれども、勧誘に関する法規制も極めて大切だというふうに思っています。
内閣府、警察を初め、政府一丸となって取り組む課題だと思いますが、河野大臣、加藤大臣、いかがですか。
●河野太郎 国家公安委員長
勧誘が法に違反をしているならば、厳正に取り締まるというのは当たり前のことでございますが、今お話しいただきましたように、この問題の一番の取っかかりがそこにあるんだとすれば、もう少し何ができるか、加藤大臣を初め政府内でしっかり検討してまいりたいと思います。 |
●加藤勝信 男女共同参画担当大臣
重複になりますけれども、警察あるいは人権擁護機関というのもございます。
そういった機関ともよく連携をとりながら、そうしたスカウトの対応に対して、もちろん法違反があればそれに対して断固たる対応をすべきでありますけれども、そうでない場合も含めて、どういう対応があるのか、適切な対処をどう推進していくのか、男女共同基本計画の中にも盛り込んではいますけれども、それを具体的に進めさせていただきたいと思います。
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河野太郎衆議院議員は、異質の政治家です。
自民党内において、反原発を主張しています。
行政改革にも熱心です。
前回、国家公安委員長の再任がついえました。
このとき、ぼくは、当分大臣になることはないだろう、と考えました。
臆見(おっけん)であったようです。
(2017年8月3日 朝日新聞「外相に河野氏 野田氏は総務相 内閣改造と党役員固まる」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
河野氏は自民党麻生派に所属し、菅義偉官房長官が将来のリーダー候補として評価している。
首相ら政権中枢は河野氏を安倍外交の牽引(けんいん)役に登用し、目玉人事とする狙いだ。
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思惑どおり、内閣支持率は上昇しました。
河野太郎外務大臣と野田聖子総務大臣に期待する声がおおきいようです。
(参考。産経新聞)
(遠山清彦衆議院議員のツイートより、引用。)
●遠山清彦 衆議院議員(公明党)
<2017年8月4日>
昨日発足した内閣は、「第3次安倍第3次改造内閣」が正式名称。なんだか覚えにくいが、閣僚メンバーは、安定感のある実力派ばかりで、期待大。特に河野太郎外務大臣は、最高だ。色々な変革があるはず。https://t.co/8t7RADKyQL
— 遠山清彦 (@kiyohiko_toyama) August 4, 2017
昨日発足した内閣は、「第3次安倍第3次改造内閣」が正式名称。
なんだか覚えにくいが、閣僚メンバーは、安定感のある実力派ばかりで、期待大。
特に河野太郎外務大臣は、最高だ。
色々な変革があるはず。
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出演強要に関して言うのならば、今後、河野外務大臣が、この問題にかかわることはありません。
主担当であった加藤勝信大臣は、どうでしょうか。
今回の改造で、男女共同参画担当大臣から厚生労働大臣へ「横滑り」しました。
以降は、厚労相として、かかずらう(かかわりあう)ことになります。
あたらしい男女共同参画担当大臣は、松山政司参議院議員です。
(参考)
●首相官邸 「第3次安倍第3次改造内閣 閣僚等名簿」
松山大臣がどのようなかたなのかは、存じあげません。
出演強要問題につきましては、すでに道筋ができています。
どなたがなろうとも、杞憂にはおよばないでしょう。
上席には、菅義偉(すがよしひで)内閣官房長官が鎮座しています。
菅長官が出演強要問題を取り仕切っている以上、作業が滞ることはありません。
国家公安委員長には、小此木八郎衆議院議員が任命されました。
菅長官が入閣を後押しをしたと言われています。
(2017年8月4日 週刊ダイヤモンド「『古賀・菅連合内閣』が安倍改造内閣の本質だ、後藤謙次氏が解説」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
そして、閣僚の顔触れで目立つのが菅に近い議員たちの存在だ。
その象徴が国家公安委員長兼防災担当相の小此木八郎(52)と地方創生担当相の梶山弘志(61)。
2人とも菅が師と仰いだ元通産相の小此木彦三郎、元幹事長の梶山静六の息子で後継者だ。
外相の河野太郎も麻生派に属するが、むしろ神奈川県内の政治を差配する菅の影響を強く受ける側近議員と見ていい。
石破派からただ1人、農水相で入閣を果たした斎藤健は、元経済産業省の官僚出身ながら自民党農林部会長を務め、菅と共に農業改革の先頭に立ってきた“隠れ菅派”とも言われる。
今回の人事で総務相に就任した野田聖子(56)も、菅と深い因縁がある。
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菅長官の指導のもとで、出演強要問題のとりくみは、さらに進んでいくことでしょう。
はなしを河野太郎外務大臣にもどします。
河野家は歴代、政治家を輩出してきました。
祖父の代から記します。
●河野一郎(副総理大臣)
↓
●河野洋平(副総理大臣。衆議院議長)
↓
●河野太郎(外務大臣)
河野太郎外務大臣の父親は、河野洋平です。
自民党の総裁(党首)も歴任しています。
谷垣禎一衆議院議員同様、総理大臣になれなかった総裁(党首)、と言われています。
1976年のことです。
田中角栄前首相(当時)が、ロッキード事件で逮捕されました。
これより以前から、自民党の金権体質が問題となっていました。
当時、河野洋平は、自民党の若手代議士(衆議院議員)です。
河野洋平は、内部から、自分が所属している党を批判しました。
はげしい口調で。
河野洋平は寵児(ちょうじ。「時流に乗ってもてはやされる人」)となります。
田中角栄が逮捕されたのを機に、仲間とともに離党しました。
あらたにつくった政党が、新自由クラブです。
河野洋平はなぜ、自民党を出たのでしょうか。
ぼくにはその辺の事情がよく理解できませんでした。
別の文献をあたりました。
いくつかの書物を読んで、合点がいきました。
河野洋平は、葛藤していたのです。
日々、有権者から同じことを言われたそうです。
あなたのような清廉(せいれん)なひとがいるかぎり自民党はだいじょうぶだ、と。
あなたのいる自民党をこれからも応援します、と。
国民も同様のうけとめかたでした。
自分のおこなっている行為は結果として自民党を利している。
呻吟(しんぎん)した河野洋平は、党を離れたのです。
(2016年7月29日 毎日新聞「AV出演強要 香西咲さん『私はこうして洗脳された』」より、引用。改行を施しています。)
●毎日新聞記者 なぜそこまで覚悟を決められた? ●香西咲さん |
香西咲さんの発言は、業界にとって疎ましいものなのかもしれません。
もしもそう思っているのでしたら、愚か、です。
香西咲さんや辻丸さんの言辞は、結果として、業界に利益をあたえています。
内部からだれも批判するひとがいなくなったときが、業界の最後かもしれません。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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