奴隷という文字をみるたびに、香西咲さんのことが脳裏を過ぎります。北原みのりさんは、AVは性労働や性表現の問題ではなく性搾取の問題、とおっしゃいます。まさにそのとおりです

3月28日の琉球新報に、北原みのりさんのインタビュー記事が掲載されました。
風俗とAVに関する記述です。
文章自体は、それほど長くありません。
ぼくは、書かれていることのすべてに、首肯することができました。
AVに関する箇所を引かせていただきます。

(2017年3月28日 琉球新報「AV、風俗も『性搾取』 『性と国家』の北原みのりさん」より、引用。)

北原みのりさん
AVや風俗がこれだけ巨大産業で一般化されている状況は、他の国で例えようがない。
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北原みのりさんの慨嘆(うれいなげき)と、苛立ちがつたわってきます。
ぼくも同感です。
日本は愚劣な国です。

(再掲)
巨大産業

風俗のことはわかりません。
北原みのりさんがおっしゃるとおり、「巨大産業」なのかもしれません。
AVに関してはちがいます。
零細産業です。
産経新聞が、市場規模に関する具体的な数値を報じています。

(2016年1月18日 産経新聞「AV出演トラブル増…相談110件超」より、引用。)

<一部分を引用>
(AVの) 現在の市場規模は約500億円とされる。
一般家庭にビデオデッキが普及し始めた1980年代に、成人向け写真雑誌を作っていた会社などが発売。

(※この記事は、ネット配信されていません。)
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「コミケ」ということばがあります。
コミックマーケットの略です。
大辞林には、
漫画同人誌の大規模な展示即売会。毎年8月と12月に東京で開催される
と記されています。

(2014年2月2日 NEWSポストセブン「同人誌の市場規模は700億円 ネットと通販の活用で成長持続」より引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
2000年代になってメイド喫茶やアニメ、ゲームや同人誌を好むオタクを中心としたアキバ系のポップカルチャーが脚光を浴びると、同人誌に関わる層はさらに幅広くなった。
同人誌市場については年間約700億円という試算もされている。

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中村公彦さん 同人誌即売会「コミティア」代表
アキバ系ブームを経験しインターネットが普及して、自分がつくったものを発表する敷居が下がりました。
いま、同人誌の世界は本だけではなく、同人誌という趣味趣向を包括した文化という感覚になっています。
コスプレやニコニコ動画、イラスト投稿SNSのpixiv(ピクシブ)などでのコミュニケーションもすべて含む印象です。
同人誌市場700億円という試算がありますが、本についてだけでなくコミュニケーションすべてを含んだ数字だと思います。

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(再掲)
同人誌市場については年間約700億円

コミケの市場規模は、700億円です。
AVよりも、さらに200億円、多い額です。
驚嘆させられます。
世の中で、いったいどれだけのひとが、コミケ市場の存在を知っているのでしょうか。
ぼくのまわりで、コミケの話題をしているものは、ひとりもいません。
おそらくだれも関心がないと思います。
この世からコミケが消えても、何の感慨も湧(わ)かないでしょう。
AVについても同様です。
こちらの市場規模は、500億円です。
日本のGDPは約500兆億円ですから、その1万分の1です。
塵(ちり)のような存在です。
AVが消えてこまるひとなどいるのでしょうか。

(再掲。北原みのりさん)
AVや風俗がこれだけ巨大産業で一般化されている状況は、他の国で例えようがない

風俗については、「巨大産業」ということばがあてはまるのかもしれません。
わかりませんけれども。
AVの場合はどうなのでしょう。
巨大産業でもなければ、一般化もされていません。
500億円という数値がそれを実証しています。
DVDや動画を購入しているのは、ごく一部のあわれな変質者であろうと推察します。
飽きることなく買い求めているのでしょう。
琉球新報の記事にもどります。

(2017年3月28日 琉球新報「AV、風俗も『性搾取』 『性と国家』の北原みのりさん」より、引用。)

北原みのりさん
結局AVも風俗も性労働性表現の問題ではなく『性搾取の問題』だ。
性搾取と捉えれば、現実に起きている被害を浮き彫りにでき、こんなことを強要している社会がおかしいよと言える。

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だれが考えても、AVは、「性搾取」です。
「性労働」や「性表現」ではありません。
残念ながら世の中には、この自明の理をみとめない輩(やから)が存在します。

(2017年3月2日 IPPA「20170302HRN院内シンポジウム欠席についてのご連絡」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
IPPA(メーカー団体)
立ち返っての話となりますが、貴法人では、「全ての出演女優は性的搾取の対象であり被害者である」という問題意識に立脚しておられるのではないかと思われます(誤解なきように申しますが、その立脚点の当否を述べているのではございませんし、社会的にそのような考えが相当程度形成されていることも理解しています。 ) 。
しかしながら、当業界においては、偏見に基づくものも含め多数の社会的非難もある中、女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られているものと真に考えており、当協会及び各メーカーは、それら社会的非難等から彼ら・彼女らを守っていくべき責務があるものと考えております。

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(再掲)
女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られているものと真に考えており

弥縫(とりつくろい)の言辞としては、あまりにも稚拙です。
論理も破綻しています。
いま、業界(組織的犯罪集団)に対して、
全ての出演女優は性的搾取の対象であり被害者である
との非難が浴びせられています。
なぜ、それが、
それら社会的非難等から彼ら・彼女らを守っていくべき責務がある
となるのでしょうか。
人々は、女性の搾取をやめろ、と指弾しているのです。
まともな企業ならば、由々(ゆゆ)しい搾取の実態があるとわかれば、何らかの調査をおこなうはずです。
IPPA(メーカー団体)の場合は、様相を異にします。
言い分を整理すると、つぎのようになります。

