「倫理とは、なべて生きとし生けるものへの、無辺際に拡大された責任である」。業界は依然として、香西咲さんに謝罪しません。業界に倫理は存在するのでしょうか

過日のブログで、シュヴァイツァー(1875年~1965年)の思想についてふれたことがあります。

(参考。当ブログ)
2017年3月20日

シュヴァイツァーの基本的な考えは、「生命への畏敬」です。

生命への畏敬とは

注 リライトしています。)
わたしたちは、動物はいうにおよばず、草木にいたるまで、そのなかに、生きようとする意志を感じることができる。
こうした意志に対して、単に生存本能を認めてやるというのではなく、生命に価値をあたえてやるため、畏敬の心をもって生命に献身するという態度で接しなければならない。

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本日は、もうすこしくわしくみてみます。
参考文献は、「シュヴァイツァー著作集」です。

(シュヴァイツァー著 氷上英廣訳「シュヴァイツァー著作集第6巻」 白水社刊行より、引用。)

注 リライトしています。)
<171ページ>
われわれが生物を殺す世界は、人間の意志をして、順調に楽しませてくれるもの、ではない。
世界は、自己矛盾している生活意志の演ずるわけのわからぬ見世物の感を呈している。
そこでは、他のものの生存を犠牲にして、自己の生存を保存している。
世界は壮麗(壮大でうるわしいもの)であり、もっぱら恐怖すべきものであり、無慈悲なものである。
筋が通っていながらも、不条理であり、喜びであり、もっぱら苦しみである。

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(再掲)
そこでは、他のものの生存を犠牲にして、自己の生存を保存している

AV業界は、この最(さい)たるものです。

松嶋淳理さん
<2017年2月17日>



亀山は出演してるモデルを生身の人間と思ってないわけよ
数多のモデルたちの屍の上に気づいた財なのよ

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業界人にとって、女性は、消耗品です。
消耗品とは、石鹸、紙、鉛筆などのように、使用するにしたがって減っていく物品のことです。
女優は、商品価値がなくなるまで酷使されます。
搾(しぼ)り取られます。

(2016年7月14日発売 「週刊文春」2016年7月21日号より、引用。)

香西咲さん
ストレスから円形脱毛症になり全身がけだるく、胃腸は毎日、抉られるように痛みました。
自分で救急車を呼んだこともあった。
屈辱がフラッシュバックし、絶望的に命を絶ちたくなるときも・・・・・・

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嘆息するしかできません。
実際に死を選んだかたもいます。

(2016年8月21日 PAPSのメルマガ「相談200ケースを越す」より、引用。)

<一部分を引用>
2012年に1件、2013年に1件、2014年に29件と寄せられていた相談が2016年8月8日現在で累計200件になった。
この200ケースの相談のなかで、自死された方が2015年7月に1人、2016年8月に1人おられた。
遺族の方が伝えてくださったことにより、私たちは知ることができた。
これは表に出てはっきりしているものだけである(連絡が取れなくなっている方については把握しようがないのである)。
相談やメールの中で
死にたくなってしまう
という言葉を何度聞いたことか・・・・。

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一昨日のNHKの番組でも、みずから命を絶った事例が紹介されました。

(2017年6月7日 NHK「AV出演強要問題 動き出した政治」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
(岩渕)
違約金1000万円って、めちゃくちゃですね。

(増田)
法外な違約金をふっかけて、動揺させる手口です。
業者は、違約金を取ることもそうですが、それ以上に、出演を続けさせ、女性を商品として使い切ることが目的なんです。
この他にも、悪質なケースは多くあって、中には、出演の過去から逃れるために、整形手術を繰り返している人や、自殺に追い込まれた人もいるそうなんです。

(岩渕)
本当に腹立たしいですね。
許せないです。

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(再掲。NHK)
女性を商品として使い切ることが目的なんです

NHKにしては、大胆な表現です。
まさに、女性は消耗品です。

(再掲。シュヴァイツァー)
そこでは、他のものの生存を犠牲にして、自己の生存を保存している

松嶋淳理さん
<2017年2月17日>


AV強要問題が明るみになったときに
亀山が発したツイート
「俺は数字しか見ていない」
コレみたときに
この問題の本質だ
と思ったのですよ

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シュヴァイツァーのことばをつづけます。

(シュヴァイツァー著 氷上英廣訳「シュヴァイツァー著作集第7巻」 白水社刊行より、引用。)

注 リライトしています。)
<313ページ>
人間は、苦しみと同時に、よろこびを感じることがある。
自己矛盾である。
このとき、無情(人生のはかなさ)を感じる。
無の立場に立つ自己は、天地万物と一体となり、生命そのものの神聖をあえて肯定する。
生の肯定の倫理にしたがっているのである。
一枚の葉も木からむしらず、一輪の花も折らず、一匹の虫も踏みつぶさないように注意する。
夏の夜、燈火のもとで仕事をするときもそうである。
昆虫があいついで羽をこがして卓上に落ちるのをみるよりも、むしろ、窓を閉ざして、重苦しい空気を呼吸するほうをとる。
水たまりに落ちた昆虫のそばを通れば、救うために、わざわざ、葉一枚なり、茎(くき)一本なりを差し出す。
われわれのなかにも、こうした、すべての生物に対しておよそ可能なるかぎりのことをなせ、という強制が生じなくてはならぬ。

