全体主義におおわれている業界のなかで、香西咲さんは、声をあげました。人々が香西咲さんの勇気をわすれることはないでしょう。香西咲さんは至高です

本日、辻丸さんのツイートを拝見しました。
あいかわらず苛烈です。

(辻丸さんのツイートより、引用。)

辻丸さん
<2017年6月13日>


なぜ加害者は強要なんて非道な事が出来るのか?
被害者の精神的肉体的痛みを想像出来ないからだろう。
被害者だと認識する人権感覚が欠如しているからだろう。
ならば
「強要?」
に今だ固執する”適正”業界側と五十歩百歩ではないのか。
あるドラマの台詞”強くなるということは、鈍くなるということです”

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(再掲)
なぜ加害者は強要なんて非道な事が出来るのか?

根元的な問です。
辻丸さんの文章を読んだとき、ドイツのある近代哲学者のことが頭にうかびました。
そのかたの名前は、ハンナ=アーレント(1906年~1975年)です。
女性です。
「全体主義の起源」(1951年)という著作が有名です。
ハンナ=アーレントは、1961年に、アイヒマンの裁判を傍聴して、衝撃をうけます。
アイヒマンは、ユダヤ人の大量虐殺にかかわった人物です。
広辞苑にも名前が載っています。

(引用)
アイヒマン
第二次大戦中に行われたナチス‐ドイツのユダヤ人大量虐殺の責任者。
ナチス親衛隊中佐。
大戦後アルゼンチンに逃亡、イスラエルで裁判の後、処刑された。
(1906~1962)

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ハンナ=アーレントは当初、アイヒマンは悪魔のような人物である、と考えていました。
傍聴席で、身をかたくして、悪の化身の姿を凝視しました。
しばらくして、愕然となりました。
アイヒマンは、ごくふつうの凡庸(ぼんよう)な男であったのです。

(2017年6月11日 文春オンライン「人はなぜ集団になると判断を誤るのか ホロコーストの謎に挑んだ心理実験」より、引用。)

<一部分を引用>
1961年、イェール大学でミルグラムが行ったのが「服従実験」です。
この実験では「学習についての実験」という名目で被験者(20歳から50歳の男性)を集めます。
被験者は一人が「先生役」、一人が「生徒役」になり、生徒は学習室で椅子に固定され、間違えると手首につけられた電極から、電気ショックを与えられます。

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実は、この実験の生徒役はサクラで、シナリオに沿って叫び声を上げたり、300ボルト以上になると、壁を叩いて抗議するように指示されていました(最後には「生徒」は完全に無反応になる)。
本当の被験者は先生役でした。
実験者から
「実験を続けてください」
「続ける以外に選択肢はないのです」
などの指示を受け、電気ショックを与える「仕事」を拒否するかどうかが実験のポイントだったのです。

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この実験で衝撃的だったのは、非人道的というべき命令に、ごく普通のアメリカ人たちの多く(約3分の2)が服従をしてしまったことでした。
つまり「ドイツ特殊論」は否定され、服従はもっと普遍的な事態であることが示されたのです。
この実験は、別名「アイヒマン実験」とも呼ばれました。
実験と同じ年、絶滅収容所にユダヤ人を輸送する責任者だったアドルフ・アイヒマンの裁判が始まりますが、世界を震撼(しんかん)させたのは、アイヒマンが異常性格者というよりむしろ凡庸(ぼんよう)な小官吏(小役人)だったことでした。
つまりホロコースト(大量虐殺)を実行したのはいわば「普通の市民」だったことが、裁判でも明らかになっていったのです。

