出演強要に関する内閣府のサイトに、違約金訴訟の判決要旨がアップされました。香西咲さんの告発をうけて政府は、被害を事前にくいとめようとしています

いまから約、3年前のことです。
伊藤和子HRN事務局長が、Yahoo!ニュースで、息を呑む事実をあきらかにしました。

2014年8月16日

(2014年8月16日 Yahoo!ニュース「AV出演を強要される被害が続出~ 女子大生が続々食い物になっています。安易に勧誘にのらず早めに相談を」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
伊藤和子HRN事務局長
先日私のところに来た相談について、御本人の承諾を得ましたので、概略をご紹介しましょう(事案を単純化しています)。
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Kさんが20歳になると、X社はいよいよ、AVの撮影を強要してきました。
Kさんが「嫌だ」というと今度は「ここでやめれば違約金は100万円」と脅され、泣く泣く1本だけAV出演させられました(AVの撮影・製造は他社であり、X社から派遣されました)。
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いよいよKさんは、「もうこれで終わりにしてほしい」と勇気を出して申し出ましたが、X社は、もう「違約金は1000万円にのぼる」と脅して拒絶(撮影前から撮影後、わずかの間に、100万円の違約金が1000万円にはねあがったわけです)。
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Kさんはこうした強要に負けないことを決意。
書面で「契約を解除します」と連絡をしました。
すると、今度はX社は弁護士をたてて、違約金なんと2400万円以上を請求してきました。
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こんな請求を20歳そこそこの女子学生が受け、唯一回避する方策はAV出演だと言われたら、、、まさに債務奴隷ではないでしょうか。
しかも、プロダクション側には「人権派弁護士」を標榜する弁護士がついて法外な請求をしているので、唖然としました。

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3年前の記事です。
翌年、Yahoo!ニュースに、続報が掲載されました。

2015年6月30日

(2015年6月30日 Yahoo!ニュース「被害続く・AV出演を断った20歳の女性に芸能プロダクションが2460万円の違約金支払いを求め提訴。」より、引用。)

<一部分を引用>
伊藤和子HRN事務局長
この案件は実話ですが、その後どうなったと思いますか? 
プロダクション側は、「人権派弁護士」を標榜する弁護士をたてて、女性に対して、2460万円の違約金支払いを求める訴訟を実際に提起したのです!
現在も訴訟は、関東のどこかの裁判所にかかっています(女性のプライバシーを守るために、記録には閲覧禁止制限をしています。
(略。)
私もまさか、AV出演を断っただけの20歳の女性に対して、プロダクションや弁護士がこれほどの莫大な違約金を公然と請求してくるとは思いもよらず、愕然としました。
しかし、やむを得ませんので、彼女の代理人をしていますが、できるだけ早期に、この裁判を決着し、「こんな請求は認められない」ということを裁判上もハッキリさせたいと思っています。
判決が出た際には、またアップデートさせていただきますので、ご注目ください。

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(再掲)
判決が出た際には、またアップデートさせていただきますので、ご注目ください

まもなくして、判決がでました。

2015年9月9日

(2015年9月30日 読売新聞「『AV出演拒否』 違約金請求棄却 東京地裁」より、引用。改行を施しています。)

アダルトビデオ(AV)への出演を拒否した20歳代女性が、所属する芸能事務所に違約金2460万円を請求された訴訟で、東京地裁(原克也裁判長)が請求を棄却する判決を今月(9月)9日付で言い渡し、確定した。
(中略。)
弁護団によると、女性は高校生の時にスカウトされて芸能事務所と契約。
説明のないまま意思に反して露出度の高い服装でグラビア撮影され、成人後、AVにも1回出演させられた。
その後は出演を拒否すると、「親にばらすぞ」などと言われたという。
(後略。)

(※この記事はネット配信されていません。)
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女性が勝訴しました。
週刊朝日がくわしく報じています。

(2016年1月21日 週刊朝日「“AV出演”被害が急増 高校生から狙う悪質プロダクションの恐怖」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
自分だけではどうしても抜け出せない泥沼にはまり込み、「死にたい」とまで思い詰めるようになった。
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この訴訟の判決が2015年9月、東京地裁で確定した。
原克也裁判長は
「AVの出演は、出演者の意に反して、これを従事させることが許されない性質のもの」
と指摘し、出演者が嫌だと明確に表明すれば、すぐに契約は解除できるとの判断を示した。

