いささか旧聞に属します。
先週の月曜日に、参議院で、予算委員会がひらかれました。
この席で、公明党の佐々木さやか議員が、出演強要問題について質問しました。
安倍総理大臣も、答弁にくわわっています。
やりとりをみる前に、最近の出来事をふりかえってみます。
●3月14日(火)
・内閣府が、出演強要問題に関する報告書を完成させる。
↓
(1日後)
●3月15日(水)
・公明党が官房長官に、出演強要被害防止・救済のための中間提言をもうしいれる。
↓
(1日後)
●3月16日(木)
・内閣官房長官が記者会見で、出演強要問題について言及する。
↓
(5日後)
●3月21日(火)
・出演強要被害に関して、関係府省が、局長級会議(関係府省対策会議)を開催する。
↓
(3日後)
●3月24日(金)
・出演強要被害に関して、内閣府が、男女共同参画会議を開催する。
↓
(3日後)
●3月27日(月)
・佐々木さやか議員が、参議院の予算委員会で、出演強要問題をとりあげる。
佐々木さやか議員の国会質問
質疑と、応答につきましては、YouTubeに動画がアップされています。
出演強要問題に関する質問は、4分24秒のあたりからはじまります。
(YouTubeの動画)
(※出演強要問題に関する質問は、4分24秒のあたりから。)
動画とは別に、会議録も読みたいところです。
参議院のサイトを確認しました。
まだ公開されていません。
YouTubeの動画は、消える可能性があります。
とりあえず、ぼくのほうで、音声を文字化してみました。
<3月27日(月) 参議院予算委員会>
(全文)
●佐々木さやか 参議院議員
今日はですね、近年、18歳や20歳になったばかりといった若年女性を中心に被害が報告されているアダルトビデオの出演強要問題についてとりあげたいと思います。
モデルやアイドルになりませんか、と地方からでてきた若年女性に声をかける。
あとからAVの出演だとわかって、ことわろうとすると、莫大な違約金が発生する。
はらえないなら親に請求する、などと言ってですね、出演をせざるをえない状況に追いこむ。
被害者のなかには、みずから命を絶ってしまった。
こういうケースもあると報告されております。
若年者の判断力の未熟さや、法律知識の不足などにつけこむ手口というのは、ゆるしがたいことだと思っております。
公明党はこの問題について、プロジェクトチームで提言をまとめまして、先日、官房長官にもうしいれをうけていただきました。
提言をうけて、翌週には、局長級のですね、関係府省対策会議を開催していただきました。
迅速な対応に感謝をもうしあげます。
こうした被害がでないように、今後は、この対策会議でしっかりと議論をおこなっていただいて、政府をあげて、ぜひ早急にとりくんでいただけないでしょうか。
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●加藤勝信 男女共同参画担当大臣
アダルトビデオ出演強要問題については、いま委員からおはなしがありました。
まさに委員が中心となって、公明党において議論をいただきまして、3月15日に、相談体制の整備やとりしまりの強化、広報、啓発など13項目におよぶ提言をいただきました。
また政府においても、男女共同参画会議の専門調査会において、民間団体などからヒアリングを実施し、その現状と課題について報告書をとりまとめたところであります。
女性に対して、本人の意に反してアダルトビデオへの出演を強要することは、まさに女性に対する暴力、重大な人権侵害であります。
政府をあげてとりくんでいく必要があると考えております。
このため、この問題は、いわゆるJKビジネス問題などに関係府省庁などが連携して対応するため、私を議長として、関係府省庁関係会議を設置するとともに、先般、24日に、男女共同参画会議を開催いたしまして、その場においても、関係大臣から、4月から早急にとりくむ対策を中心に、今後のとりくみについて報告をいただきました。
委員ご指摘のように、4月から新年度がスタートいたします。
適切に対応できるように、まず3月中に、緊急に講ずる対策をとりまとめるとともに、5月中旬を目途に今後の政府のとりくみ方針をとりまとめたいと考えておりまして、いわゆるスピード感をもってしっかりとやらせていただきたいと思います。
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●佐々木さやか 参議院議員
スピード感をもって対応していただけるということで、ありがとうございます。
この3月中にまとめる緊急対策にですね、ぜひひとつ入れていただきたいと思いますのが、こうした被害や手口に注意をしてほしいという注意喚起、広報、啓発でございます。
被害者というのはだれにも言えずにですね、抱えこんでしまいますので、政府としてしっかりこの問題は、こういう被害はゆるされないことだと発信をしていただきたいと思います。
この春っていうのは、進学、就職、さまざま、若者の移動も多い時期でございますので、たとえば、4月に集中月間をもうけるとかですね、若者がよく利用するSNS、またインターネットのページで、広報、啓発をしていただくなど、効果的なとりくみをおこなっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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●加藤勝信 男女共同参画担当大臣
