本日は7月6日です。
当然のことながら、もう春ではありません。
以前にもブログでふれました。
(参考。当ブログ)
2017年5月31日
IPPA(メーカー団体)は、かねがね(前々から)、今年の春ごろまでに改革をおこなうと公言していました。
(2016年12月17日 毎日新聞「くらしナビ・ライフスタイル.AV出演強要は人権侵害」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
現在は
▽出演者とプロダクションで交わす契約書の統一
▽第三者委員会の設置
▽相談窓口開設
▽作品の流通期間制限
などを協議し、
「来春ごろからの運用を目指している」(事務局)
という。
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周知のとおり、現在のところ、何ひとつ具現化していません。
IPPAが口にしていたことは、すべてが空言(口に言うばかりで実行できない言葉)でした。
「第三者委員会の設置」についても、然(しか)り(そのとおり)です。
業界は4月に、「AV業界改革推進有識者委員会」という、鵺(ぬえ)のうような(正体不明の)団体をつくりました。
もちろん、これは、「第三者委員会」と異なります。
単なる利益団体です。
純粋な「第三者」によって構成される機関ではありませんので。
ノンフィクションライターの石原行雄さんは、「AbemaPrime」のなかでつぎのようにのべています。
(2017年7月4日 Abema TIMES「国も異例の本腰!“AV出演強要被害”永遠のカリスマ男優・加藤鷹「AV業界の人間は追い込まれている」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
最後に石原氏は
「複合的な問題が重なってついにここまできた。性的なものは、グレーなものを残しながら、なんとなく取り締まる・取り締まらないということが多いと思う。あいまいな部分を失くして、きちんと線引きしないといけない。プロの方も、業界団体をつくるときに第三者を入れてきちんと透明性のある団体にすることが必要だ」
と述べた。
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(再掲。石原行雄さん)
「あいまいな部分を失くして、きちんと線引きしないといけない」
「AV業界改革推進有識者委員会」は、「あいまいな部分」をまもりたいわけです。
いわゆる守旧派です。
論外です。
(再掲。石原行雄さん)
「プロの方も、業界団体をつくるときに第三者を入れてきちんと透明性のある団体にすることが必要だ」
業界は、第三者委員会をつくる意志がないようです。
つぎに、既出の毎日新聞に書かれている別の項目をみてみます。
(2016年12月17日 毎日新聞「くらしナビ・ライフスタイル.AV出演強要は人権侵害」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
現在は
▽出演者とプロダクションで交わす契約書の統一
▽第三者委員会の設置
▽相談窓口開設
▽作品の流通期間制限
などを協議し、
「来春ごろからの運用を目指している」(事務局)
という。
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「作品の流通期間制限」
こちらも、与太話(でたらめな話)でした。
昨年、弁護士ドットコムが、二次利用、三次利用に関する被害者の事例を報じました。
(2016年7月30日 弁護士ドットコム「AV出演トラブルの法律相談『勝手に契約更新された』『断ったら損害賠償300万円』」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
2016年6月に(弁護士ドットコムへ)相談を寄せた女性は、10年近く前にスカウトされて業界入りした。
たまたまお金が必要な時期で、言葉巧みに契約書を書かされてしまったという。辞めたいと伝えても、所属プロダクションは「もう契約決まっちゃってるから無理」と応じてくれない。
出演本数はどんどん増えるし、女性には著作権がないため、映像が二次利用、三次利用され、作品が「結構な数」になってしまった。
女性が「身バレ」の不安を相談しても、プロダクションは「年に何百本も出るんだからまず顔バレしないよ」と再三説得してきたという。
(中略。)
女性は「身バレ」に怯える生活をおくり、PTSDやフラッシュバックがあることもと告白している。
(後略。)
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川奈まり子AVAN代表も、二次利用、三次利用の件について、義憤を感じていらっしゃるようです。
(川奈まり子AVAN代表のツイートより、引用。)
●川奈まり子 AVAN代表
<2017年6月28日>
マジで転売と3次使用はAV業界やめないとダメ。肖像権どころか生活権侵害で訴訟団出来るわそのうち。賤業差別が激しいこの世の中で、引退して何年経ってもまだビデオ売られたら首くくるしかなくなる元女優も多いはず。自己責任論で片づけられないのよ。買う人に罪はないけど、被害者は確実にいます。
— 川奈まり子☆7/29AVANイベント開催 (@MarikoKawana) June 28, 2017