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安堵させられます。
判決の20日後、伊藤和子HRN事務局長が、記者会見をおこないました。

2015年9月29日

(2015年9月29日 ログミー「AV違約金強要事件記者会見」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
伊藤和子HRN事務局長
事実経過のところに書きましたとおり、2014年の10月に提訴、そして11月に第1回期日がございました。
この事件、裁判所の心象は最初から「非常にひどい」ということだったのか、証人尋問は実施せず、(原告)主張のみを行いまして、2015年7月に結審、そして判決が2015年9月9日に出されたということになります。

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判決までの流れを確認します。

2014年8月16日
 伊藤和子HRN事務局長が、違約金を請求された女性の事案を報じる。 
  
2014年10月
 標準的な某プロダクションが、女性を提訴する。
  
2015年6月30日
 伊藤和子HRN事務局長が、当該裁判について報じる。
  
2015年7月
 結審する。
  
2015年9月9日
 判決。
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伊藤和子HRN事務局長のことばをつづけます。

(2015年9月29日 ログミー「AV違約金強要事件記者会見」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
伊藤和子HRN事務局長
被告代理人は私たち2人のほか、角田由紀子弁護士ほか23名が代理人としてついております。
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判決文をみますと、被告代理人として、6名のかたの名前が記されています。

ミモザの森法律事務所が公開している「判決文」より、引用。)

女性側の代理人(弁護士)
・角田 由紀子
伊藤 和子
・中西 俊枝
・雪田 樹理
・有村 とく子
・山崎 新

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被害者の女性には、あと17名の代理人がいらっしゃったようです。
いっぽう、プロダクション側の訴訟代理人は、2人です。

プロダクション側代理人(弁護士)
宮本 智
・田中 絵美

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当該訴訟で、裁判所は、どのような判断をくだしたのでしょうか。

(2015年9月29日 ログミー「AV違約金強要事件記者会見」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
伊藤和子HRN事務局長
裁判所の判断部分なんですが、第1次契約、第2次契約はいずれも被告が原告に対してマネジメントを依頼するという被告中心の契約ではなく、原告は所属タレントないし所属女優として被告を抱え、原告の指示のもとに原告が定めたアダルトビデオに出演させることを内容とする「雇用類似の契約」という認定になっています。
そうすると、2年の定め、第1次雇用契約、2次の契約の解除をすることができる。
主にやむを得ない事由がある場合は、契約を直ちに解除することができるとなっています。

(参考。民法)
第628条

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。

伊藤和子HRN事務局長
そして次に、直ちに解除するについては、ここが非常に重要ですけれども、アダルトビデオへの出演は、原告が指定する男性と性行為をすることを内容とするものであるから、出演者である被告の意に反してこれに従事させることが許されない性質のものといえる。
それなのに、原告は被告の意に反しているにもかかわらず、被告のアダルトビデオへの出演を決定し、1,000万円という莫大な違約金がかかることを告げて、アダルトビデオの撮影に従事させようとした。
したがって、このような契約を解除するやむを得ない事由があったということで、即時解除を認めております。
そして、解除が即座に認められるということで、一切の債務不履行はないという構成になっているというのが今回の判決であります。

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判決に関して、池内さおり衆議院議員が、国会で要望をおこなっています。

(参考)
動画 衆議院インターネット審議中継
 ~2016年3月11日 内閣委員会

2016年3月11日

(2016年3月11日 衆議院会議録「第190回国会 内閣委員会 第5号」より、引用。)

<一部分を引用>
池内さおり 衆議院議員(日本共産党)
これは本当に私は画期的な裁判だったと思います。
契約書があるからAVへの出演は拒否ができない、多額の違約金を払うことができないのでやむなく出続けなければならないというふうに沈黙をずっと強いられてきた、声を上げることさえもできなかった女性たちにとって、本当に大きな力となる判決だと思います。