委員からもご指摘いただいておりますように、新年度なる4月、進学や就職等にともなって、若いみなさんの生活環境が非常におおきくかわる時期でもあります。
また、こうした時期に、変化するということにともなって、被害にあうリスクが高まることも予想されておりまして、あらたな被害者をうまない、また被害に仮にあってもですね、こまっているかたが相談できるよう、効果的な広報、啓発を実施していく必要があると考えております。
また、ご提案があったまさにこの4月を集中月間にしたらどうかというおはなしでありますけれども、月内に緊急に講ずる対策のとりまとめに向けて、そうした集中月間についても、しっかり検討させていただきたいというふうに思います。
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●佐々木さやか 参議院議員
ありがとうございます。
いまですね、広報、啓発をおこなっていただくわけですけれども、いまは、こういった問題に巻きこまれた場合に、そもそも、どこに相談したらいいのか、ということが明確になっておりません。
ですので、まずですね、こういうところに相談したらいいですよ、という窓口を明確にしていただいて、そのことを広く周知していただきたいと思います。
その相談窓口については、夜間対応ですとかですね、メール、SNS、そうしたことで相談ができるように、相談のハードルを低くしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
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●加藤勝信 男女共同参画担当大臣
性的な暴力の被害にあった場合、そのやっぱり、特別な心理的な状況ともうしあげたらいいんでしょうか、なかなか相談機関に相談できないっていうかたもいるというふうに承知をしております。
被害にあっているかたが、まさにこう気軽に、あるいは相談していく気持ちになっていく、まあそういうこともふくめて、いろいろ工夫や周知が必要だと考えておりまして、内閣府では、これは来年度の予算なんですけれども、被害者への効果的な相談、支援のありかたについて、調査、研究をおこなうための予算を盛りこんで、いまご審議をしていただいておりまして、被害者に寄り添った効果的な方法をしっかりと検討していきたいと思っております。
また内閣府は、今月中に作成するホームページにおける相談窓口の周知については、いまさまざまな相談機関があるなかで、相談したいかたがどこに相談したらいいのかってなかなかよくわからないっていうおはなしもいただきます。
こまったときにはまず、ここに相談してくださいという、まさに入口になる相談窓口、この周知をしっかりと進めていきたいと思っております。
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●佐々木さやか 参議院議員
最後に、総理にうかがいますが、政府は1億総活躍社会をかかげ、女性や若者の活躍に力を入れております。
こうしたAV出演強要問題というのはですね、女性に対する重大な人権侵害でありますし、性暴力であります。
このような被害に若年者が巻きこまれることのないように、しっかり対策をおこなうように、総理に最後にお願いをしたいと思います。
この問題に対する認識をお聞かせください。
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●安倍晋三 内閣総理大臣
若年層のですね、性的搾取や、女性に対する性暴力は、重大な人権侵害であり、国としてはその根絶をはかっていきます。
このため、配偶者等からの暴力、性犯罪、ストーカー行為など、それぞれの実態に応じたとりくみを進めています。
特に、アダルトビデオ出演強要問題については、佐々木議員が中心となってとりまとめられた御党の提案もうけまして、さっそく加藤大臣を中心に政府一体となってとりくむ体制を立ちあげたところであります。
そのもとで、実態の解明、とりしまりの強化、予防のための教育、啓発の強化、そして被害者が相談できる体制の充実などのとりくみを加速していきます。
女性が安心して暮らせる環境を整備することは、女性活躍を推進するうえの大前提であり、政府としてしっかりと対応してまいります。
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●佐々木さやか 参議院議員
ありがとうございました。
以上で、おわります。
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安倍総理大臣の口から、
「アダルトビデオ出演強要問題」
ということばを聞くことができました。
感慨深いものがあります。
答弁の内容も、誠意のあるものでした。
「とりしまりの強化(略)などのとりくみを加速していきます」
「政府としてしっかりと対応してまいります」
行政の長である総理大臣がこのように約束をしたのです。
「とりくみが加速」していくことはまちがいありません。
佐々木さやか議員の発言も苛烈でした。
(再掲。佐々木さやか議員)
「あとからAVの出演だとわかって、ことわろうとすると、莫大な違約金が発生する。はらえないなら親に請求する、などと言ってですね、出演をせざるをえない状況に追いこむ」
「被害者のなかには、みずから命を絶ってしまった」
