香西咲さんは虐げられた女性を救うために身を粉にされています。いつの日か、「いまの女性のしあわせな顔をみるとうれしく思います」と口にされる日がくるのでしょうか

昨日のつづきです。
終戦後、政府は、松本烝治国務大臣を委員長とした憲法問題調査委員会を発足させました。
あたらしい憲法案を作成するのが目的です。
GHQの意に反して、同委員会で検討されていたのは、大日本帝国憲法と同等の内容でした。
業を煮やした最高司令官のマッカーサーは、部下たちに対して、GHQ独自の草案づくりを指示します。
女性の権利に関する条項を担当したのが、ベアテ=シロタ=ゴードンさんです。
当時、22歳でした。
 
(2007年5月1日 東京新聞「日本国憲法の『男女平等』を起草した ベアテ・シロタ・ゴードンさん Q憲法にどんな思いを込めましたか?」より、引用。改行を施しています。)

豊田さん
草案づくりでは、どんなことを重視しましたか。

ベアテさん
集めてきたスカンディナビアや、ワイマール、ソ連の憲法には女性の基本的な権利だけでなく、社会福祉の権利もちゃんと書いてあったので、憲法にこれを入れたいと思いました。
民法を書くのは、官僚的な日本男性ですから、憲法にちゃんと入れないと、民法にも入らないと思ったんです。
民法を書く人が縮められないよう草案に詳しく書きました。

豊田さん
そのまま草案になったのですか。

ベアテさん
ケーディス(民政局行政部長)
「ベアテさんは日本女性のために、米国憲法以上の自由を書きましたね」
と言ってくれましたが、
「基本的な男女平等はいいが、社会福祉は憲法には合わない。そういうものは、民法に書かなければいけない」
と認めてくれません。
私、泣いちゃったんですよ。
反論したんですが、まだ22歳の私には大佐ほどの力はなく、戦ってもどうにもならない。
不満でしたが、基本的権利にとどめることを了承しました。

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(再掲)
社会福祉は憲法には合わない

アメリカらしい考え方です。

(再掲)
不満でしたが、基本的権利にとどめることを了承しました

ベアテさんがもとめた社会福祉や民法的な条項は削除されました。

(参考文献)
・ベアテ・シロタ・ゴードン著 平岡磨紀子構成「1945 年のクリスマス」柏書房
・鈴木昭典著「日本国憲法を生んだ密室の九日間」創元社

認められなかった条項

ベアテ草案(第15条)
妊婦と乳児の保育にあたっている母親は、既婚、未婚を問わず、国から守られる。
彼女たちが必要とする公的援助が受けられるものとする。
嫡出でない子どもは法的に差別を受けず、法的に認められた子ども同様に 身体的、知的、社会的に成長することにおいて機会を与えられる。

ベアテ草案(第20条)
養子にする場合は、夫と妻の合意なしで家族にすることはできない。
養子になった子供によって、家族の他の者たちが不利な立場になるような特別扱いをしてはならない。
長男の権利は廃止する。

ベアテ草案(第23条)
すべての公立、私立の学校では、民主主義と自由と平等および正義の基本理念、社会的義務について教育することに力を入れなければならない
学校では、平和的に向上することを、もっとも重要として教え、常に真実を守り、科学的に説明されたことや、その研究を尊ぶことを教えなければならない。

ベアテ草案(第24条)
公立、私立を問わず、児童は医療、歯科、眼科の治療を無料で受けられる。
成長のために休暇と娯楽及び適当な運動の機会が与えられる。

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「すべての公立、私立の学校では、正義の基本理念について教育することに力を入れなければならない」
日本国憲法のなかに、ぜひ、ベアテ草案のこの文言をいれてほしかったです。

(2017年5月1日 朝日新聞「AV出演強要、被害者の告白が官邸の中枢を動かした」より、引用。改行を施しています。)

<一部分を引用>
辻丸さん
AV男優の辻丸さん(55)は
「最大の問題は、業界にかかわる男たちが強要と認識せず、仕事として頑張らせているだけだと思っている点。今は、出演者が安心して働けるように改善する絶好の機会だ」
と話し、意識改革を訴える。

