5月19日に、第3回関係府省対策会議が開催されました。
周知のとおり、同会議において、出演強要問題に対する今後の対策が決定しました。
(※「今後の対策」の正式名称)
●いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策 |
昨日、当日の議事録が公開されました。
<議事録が公開されるまでの流れ>
●2017年5月19日(金)
第3回関係府省対策会議が催される
↓4日後
●2017年5月23日(金)
内閣府のサイトに、今後の対策がアップされる
↓12日後
●2017年6月05日(水)
内閣府のサイトに、議事録がアップされる
議事録を読むかぎり、特段、めだった発言はありません。
事前に、関係府省庁間で、綿密なすり合わせがおこなわれていたものとみられます。
会議は粛然と(おごそかに)進行しました。
当該議事録のなかから、目にとまった箇所を引きます。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「議事録」より、引用。)
<1ページ。一部分を引用>
●内閣府 大臣官房審議官
そして「6 その他」につきましては、被害の防止及び救済等のため、これは法的対応も含めた新たな対応策を検討していくことなどをそれぞれ盛り込んでいるところでございます。
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「今後の対策」のなかから、「6 その他」の部分を参照します。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「今後の対策」より、引用。改行を施しています。)
<9ページ>
6 その他
(内閣府、関係府省)
(1)被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
●アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 |
このなかで、重要な記述は、
「性的な暴力の被害につながる行為の規制」
です。
当ブログで、何度もふれています。
この文言は、政府の検討課題である
「過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討」
に対する答です。
(参考。2017年3月21日 第1回関係府省対策会議「今後の検討課題」。)
<3ページ>
その他
(法務省)
●過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討 |
(総務省、法務省)
●被害者が出演したアダルトビデオの販売・配信の差し止め、回収、動画の削除等、被害拡大防止策の検討 |
公明党は当初、過激なポルノに対する規制をもとめていました。
(2017年5月1日 朝日新聞「AV出演強要、被害者の告白が官邸の中枢を動かした」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
3月15日、首相官邸の一室で、菅義偉官房長官と、AV出演強要問題に取り組む公明党の佐々木さやか参院議員らが向き合った。
「若者の無知や困窮につけ込む業者もいる。強姦(ごうかん)して撮影する、極めて悪質な事例もあるんです」
資料を手に迫る佐々木氏に菅氏が応じた。「できることはすぐやりましょう」
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(2017年3月13日 産経新聞「AV出演強要問題『強姦して撮影を強行する事例』も 公明が過激ポルノ規制へ提言」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
「強姦して撮影を強行する悪質な事例」もあり「映像がインターネットを通じて拡散されると半永久的に流通し、被害者はいつまでも苦しむことになる」とした。
その上で、非合法的に撮影された過激なポルノなどの流通規制を協議する政府の有識者会議設置を要請。
AVの販売差し止めやネット上の動画を削除する手段を検討するよう求めた。
性犯罪の積極的な摘発や相談・支援体制の整備、AVの制作や流通経路に関する調査の必要性も明記した。
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公明党の中間提言に対して、法務省の刑事局長が、つぎのようにのべています。
(2017年3月21日 第1回関係府省対策会議「議事録」より引用。改行を施しています。)
<5~6ページ>
●法務省 刑事局長
もう一点目は過激な内容のポルノの規制等のあり方に関してでございます。
この問題につきましては、公明党からの提言の中におきましても、このポルノの規制が刑事罰則を設けることによる規制というものも含んだ形での提言になっていると承知しておるわけでございますが、この問題に関しては、かなり重い課題となると思いますので、関係省庁と協力して対応を検討してまいりたいと思います。
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(法務省)
●過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討 |
当初、検討されていたのは、過激な内容のポルノに対する規制、です。
残念ながら、AV全体に対する規制ではありません。
限定的なものです。
5月19日に、政府の方針が策定されました。
「過激な内容のポルノに対する規制」
が、
「性的な暴力の被害につながる行為の規制」
へと深化、拡大しました。
(内閣府、関係府省)
(1)被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
●アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 |
賢明な判断です。
現在のような形態のAVでなければ、仮に出演強要の被害にあっても、損傷は最小限ですみます。
人生を破壊されることはありません。
昨年の12月13日に、第85回女性に対する暴力に関する専門調査会がひらかれました
委員の平川和子さんのことばが正鵠(せいこく)を得て(核心をついて)います。