マジで転売と3次使用はAV業界やめないとダメ。
肖像権どころか生活権侵害で訴訟団出来るわそのうち。
賤業差別が激しいこの世の中で、引退して何年経ってもまだビデオ売られたら首くくるしかなくなる元女優も多いはず。
自己責任論で片づけられないのよ。
買う人に罪はないけど、被害者は確実にいます。
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●川奈まり子 AVAN代表
<2017年6月28日>
ええ。業界の人たちに向かって最近よく「私も被害者ですよ」って言ってるんですよ。少しずつでも変わっていくといいんですけど。
— 川奈まり子☆7/29AVANイベント開催 (@MarikoKawana) June 28, 2017
ええ。
業界の人たちに向かって最近よく「私も被害者ですよ」って言ってるんですよ。
少しずつでも変わっていくといいんですけど。
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いずれも、8日前になされた発言です。
(再掲)
「賤業差別が激しいこの世の中で、引退して何年経ってもまだビデオ売られたら首くくるしかなくなる元女優も多いはず」
IPPAはどう思っているのでしょうか。
(2017年3月2日 IPPA「20170302HRN院内シンポジウム欠席についてのご連絡」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●IPPA(メーカー団体)
立ち返っての話となりますが、貴法人では、「全ての出演女優は性的搾取の対象であり被害者である」という問題意識に立脚しておられるのではないかと思われます(誤解なきように申しますが、その立脚点の当否を述べているのではございませんし、社会的にそのような考えが相当程度形成されていることも理解しています。 ) 。
しかしながら、当業界においては、偏見に基づくものも含め多数の社会的非難もある中、女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られているものと真に考えており、当協会及び各メーカーは、それら社会的非難等から彼ら・彼女らを守っていくべき責務があるものと考えております。
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(再掲)
「女優(略)の自己実現の一つの態様として映像作品が作られている」
二次利用、三次利用は、女優の「自己実現の一つの態様」、と考えているのかもしれません。
メーカーやDMMが搾取をやめない以上、政府に問題の解決をゆだねるしかないようです。
3月21日のことです。
出演強要に関する第1回関係府省対策会議が開催されました。
2017年3月21日 第1回関係府省対策会議
この席で、課題の一覧を整理した資料が配布されました。
(資料)
●3.いわゆるアダルトビデオ出演強要問題、「JKビジネス」問題等に関する今後の課題について(案)
当該資料の4ページに、【その他】という項目があります。
【その他】 |
○関係府省推進体制の整備(内閣府) |
○過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討(法務省) |
○被害者が出演したアダルトビデオの販売・配信の差し止め、回収、動画の削除等、被害拡大防止策の検討(総務省、法務省) |
○アダルトビデオの出演者がプロダクション等の実質的な労働者に当たる場合、出演者の派遣等が労働者派遣法及び職業安定法上の「公衆道徳上有害な業務」として違法であることを通達に明示し、業者への周知(厚生労働省) |
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(再掲)
●「過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討」
●「被害者が出演したアダルトビデオの販売・配信の差し止め、回収、動画の削除等、被害拡大防止策の検討」
5月19日に、第3回関係府省対策会議が催されました。
上述の検討課題に対して、政府は、どのような結論をだしたのでしょうか。
2017年5月19日 第3回関係府省対策会議
(5月19日)
6 その他 |
(1) 被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討 アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。(内閣府、関係府省)〔平成 29 年4月~〕 |
(2) 消費者団体訴訟制度を活用した対応策の検討 被害者が締結している契約が消費者契約に該当し、事業者により不当な勧誘等がなされている場合には、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体がアダルトビデオ出演強要問題における不当な勧誘等に対して実効的に差止請求ができるよう、環境整備を図る。(消費者庁)〔平成 29 年4月~〕 |
(3) 情報提供等を通じた地方公共団体に対する支援の強化 地方公共団体に対し、被害の具体的な実態、関係法令に基づく取締り、関連する条例の制定、教育・啓発、相談窓口の整備や関係機関の職員への研修等に関する国の取組や地方公共団体等の先行事例等について情報提供を行うなどにより、各地方公共団体における取組の推進を働きかける。(関係府省)〔平成 29 年5月~〕 |