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シュヴァイツァーは、自己矛盾を感じたひとは生命そのものの神聖をあえて肯定する、と言います。
業界人に、自己矛盾は存在するのでしょうか。
IPPA(メーカー団体)の言辞をみてみます。

(2017年3月2日 IPPA「20170302HRN院内シンポジウム欠席についてのご連絡」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
IPPA(メーカー団体)
立ち返っての話となりますが、貴法人では、「全ての出演女優は性的搾取の対象であり被害者である」という問題意識に立脚しておられるのではないかと思われます(誤解なきように申しますが、その立脚点の当否を述べているのではございませんし、社会的にそのような考えが相当程度形成されていることも理解しています。 ) 。
しかしながら、当業界においては、偏見に基づくものも含め多数の社会的非難もある中、女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られているものと真に考えており、当協会及び各メーカーは、それら社会的非難等から彼ら・彼女らを守っていくべき責務があるものと考えております。

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(再掲。IPPA)
女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られているものと真に考えており、当協会及び各メーカーは、それら社会的非難等から彼ら・彼女らを守っていくべき責務があるものと考えております

自己矛盾どころか、自己陶酔感にひたっています。

(再掲。シュヴァイツァー)
すべての生物に対しておよそ可能なるかぎりのことをなせ、という強制が生じなくてはならぬ

業界人には、無理です。
「生の肯定の倫理」は存在しません。
萌芽(兆し)もないでしょう。

(シュヴァイツァー著 氷上英廣訳「シュヴァイツァー著作集第7巻」 白水社刊行より、引用。)

<313ページ>
倫理とは、なべて(総じて)生きとし生けるもの(この世に生きているすべての生物)への、無辺際に(広大で果てしなく)拡大された責任である。
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シュヴァイツァーのことばを引くとむなしくなります。
業界人に、倫理などあろうはすがないのですから。

辻丸さん
<2017年6月1日>


第三者委員会の発足会見、僕は当事者でAVANの会員です、と申し込みましたが入場を断られました。
昨日はAVAN代表からブロック。
僕が見聞し”実行”さえした加害事例について詳細を聞きたいと言ってくれた業界人、団体、今だにゼロです。
どうやら業界にとって僕の存在自体、不”適正”なのかも?

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(再掲。辻丸さん)
僕が見聞し”実行”さえした加害事例について詳細を聞きたいと言ってくれた業界人、団体、今だにゼロです

辻丸さんは、被害の実例をご存じのようです。

(2017年3月2日 SPA!「『AV女優の手のひら返しに戸惑い…』AV出演を“強要”したとされる男たちが、ついに重い口を開いた」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
IPPA(メーカー団体)
HRNには解決に尽力することを約束して、今後は協力して強要問題を解決しましょうってことになったんです。
じゃあ、一体どこの誰が強要したんだ?となるわけで、被害を受けた女性へのヒアリングをお願いしたら
「被害者が直接IPPA関係者に囲まれて密室で話をするという状況には到底耐えられない」
と。
被害を発生させたAVメーカーなり監督の実名をHRNは把握しているでしょうから、それを教えてほしいだけなんですが、ダメだと。
それさえ教えてくれれば、我々もすぐに実効性のある対処ができるのですが……。

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(再掲。IPPA)
一体どこの誰が強要したんだ?

強要をおこなったのは、こいつらです。

(2017年2月19日 日刊SPA! 「AV業界“ドロドロ相互不信”の内幕…手をつくして攻めてくる警察捜査、関係者に疑心暗鬼が蔓延」より、引用。改行を施しています。)


あるAVプロダクション関係者は言う。
「香西咲さんの件では、元芸能人をウリにすることで人気のメーカー『MUTEKI』に20人規模の捜索が入ったそうです。

青木亮
大西敬
高畠典子
坂田恵理子
坂上孝志
A-TEAM 飯田正和
T総研のY
メーカー関係者
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(再掲。IPPA)
それさえ教えてくれれば、我々もすぐに実効性のある対処ができるのですが

業界人に、倫理はありません。
倫理とは、
なべて生きとし生けるものへの、無辺際に拡大された責任
のことです。

(再掲。シュヴァイツァー)
一輪の花も折らず、 一匹の虫も踏みつぶさないように注意する

業界人は、自主規制をおこなうことができるのでしょうか。
自主規制とは、
性的な暴力の被害につながる行為の規制
です。
政府はいま、冷徹な視線で、業界の動向を注視しています。

(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。改行を施しています。)

(1)被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討

(内閣府、関係府省)
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。

(再掲)
関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ

はたして業界は、政府の期待にそうことができるのでしょうか。

(香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
<2016年9月18日>
告発から2ヶ月、私に関しては業界側では味方になって下さる人は未だにいません。
(後略。)

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現在、香西咲さんを支持しているひとは多数存在すると考えます。
声をあげて、業界にも倫理がある、ということをしめしてほしいものです。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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