「被害者というのはだれにも言えずにですね、抱えこんでしまいますので、政府としてしっかりこの問題は、こういう被害はゆるされないことだと発信をしていただきたいと思います」
「こうしたAV出演強要問題というのはですね、女性に対する重大な人権侵害でありますし、性暴力であります」
怒気が感じられます。
予算委員会のあとの流れを記します。
●3月27日(月)
・佐々木さやか議員が、参議院の予算委員会で、出演強要問題をとりあげる。
↓
(4日後)
●3月31日(金)
・出演強要被害に関して、関係府省が、第2回目の局長級会議(関係府省対策会議)を開催する。
・警察庁が全国の警察に、通達をだす。
↓
(5日後)
●4月5日(水)
・出演強要被害に関して、内閣府が、第87回女性に対する暴力に関する専門調査会を開催する
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3月31日の関係府省対策会議で、政府は、出演強要に対するとりしまりの方針を決定しました。
(引用)
「 関係機関等とも連携し、関係機関等から警察に提供のあった情報も踏まえ、アダルトビデオ出演強要問題については、強姦罪、強要罪、労働者派遣法等の、『JKビジネス』問題については、労働基準法、児童福祉法等の各種法令を適用した厳正な取締りを推進する。(警察庁、法務省)」
この文言について、公明党は、つぎのように解釈しています。
(2017年4月4日 公明新聞「女性の味方公明党を語ろう」より、引用。改行を施しています。)
<一部分を引用>
明子 PTは3月15日、政府に対して対策に関する中間提言を申し入れて、「本人の意思に反した出演は著しい人権侵害であり、深刻な暴力だ」と訴えたわ。提言を受けて同21日、関係省庁局長級会議の初会合が開かれたの。
友美 さっそく政府を動かしたのね。
公恵 そして同31日には、政府が緊急対策をまとめました。刑法の強姦罪や労働者派遣法など関係法令を厳格に運用して取り締まりを強化するとともに、街頭での勧誘行為に対する指導・警告も徹底するものです。進学や就職で生活環境が変わりやすい4月を「被害防止月間」とすることも決まりました。
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(再掲。公明新聞)
「刑法の強姦罪や労働者派遣法など関係法令を厳格に運用して取り締まりを強化する」
公明党は、
「強姦罪を厳格に運用」
という表現をもちいています。
「運用」とはどのような意味でしょうか。
広辞苑には、
「うまく機能を働かせ用いること」
と、書かれています。
政府は、強姦罪を運用して、犯罪者たちを逮捕する意向のようです。
(2017年2月19日 日刊SPA! 「AV業界“ドロドロ相互不信”の内幕…手をつくして攻めてくる警察捜査、関係者に疑心暗鬼が蔓延」より、引用。)
□青木亮
□大西敬
□高畠典子
□坂田恵理子
□坂上孝志
□A-TEAM 飯田正和
□T総研のY
□メーカー関係者
強姦罪は20年以下の懲役です。
執行猶予はつきません。
政府による強姦罪の運用を期待しています。
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■2016年07月07日 香西咲さんの特集記事(1)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月14日 香西咲さんの特集記事(2)が週刊文春に掲載されました。
■2016年07月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」)に出演されました。
■2016年07月20日 香西咲さんのインタビュー記事が、しらべぇに掲載されました。
■2016年07月27日 香西咲さんのインタビュー動画が、毎日新聞のWebサイトにアップされました。
■2016年07月29日 香西咲さんのインタビュー記事と動画が、毎日新聞のWebサイトに掲載されました。
(引用。A氏による衝撃の回答)
問「出演強要が社会問題化している。事務所の運営や女優との契約について見直しは?」
A氏「当然やっていく。今、弁護士と話して、きちんとしていこうとしている。」
(※A氏は、これまできちんとしていなかったことを認めました。)
■2016年08月27日 香西咲さんのインタビュー記事が、弁護士ドットコム(前編)・(後編)に掲載されました。
■2016年09月17日 香西咲さんがAbemaTV(みのもんたの「よるバズ!」【1】【2】【3】)に出演されました。
■2016年09月24日 香西咲さんのインタビュー記事(1)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月01日 香西咲さんのインタビュー記事(2)が、withnewsに掲載されました。
■2016年10月17日 香西咲さんのインタビュー記事(日本語訳)が、AFP通信のサイトに掲載されました。
■2016年12月28日 香西咲さんのインタビュー記事が、週刊文春に掲載されました。
■香西咲さんのツイッター
(香西咲さんの重要ツイート ~2016年7月18日)
私だって綺麗にリセット出来るならAVデビュー前の私に戻りたい。
だけど変えられない現状踏まえて立て直したのが今の形。(後略。)
(明日のブログへつづく)
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