本日、内閣府のサイトに、出演強要問題に関する政府の取組方針(今後の対策)がアップされました。充実した内容です。香西咲さんの勇気が結実しました

本日、出演強要問題に関する政府の取組方針が公開されました。

(「取組方針」の正式名称)
いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策

今後の対策」は、先週の19日の第3回関係府省対策会議で決定しました。
文書は、17ページからなります。
内訳は以下のとおりです。

<今後の対策>
本文 1~10ページ
資料 11~17ページ

ぼくは、慎重に文字を追いました。
頭のなかに、政府がこれまで検討してきた事柄が出現しました。

政府の検討事項
(※参考。2017年3月21日 第1回関係府省対策会議 「今後の検討課題」より。)

<1ページ>
【更なる実態把握】の項
(内閣府、警察庁)
児童の性を売り物とする新たな形態の営業に関する実態把握
 ‐被害や相談支援状況とアダルトビデオ制作や流通経路等の実態調査

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<1ページ>
【取締りの強化】の項
(警察庁)
厳正かつ積極的な取締りの徹底
 ‐各種法令による適用を視野に入れた厳正かつ積極的な取締りの徹底

——————————————————–
<3ページ>
【保護・自立支援の取組強化】の項
(内閣府、厚生労働省
中長期的な支援
 ‐心理的なケアや自立に向けた支援等の中長期的な支援体制の在り方検討

——————————————————–
<3ページ>
【その他】の項
(法務省)
過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討
——————————————————–
<3ページ>
【その他】の項
(総務省、法務省)
被害者が出演したアダルトビデオの販売・配信の差し止め回収動画の削除等、被害拡大防止策の検討
——————————————————–
<3ページ>
【その他】の項
(厚生労働省)
アダルトビデオの出演者がプロダクション等の実質的な労働者に当たる場合、出演者の派遣等が労働者派遣法及び職業安定法上の「公衆道徳上有害な業務」として違法であることを通達に明示し、業者への周知
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本日アップされた「今後の対策」を読み終えました。
ぼくは安堵の息をもらしました。
満足のいく内容です。
ひとつずつみていきます。

政府の検討事項
【更なる実態把握】の項
(内閣府、警察庁)
児童の性を売り物とする新たな形態の営業に関する実態把握
 ‐被害や相談支援状況とアダルトビデオ制作や流通経路等の実態調査

  
今回決定した内容(今後の対策)
(内閣府)
若年層に対する性的な暴力に係る相談・支援の在り方の検討のための調査研究の実施(1~2ページ)
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等を含む若年層に対する性的な暴力の被害実態について、被害者支援を行っている民間団体の協力を得て調査を行う。
また、有識者の検討会を開催し、被害実態を踏まえ、被害者に対する効果的な相談・支援の在り方について検討を行う。

(関係府省)
被害状況等に関する個別具体的な実態把握等(2ページ)
関係府省が相互に連携し、集中月間中に国の各機関に寄せられた相談事案の分析を行うとともに、被害の態様や現行制度の運用状況及びその問題点等について整理する。
また、必要に応じて、相談者の個人情報に配意した上で、相談内容その他関連情報について、関係府省への提供及び共有を図る。

検討課題のなかにあった
「アダルトビデオ制作や流通経路等の実態調査」
との文言はありません。
決定された今後の対策に記載されている
「現行制度の運用状況及びその問題点等について整理する」
が、
「アダルトビデオ制作や流通経路等の実態調査」に該当するのでしょうか。
いずれにせよ調査はおこなわれると考えます。
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政府の検討事項
【取締りの強化】の項
(警察庁)
厳正かつ積極的な取締りの徹底
 ‐各種法令による適用を視野に入れた厳正かつ積極的な取締りの徹底

  
今回決定した内容(今後の対策)
(警察庁)
アダルトビデオ出演強要問題専門官の指定(2ページ)
都道府県警察ごとに、アダルトビデオ出演強要に対する各種法令を適用した取締りの推進、スカウトに対する検挙、指導・警告活動の推進、被害防止教育及び広報啓発活動、警察相談窓口の周知活動の推進及び警察相談受理担当者に対する研修等を統括するアダルトビデオ出演強要問題専門官を指定する。