(2016年12月13日 第85回女性に対する暴力に関する専門調査会「議事録」より、引用。)
<25ページ~26ページ>
●平川和子 東京フェミニストセラピィセンター所長
(前略。)
それから、AV出演の強要に関しては、名前のない性暴力被害であって、研究者によると、「被害者がいない犯罪」なのだと言われてきた経過があります。
従来、ポルノグラフィーというのは表現の問題として議論されることはあっても、AVが制作される過程の中で、実は女優となる出演する女性が強姦被害に遭っており、しかも、数人の男性に囲まれて、同意のない性行為をさせられているということです。
既ポルノ制作の過程で性暴力被害が起きているという構造的問題をきちんと報告書に書き込む必要があるのではないかと思います。
またAVに関しては従来から表現の問題である観点から、たかだかわいせつ物としての取り締まりが行われてきたといっても過言ではないと思いますが、一旦はこの立場からの議論を保留にしたうえで、AV制作過程において性暴力が行われているのだという書き込みをする必要があるかと思います。
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(再掲)
「AVが制作される過程の中で、実は女優となる出演する女性が強姦被害に遭っており」
政府はいま、
「性的な暴力の被害につながる行為の規制」
をおこなおうとしています。
(2016年12月13日 第85回女性に対する暴力に関する専門調査会「議事録」より、引用。)
<26ページ>
●平川和子 東京フェミニストセラピィセンター所長
それから、被害に遭われた方たちの精神的な苦痛と身体的な症状についてはよく耳にしています。
性暴力救援センターに御連絡がある方たちは、PTSDの症状が重いですし、死にたくなる状態に対する自己治療のような形で、アルコールを大量に飲んだり、あるいは処方薬をため込んで大量服薬するというようなアディクション行動に関する問題を抱えています。
このことからは、長期にDV被害に遭っていた女性たちの症状と全く同じであることがわかります。
そういう意味では被害者の心身健康状態についても言及する必要があるかと思います。
対応については、まず概念についてきちんと書くこと。
それから、法的規制の必要性を書き込んでほしいと思います。
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出演強要を強要された女性を守るためには、「性的な暴力の被害につながる行為の規制」が必要です。
(再掲。内閣府大臣官房審議官)
「そして『6 その他』につきましては、被害の防止及び救済等のため、これは法的対応も含めた新たな対応策を検討していくことなどをそれぞれ盛り込んでいるところでございます。」
6 その他
(内閣府、関係府省)
(1)被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討
●アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応を含め、必要な対応策を検討する。 |
内閣府の男女共同参画局長も、同種の発言をしました。
(2017年5月19日 第3回関係府省対策会議「議事録」より、引用。)
<1~2ページ。一部分を引用>
●内閣府 男女共同参画局長
今後につきましては、こういった問題は潜在化しやすいということがございますので、被害の実態のより具体的な把握と、より効果的な相談支援のあり方についての調査研究、相談対応マニュアルの作成、啓発サイトのさらなる充実などに取り組みますほか、被害の防止と救済のため、法的対応も含め、必要な対応策の検討にしっかりと取り組んでまいります。
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同会議には、内閣官房長官と男女共同参画担当大臣が同席しています。
2人の大臣の前で、内閣府男女共同参画局長が確言しました。
「法的対応も含め、必要な対応策の検討にしっかりと取り組んでまいります」
と。
そう遠くないうちに、「性的な暴力の被害につながる行為の規制」がおこなわれると考えます。
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(再掲。平川和子 東京フェミニストセラピィセンター所長)
「被害に遭われた方たちの精神的な苦痛と身体的な症状についてはよく耳にしています」
「PTSDの症状が重いですし、死にたくなる状態に対する自己治療のような形で、アルコールを大量に飲んだり、あるいは処方薬をため込んで大量服薬するというようなアディクション行動に関する問題を抱えています」
香西咲さんの苦しみが脳裏を過(よ)ぎりました。
(2016年7月14日発売「週刊文春」2016年7月21日号より、引用。改行を施しています。)
●香西咲さん
ストレスから円形脱毛症になり全身がけだるく、胃腸は毎日、抉られるように痛みました。
自分で救急車を呼んだこともあった。
屈辱がフラッシュバックし、絶望的に命を絶ちたくなるときも・・・・・・
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事務所の言いつけ通りに仕事をこなす日々。
夢のためにと笑顔をつくって自分を奮い立たせたが、気がつけばアルコールと睡眠薬が必需品になっていた。
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(総務省、法務省)
●被害者が出演したアダルトビデオの販売・配信の差し止め、回収、動画の削除等、被害拡大防止策の検討 |
政府はこちらの被害回復措置についても、鋭意実行するものと思われます。
あわせて、犯罪者の逮捕を切望します。
□青木亮
□大西敬
□高畠典子
□坂田恵理子
□坂上孝志
□A-TEAM 飯田正和
□T総研のY
□メーカー関係者
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こいつらを野放しにしておくことはゆるされません。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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