出演強要問題に対する「今後の対策」で政府は、あらたに消費者契約法の適用を打ち出しました。青木が香西咲さんにおこなった退去妨害のような真似はできなくなります

昨日、出演強要問題に対する政府の取組方針(今後の対策)が公開されました。
各府省は、たたき台である「今後の検討課題」にもとづいて策定作業をおこなってきたと考えます。

<これまでの流れ>
3月21日(火) 第1回関係府省対策会議で、今後の検討課題を提示。
  
5月19日(金) 第3回関係府省対策会議で、今後の対策を決定。
  
5月23日(火) 内閣府が、今後の対策を公開。

昨日もふれました。
「今後の検討課題」になかったものが、今回、あらたにつけ加えられています。
消費者契約法の適用も、そのなかのひとつです。

(2017年5月19日「今後の対策」より、引用。)

業界関係者に対する法令等の周知(5ページ)
(消費者庁)
②被害者が締結している契約が消費者契約に該当する場合は、消費者契約法(平成12年法律第61号)において、例えば、退去を妨害して勧誘を続ける等第条に該当する不当な勧誘が行われた場合は、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることや、不当に高い違約金を定める等第条から第10条に該当する不当な契約条項については無効であること等について、業界関係者に対して、周知を行う。
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突如、消費者契約法が出現しました。
まずは、条文を確認します。

<消費者契約法>
第4条
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

一  重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認

二  物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認
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<消費者契約法>
第4条
2  消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。
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ちなみに、重要事項とは、以下のとおりです。
第3項をとばして、先に第4項を記します。

<消費者契約法>
第4条
4  第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断通常影響を及ぼすべきものをいう。
一  物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容
二  物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件
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以前に、HRN(ヒューマンライツ・ナウ)が、消費者契約法第4条の第1項、第2項、第4項について論及しています。
昨年の3月の報告書を参照します。

(2016年3月3日 HRN「ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」より、引用。改行を施しています。)

<37ページ>
HRN
強制・欺罔、困惑等の方法による AV 勧誘は禁止する。
具体的には以下を禁止行為とすべきである。

「モデル」「タレント」「アイドル」など、契約実態と異なる事実を告げて、 AV 出演の勧誘を行うこと
出演料、その支払時期及び方法、契約解除権の存在その他の契約条件について不実のことを告げて、AV 出演の勧誘を行うこと

消費者契約法第4条の第3項にも、重要なことが書かれています。

<消費者契約法>
第4条
3  消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一  当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。

二  当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。
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こちらについても、HRNの報告書を引用します。

(2016年3月3日 HRN「ポルノ・アダルトビデオ産業が生み出す、女性・少女に対する人権侵害 調査報告書」より、引用。改行を施しています。)

<37ページ>
HRN
強制・欺罔、困惑等の方法による AV 勧誘は禁止する。
具体的には以下を禁止行為とすべきである。

勧誘場所から退去する旨の申出をした者に対し、当該勧誘場所から退去させずにAV 出演にかかわる契約の勧誘を行うこと

(再掲。消費者庁)
退去を妨害して勧誘を続ける等第4条に該当する不当な勧誘が行われた場合は、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる

HRNの所望(しょもう)が政府に通じたようです。

(再掲。消費者庁)
不当に高い違約金を定める等第8条から第10条に該当する不当な契約条項については無効である

今度は、違約金です。

<消費者契約法>
第9条
次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。

一  当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分

二  当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が二以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年14・6パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分
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不当に高い違約金は、無効となります。
以上、消費者契約法についてみてみました。
消費者庁は、「今後の対策」のなかで、さらに、瞠目(どうもく)すべきことをのべています。

<10ページ>
(消費者庁)
(2)消費者団体訴訟制度を活用した対応策の検討

被害者が締結している契約が消費者契約に該当し、事業者により不当な勧誘等がなされている場合には、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体がアダルトビデオ出演強要問題における不当な勧誘等に対して実効的に差止請求ができるよう、環境整備を図る。

消費者団体訴訟制度とはどのようなものなのでしょうか。
消費生活センターによる説示を概観します。

(消費生活センター「消費者団体訴訟制度(団体訴権)の紹介」より引用。改行を施しています。)

消費者団体訴訟制度(団体訴権)

消費者団体訴訟制度は、直接の被害者ではない消費者団体が、私たち消費者にかわって、事業者の不当な行為をやめさせるように裁判で請求する制度です。
消費者被害が起きてから、その1件1件を個別に救済していくやり方では、被害を未然に防いだり、被害の拡大を防いだりするのに限界があります。
そこで、その事業者の不当な勧誘不当な契約条項といった、「不当な行為そのもの」の差止めを消費者団体が請求できるようにした制度ができました。
この、「消費者団体訴訟制度」という新しい制度をよく知り、私たち消費者のために活用してきましょう。

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(再掲)
直接の被害者ではない消費者団体が、私たち消費者にかわって、事業者の不当な行為をやめさせるように裁判で請求する

ここに書かれている「消費者団体」は、だれでも簡単につくれるような組織でありません。
厳しい要件があります。

(消費生活センター「消費者団体訴訟制度(団体訴権)の紹介」より引用。改行を施しています。)

差止め請求できる消費者団体ってどういう団体ですか?