(辻丸さんのツイッターより、引用。改行を施しています。)

2017年4月22日
被害事例が出る度に、内輪から「聞いた話」でもって
「捏造」
「冤罪」
「詐欺」
「言いがかり」
と断じるAV業界。
結局、大事なのは現「業界人」であって、被害者という元「出演者」の
「自己決定権」

「安全」

「人権」
もどうでもいいらしい。
なるほど、これでは
「分かり合えない」
「仲良く出来ない」。

DMM
メーカー
プロダクション
スカウト
悪徳弁護士
AVライター
AVマニア

このものたちの内に、正義の理念はありません。
国家にも責任があります。
こうした輩(やから)の出現をゆるしているのですから。
「すべての公立、私立の学校では、正義の基本理念について教育することに力を入れなければならない」
憲法のなかに加えてほしかったです。
つぎに、ベアテ草案が、日本国憲法のどの条文に反映されたのかをみてみます。

認められた条項

(2007年5月1日 東京新聞「日本国憲法の『男女平等』を起草した ベアテ・シロタ・ゴードンさん Q憲法にどんな思いを込めましたか?」より、引用。改行を施しています。)

豊田さん
日本側はGHQの草案をすんなり受け入れたのですか。

ベアテさん
日本政府には
「これを基本に日本の憲法をつくってください」
と草案が渡されていました。
一カ月後、日本政府代表者とGHQとの会議があり、私は通訳として呼ばれました。
会議は午前十時から始まり、すぐに私たちの草案を議論しているんじゃないことが分かりました。
日本側は全く違う憲法案をつくってきたのです。
ですから、日本側の案を英訳したり、ケーディス(民政局行政部長)の返事を日本語に訳したり、議論があっちこっちに飛んで進みません。
そうしたら、(当時外相だった吉田茂元首相の側近)白洲次郎さんが、書類をテーブルに置いて、どこかに行ってしまいました。
それは私たちの草案の日本語訳でした。
ケーディスは、この草案をベースにしようと言い、それ以降、議論が少し楽になりました。

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(再掲)
日本政府には『これを基本に日本の憲法をつくってください』と草案が渡されていました

前後の流れは以下のとおりです。

1946年2月4日
 GHQのホイットニー民政局長が、民政局員に、マッカーサー草案の作成を指示する。
  8日後
1946年2月12日
 マッカーサー草案が完成する。
  1日後
1946年2月13日
 GHQのホイットニー民政局長が、松本国務大臣と吉田外務大臣に、マッカーサー草案をわたす。
  19日後
1946年3月4日
 GHQと日本政府との間で、最終的な協議がおこなわれる。

ベアテ草案は、どの条文にもりこまれたのでしょうか。

ベアテ草案(第6条)
すべての人間は法の下に平等である。人種、信条、、門地、国籍による、政治的、経済的、教育的、社会的関係における差別はいかなるものも認めず、許容しない。
  
日本国憲法 第14条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
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男女の平等が実現しました。

(2007年5月1日 東京新聞「日本国憲法の『男女平等』を起草した ベアテ・シロタ・ゴードンさん Q憲法にどんな思いを込めましたか?」より、引用。改行を施しています。)

ベアテさん
(略。)男女平等の条項が(議題に)出てきました。
日本側は最初
「これは日本の歴史、文化に合わない。憲法には入れられない」
と言ったので、激しい議論になりそうでした。
でも、ケーディス(民政局行政部長)はこう言ったんです。
「女性の権利はシロタさんが書きました。通しましょう」
日本側はそれを聞いてびっくりしたと思いますが、私は通訳が早く、日本側からも信頼されていたので、日本側も最後には男女平等を受け入れてくれました。

つぎは、結婚についてです。

ベアテ草案(第18条)
家庭は、人類社会の基礎であり、その伝統は善きにつけ悪しきにつけ国全体に浸透する。
それ故、婚姻と家庭とは法の保護を受ける。
婚姻と家庭とは、両性が法律的にも社会的にも平等であることは当然である。
このような考えに基礎をおき、親の強制ではなく相互の合意に基づき、かつ男性の支配ではなく両性の協力に基づくべきことをここに定める
これらの原理に反する法律は廃止され、それに代って配偶者の選択、財産権、相続、本居の選択、離婚並びに婚姻及び家庭に関するその他の事項を、個人の尊厳と両性の本質的平等の見地に立って定める法律が制定されるべきである。