報道のとおり、専門官は、「各種法令を適用した取締りの推進」をおこなうようです。
「取締りの推進」については、別に項目をもうけて詳述されています。

各種法令を適用した厳正かつ積極的な取締り等の推進(3ページ)

(警察庁)
①警察において、関係機関等とも連携し、関係機関等から警察に提供のあった情報も踏まえ、アダルトビデオ出演強要問題については、強姦罪、強要罪、労働者派遣法等の(JKビジネスについては略)各種法令を適用した厳正な取締りを推進する。

警察は、かわらずに、強姦罪の適用を考えています。
「関係機関等から警察に提供のあった情報」も活用するようです。

(法務省)
検察当局においては、アダルトビデオ出演強要問題、「JKビジネス」問題等が、政府の重要課題であることを踏まえ、引き続き、関係法令を積極的に適用した厳正な対処を行う。

「取締りの推進」に、このたび、検察が加わりました。
こころづよいです。
能(あた)うかぎり、検挙者を起訴をしてほしいです。

(警察庁)
集中月間中に把握したスカウトに関する情報及びスカウトに対して実施した指導・警告の結果等を踏まえ、主要な駅や繁華街等の路上等で行われるスカウト行為に対し、迷惑防止条例、軽犯罪法(昭和 23 年法律第 39 号)等の関係法令を適用した検挙、指導・警告活動を推進する。

11ページに、このたびの集中月間の状況が記載されています。

(引用)
なお、検挙及び指導・警告に係る事案では、アダルトビデオへの出演を直接勧誘するものはなかった。

街頭だけのとりしまりでは、限界があるのかもしれません。
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政府の検討事項
【保護・自立支援の取組強化】の項
(内閣府、厚生労働省
中長期的な支援
 ‐心理的なケアや自立に向けた支援等の中長期的な支援体制の在り方検討

  
今回決定した内容(今後の対策)
(厚生労働省。9ページ)
心理的なケアや自立に向けた支援等の婦人保護施設等での中長期的な支援体制の在り方を検討する。

具体的にはどのようなことをおこなうのでしょうか。
4月5日に、第87回女性に対する暴力に関する専門調査会が開催されました。
厚生労働省が提示した資料のなかに、関連することが書かれています。

(2017年4月5日 厚生労働省「女性に対するあらゆる暴力の根絶に関するヒアリング」より、引用。)

<8ページ>
いわゆるアダルトビデオ出演強要問題、「JKビジネス」問題等に関する取組について(案)

3.性暴力被害者の適切な保護・自立生活支援
・性暴力被害を受けた女性・児童に対し、保護・支援が必要な場合は適切に一時保護や心理療法担当職員等による心理的なケアを行う。
 さらに、基本的生活習慣の習得など、自立生活に向けた支援を検討する。

具現化がまたれます。
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政府の検討事項
【その他】の項

(内閣府、厚生労働省
過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討

(総務省、法務省)
被害者が出演したアダルトビデオの販売・配信の差し止め回収動画の削除等、被害拡大防止策の検討
  
今回決定した内容(今後の対策)
(内閣府、関係府省)
被害の防止及び救済等のための新たな対応策の検討(9ページ)
アダルトビデオ出演強要問題や「JKビジネス」問題等が深刻な性的な暴力で、重大な人権侵害であるとの考え方に立ち、関係者による自主的な取組の進捗状況や実態把握の状況も踏まえ、性的な暴力の被害につながる行為の規制、被害の回復、被害者の保護及び支援等について、有識者等の意見も参考に、法的対応含め、必要な対応策を検討する。

(再掲)
有識者等の意見も参考に、法的対応含め、必要な対応策を検討する

政府は、法律の制定を視野にいれたようです。
上述の今後の対策のなかに、
「有識者等の意見も参考に」
との文言があります。
現在、国会では、性犯罪に関する刑法改正案の審議入りがひかえています。
改正案がどのような流れでつくられたのかをみてみます。

(2014年9月29日 日本経済新聞「性犯罪の厳罰化、有識者検討会を設置へ 法務省」より引用。改行を施しています。)