(4) フォローアップの実施 対策会議で、本対策の進捗状況について、フォローアップを行う。(関係府省)〔平成 29 年5月~〕 |
——————————————————–
整理します。
(課題。3月21日)
○過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討(法務省) |
○被害者が出演したアダルトビデオの販売・配信の差し止め、回収、動画の削除等、被害拡大防止策の検討(総務省、法務省) |
↓
(決定。5月19日)
(1) 被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討 アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。(内閣府、関係府省)〔平成 29 年4月~〕 |
政府は、「過激な内容のポルノ」にとどまらず、「性的な暴力の被害につながる行為」を法律で規制することを検討しています。
「性的な暴力の被害につながる行為」とは、撮影時における違法行為のことです。
あたらしい法律が制定されたのちは、従前の手法で撮影をすることはゆるされません。
問題は、遡及(そきゅう)の有無です。
(参考。憲法)
●第39条
何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。(後略。)
(参考。刑法)
●第6条
犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。
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(再掲。憲法第39条)
「実行の時に適法であつた行為」
現在の撮影は、適法なのでしょうか。
(2017年2月6日 産経新聞「【東京五輪あと1264日】AV出演強要、根絶を」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
制作現場では違法行為が横行しているとも聞く。
意に反して出演させられる女性が少しでも減ることを願う。
(※この記事は、ネット配信されていません。)
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適法ではないようです。
新法が執行されたのち、警察は、過去に遡(さかのぼ)ってメーカーを処罰をするのでしょうか。
わかりません。
すくなくても、商品(DVD、動画)については、違法、と判断する可能性があります。
所持も同様です。
児童ポルノと同じあつかいです。
(再掲)
「被害者が出演したアダルトビデオの販売・配信の差し止め、回収、動画の削除等、被害拡大防止策の検討(総務省、法務省)」
この課題に対する答が、
「性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する」
です。
性的な暴力の被害につながる行為を規制して、過去の商品も違法、ということになれば、諸問題が解決するのですが。
もちろん、二次利用、三次利用についてもです。
はたして政府は、どの程度まで遡及をおこなうのでしょうか。
●だありんとさまん
<2017年7月6日>
本番AVは有害業務として過去作品を含め発売禁止、回収命令になるやもしれない。管理売春か否かの議論は既に終わっているのでは?と僕は思います。本番が無くなり困るのは。女優さんより寧ろ他の人達でしょう。エンタテインメントを作れない人達。 https://t.co/QiF1DIeQMl
— だありんとさまんさ (@ebisu20150424) July 6, 2017
本番AVは有害業務として過去作品を含め発売禁止、回収命令になるやもしれない。
管理売春か否かの議論は既に終わっているのでは?と僕は思います。
本番が無くなり困るのは。女優さんより寧ろ他の人達でしょう。
エンタテインメントを作れない人達。
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(香西咲さんのツイートより、引用。)
●香西咲さん
<2016年12月27日>
もう一度言います。 元アットハニーズA氏に洗脳されて無ければ私はAVに出ていません。 8ヶ月間洗脳され占い師まで登場し、イメージビデオとあやふやなまま富士山の麓のスタジオに連れていかれました。 勿論後悔しています。 最近ファンの方々に恵まれた事が唯一の救いです。 |
(2016年7月7日「週刊文春」2016年7月14日号より、引用。)
●香西咲さん
人気AV女優の香西咲氏(30)は今回のインタビューで、呼び起こしたくない過去に向き合い、何度も悔し涙を流した。 |
(2017年7月4日 毎日新聞「安倍首相 毎日新聞単独インタビュー 一問一答全文(1)」より引用。)
●安倍晋三 内閣総理大臣)
結果を出すことによって責任を果たしていきたいと思っています。 |
遡及処罰を期待しております。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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