河野大臣と加藤大臣にお伺いしたいんですけれども、私は、現に被害を受けている女性たちが、本来違法であったはずの、この無効となるべき契約破棄に立ち上がることができるようにしていくためにも、新たな被害を生まないというためにも、この判決の趣旨を広くポスターなどで国民に広報すべきだというふうに思うんですけれども、いかがですか。
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加藤勝信 男女共同参画担当大臣
女性に対する暴力をなくす運動の取り組み、あるいは内閣府が行う研修事業等においても、この事案は、そういう契約というのは全く無効なんだ、縛られるものではないんだということでありますから、そういったことをしっかり周知するというようなことも検討していきたいと思っております。
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(再掲。池内さおり 衆議院議員)
この判決の趣旨を広くポスターなどで国民に広報すべきだというふうに思うんですけれども

先週末、内閣府の出演強要に関する啓発サイトを検(あらた)めました。
「02 被害にあわないために」のページを確認したところ、あたらしい項目が追加されていました。
ぼくは目を瞠(みは)りました。

AVプロダクションから2460万円の違約金を請求された女性の判決文

(内閣府「02 被害にあわないために」より、引用。改行を施しています。)

裁判例
アダルトビデオ出演に関する民事事件には、プロダクション(原告)がアダルトビデオへの出演を断った女性(被告)に対し違約金を請求した訴訟について、平成27年9月、東京地方裁判所は原告(プロダクション)の請求を棄却した裁判例があります。
判決では、

・被告(女性)と原告(プロダクション)が締結した契約は、実情に照らすと、被告が原告に対してマネジメントを依頼するというような被告中心の契約ではなく、原告が所属タレントないし所属女優として被告を抱え、原告の指示のもとに原告が決めたアダルトビデオ等に出演させることを内容とする「雇用類似契約」であったと評価できる
・被告の契約解除は、期間の定めのある雇用類似の契約の解除とみることができるから、契約上の規定にかかわらず民法第628条の「やむを得ない事由」があるときは、直ちに契約の解除をすることができるものと解するのが相当である
・アダルトビデオへの出演は、原告が指定する男性と性行為等をすることを内容とするものであるから、出演者である被告の意に反してこれに従事させることが許されない性質のものといえるが、原告は、被告の意に反するにもかかわらず、被告のアダルトビデオへの出演を決定し、契約に基づき莫大な違約金がかかることを告げて、アダルトビデオの撮影に従事させようとしたことから、被告には、原告との間の契約を解除する「やむを得ない事由」があったといえる
・被告の民法第628条に基づく解除により、出演義務は消滅したと認められ、被告が出演しなかったことは債務不履行に当たらず損害賠償義務を負わない

などの理由で、原告(プロダクション)の請求を棄却しました。
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このたび、内閣府のサイトに、違約金訴訟の判決要旨がアップされました。
池内議員の思いがつうじたのかもしれません。
アダルトビデオの出演契約はいつでも取り消すことができる。
内閣府は、こうつたえています。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
<2016年7月13日>

契約書を縦に止めさせてもくれない、かと言って事務所に居続けたら、 V撮影と性接待(勿論金銭のやり取りなし)に都合良く使われて青木亮に飼い殺しになる…
本気で死にたかった。
あの頃の私はトラックに突っ込んで欲しかった。

当時はこのような状況でした。
業界は女性を奴隷のようにあつかっていました。

(2016年7月29日 毎日新聞「AV出演強要 香西咲さん『私はこうして洗脳された』」より、引用。改行を施しています。)

毎日新聞記者
なぜそこまで覚悟を決められた?

香西咲さん

この(被害の)連鎖はもう止まらない。
(A氏が)どんどん新しい子を入れているのも分かっていたので、世の中のためにもなると思いました。

(再掲)
世の中のためにもなると思いました

香西咲さんの告発によって、市井(しせい)の人々(庶民)は、組織的犯罪集団がおこなっている邪(よこしま)な行為を知りました。
現在、プロダクションとの契約は、いつでも取り消すことができます。
世人の関心が出演強要にむいていなければ、こうした事実も、埋もれたままです。
顕(あらわ)となりません。
依然としてスカウト、プロダクション、メーカーにだまされる女性がいることでしょう。
いまはちがいます。
世論の後押しもあって、国家が、事前に被害をくいとめようとしています。
ぬかるみに足をとられてうごけなくなったひとを救い出そうとしています。
香西咲さんがいなければ、ここまで政府が関与することはなかったでしょう。
香西咲さんは、気高く、至高、です。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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