法務省が、強姦致死傷罪など性犯罪の法定刑引き上げなど、罰則のあり方を議論する有識者検討会の設置を検討していることが29日、分かった。松島みどり法相が同日、性犯罪の厳罰化を求める市民団体のメンバーとの会談で設置方針を示したという。
(中略。)
同省刑事局によると、検討会では強姦致死傷罪と強盗致死罪、強盗致傷罪との刑の均衡などについて識者らが議論する見通し。
松島法相は就任会見などで、性犯罪の厳罰化を進めたい意向を示していた。

(2015年10月9日 日本経済新聞「性犯罪の厳罰化、法相が法制審に諮問」より引用。改行を施しています。)

岩城光英法相は9日、強姦罪を起訴する際に被害者の告訴を不要とする「非親告罪化」や、同罪の法定刑の下限を懲役3年から5年に引き上げることなどを盛り込んだ刑法改正の要綱を法制審議会に諮問した。
法務省の有識者検討会が8月にまとめた報告書を反映した内容で、法制審は法改正の必要性を議論した上で法相に答申。国会に刑法改正案が提出される。
現行法では強姦罪や強制わいせつ罪などは被害者の告訴がないと罰することができない「親告罪」。
被害者が訴えにくいことから潜在的な事件は多いとされる。
諸外国では「非親告罪化」が主流だった。
(後略。)

(再掲。今後の対策)
有識者等の意見も参考に、法的対応含め、必要な対応策を検討する

出演強要問題に関しても、有識者検討会をもうけるのかもしれません。
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政府の検討事項
【その他】の項
(厚生労働省)
アダルトビデオの出演者がプロダクション等の実質的な労働者に当たる場合、出演者の派遣等が労働者派遣法及び職業安定法上の「公衆道徳上有害な業務」として違法であることを通達に明示し、業者への周知
  
今回決定した内容(今後の対策)

業界関係者に対する法令等の周知(5ページ)
(厚生労働省)
①アダルトビデオ出演強要問題について、出演者が労働者に該当する場合には、職業安定法(昭和22年法律第141号)、労働者派遣法、労働基準法等の対象となり、例えば、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で労働者派遣をすることが罰則をもって禁じられていること(労働者派遣法第58条)等について、業界関係者に対して、周知を行う。

プロダクション側はすでに、リスクヘッジ(危機回避)をおこなっているはずです。

(2017年3月28日 産経新聞「『モデル満足度No.1は真っ赤なウソ? ギャラ半額超は中抜き…AV女優〝搾取〟の実態 芸能人への転身は一握り」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
捜査関係者によると、クローネの社長らは書類送検されるまで、府警から何度も任意の取り調べを受けたが、容疑を認めようとしなかった。
「クローネは労働者派遣法に抵触しないよう、事前に弁護士に相談して逃げ道をつくっていた」
と捜査関係者は苦々しい表情で語る。
(中略。)
クローネは弁護士と相談し、マークス社の事件から約1カ月後、所属女優との契約を見直して個人事業主とする「業務委託契約」に切り替えていた。
調べに対し、社長らは
「女優とはマネジメントの委託契約を結んでいるだけだ。クローネで雇用しておらず、派遣ではない」
などと反論したという。

専門官と検察は、こうした偽装を乗り越えることができるのでしょうか。

(消費者庁)
②被害者が締結している契約が消費者契約に該当する場合は、消費者契約法(平成12年法律第61号)において、例えば、退去を妨害して勧誘を続ける等第4条に該当する不当な勧誘が行われた場合は、消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることや、不当に高い違約金を定める等第8条から第10条に該当する不当な契約条項については無効であること等について、業界関係者に対して、周知を行う。

政府は、労働者派遣法のほかに、消費者契約法を追加しました。
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今後の対策」には、まだ重要なことが書かれています。
残りは明日のブログでふれたいと思います。

(2016年7月7日発売「週刊文春」2016年7月14日号。中吊り広告より。)
週刊文春2016年7月14日号中吊り広告

今後の対策」を作成したのは官僚です。
やまもと寅次郎さんによりますと、官僚の必読書は週刊文春だそうです。
おそらく官僚の頭のなかには、週刊文春に掲載された香西咲さんの記事があったのでしょう。
香西咲さんが世の中をかえました。
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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