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アイヒマンに、罪の意識はありませんでした。
自分は国家の命令にしたがっただけである。
裁判で、そうくりかえしのべました。
端で聞いているハンナ=アーレントは憤慨しました。
この男は、ひとの命を何とも思っていない。
自分の挙動で、数百万人が虐殺されたことに対して、毛程も(少しも)責任を感じていない、と。
のちに、ハンナ=アーレントは、こう結論づけました。
全体主義による思考停止が巨悪をもたらしたのである、と。
全体主義は、20世紀になって登場した政治思想です。
個よりも、全体(国家)を優先すべき、との考えです。
国家は、社会のすべての領域を一元的に支配して、統制します。
自発性や自立性は存在しません。
総動員と、規律化が、徹底されます。
「全体主義の起源」のなかから、全体主義的支配の特質を的確に表現している箇所を参照します。

(ハンナ=アーレント著 大島通義、大島かおり訳「全体主義の起源2」みすず書房刊より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
戦前の専制政治からわれわれが知る旧式の官僚制支配と全体主義支配との間の際立った相違の一つは、前者(官僚制支配)がその政治領域内に属する臣民(市民)の外的運命を支配するだけで満足し、精神生活まで掌中に収めようとしなかったことである。
全体主義的官僚制は絶対的権力の本質を一層よく理解し、市民のあらゆる問題を私的なものであれ公的なものであれ、精神的なものであれ外的なものであれ、同じ一貫性と残虐さをもって統制する術を心得ていた。
その結果、古い官僚制支配のもとでは諸民族の政治的自発性と創造性が圧殺されたに止まったのに対し、全体主義支配は人間の活動のすべての領域における自発性と創造性を窒息させてしまった。
政治的創造性のあとに続いたのは全面的な不毛性だったのである。

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全体主義的支配のもとでは、精神生活のすべてが、支配、統制されます。
思想や良心の自由などは、否定されます。
結果、人々は、「思考停止」となります。
市民は、全体(国家)の目的遂行のための、手段、として利用されます。

(2017年5月27日 産経新聞【WIRED】「権威者の指示なら、『9割』の人々が電気ショックのボタンを押し続ける:現代版『ミルグラムの実験』で」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
わたしの罪は、従順だったことだ」(アドルフ・アイヒマン)
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アイヒマンも、全体主義の犠牲者であったのかもしれません。
思考停止の状態にあったようです。

(2017年5月27日 産経新聞【WIRED】「権威者の指示なら、『9割』の人々が電気ショックのボタンを押し続ける:現代版『ミルグラムの実験』で」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
あなたは強大な権威をもつ誰かに、ほかの人間を傷つけたり、殺害したりするような残虐な行為を命じられたとき、その命令に背くことができるだろうか。
苦痛を訴える絶叫や、悶絶の金切り声を聞きながら、権威者の
「迷うことはありません。この実験を続行してください」
の超然たる一言で、さらなる苦悶を促すボタンを押すことを選ぶだろうか。
多くの人々はこう訊かれると、
「自分は絶対にそんな命令には従わない」
と答えるという。
しかし、実に6~8割を超える人々が、権威をもつ人物に強く命令されれば、良心の呵責に苛まされながらも、残虐非道な行為を実行し続けてしまう--。
それが、1963年よりたびたび実施されてきたミルグラムの実験により明らかになったことである。

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(再掲)
あなたは強大な権威をもつ誰かに、ほかの人間を傷つけたり、殺害したりするような残虐な行為を命じられたとき、その命令に背くことができるだろうか

実験では、権威者の命令にしたがう、との結果がでました。

(再掲。辻丸さん)
なぜ加害者は強要なんて非道な事が出来るのか?

業界人の内に、個に対する尊厳、が欠落しているのは、たしかなようです。
まさしく、全体主義、です。
業界はどのようにしてこのような世界をつくりあげたのでしょうか。

(ハンナ=アーレント著 大久保和郎、大島かおり訳「全体主義の起源3」みすず書房刊より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
ファシスト運動であれ共産主義運動であれヨーロッパの全体主義運動の興隆に特徴的な点は、これらの運動が政治的には全く無関心だと思われていた大衆、他のすべての政党が馬鹿か無感覚で相手にならないと諦めてきた大衆からメンバーをかき集めたことである
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中村淳彦さん
<2017年2月8日>