  
日本国憲法 第24条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない。
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ベアテ草案をみて、婚姻とは関係のない別の事柄が頭にうかびました。
出演強要です。
強制ではなく相互の合意に基づき、かつ男性の支配ではなく両性の協力に基づくべきことをここに定める
業界人に欠落しているのはこの精神です。

ベアテ草案(第19条)
妊婦と幼児の保育にあたっている母親は、既婚、未婚とを問わず、国から守られる。
彼女たちが必要とする公的援助が受けられるものとする。
嫡出でない子どもは法的に差別を受けず、法的に認められた子ども同様に、身体的、知的、社会的に成長することにおいて機会を与えられる。

ベアテ草案(第29条)
老齢年金、扶養家族手当、母親の手当、事故保険、健康保険、障害保険、失業保険、生命保険など十分な社会保障制度は法律によって与えられる。
その保障は、国連機構、国際労働機関の基準によって最低の基準を満たさなければならない。
女性と子供、恵まれない集団の人々は特別な保護が与えられる。
国家は個人の責任や義務を怠った場合でない限り、国民を守る義務がある。

  
日本国憲法 第25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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ベアテ草案の19条と29条が、生存権というかたちで具現化しました。

ベアテ草案(第26条)
すべての日本の成人は、生活のために仕事につく権利がある。
その人にあった仕事がなければ、その人の生活に必要な量低の生活保護が与えられる。
女性は専門職業および公職を含むどのような職業にもつく権利をもつ。
その権利には、政治的な地位につくことも含まれる。
同じ仕事に対して、男性と同じ貨金を受ける権利がある。

ベアテ草案(第25条)
学齢の児童、並びに子供は、賃金のためにフルタイムの雇用をすることはできない。
児童の搾取は、いかなる場合であれ、これを禁止する。
国際連合ならびに国際労働機関の基準によって、日本は最低貨金を満たさなければならない。

ベアテ草案(第29条)
老齢年金、扶養家族手当、母親の手当、事故保険、健康保険、障害保険、失業保険、生命保険など十分な社会保障制度は法律によって与えられる。
その保障は、国連機構、国際労働機関の基準によって最低の基準を満たさなければならない。
女性と子供、恵まれない集団の人々は特別な保護が与えられる。
国家は個人の責任や義務を怠った場合でない限り、国民を守る義務がある。

  
日本国憲法 第27条
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
3 児童は、これを酷使してはならない。

日本国憲法第27条にも、ベアテ草案の29条が関係します。
女性と子供、恵まれない集団の人々は特別な保護が与えられる
この箇所が、憲法の
児童は、これを酷使してはならない
に生かされました。

(再掲。ベアテ草案26条)
女性は専門職業および公職を含むどのような職業にもつく権利をもつ

こうした女性の権利を剥奪しているのが、業界人です。
出演を強要することによって、女性の未来をつぶしています。
女性は専門職業および公職を含むどのような職業にもつく権利をもつ
この一節が憲法のなかにもりこまれてほしかったです。
以上、3日間にわたりまして、ベアテ草案についてみてきました。
昨日もふれました。
現代のベアテさんは、香西咲さんです。
虐げられた女性のために身を粉(こ)にされています。
いつの日か、香西咲さんの口から、ベアテさんと同旨のことばがでてくることを願っております。

(鈴木昭典著「日本国憲法を生んだ密室の九日間」創元社刊より、引用。改行を施しています。)

ベアテさん
今の日本の女性の幸せな顔を見ると、とても嬉しく思います。
世界には、まだまだ不幸な立場の女性が大勢います。
そんな国は多いのです。
こんどは、日本の女性が、世界に出かけて助けてあげて下さい。

(1993年のインタビューで)
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2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている

 (A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)(後編)に掲載されました。
2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
 私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
 だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)

(明日のブログへつづく)



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