昨日のつづきです。
本日も、関係府省対策会議の議事録についてみていきます。
関係府省対策会議 議事録
各議事録へのリンクページ
●「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議」
議事録
●3月21日 第1回目 議事録
●3月31日 第2回目 議事録
公明党は3月15日、官房長官に対して、中間提言をもうしいれました。
●遠山清彦 衆議院議員(公明党)
<2017年3月15日>
本日午前11時半、総理官邸で菅官房長官にお会いし、「AV出演強要問題についての中間提言」を申し入れました。佐々木さやか座長を先頭に、私も顧問として参加。若い女性の被害防止と救済支援強化のため、13項目を申し入れました! pic.twitter.com/BN7YYZB04e
— 遠山清彦 (@kiyohiko_toyama) March 15, 2017
本日午前11時半、総理官邸で菅官房長官にお会いし、「AV出演強要問題についての中間提言」を申し入れました。
佐々木さやか座長を先頭に、私も顧問として参加。
若い女性の被害防止と救済支援強化のため、13項目を申し入れました!
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提言は、13項目からなります。
公明党は、すべての内容をあきらかにしていません。
主たるものは、公明新聞と、佐藤茂樹衆議院のブログで紹介されています。
佐藤議員は、遠山議員と同じく、出演強要問題プロジェクトチームの顧問です。
それぞれ、みてみます。
公明新聞
(2017年3月16日 公明新聞「『出演強要』問題 党プロジェクトチームが政府に提言」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
提言では、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターや警察などにおける相談・支援体制の充実を要望。法律違反の事例には積極的な取り締まりを求めたほか、必要な対策を「女性に対する暴力に関する関係省庁課長会議」などで省庁横断的に検討するよう要請した。
また、被害の予防に向けて、政府広報や学校などにおける周知・啓発の重要性を指摘。
特に、地方から進学・就職で上京する若い女性の被害が多いため、4月に周知・啓発の特別月間を設けるべきと提案した。
さらに、被害者が出演したAVの差し止め・回収や、インターネット上の動画削除でも効果的な救済手段の検討を要望した。
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つぎは、佐藤議員のブログです。
佐藤茂樹 衆議院議員(PT顧問)
(2017年3月15日 佐藤茂樹衆議院議員のブログ「AV出演強要問題について官房長官に申し入れ」より引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
●佐藤茂樹 衆議院議員(公明党)
業者の中には、AVに出演させるという意図を隠し契約させるケースも存在します。
また契約後には、高額な違約金を請求したり、親や学校にばらすなど脅したうえで断れないように追い込んだり、また強姦の模様を撮影するなど、極めて悪質な事例も報告されています。
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以下の記述が、公明党の提言内容です。
●佐藤茂樹 衆議院議員(公明党)
党プロジェクトチームとして、代表的なものとして、以下の点を要望いたしました。
1:性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを各都道府県に設置
2:相談窓口の設置と関係機関・民間支援団体との連携した相談・支援体制の整備
3:被害者保護のための捜査、訴追など積極的な介入
4:「女性に対する暴力に関する関係省庁課長会議」等で省庁横断的な対策の検討
5:被害者防止の啓発等の地域的な取り組み推進
6:地方から上京する若年女性への被害が多い4月などに周知・啓発の特別月間の設置
7:被害者が出演したAVの販売・配信の差し止めや被害拡大を防ぐための効果的な救済手段の検討
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公明新聞と、佐藤議員の記述をかさねてみます。
●公明新聞「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターや警察などにおける相談・支援体制の充実を要望」
●佐藤議員「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを各都道府県に設置」
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●公明新聞「法律違反の事例には積極的な取り締まりを求めた」
●佐藤議員「被害者保護のための捜査、訴追など積極的な介入」
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●公明新聞「必要な対策を「女性に対する暴力に関する関係省庁課長会議」などで省庁横断的に検討するよう要請した」
●佐藤議員「「女性に対する暴力に関する関係省庁課長会議」等で省庁横断的な対策の検討」
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●公明新聞「被害の予防に向けて、政府広報や学校などにおける周知・啓発の重要性を指摘」
●佐藤議員「被害者防止の啓発等の地域的な取り組み推進」
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●公明新聞「地方から進学・就職で上京する若い女性の被害が多いため、4月に周知・啓発の特別月間を設けるべきと提案した」
●佐藤議員「地方から上京する若年女性への被害が多い4月などに周知・啓発の特別月間の設置」
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●公明新聞「被害者が出演したAVの差し止め・回収や、インターネット上の動画削除でも効果的な救済手段の検討を要望した」
●佐藤議員「被害者が出演したAVの販売・配信の差し止めや被害拡大を防ぐための効果的な救済手段の検討」
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●公明新聞・・・・・・言及なし。
●佐藤議員「相談窓口の設置と関係機関・民間支援団体との連携した相談・支援体制の整備」
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佐藤議員のほうが、ひとつ、紹介している項目が多いです。
いずれにせよ、どれも、穏健な内容となっています。
唯一、目をひくのは、
「法律違反の事例には積極的な取り締まりを求めた」(公明新聞)
「被害者保護のための捜査、訴追など積極的な介入」(佐藤議員)
ぐらいでしょうか。
プロジェクトチーム(PT)の座長をつとめているのは、佐々木さやか参議院議員です。
1月の朝日新聞社のインタビューで、つぎのように語っていました。
(2017年1月26日 withnews「AV強要、公明党が対策チーム なぜ今?」より、引用。改行を施しています。)
●高野真吾記者、大内奏記者
(略)AV業界関係者からは、政治がAV業界に関与してくることに警戒感があります。
AVをめぐっては、過激な作品を中心に長年「表現の自由」との関係から議論が続いてきた過去の経緯もあります。