当協会及び各メーカーは、『全ての出演女優は性的搾取の対象であり被害者である』との社会的非難から、彼ら・彼女らを守っていくべき責務がある

やはりこいつらは、まともでありません。
普通の人間ならばだれしもがもっている「是非の心」が欠落しているようです。
「是非の心」とは、善悪を判断するこころです。
IPPA(メーカー団体)は、「性的搾取」ということばを口にしているやつは女優の敵である、と言っています。
組織的犯罪集団らしい物言いです。
実際のところ、搾取はないのでしょうか。
PAPSの金尻カズナさんの見解が正鵠を得(え)ています。

(2016年12月25日 京都新聞「モデルになりませんか…AV出演の「わな」実態知って」より、引用。改行を施しています。)

金尻カズナさん
出演を断るとプロダクションからは法外な額の違約金を求められ、撮影現場では制作会社から
「指示に従わなければ契約違反」
と言われて、実質的な奴隷状態になっている。

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女性は、実質的な奴隷、です。
国民はだれもがそう認識しています。
ちなみに、国民の範疇に、以下のものたちは属していません。

DMM
メーカー
プロダクション
スカウト
悪徳弁護士
AVライター
AV愛好家

(再掲。金尻カズナさん)
実質的な奴隷状態になっている

奴隷という文字をみると、香西咲さんのことが脳裏を過(よ)ぎります。

(2016年6月23日 香西咲さんのツイートより、引用。)

香西咲さん
数年前は監視が酷かったから。
少しネガティヴ吐いただけで相手方弁護士から電話かかってきたり。
監視は今も無くはないけど。

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IPPA(メーカー団体)は、こう言っています。

(再掲。IPPA)
女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られているものと真に考えており

あのときの香西咲さんに成就感はあったのでしょうか。

(2016年7月14日 「週刊文春」2016年7月21日号より、引用。改行を施しています。)

香西咲さん
事務所の言いつけ通りに仕事をこなす日々。
夢のためにと笑顔をつくって自分を奮い立たせたが、気がつけばアルコールと睡眠薬が必需品になっていた。

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IPPA(メーカー団体)は、こうした搾取を隠蔽したいようです。

(再掲。IPPA)
当協会及び各メーカーは、『全ての出演女優は性的搾取の対象であり被害者である』との社会的非難から、彼ら・彼女らを守っていくべき責務がある

北原みのりさんの記事にもどります。

(2017年3月28日 琉球新報「AV、風俗も『性搾取』 『性と国家』の北原みのりさん」より、引用。)

北原みのりさん
AVの被害が訴えられないのは、出演料が発生していたり、映像が流通する中、声を上げるとさらに広まったりする恐れがあるから。
表現の自由を盾に、あたかも(監督や出演者を)表現者のように祭り上げるのは新たな暴力を生んでいるし、被害者の口をふさいでいる。

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(再掲。北原みのりさん)
(監督や出演者を)表現者のように祭り上げるのは新たな暴力を生んでいるし、被害者の口をふさいでいる

いまIPPA(メーカー団体)がおこなっているのは、被害者の口封じです。

(再掲。IPPA)
女優を中心とする製作者全員の自己実現の一つの態様として映像作品が作られているものと真に考えており

こいつらには到底、香西咲さんの苦しみを理解することはできないでしょう。

(2016年7月7日 「週刊文春」2016年7月14日号より、引用。)

香西咲さん
青木の支配下に置かれていた頃、私にとってAV撮影は自傷行為そのものでした。
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最後に北原みのりさんは、以下のことばでまとめています。

(2017年3月28日 琉球新報「AV、風俗も『性搾取』 『性と国家』の北原みのりさん」より、引用。)

北原みのりさん
まず被害者がこれだけいるということを、言っていかないといけない。
被害を訴えることと、男たちの需要をやめるのを一緒にやっていかないといけない。

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<出演強要の実行者、加担者>
DMM
メーカー
プロダクション
スカウト
悪徳弁護士
AVライター
AV愛好家

(再掲。北原みのりさん)
男たちの需要をやめるのを一緒にやっていかないといけない

こちらについても、法律による規制が必要なようです。
それにしても、AV愛好家というのは、あわれな存在です。
同じ男として、なさけないです。
なぜこのような人間になってしまったのでしょう。
親の責任なのか、それとも本人が悪いのか。
AV愛好家がまともな人間になれる可能性はあるのでしょうか。
もしもないのだとするのならば、法律で規制するしかありません。
政府の対応を期待しています。

(2017年5月19日 2時 ロイター「AV強要対策で専門官配置へ」より、引用。改行を施しています。)

政府は、アダルトビデオ(AV)への出演を強要される女性の被害が増えている現状を踏まえ、全国の都道府県警に専門官を配置する方針を固めた。
取り締まりの強化に本腰を入れる。
19日に首相官邸で開催する関係省庁対策会議で正式決定する。
政府関係者が18日、明らかにした。
専門官は、AV出演強要問題への対応を統括する立場として各都道府県警で指定する。
専門官を中心に、法令を厳格に適用した取り締まりの推進や、勧誘行為の摘発強化、相談窓口の周知徹底などに取り組む。

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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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