誤解されがちだが、仮に大変厳しいAV規制がかかって、他の行き場所があるのはAV女優の女の子たちだけ
需要とAV関係者は行き場がなく、残る。
最後の最後まで粘るはず。

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中村淳彦さん
<2017年4月18日>


女性以外セーフティネット的な状況なので、人を切りきらない。
やりすぎると20年前と同じく、またインディーズ、と同じことの繰り返しかも。
(後略。)

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(再掲。ハンナ=アーレント)
馬鹿か無感覚で相手にならないと諦めてきた大衆からメンバーをかき集めた

女優以外は、憐憫(れんびん)な(あわれな)ひとたちがあつまっているようです。
なぜ業界にやってきたのでしょうか。
推論します。
いかなる社会集団にも属することができないひとたちは、孤立化して無力感にとらわれます。
あるとき、所属感をあたえてくれる場所があることを知ります。
その後は、いともたやすく、虚構の世界に吸収されます。
こうした人々によって、全体主義がつくられていきます。
個よりも、全体を優先すべき、との考えです

(2017年5月27日 産経新聞【WIRED】「権威者の指示なら、『9割』の人々が電気ショックのボタンを押し続ける:現代版『ミルグラムの実験』で」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
(アイヒマン)は無責任にも、下された命令が誰の生命を奪うかなど考えもせず、無抵抗に命令に従い、忠実に遂行することだけに腐心した。極めて凡庸な男だったのだ。
衝撃的な結果をもたらしたミルグラムの服従実験から、50年。
(略。)
9割の人が服従を示した以上、われわれの誰もがアイヒマンになる可能性を秘めているといえる。
(略。)
誰もが心に抱えている、弱く、揺るぎやすい空間。
その理性の支配が及びづらい「隙間」は、おそらく権威者の強気な力の侵入を許しやすいのだろう。
それが運悪く、悪意の欠片をもつ権威者だったとしたら、心のパズルにこの欠片がはまった瞬間に“悪への服従”は芽生える。
悪とは凡庸なのだ。

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業界の全体主義に抗(あらが)ったのが辻丸さんです。
香西咲さんです。

辻丸さん

(2016年9月2日 弁護士ドットコム「AV出演強要対策『無名の出演者を置き去りにしないで』男優・辻丸さんが語る課題」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
辻丸さんは
「AVで食ってきたので是非もない」
として、男優を続けているが、女優に対する後ろめたさから、ツイッターやブログで業界の問題点を独自に発信している。

辻丸さん
<2017年2月15日>


僕は強要を「見た事も聞いた事も」あった。
僕自身が今に至るも「強要」を行っているのだ!
同業とか同性とか無関係。見た事があるか聞いた事あるか、やられた事があるか、やった事あるか、全てはそれ。
被害者を信じるか加害者を信じるか、ただそれだけ
 
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香西咲さん

(2016年7月29日 毎日新聞「AV出演強要 香西咲さん『私はこうして洗脳された』」より、引用。改行を施しています。)

毎日新聞記者
なぜそこまで覚悟を決められた?

香西咲さん
(前略。)
この(被害の)連鎖はもう止まらない。
(A氏が)どんどん新しい子を入れているのも分かっていたので、世の中のためにもなると思いました。

(小泉吉宏著「ブッタとシッタカブッタ」メディアファクトリー刊より、引用。)

「空」という字

「空」
ある日
シッタカブッタは
この字を
「そら」と読んだ
次の日
その文字に
別の意味があると知って
「から」と読んだ
そして
さらに
つぎの日
その文字に
また別の意味があると知って
「くう」
と読んだ
「空」の字が
変わったわけではなく
シッタカブッタが
日々
新しくなっているようだ

全体主義におおわれている業界のなかで、香西咲さんは、声をあげました。
人々が香西咲さんの勇気をわすれることはないでしょう。
香西咲さんは至高です。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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