(引用)
どのような消費者団体でも差止め請求ができるわけではありません。内閣総理大臣が認定した「適格消費者団体」だけが差止め請求ができます。
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適格消費者団体になるためには
・特定非営利活動法人(NPO)または民法34条に規定している法人(社団法人、財団法人といった公益法人)であること
・消費者の利益を守るための活動を主な目的としている団体で、相当期間その活動を行っている実績があること
・組織体制や業務規程が整備されていること
・消費者被害の案件について分析したり、法的な検討を行ったりする専門性をもっていること
・経理的な基礎があること
など、さまざまな要件があります。
これらの要件を満たした消費者団体が申請し、内閣総理大臣によって認定されると「適格消費者団体」となります。

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(再掲。消費者庁)
適格消費者団体がアダルトビデオ出演強要問題における不当な勧誘等に対して実効的に差止請求ができるよう、環境整備を図る

ライトハウスやHRNを適格消費者団体に認定してほしいです。

(再掲。消費生活センター)
事業者の不当な勧誘不当な契約条項といった、『不当な行為そのもの』の差止めを消費者団体が請求できるようにした制度ができました

警察庁のホームページには、不当な勧誘や不当な契約条項の具体例が紹介されています。

警察庁のホームページより、引用。)

(不当な勧誘)
街中で、スカウトから「モデルになりませんか。」と勧誘され、付いていったら、財布等を取り上げられ、男数人に囲まれた状態でアダルトビデオ出演に関する契約書を交わすことを強要され、出演させられた。

(不当な契約条項)
街中でスカウトされ、芸能会社とタレント契約をし、グラビアの撮影と思って現場に行くと、アダルトビデオの撮影だったので、拒否したが、「損害を弁済してもらう。」等と脅されたりして、出演させられた。

プロダクションやメーカーは、早急に、勧誘の仕方や契約条項を見直さなければならないでしょう。
存続したいのであれば。

(消費生活センター「消費者団体訴訟制度(団体訴権)の紹介」より引用。改行を施しています。)

どうして「消費者団体訴訟制度」が必要なのですか?

2001年に施行された「消費者契約法」では、事業者の不当な行為によって誤認したり困惑したりすることによって結んだ契約を被害を受けた消費者は取り消すことができますが、これだけだと、常に「ひとつひとつ個別の対応」、かつ「事後の対応」になってしまいます。
そこで、消費者に代わって消費者団体が消費者全体の被害防止のために、事業者の不当な行為そのものを差止め請求できるようにする「消費者団体訴訟制度」が2006年の消費者契約法の改正で創設されました。
同種の被害の発生や拡大を防ぐためには、事業者の不当な行為をやめさせる必要があります。

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業界は風前の灯火なのかもしれません。

(消費生活センター「消費者団体訴訟制度(団体訴権)の紹介」より引用。改行を施しています。)

どんなことを差止め請求できるのですか?

適格消費者団体は、事業者のどのような行為に対して差止め請求をすることができるのでしょうか。
一部を抜粋します。

(引用)
不実告知(事実ではないことを言って契約させる)
契約の目的となるものについて、事実と異なることを事業者が告げた場合。

断定的判断の提供(将来の確証のない事柄について断定的に言う)
将来における変動が不確実な事項について、断定的な判断を提供した場合。

不利益事実の不告知(重要な事柄について、消費者にとって利益になることを言い、不利益なことは教えない)
消費者に有利な点ばかりを強調し、それを聞いたら契約しなかったような不利になる事実を事業者がわざと告げなかった場合。

退去妨害(退去させない、帰らせない)
消費者が帰りたい旨を伝えているのに、帰らせないという事業者の行為により、困った末に契約した場合。

事業者の損害賠償責任を免除する条項
例)いかなる理由があっても事業者は一切損害賠償責任を負わないものとする条項。

消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等

消費者の利益を一方的に害する条項

すべて、青木が、香西咲さんに対しておこなった所行です。

(2016年9月18日 AbemaTIMES「【AV出演強要問題】元カリスマ女優・川奈まり子氏が業界健全化のために奮闘」より、引用。改行を施しています。)

香西は、当初はモデルとしてスカウトされたはずだったのに蓋を開けたらAV出演ということになっていた。
(略)、AV撮影のために富士山の麓に連れていかれて、3時間泣いたこともあるという。
その時、自分をスタッフ全員が待っている状況にあった。

香西咲さん
遠いところですから……。
よっぽど強い子でないと(撮影を中止させるのは)無理だと思いますし。
私さえ泣いておけば丸く収まると思った。
結局AV撮影に応じることになりました。
あとは、違約金などを理由に辞められないです。

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伊藤和子HRN事務局長が以前に書かれていたブログを思い出しました。

(2016年9月18日 伊藤和子弁護士のブログ「AV強要被害問題は今、どうなっているのか」より、引用。)

伊藤和子 HRN事務局長
また、AV強要被害は、スカウトの甘い言葉を信じて若い人が騙され、断れない、法律の知識がないという弱みに付け込まれて被害にあう、という点では消費者被害とよく似ていますので、消費者被害として扱い、消費者契約法・特定商取引法の枠内に入れ込み、不適切な勧誘を是正し、必要に応じて企業名公表・業務停止等の措置をとることを求めたいと思います。
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現在、青木は、まともな「会社」を装っているのかもしれません。
こいつに関しては、業務停止など不要です。
いずれ強姦罪で逮捕されるでしょうから。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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