●佐々木さやか参院議員
警戒感を示しているかどうか、私自身は認識していません。
色々な表現主体の皆さんが、公権力が「表現の自由」に介入してこないかと思うのは、健全なことですし、必要以上の介入はあるべきでない。
今回、PTを立ち上げたのは、女性に対する人権侵害を防ぐためです。
AV業界の健全な発展にも資するものであり、業界関係者が心配する必要はありません。
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3月21日に第1回目の関係府省対策会議がひらかれました。
このなかで官僚が、以下の発言をしています。
(2017年3月21日 第1回関係府省対策会議「議事録」より引用。改行を施しています。)
<議事録の3ページ>
●内閣府大臣官房審議官
過激な内容のポルノの規制等につきまして、法規制も含めたあり方を検討すること。
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<議事録の5~6ページ>
●法務省刑事局長
もう一点目は過激な内容のポルノの規制等のあり方に関してでございます。
この問題につきましては、公明党からの提言の中におきましても、このポルノの規制が刑事罰則を設けることによる規制というものも含んだ形での提言になっていると承知しておるわけでございますが、この問題に関しては、かなり重い課題となると思いますので、関係省庁と協力して対応を検討してまいりたいと思います。
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会議でもちいられた資料のなかにも、つぎの文言があります。
(「いわゆるアダルトビデオ出演強要問題、「JKビジネス」問題等に関する今後の課題について(案)」より、引用。)
<議事録の4ページ>
○過激な内容のポルノの規制等の在り方について検討(法務省)
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もう一度、佐々木さやかPT座長の発言を確認します。
(再掲。佐々木さやかPT座長)
「公権力が『表現の自由』に介入してこないかと思うのは、健全なことですし、必要以上の介入はあるべきでない」
「業界関係者が心配する必要はありません」
公明党らしい言辞です。
表現の自由の橋頭堡(よりどころ)にふさわしい模範的な回答です。
(再掲。法務省刑事局長)
「公明党からの提言の中におきましても、このポルノの規制が刑事罰則を設けることによる規制というものも含んだ形での提言になっている」
公明新聞も、佐藤茂樹議員のブログも、このことについてふれていません。
おそらく公明党は、大英断をくだしたのでしょう。
(2017年2月6日 産経新聞「【東京五輪あと1264日】AV出演強要、根絶を」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
制作現場では違法行為が横行しているとも聞く。
意に反して出演させられる女性が少しでも減ることを願う。
(※この記事は、ネット配信されていません。)
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今後、どのような規制がおこなわれるのでしょうか。
制作現場での違法行為がなくなることを願っております。
第1回関係府省対策会議では、他にも重要な言及がされています。
<議事録の5ページ>
●法務省刑事局長
法務省刑事局からは2点発言をしたいと思います。
1点目は検察当局の対処のあり方でございます。
若年者を対象とした性的暴力に関しまして、検察当局におきましては、関係法で積極的に適用するなどして、厳正にこれまで対処してきているものと承知しておりますけれども、今後ともこの課題が政府の重要課題であることを周知するなどして、引き続き適切な対処を確保していきたいと考えております。
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過日のブログでもふれました。
公訴権を所持しているのは、検察です。
(参考。当ブログ)
・2017年3月31日
検察の起訴によって、裁判がはじまります。
法務省の刑事局長は、
「今後ともこの課題が政府の重要課題であることを周知するなどして、引き続き適切な対処を確保していきたいと考えております」
と、確言しました。
「この課題(若年者を対象とした性的暴力)が政府の重要課題」
1つ目の発言のあとに、刑事局長は、こうつづけました。
「もう一点目は過激な内容のポルノの規制等のあり方に関してでございます。この問題につきましては、公明党からの提言の中におきましても、このポルノの規制が刑事罰則を設けることによる規制というものも含んだ形での提言になっていると承知しておるわけでございますが、この問題に関しては、かなり重い課題となると思いますので、関係省庁と協力して対応を検討してまいりたいと思います」
と。
もう結末はみえています。
(2017年2月15日 幻冬舎plus「AV女優のセックス映像は永久に残り続けていいのか」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
AV業界側から被害にあった女性たちへの対応がほとんど聞こえぬまま、現状維持で撮影や販売は継続されている。
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愚かなやつらです。
ここで話題がかわります。
明日、内閣府の第88回「女性に対する暴力に関する専門調査会」が開催されます。
(参考。要項)
●日時 4月28日(金)13時00分~15時00分
●議題 「女性活躍加速のための重点方針2017」に盛り込むべき重点取組事項について
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3月24日の男女共同参画会議で、加藤勝信男女共同参画担当大臣がつぎの発言をしていました。
(議事録より、引用。)
○加藤大臣より「女性活躍加速のための重点方針2017」の検討方針について提案。
・来月、女性活躍推進法が完全施行して1年となるが、制度的枠組みは構築されつつあると認識。今後は、この枠組みに基づく取組を徹底する段階。
・さらに、我が国において、女性活躍を加速するためには、各界各層における自律的な取組を加速させることが非常に重要。
また、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題、「JKビジネス」問題等については、早急な対策の実施が求められている。
・重点方針2017には、このような基本的な考え方を踏まえ、重点的に進めるべき具体策を盛り込んでいく必要がある。
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出演強要に対する政府のとりくみは、一過性のものでない、ということがわかります。
おそらく業界人はいま、舌なめずりをして、嵐が通り過ぎるのをまっているのでしょう。
どうせ選挙までだろう、と高を括っているのかもしれません。
残念ながらそうではなさそうです。
政府は、「女性活躍加速のための重点方針2017」のなかに、出演強要問題を明記する意向です。
香西咲さんの人生をめちゃくちゃにした業界が、もだえ苦しんで滅びていくのをみとどけてあげます。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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